CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
インドネシア/アンカサ・プーラIIのシランギット空港とスマトラの観光
27-Jul-2018
北スマトラのシランギット空港は、インドネシア政府の主導でトーバ湖での観光促進のため、急速に拡大しようとして居る。シランギットは、世界最大の火山湖で、インドネシア最大の観光資源の一つである、トーバ湖の南岸から10km未満に位置して居る。
2017年、シランギット空港は滑走路延伸とターミナルの拡大計画を完了した結果、空港は国際空港の資格を獲得して居る。2本目の滑走路とターミナル拡大計画は2020年までに完了の予定である。
インドネシアは国際観光を促進する計画の一部として、政府が所有する空港会社アンカサ・プーラIIが運営するシランギット空港に投資して居る。トーバ湖は現在は、アクセスとインフラの問題から、主に国内観光客の目的地になって居る。
Indonesia Angkasa Pura II's Silangit Airport & Sumatra's tourism
エバー航空:新しいアジア路線便=北米路線網に送客
26-Jul-2018
アジア域内の成長は、大陸間長距離路線の成長が受ける程の注目を浴びて居ないが、地域内需要の成長が、ますます幅広くなった長距離路線便の基礎となる、乗り継ぎ旅客を提供するのだ。
2018年7月、エバー航空は同社の12番目の東南アジアの目的地として、チェンマイ線を開設した。
エバー航空は、13番目、14番目としてペナンとヤンゴンを計画して居る事を明らかにした。同社はまたインドへも飛ぶ可能性がある。
台湾の「南進」政策は、北東アジアと差別化し、中国本土への依存を低減させるために、もっと東南アジアでビジネスを展開するよう、経済(交通と観光を含む)を叱咤激励するものだ。これらの新たな目的地はまた、エバーの全体の便数の半分近くを占める北米路線網を、より活発化する一助になる。エバーの北米線の旅客の半数は台北から先、主に東南アジアへと乗り継いで居るからだ。
新たな目的地は、特に他社があまり飛んで居ない地点は独自性を伸ばして呉れる。過去数年の急速な太平洋横断路線の拡大により、より多くの独自の都市組み合わせが必要になって居る。キャセイパシフィックの域内部門であるキャセイドラゴンは、これまで他の北東アジアのエアラインが飛んで居ない、東南アジアの2つの目的地を追加する予定だ。
Premium Analysis
西欧-中国間の航空市場=各国が参入する中ドイツがリード
26-Jul-2018
中国は、西欧からの供給席数で、米国、カナダに次いで第3の長距離路線市場である。このレポートは、供給席数と成長率からランク付けした、西欧各国の市場の全体像を俯瞰するものだ。
西欧から米国への市場に比べ、この市場は、主導的な国の支配が弱く、より細分化されて居る。とは言え、西欧-中国間の供給量で首位の5か国、ドイツ、フランス、英国、オランダそしてイタリアは、欧州ー中国間の供給席数の半数以上を支配して居る。
2017年夏以来、アイルランド、ギリシャ、そしてポルトガルが、欧州ー中国間市場に追加されて居て、一方スペイン、オーストリア、ベルギー、英国そしてイタリアは全て、過去5年間にわたり、中国への供給で、2桁の平均成長率を記録して居る。
LCC各社は欧州ー中国間ではとても小さな存在感しかないが、海南航空(欧州ー中国間で急速に伸びて居るもう一つの参入社である)も所有する、HNAグループの各社のお陰で、存在が感じられる様になりつつある。
Western Europe-China aviation: Germany leads as other countries enter
ターボプロップ貨物機=セブパシフィック、最初の低コスト貨物エアラインに
24-Jul-2018
今年の後半、セブパシフィックは、貨物便を運航する初の低コストエアライングループとなる予定だ。最近、セブパシフィックは2機のATR-72-500を改修する事を明らかにしたが、今後は所有する8機のATR-72-500旅客機を、全て貨物機に改修する可能性がある。
CAPA保有機データベースによれば、現時点で、世界では100機を少し超えるATR貨物機が運航されて居り、大型ターボプロップ貨物機の保有機数は合計で600機弱である。ATRは貨物市場については強気な見通しで、向こう20年間に、新たにラインアウトしたATR-72-600Fと古いモデルの改修型を併せて、460機のターボプロップ貨物機が納入されると予測して居る。
需要は特に東南アジアで強いと予想される。現在は、東南アジアでは、ターボプロップ旅客機が400機なのに比べ、運航されて居るターボプロップ貨物機はたった10機である。
Turboprop freighter aircraft: Cebu Pacific becomes first cargo LCC
長距離低コストエアライン=欧州のLCC各社に商機が
23-Jul-2018
欧州の近・中距離LCCと長距離運航会社(フルサービスも低コストも)の間の提携関係が、徐々に出現するのを牽引して居る、2つの要素がある様だ。
その一つ目は、欧州LCC各社は、近・中距離でなら長距離路線網を持つ他の競争相手より、可なり低い単位コストで運航できる事だ。長距離運航会社にとって、コスト効率の非常に良い送客を得られると言う事は、特にLCC路線網がより多くの主要空港をも含む様に拡大しつつあり、魅力的な考えである。
然しながら、殆どのLCCは、特に独立した所有形態の運航会社は、長距離の提携相手を受け入れるために、自からの路線網やスケジュールを適合させる事で、どんな方法であろうとコストが上がったり、手順が複雑化してしまう可能性を持ち、彼らのビジネスモデルを修正する事になるコードシェア提携には、消極的である。
二つ目の要素は、欧州の長距離LCC(LHLC)の出現である。丁度、フルサービスの長距離路線と同様に、LHLCにも一般的に言って、送客が必要である。欧州のLHLCを主導するノルウエーエアは、自らの近・中距離路線網から送客をするのだが、それでも他社との提携には扉を開いて居る(イージージェットの「世界」乗り継ぎ提携に参加して居るのが良い例である様に)。
2018年10月4日~5日、スペイン・セビリアで開催されるCAPAの「低コスト長距離路線世界サミット」では、LCC各社と長距離運航会社間の提携に関するパネルもプログラムに
含まれる予定である。
Premium Analysis
ぺルーの航空界=国内線の着実な成長とエアラインの野望
23-Jul-2018
ペルーの航空市場では、刺激策が功を奏しつつあると言う見通しが続いて居り、引き続き将来性が期待されて居る。この国の最大のエアライン、ペルーLATAM航空は、2018年第1四半期には、
堅固な旅客数拡大を記録して居る。ペルー第2の規模のペルー航空は拡大を続け、新会社の創設を目指して居り、また、20機に上るロシア製航空機の購入も明らかにして居る。
ビバグループは1年少し前に、ビバエア・ペルーをデビューさせてペルーでの事業を開始した。最近、同社は、事業開始初年度に50万人近くの顧客を取り扱った後、2018年には90万人以上の旅客を目標にして居ると述べて居る。
ペルーの国内市場での供給の伸びは、2018年も堅実なペースで続いて居るが、LATAMはそれが同社のこの国での業績の阻害要因になるとは考えて居ない。ペルーの経済成長もまた、堅実なペースで続いて居て、2018年の経済成長率は4%近くになると予測されて居る。
Peruvian aviation: steady domestic growth and airlines' ambitions
フィリピン:パングラオ/ボホールの新たな国際空港=観光を盛り上げる
23-Jul-2018
パングラオ島は、人気の高い、そして急速に成長するフィリピンの観光地点であり、その島のボホール国際空港は、2018年8月から商業運航にも開放されるべく準備の最中だ。
新たな空港は、特に国外からの観光客にとって、この島がぐっと近づき易くなるため、パングラオへの訪問客数にかなりの増加を生み出すと期待されて居る。パングラオには、年間60万人以上の観光客が来るが、全訪問客の僅か約1/3が外国人である。
パングラオは新空港の開港後に、閉鎖され再開発されるタグビララン空港から車で僅かのところにある。タグビラランはずっと小さな空港で、ボホール県の主都であるタグビラランの中心部から近いところにあるが、スペースが限られて居る。
Philippines: new international airport at Panglao/Bohol boosts tourism
Premium Analysis
アラスカエアグループとジェットブルー航空=提携の動きを変える
21-Jul-2018
ハイブリッド低コストエアラインである、アラスカエアグループとジェットブルー航空の2社にとって、国際的な提携関係は、非常に重要なものだ。アラスカは長いこと米国太平洋北西部の地の利を、提携を結び路線網を広げる事に活用して来たが、一方ジェットブルーはボストン、JFKやオーランドなどの都市に集中して居る強固な足場を活用して、全体の収入を向上させてくれる提携相手を惹きつけて来た。
過去数年間、デルタとエアフランスーKLMが同社との提携を切った事から、アラスカの提携相手は、その構成が変化して来た。新たなデルター大韓航空共同事業の開始により、アラスカの大韓との関係の行方は不確かなものになった可能性がある。
ジェットブルーは、JALの様に大きなネットワーク運航会社も含め、幾つもの提携先を持って居り、最近では大衆チャーター運航会社のジェットスイートXと、投資及びコードシェアの関係を結んで居る。
アラスカもジェットブルーも、近い将来、共同事業の立ち上げに動いて居る様子は無い。アラスカはバージンアメリカとの統合合併の最終段階にあり、ジェットブルーは、これらの提携は反競争的な水準まで市場の集中を生み出すものだと主張して、ずっと共同事業については強く批判して来て居る。
Alaska Air Group and JetBlue Airways alter partnership dynamics
Premium Analysis
欧州の地域エアライン:シティジェット/エアノストラム、ホップを追い抜く
現在提案されて居る、エアノストラムとシティジェットの間の統合合併は、保有機の規模から言って、欧州最大の域内エアラインを創り出す可能性がある。この両社が2018年7月17日、ファーンボロエアショーで、およそ7億ユーロの収入を持つ持ち株会社とグループを創成する基本合意書に署名したと発表したのだ。
CAPAの保有機データベースに拠れば、現在、保有機の数で欧州最大の地域エアラインは、エアフランス-KLMのホップで、第2位はフライビーである。イベリアのフランチャイズで運航するエアノストラムは、第5位で、シティジェットは第6位にランクされて居る。両社はボンバルディアのリージョナルジェットを飛ばして居るが、シティジェットは同時にスホーイのスーパージェットと伝説のBAE146保有機も持って居り、エアノストラムは小さなATRターボプロップも持って居る。これに加えて、両社ともかなりの第3社からのウエットリース機の運航も行って居る。
CAPA保有機データベースの記録では、現時点では(20187年7月17日現在)、67の地域航空会社が、1,043機の航空機を就航させて居る。今回のレポートは欧州の地域航空会社の就航中および発注済みの保有機群構成について見てみる。
Europe regional airlines: CityJet/Air Nostrum leapfrog Hop
HNAグループの航空機:新たなA330に納入遅れ
報道によれば、エアバスは、HNAグループのエアラインに向けたA330ジェット機の納入を差し控えて居る。ロイター通信によると、原因はHNAの財政的な問題の可能性がある。CAPA保有機データベースのデータでは、HNAのエアライン各社は多くのA330を、2017年末そして2018年中に製造させて居り、これらの機材は現在までに納入されて居なければならない。
他の要素の影響があるのかも知れない。CAPAの保有機データベースに拠れば、昨年秋以来、中国本土のエアラインは、全体として、中国以外の国のエアラインより、A330の製造された後、納入までの平均時間が長くなって居るのだが、HNAグループのエアラインは、その他の中国本土のエアラインの平均に比べ、更に長い時間がかかって居る。
A350は、中国管理当局の資格証明の手続きが遅い理由で、中国エアラインへの納入が遅れて居るのだが、これが遠からず解消された場合どうなるのか、多くの中国のHNAグループエアラインがA350を発注して居るために、相変わらず懸念が続いて居る。
中欧のエアライン:ウイズエアが主導、LOTポーランド航空が最速の伸び
19-Jul-2018
2018年6月遅く、LOTポーランド航空は、3機目のボーイング787-9と、4機目の737MAX-8を受領した。2018年6月現在で、LOTは、9機の737MAX-8、5機の787-9、そして4機のエンブラエルE190、合わせて18機の発注済み受領待ちの機材を待って居る。このポーランドのエアラインは、2016年、長いリストラの期間の後に、台頭し、力強い成長を取り戻した。
LOTのCEO、ラファウ・ミルチャルスキは、2018年6月早く、CAPA TVのインタビューに答えて、LOTは「中央欧州の、お気に入り」のエアラインになることを目指して居ると語って居る。現在、LOTは、供給席数で見ると、中欧で、リーダーのウイズエア、2位のライアンエアに次いで、第3位である。
然し、LOTは、中欧域内の路線では、既に最大のエアラインであり、域内では、実質、唯一の長距離運航会社である。
OAGスケジュールアナライザーのデータに拠れば、2018年の供給席数の伸びは、中欧で、10.5%であり、供給席数で、LOTは、域内で、最速の成長を示すエアラインである。
ウイズエアとライアンエアはこの地域全体の多くの国に於いて、大きな存在感を持って居る。今夏、LOTはポーランド外に基地を創ったし、ブダペストからニューヨーク/JFKとシカゴへと二つの大西洋横断路線も開設して居る。
Central Europe airlines: Wizz Air leads, LOT Polish growing fastest
Premium Analysis
航空のインフラ:欧州とアジアの危機
19-Jul-2018
欧州対アジア太平洋:二つの地域はより良い航空、そして地上のインフラへの法外な需要と言う課題を突きつけられて居る。
2018年、アジア太平洋と欧州のエアライン産業は、それぞれの地域に於いて、産業全体の予想の約25%を占める事を期待され、共に、80億ドルを超える堅固な純利益が予想されて居る。IATAに拠れば、旅客一人あたりの平均利益はアジア太平洋で7.58米ドル、欧州で5.10米ドルと予想されて居る。
一方、2017年はアジア太平洋と欧州は9.4%と8.2%と、よく似た需要の伸びを記録して居るが、両市場とも航空業界の発展段階としては多様な水準の国々を包含して居る。然し結果的には従来の傾向値に比べ、遥かに急速な成長である。
航空管制サービスの提供会社(ANSP)にとっては、空域の中の、既に混雑した部分は概してより繁忙になり続け、一方で最近の経済的な、そして航空業界の発展が、伝統的には静かだった地域に新たな航空需要の伸びを誘発して居る。
Premium Analysis
ジェット2.comのSWOT分析:ツアーオペレーター付きの低コストエアライン
18-Jul-2018
英国の低コストエアライン ジェット2.comは、その顧客サービス重視を反映し、顧客のレビューをもとにした、トリップアドバイザーの世界エアラインランキングのトップ10に入った、欧州で唯一のエアラインである。この事実は、姉妹会社ジェット2ホリデイズと一緒になって、価格だけによる競争と結びついた商品化から、一部解放してくれる。
ジェット2.comとジェット2ホリデイズ(同エアラインのほぼ半数の旅客に対しサービスを提供)は、ダートグループPLCのレジャー旅行部門の中の、一つの事業として経営がなされて居る。同グループは2018年3月までの年度に、収入で38%、営業利益で27%の増加を達成したが、営業利益率は0.5ポイント落ちて、5.5%となった。レジャー旅行部門はグループ全体よりわずかに高い利益率を示すのが通例だが、2年目の現在も小規模の減退を経験して居る。
今回のレポートはジェット2.comの強味(strengths)、弱み(weakness)、商機(opportunitiies)、そして脅威(threats)について考える。現在のバランスは強味と商機に動いて居るが、弱みと脅威も目に見えて居る。
Jet2.com SWOT: a low cost airline with a tour operator attached
プレミアムエコノミー:タイ航空、伸び盛りのトレンドに追従を検討
18-Jul-2018
タイ航空は過去数年間、東南アジアのそして世界の、より主流になりつつある、プレミアムエコノミー商品の導入を評価検討して居る。
今やアジア太平洋の12社以上のフルサービスエアライン、そして世界の20社以上のFSCがプレミアムエコノミーを提供して居る。
過去3年間に、東南アジアの3つのフラッグキャリアー(フィリピン航空(PAL) 、シンガポール航空(SIA)、ベトナム航空)が、プレミアムエコノミーを導入して居る。ベトナム航空とPALの例は、レジャー市場にもプレミアムエコノミーの潜在需要がある事を示して居る。タイ航空にとっては、プレミアムエコノミーが第6の自由の業務渡航需要をつかむ競争を助けてくれるが、タイは主としてインバウンドのレジャー市場である。
タイ航空は、2019年或は2020年の受領を予定して、間もなく発注する新しい広胴機に、プレミアムエコノミーの客室を採り入れる事を検討して居る。タイ航空はまたこれから計画して居る777-200ERの改修でも、プレミアムエコノミー客室の装着を検討して居る。
Premium economy: Thai Airways considers joining the growing trend
Premium Analysis
17-Jul-2018
米国の課した関税が引き金となった、米国とカナダ間の貿易摩擦にも拘わらず、両国の航空旅行市場は安定して居る。この市場に乗り入れて居る、全ての大手エアラインは、北半球のハイシーズンが始まるのに合わせ、両国間の供給席数を増やして居る。
米国とカナダの間を運航する最大のエアラインである、エアカナダは、米国の小規模な市場から、自社のハブを通じた国際線乗り継ぎ戦略を続ける事によって、同社の国境越え市場では、2018年第2四半期も引き続き堅固な収入の伸びを予測して居る。新たに開設した路線の幾つかは、同社の乗り継ぎ需要をテコ入れしようとする努力を反映して居る。
この貿易論争がデルタとウエストジェットの国境越えの共同事業を形成しようとする野望、そしてこれによく似たエアカナダとユナイテッドのタイアップ構想にどんな影響があるかはまだ分からない。これらの企業の提携の実現に貿易紛争が関係するべきではないが、米国の貿易政策に引きずられた不確実性がこれらタイアップの皮算用を変える可能性はある。
US-Canada airline market: demand steady but tariffs create doubts
台湾−豪州=中華航空、エバー、対抗する戦略
17-Jul-2018
台湾は、豪州への航空路が外国社にのみ結ばれて居る数少ない市場の一つだ。豪州=欧州カンガルー路線の台北経由の乗り継ぎ需要を獲得しようとする大胆な施策の一部である中華航空の拡大で、昨年(目覚ましい)28%の伸びがあった。この伸びは2018年から2019年のピーク期にも続きつつあり、シドニー線の便数減で相殺されるが、ブリスベーン、メルボルン線の大型化により、5%の拡大が予測されて居る。
エバー航空は、定期便はブリスベーン線のみと、中華航空に比べ、かなり小さな足跡しか持って居ない。エバーは、A330-200を、間もなくやって来る787-9に更新する事で、豪州での供給席数を伸ばす予定だ。
カンタスとジェットスターは豪州から台湾へは直航便を持って居ない(カンタスは中華航空とコードシェアをして居る)。台北は同グループの路線優先順位のリストでは下の方にある。最近のアジアの成長によって、北京と大阪への新規/復活便が実現して居る。ソウルは対抗馬であるが、多分台北より先に便の開設となりそうだ。
Premium Analysis
米国の航空界:モクシーとジェットブルー、偶然にもエアバス220を発注
17-Jul-2018
デイビッド・ニールマンが、若しかしたら米国の市場にモクシーとともに帰って来ると言う話が、彼のビジネス構想から、そして、60機の発注により、北米でのCシリーズ航空機プログラム(今やA200になった)に力強い後押しをすると言う事の双方から、かなりの関心を呼んで居る。
成功するエアラインを立ち上げると言う点で、ニールマン氏の功績に疑いの余地は無く、理論的に言って、モクシー(そのエアラインの仮称)の事業計画は妥当である。然し、米国最大のエアライン各社も、新規参入社との闘いについて、例え、構想では、統合の流れにふるい落とされて露頭に迷ってしまった米国の副次的な空港から運航すると言うものだとしても、黙って胡坐をかいている訳では無い。
モクシーの商品提案は、米国の副次的空港に就航して居る幾つかの超LCCの提供するものより魅力的であるが、副次的な空港からの旅客の水準が、60機を保有するエアラインを支え得ると結論するのは、まだ難しい。
2000年代始めにニールマン氏が創設したエアラインであるジェットブルーもまた、Cシリーズプログラムに、モクシーが発注したと報じられた同じモデルを発注して、力強い後押しを与えたばかりである。
この機材はジェットブルーのエンブラエル190の更新機材であり、ジェットブルーの発注とモクシーの計画が市場に浮上したタイミングは偶然かも知れない。ジェットブルーはこの機材に異なった使命を持たせようとして居て、同社の最新の航空機発注が単にエンブラエル190の更新であり、同社の路線網戦略への変更を示唆して居るものでは無いことを強調して居る。
US aviation: Moxy and JetBlue, coincidentally ordering the Airbus 220
A330-900neo=ライオングループ、エアアジアXを飛び越してアジア初のA330-900neo運航会社に
16-Jul-2018
ライオングループは、エアアジアXを追い越して、アジアで最初のA330-900neoの運航会社になろうとして居る。インドネシアを本拠地とするライオンと、タイライオンエアは、それぞれ、2019年、A330-900neoの最初のグループの2機を受領する計画で、これにより、2つのライオンブランドのエアラインが、WOWとアズールに次いで、この新型機を使用するLCCとしては3番目と4番目になるのだ。エアバスは、ローンチオペレーターとなるTAPポルトガル航空への納入を前にして、目下A330-900neoの認証取得の最終段階にある。この航空機は、エアバスが、パッとしなかった最初の4年間の後に、A330neoプログラムへの新たなコミットメントを宣言するのに躍起になって居り、2018ファーンボロエアショーで今週、実際にデモ飛行の予定である。
エアアジアXは、全発注機数232に対し66機を占め、帳簿上は依然としてA330-900neoの最大の顧客であり、当初はアジアで最初の運航会社であると同時に最初のLCCとなる予定であった。然し、エアアジアXは繰り返し、受領を延期し、時には代わりに787を発注すると脅して居たのだが、現在はA330-900neoに再度コミットしつつあると報道されて居り、今週ファーンボロで発表の可能性がある。然し、A330-900neo初号機の受領は早くとも2020年だろう。
A330-900neo: Lion Group leapfrogs AirAsia X as first Asian operator
Premium Analysis
シンガポール−米国間市場:直航便、週間21便から41便に増加
16-Jul-2018
シンガポールー米国間市場には、現在21便、2年少し前には、ゼロだったのに比べ、2018年12月には41便の直航便が飛ぶ事になる。多分、航空機の新技術にこれ程恩恵を受けた所も無いだろう。
シンガポール航空(SIA)とユナイテッド航空は、A350-900と、787-9を2016年の開設時にシンガポールからサンフランシスコ間の直航便に使った。SIAは、2018年第4四半期にロサンゼルスとニューアークへの直航便を復便するのに、そしてサンフランシスコへの供給増の為に、新しいA350-900ULRを使う予定だ。
SIAのビジネスクラスの供給は、向こう数か月間に50%増え、プレミアムエコノミーの供給は、驚くことに150%も増加する。片道3,100席のビジネスクラス席、そして2,800席を越えるプレミアムエコノミー席を埋めるのは難しいということが、判明するかも知れない。
Singapore-US market: nonstop flights rise from 21 to 41 services pw
Premium Analysis
低コスト海峡越え鉄道=現行サービスと厳しい競争
12-Jul-2018
ユーロトンネルグループ(現ゲットリンクグループ)は、コンサルタントのロナルドバーガーに英国とフランスの間に「低コスト」鉄道の運行を導入する可能性について検証を依頼して居る。この検証は、SNCF(フランスの国有鉄道)やターリス(SNCFとSNCB「ベルギー」及びドイツ国鉄による、欧州の高速鉄道共同事業)によく似た運行モデルの概要を描いて居る。
通常のユーロスターの運賃から、25%〜30%の割引が予想され、検証によると、この場合の所用時間は、2時間20分から3時間を僅かに越える程度に伸びる。
この提案では、旅客は、郊外の駅に自ら向かい、この列車に乗り込み、遠回りの古い線路を使って、パリ郊外まで行き、そこで、また違う列車に乗り換え、旅を終えねばならない。そして、複数の切符が必要である。また、英国内の郊外電車への乗り継ぎも無い。
低コストエアラインでの旅との基本的な違いは、それが、より安価であるだけでなく、地元の空港から、少なくとも最終目的地に最寄りの空港まで、一枚の切符で直接飛び、しばしば、より便利である事だ。
Low cost cross-channel rail: tough competition with existing service
Premium Analysis
シンガポール/セレター空港:新ターミナルがニッチな代替空港を提供
12-Jul-2018
2018年の末には、シンガポールの副次的空港セレターに、新しいターミナルがオープンする。この新ターミナルは、マレーシアの各地及び、可能性としてはインドネシアの各地点への、ターボプロップ便の為に使用される。
シンガポール/セレター=クアラルンプール/スバング線は、シンガポールとクアラルンプール間に高速鉄道を建設する計画を棚上げ、少なくとも延期すると言う、つい最近のマレーシアの決断から、特に、大路線となる可能性がある。マレーシア航空の子会社ファイアフライはシンガポール/チャンギ=クアラルンプール/スバング線をセレターに移し、ライオングループの子会社マリンドエアもセレター=スバング線を運航すると見られて居る。
シンガポールはチャンギ空港の収容能力を開放すると言う政策の一部として、ターボプロップの運航会社にチャンギでなくスバングを使うよう強制しようとして居る。セレター空港は2010年以来、今はまだ民間航空の定期便を持った事が無い。
Singapore Seletar Airport: new terminal offers niche alternative
Premium Analysis
ハワイアンとJALの共同事業=ハワイアン、独禁法適用除外のタイアップの形を進化させる
11-Jul-2018
過去数年間、共同事業と言うものに声高に反対して居たハワイアン航空が、地理的にも最重要な市場の一つでの自社の立場を支えるために、今では、日本航空(JAL)と独禁法適用除外の共同事業を模索して居る。
管理当局に対し、ハワイアンとJALが、両社の共同事業の認可申請の中で指摘して居る重要な点の一つが、現在は米国の3大グローバルネットワークエアラインだけがホノルル=日本間の市場での独禁法適用除外の協力体制の恩恵を享受して居り、共同事業にもう一つの米国エアラインを追加する事で、米国航空界の競争原理を支える事になると言うものだ。
ハワイアンとJALがホノルル=日本間市場で享受する市場競争力に対し、他のエアラインが反対するのかどうか興味深いところである。ハワイアンが過去に共同事業を批判して来た事の一つが、これらのタイアップが創り出す、集中である。
然し、ハワイアンとJALが今論じて居るのは、ANAはハワイ=日本間市場への大波の様な供給投入を計画して居り、一つの企業協力の組み合わせが、ANAの拡大、そして新たに創出されたデルタと大韓航空の共同事業に抵抗すると言う、競争の機会を保証する事になるというものである。
Hawaiian and JAL JV: Hawaiian evolves its view of immunised tie-ups
Premium Analysis
エチオピア、エリトリア間の和平=エチオピア航空、デイリー便を開始へ
11-Jul-2018
エチオピアとエリトリアは、東アフリカ近隣諸国のリーダー達との間で協議の結果、2018年7月9日を以って、両国間の戦争状態が終わると宣言した。
この動きは、大使館の開設、港湾の開発、そして定期便の復活などを含む歴史的な合意の一部であった。エチオピアの首相、アビーアフメドは、素早く、時の話題を取り上げた:「私たちは愛を以て壁を取り払い、両国の間に橋をかけるのだ。」と言って居る。
この合意は、2018年7月17日に始まるエチオピア航空による新たな毎日一便の直航便開設への道を拓いて居る。
Ethiopia, Eritrea Peace: Ethiopian Airlines to commence daily service
Premium Analysis
メキシコ大統領選挙=メキシコの空港とエアラインの規制に疑念が
11-Jul-2018
国境に壁を建てる、NAFTA協定の不確実性そして移民問題の論争などが全て一緒くたになって、国境越えの航空市場に連鎖反応を呼ぶ、メキシコ=米国関係を覆う不確実性を創り出して居る。
今や左翼でポピュリストのメキシコ大統領を選んだことは、この不確実性に加えて、よりl幅広く、限界の来ているインフラや、ラテンアメリカの航空界の利益に対する政府の思考形態を変えようとする挑戦のために、致命的に必要とされる道筋に障害物を創りかねない。
アンドレス・マニュエル・ロペス・オブラドール(AMLO)の選挙運動の公約の一つは、2020年に完成予定のメキシコシティの新しい空港建設を中止する事だ。多分、彼はこの公約を守る事はないと思われるが、彼のコメントから始まった前例がメキシコ航空界の進歩にとっては懸念材料となるだろう。ロベス・オブラドール氏選出の直後の状況では、わずかに穏やかな方向への展開の、入り混じったメッセージが出されて居る。
Mexico election: doubt now about MEX airport and airline regulatio
空港民営化:成功例はまちまち=IATAが狙いを定める中で
11-Jul-2018
国際航空運送協会(IATA)は欧州エアライン労働組合協会(A4E)-特に欧州域内の-などの組織と一緒になって、彼らの視点から、民営化された空港に対しては攻撃の対象として居る。それぞれの団体は、民営化された空港は、航空旅客を保護するために、厳格な価格規制を必要とする独占企業だと見て居り、彼らにとって民営化自身が不必要な悪であると捉えて居る。
米国の独立組織の調査では、規模の大きい、空港グループ100の中の40が完全に、或は部分的に民営化されて居り、そのうち62%は旅客が選んだ、世界のベスト100空港に含まれて居ると言う結果が出た。
勿論、これまでに失敗した民営化もあるし、幾つかの民営化された空港では、依然として小売り業が過剰になって居ると言う見方もある。
今回のレポートは議論の両面を検証する。
米国連邦航空局:管理当局は企業化を改めて推進
10-Jul-2018
遥かに遡って1980年代から、世界の経済は概して政府の財政支出に導かれるものから、より民間部門の関わるものへと変化して来た。インフラに対して、或は研究開発、資金調達やテクノロジーに関わるもので、民間部門の拡大は、先進経済圏、発展途上の経済圏の双方に於いて、多くの局面で、今でも勢いよく続いて居る。
経済協力開発機構(OECD)によれば、世界中の国有企業の売却は1980年代末の時点で、1,850億ドルに達し、そしてより最近では、民営化による収入は2008年の1,100億ドル近くから、2016年に2,660億ドルにまで上がって居る。
インフラに対しては、可なりの投資の必要性については十分に文書化されて来た。マッキンゼーグローバルインスティテュートは、2030年までの間に、予想される世界の成長率を支えるためには年間3兆3,000億ドルの投資がなされる必要があると推定して居るのに対し、世界中でこれに満たない年間不足額は3,500億ドルと推計され、殆どの国の投資はまだまだ足りない。
2018年6月21日、トランプ政権は管理規制のリストラのための、抜本的な改革計画と提案である「21世紀の政府の解決策の提示」を発表した。その中に含まれるものとして、航空交通管制(ATC)の権限を連邦航空局(FAA)から民間の非営利団体に変更するという改革案が改めて取り上げられて居る。
CAPAストライキ・リスト=ライアンエアの労働問題で欧州にストのニュースが急増
10-Jul-2018
ライアンエアはスペイン、ポルトガル、イタリアそしてベルギーの客室乗務員による協調したストライキの脅威に直面して居る。このLCCは、2017年12月、乗員の編成問題で、問題解決のために、どうしても従業員の支持を取り付ける事を必要としたため、労働側に優位な立場を与える事になり、初めて公式に組合の存在を認知した。その時は、何とかストライキを回避する事が出来て、新たな集合的契約の締結のため、同社の路線網上の、複数の国のいくつかの労働組合と交渉を行った。
客室乗務員の労働争議は、アイルランド人パイロット達が、2018年7月12日にストライキを宣言して居るライアンエアの労働問題に、新たな課題を追加する事になるだろう。ライアンエアのストライキの懸念は、先頃、エアフランス-KLMのCEOジャンマルク・ジャナイヤックを辞任に追い込んだ、エアフランスの手痛いストライキに続くものだ。
CAPAは、自からのウエッブ上で「ストライキ」と言う言葉に言及した多くの記事を追跡して見た。労働側は明らかに、利益のサイクルのピークにあれば、より多くを求めるものだから、驚くことでは無いが、この指標は、概して、過去のエアラインの利益のサイクルを追いかけて居る。然し、2018年上期のストライキ関連の記事の数の大波は、サイクルの先を走って居る。
09-Jul-2018
2018年、アイスランドは、米国への路線に関して、最も急速に成長する市場であり、この国全体として、今年も、再び2桁の供給席数の伸びを示す事になるだろう。アイスランドのエアライン2社、アイスランド航空と低コストのWOWエアが、ともにレイキャビクのハブで、欧州=北米間乗り継ぎ便を提供して居る。彼らが北米路線の拡大に集中して居る事は、この地域と欧州間の路線網全体の供給のバランスを採る上で助けになって居る。
欧州=北米間で、2社は地点間べースとワンストップ経由乗り継ぎベースの双方で、新たな市場の扉を開こうとして居る。今夏のアイスランド航空の5つの新たな米国内目的地の中には、カンサスシティへの初の大西洋横断直航便がある。WOWエアは、今夏、セントルイスへの最初の欧州線など6つの米国空港を追加して居る。
アイスランド航空グループは、WOWエアの6年続く容赦の無い拡大に危機を感じて居る。同グループは、企業リストラ(ホテル事業部門の売却などの)の性格を持ち、近年に比べ緩やかな伸び(欧州への供給を削って居る)の過渡期を経過しようとして居る。
然しながら、アイスランド航空とWOWエアの地点間の重複はかなり大きいのだが、経由便の欧州=北米乗り継ぎ便での重複はより少ない。
Premium Analysis
ウイーン空港=IAG、ブエリングでなくレベルを立てる
09-Jul-2018
IAGは、オーストリアの航空輸送免許の下、ウイーンを本拠地とし、レベルと言うブランドを使った、新たな近・中距離LCCを立ち上げようとして居る。210席、全席エコノミー仕様の4機のエアバスA321を使って、オーストリアの首都から、欧州内14都市を結ぶ予定だ。
レベルは、2017年に、IAGによって長距離LCCのブランドとして立ち上げられた。近・中距離低コスト便に、ブエリングでなく、レベルを選んだのは、ちょっとした驚きであった。
オーストリア航空は、2018年7月2日の週を見ると、全供給座席の50.5%を占めて、悠々とウイーン最大のエアラインである。ルフトハンザグループは、ウイーンで筆頭のLCCであるユーロウイングの9.5%を含め、総席数の65.1%を占めて支配して居る。現在のところ、競合するLCC各社、イージージェット、ラウダモーション(ライアンエアが部分所有)及びウイズエアは全て、ウイーン(そこでのIAGの最大のエアラインはブエリングであるが)では、ブエリングより大きい。
ニキとエア・ベルリン(2016年には、ウイーン第2、第3のエアラインだった)の活動停止の後、LCCと、ルフトハンザグループの強烈な成長により、4.3% の座席供給のIAGは何かウイーンでは、弱小エアライン化された様である。新たなレベルの路線は、これを6.5%まで伸ばすが、ブエリングによって展開されて来た、IAGの近・中距離LCCブランドを薄めてしまうリスクを負って居る。ウイーン空港にとってはどうでも良い事だろうが。
Premium Analysis
フィジーの観光界:拡大加速=フィジー航空が規模を倍増させる中で
06-Jul-2018
フィジー航空は、観光業の成長を加速させると言う政府目標を支える、その野心的な10カ年事業計画の一部として、向こう10年間に規模を倍増させる計画を立てて居る。観光業はフィジーの最大の産業で、間もなく年間消費額が20億ドルを超える。フィジー航空は国際線の60%超、そして国内線の100%を占め、母国の市場を支配して居る。フィジーは観光を盛り立てるのに航空の自由化方針を採って居ない。その代わり、続々誕生する新たなリゾートを旅行者で埋めるために、必要な供給はもっぱらフラッグキャリアーを拡大して増やすことにして居る。
同社は、サービス水準を高める事と、フィジー航空、そして目的地としてのフィジーの認知を世界中で広げてくれるワンワールド同盟に、乗り継ぎメンバーとして加盟する事により、より多くの来訪客を惹きつける事を狙って居る。保有機材の更新と拡大は、2018年11月に納入予定の737MAX8と2018年の末には、発注すると思われる新世代広胴機により、推し進めようとして居る。
Fiji tourism: growth to accelerate as Fiji Airways doubles in size
Premium Analysis
フィリピンの観光界:シアルガオがブーム=セブパシフィックとPALが拡大して
05-Jul-2018
シアルガオが、フィリピンのもう一つの人気のリゾートとして台頭し、島の小さな空港に旅客を惹きつけて居る。シアルガオはサーフィンと、手つかずで、混雑して居ない砂浜で有名だが、アクセスの問題からフィリピンの他の目的地の様には、多くの観光客が訪れて来なかった。
シアルガオのサヤク空港は、フィリピン航空グループと独立系地域航空のスカイジェットが就航した2017年まで、限られた便しか行かなかった。セブパシフィックグループも、2017年遅くにマニラからシアルガオへの便を開設し、セブからの便の供給席数を追加して居る。
セブパシフィックフィリピン航空(PAL)は共に、2018年上期にサヤク空港への便を増やして居る。同空港には2年前には、週間たった7往復の便数だったのが、今や週間65往復の便が飛んで居る。
Philippines tourism: Siargao booms as Cebu Pacific and PAL expand
ロシアの観光と空港:W杯の副産物の恩恵
03-Jul-2018
FIFAサッカーワールドカップの決勝ラウンドは、ノックアウトステージに入り、眠気を催す様な(フランスーデンマーク、ベルギー−イングランド)ものから、センセーショナルな(スペインーポルトガル、ドイツ−韓国)ものまで、エンターテインメントの水準はまちまちだが、概して魅力的なものである。
観客のトラブルも(今のところ)余り報じられて居ない。総じて、素晴らしい天候が続いて居り、メディアのコメンテーターもこれが無ければ、訪れる事も無かった各都市の美点を褒めそやす事に専念して居る。
サッカーワールドカップは、ロシアの各都市、そして空港にとって、外部の世界に自らを売り込む、稀に見る好機を与えてくれて居る。
幾つかの都市とその空港は、将来、どの様に、またどの時点で、成果を摘み取る事が出来るのか否か考えるだろう。中長期的には、ある者は他所より大きな利益を得るだろう。
Russian tourism and airports: World Cup spin-off benefits
Premium Analysis
サウスウエストエアのSWOT分析:コスト管理が鍵=ミレニアム世代が焦点
02-Jul-2018
世界の航空界の歴史の中で、サウスウエストが最も成功したエアラインの一つである事に議論の余地は無いだろう。長年続く収益性は他に例を見ないし、好ましい顧客感情は、米国のみならず、世界のエアラインが直面する避けようも無く循環するビジネス環境をずっと耐えて来たのだ。
然し、時には、サウスウエストも他に遅れることもある。コスト管理が鍵であり、取り分け、テクノロジーの世界では、競合他社より多くのミレニアム世代に訴求するために、自社のブランドを順応させる事だ。ミレ二アム世代の旅行者の重要性が益々高まる中で、エアラインは、その全能のブランドを、この世代に特有の好みに上手くあわせて行かねばならない。特に、同社が引き続き、更なる国際線の拡大を考える上では。
サウスウエストは、また、大半のエアラインにとって厄介な、コスト効率と、良好な労使関係を維持すると言う、長期に亘る課題を抱えて居る。
今回のレポートは、サウスウエストの強み、弱み、好機と脅威について考察する。
Southwest Air SWOT: cost control key: millenials must be the focus
Premium Analysis
サウジアラビア航空のSWOT分析=観光界、二重ブランドそして空港について
02-Jul-2018
サウジア(サウジアラビア航空とも言われる)は、3年前、自社の効率性と商品の改善を目指して、野心的な構造改革プログラムに乗り出した。同社は、それ以来、70機の航空機を入手し、機齢の若い保有機群と、より高いサービス水準とともに、加速する成長率を生み出す結果になって居る。
旅客輸送実績は2014年の2,800万人から、2017年には3,550万人へと増加した。
主ブランドの焦点となるのは、サウジアが、向こう数ヶ月の間に新ターミナルに順次移転する予定の、新たにデザインされたジェッダのハブを使った、国際線の拡大である。サウジアグループは、また、競争が激化する中で、新LCC子会社フライアディールを使って、その強力な国内線市場での足場を維持するのを支援させる、二重ブランド戦略を始動させようとして居る。
Saudi Arabian Airlines SWOT: of tourism, dual brand & airports
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イスラエルの航空事情:エルアル、占有率をLCCに奪われる=EUが空を開放するにつれ
30-Jun-2018
2012年に調印され、2013年に開始された、EUとイスラエル間のオープンスカイ協定の段階的な導入は、2018年夏に最終段階を迎える。これにより、便数の規制が取り除かれ、この夏のイスラエル市場では、全体として昨夏に比べて15%の供給席数が増加した。
イスラエルを代表するエアラインであるエルアルは、何年にも亘って、市場占有率を失い続け、一方、低コストエアライン各社が供給席数でも旅客数でも占有率の大きな伸びを享受して来た。特にウイズエア、イージージェット、ぺガサス航空そしてライアンエアが、今やイスラエルで活発である(然し、その他にもLCCが存在して居る)。エルアルはイスレア航空との統合合併を検討したが、契約条件の合意に至らず、またイスラエルの反トラスト当局の反対にあって、計画は撤回されて居る。
イスラエル発着の国際線定期便は欧州の目的地が支配的であるが、長距離路線は比較的に供給席数に占める率が低い。大変大きな割合で、地政学的な理由から、イスラエルは西(欧州と、やや少ないが北米)からの航空便の最終目的地であるが、東や東南への直航便はごく少ない。
Israel aviation: El Al loses share to LCCs as EU skies open
Premium Analysis
フライビーのSWOT分析:欧州の主導的独立系地域エアライン=再び失速
29-Jun-2018
フライビーは、欧州で最大の地域航空であり、英国で国内の域内市場で(ロンドンを除いては)最大のエアラインであり、その路線網の殆どで競合するエアラインが無い。
これは貨幣製造の基本の様に聞こえる。
然し、同社も継続可能な水準の収益を得るのに苦労して居る。フライビーは2018年3月までの会計年度に、再び純損失を記録し、これで過去8年間で、6期目の赤字計上である。これは、同社には根源的な、構造的な問題があるのか、或は戦略的な目標を達成する上でより良い経営がが必要な事を示唆して居る。その両方が、少しずつなのかも知れない。域内航空会社は伝統的に高い単位コスト水準にあり、明らかに、狭いニッチな分野に集中すると最も上手く行く。フライビーも、過去余りにも拡大し過ぎて、自からの路線網にそぐわない航空機を過剰に入手しようとした。
低迷する株価にも拘らず、フライビーは未だに買収などの手は差し伸べられて居らず、自助努力に専念するしかない。
同社は現在、保有機群の削減の途上にあり、主としてボンバルディアQ400に絞って、然し、エンブラエルE175も長距離で需要の高い路線のために維持しようとして居る。これは、より厳しいコスト管理とともに、フライビーの継続可能な収益性を模索する好機を示すものである。
今回のレポートは、フライビーの強み(srtrengths)、弱み(weaknesses)、好機(opportunities)そして脅威(threats)を分析する。
Flybe SWOT: Europe's leading independent regional airline stalls again
Premium Analysis
29-Jun-2018
先のCAPAの米州サミットでは、エアライン各社が、小売り戦略を最大限に効果を上げ、プラスのブランド認知を拡大する途を探るために努力して居る中で、この業界で、全体として、最も急速に進化する要素である、エアラインの流通を取り巻く環境について脚光を当てた。
旅行の検索や予約に於いてはデスクトップPCは最早、時代遅れとなり、音声テクノロジーとチャットボットは、ツイッターやフェイスブックと言ったアプリとともに、流通と小売りの新たな最前線に躍り出て居る。
エアラインは相変わらず、消費者を自社のウエブサイトに惹きつけようと努力して居るとしても、業界の主たる担い手たちから鳴り響くメッセージは、エアラインは消費者が慣れ親しんだ
ディジタルとモバイルと言う性癖を、特に今日のエアラインの旅客に向けたメッセージング環境
について注意深く研究しなければならないと言うものだ。
エアラインとチャットボットの成長:可能性とブランド認知度
29-Jun-2018
エアライン各社が、メッセージング環境こそ旅行者にとって顧客サービス、旅行計画、そして予約の点で、好まれるコミュニケーションの道具となりつつあるのを理解したことから、過去数年の間に、チャットボットの活用がエアラインの間で急速に広がって居る。
人口知能(AI)の王国の中で、最終的には収入に結びつく、顧客に提供するサービスを個別化するために、チャットボットがエアラインにとって、重要な道具である事に疑う余地はない。
チャットボットの新しさの故に、その効果について測るのはまだ難しい;然し利用者のパターンを的確に分析する事は、高い採用率、そして継続率を確保する鍵である。
Airlines and the growth of chatbots: potential and brand awareness
ベトナム航空保有機群:A321neoの遅れが成長に影響
27-Jun-2018
ベトナム航空は、プラット&ホイットニーPW1100プログラムの度重なる遅延の為に、ずっと後退を余儀なくされている。同社は、A321neoを当初10機の計画だったのに比べて、現時点では、2018年には、多くて1機の受領しか予定せざるを得ない状況になって居る。
ベトナム航空は、新たに受領した広胴機を使って、2018年中も拡大を継続する事が出来た。大規模で増え続ける同社の広胴機保有機群が、アジアの域内路線に使用される。
然し、その成長率は鈍化して居る。ベトナム航空は、A321neoの納入と、787-10の納入開始により、現状に追い付くことから、2019年に拡大を再加速する好機を迎える。
Vietnam Airlines fleet: A321neo delays impact growth
Premium Analysis
カナダの超LCC:エアライン各社、場所取り合戦=強大な既存大手に挑む
カナダは、最近、ウエストジェットの新たな超LCC子会社であるスウープの営業開始により、新たな一里塚を記した。ウエストジェットは、新たな超LCCのコストと運賃水準の子会社を創る事を選んだのだ。
これは、業務渡航市場ヘ更に深く食指を伸ばそうとし、ボーイング787広胴機で新しい長距離路線便を準備しようとする同社にとっては、リスクである。然し、ウエストジェットは、より低いコスト構造を持つことは、カナダの国内線及び国境越え市場で他の新規参入各社が惹き寄せようとする旅客を獲得する為には、必要だと考えて居る。
スウープが、事業の最初の数週間を終えようとする中で、カナダの超LCC分野にその他の動きが出て来た。
市場では、小柄な選手ではあるがフレアが、本社をケロウナから、エドモントンに移し、近い将来、その空港から路線拡大を計画して居る。
一方では、ジェットラインズが新たなCEOを迎え、開業の日取りを遅らせて、開業に必要なエアバスA320の中古機を手に入れて居るが、Maxの発注は当面手つかずのままである。然し、同社の新世代狭胴機5機というボーイングへの発注については、長期的な妥当性は曖昧である。
カナダのこの3つの野心あふれる超LCCの一つ一つは、需要を刺激する好機を捉えて、どんなブランドにも忠誠心を持って居ない、余り飛行機を使った事の無い旅行者を惹きつけようと努力して居る。これからの6か月から1年の間が、カナダの航空業界の近年の歴史の中で、最も興味深い時期となる筈だ。そしてこの国最大のエアラインであるエアカナダは、新規参入の超LCC各社が場所取りのために争って居る間、胡坐をかいている訳では無いだろう。
Canada ULCCs: airlines jockey for position, facing powerful incumbents
欧州空域管制=約束は遅れる、必要なのは行動すること
26-Jun-2018
世界的には、2017年の航空業界の歴史は、記録的な利益と素晴らしい旅客数の伸びの双方で表現される。欧州の航空市場も、最も強気だった予想さえ超えて、例外では無い。
LCCの台頭と市場統合の結果、より強く、場合によってはより激烈なエアライングループが出来上がり、この大陸全体で、伝統的な成熟した航空市場の成長には限界があると言う考えを根底から揺るがす結果になった。対前年8.2%と言う注目に値する旅客数の伸び率は、米国の4.8%のほぼ2倍に近く、僅かにアジア太平洋の9.4%に及ばないものだった。
欧州の航空交通管制(ATM)では、2017年に4.4%多い往来が増加し、年間合計では1,060万回となった。欧州路線網管理局(NM)の管理の下で、欧州ATMの路線網は43か国を網羅するが、この拡大にも拘らず、NMは引き続き実績目標を達成できず、膨れ上がる旅客需要に適応する空域管制と言う目的を満足させられて居ない。
European airspace control. The promise: delays. The need: action
クアラルンプール-シンガポール間航空路=HSRは最早、脅威ではない
26-Jun-2018
マレーシア新政府の最初の決断の一つは、シンガポールとの間の高速鉄道(HSR)計画を没にするか、少なくとも遅らせる事だった。これは、世界第3位の国際線航空路線を運航する5つのエアラインの利益になる筈である。
この路線では、現在、マレーシア航空グループとシンガポール航空グループ、更にエアアジア、ジェットスターアジア及びライオングループのマリンドエアと言う複数のブランドが運航して居る。
次の10年間の中頃に開業が予定されて居た高速鉄道は、クアラルンプール=シンガポール間の航空旅客需要を少なくとも50%は下落させると思われて居た。これは現在、年間旅客200万人超のクアラルンプール国際空港(KLIA)とシンガポール/チャンギ両空港の総旅客数の約4%に相当する。
クアラルンプール=シンガポール間の便の90%以上が狭胴機で運航されて居る事から、航空機の交通量の減少は更に大きいと考えられて居た。HSR路線が彼らの最大の市場で旅客の取り合いを演じることが最早、選択肢に無くなったからには、チャンギもKLIAも、より高い成長率が望め、彼等の大規模なインフラ投資を支えてくれる筈だ。シンガポールにとっては、3本目の滑走路、5番目のターミナルに投資する事が今やずっと賢明に見えて来た。
Premium Analysis
シカゴ/オヘア空港での乗り継ぎ=革新的科学技術の可能性を秘める
25-Jun-2018
個人の車をやめて、空港ターミナルに(或は、少なくとも空港鉄道駅まで)、直接、旅客を運びたいと言う欲求は大きくなって居る。
然し、これを実現する方法を見つけるのは必ずしも容易なことでは無い。現存する鉄道路線は不十分の可能性があり、速度の遅いローカル線では旅客が渋滞してしまうかも知れないし、新たに線路を追加して建設する事は費用がかかって望み薄かも知れない。
米国の革新者であるイーロン・マスクは、新たな解決方法が求められる所には必ず現れる。ロサンゼルス周辺の路面交通の混雑の悩ましい状況から、彼はシカゴ/オヘア空港の直面する問題、即ち、都心から空港へ旅客を公共交通機関で現在よりずっと早く運び、そしてより高額にならない解決策になるかも知れない、複数階層のトンネル網を迅速に建設する方法を考案して居る。
この技術はまだほんの初期段階にあるが、空港と将来の「ハイパーループ」鉄道の運用者になろうとする人々はこの計画に真剣な関心を持って注目して居る。
Chicago O’Hare airport transit: potential for innovative technology
SIAのプレミアムエコノミー=業務渡航に魅力的
25-Jun-2018
シンガポールでの業務渡航予約のうちのプレミアムエコノミーの比率は、2015年には1%に過ぎなかったのに比べ、シンガポール航空(SIA)のプレミアム商品導入に牽引されて、2017年には7%を占めた。プレミアムエコノミー予約の増加は、SIAがプレミアムエコノミーの提供を開始して以来堅調であることから、ビジネスクラス予約の犠牲の上にと言う訳ではなかった。
SIAは現在、63機のプレミアムエコノミー付きの機材を保有して居るが、これは全保有機のほぼ60%にも当る。同社は2018年末までにもう11機のプレミアムエコノミー機材を追加する計画である。
SIAの保有機群の中でのプレミアムエコノミー席数の合計は、向こう6か月の間に、主として7機のA350-900ULRの納入に牽引されて40%以上も増加する。A350-900LRは、嘗てない94席のプレミアムエコノミー用客室を備え、北米直航路線便専用に使用される予定だ。
燃油と地政学=米国エアラインに業績計画の見直しを強いる
25-Jun-2018
米国の貿易政策のむちの一振りが、燃油価格の上昇と一緒になって、米国のエアラインにとって、需要と収入傾向は強固であるにも関わらず、忍び寄る不確実性を生み出して居る。デルタ航空は、一歩踏み出し、2018年第2四半期のEPS予想を下方修正する最初のエアラインになった;同社は、また米国の秋季の供給予測も上昇する燃油費と依然根強い需要の環境のレンズを通して見直す計画である。
米国とカナダ、メキシコそして欧州との間で、交易の緊張感が高まって居る事が、如何に世界の航空旅行への需要に影響するかは、今年この後に判明する事になるだろう。IATAは、既にエアラインは保護主義的議論に影響を受けると警告を発して居り、世界のエアライン収益性予測を下方修正して居る。
収益が下降し、燃油価格が上昇し、地政学的な不確実性が増す中で、米国エアライン各社は殆どが当初から今年の供給拡大を対前年で強固なものと計画して居た、2018年の供給拡大目標を再考する必要があると考えるだろう。そして燃油費がより高くなると、総じて航空運賃の値上げへと動く可能性があるが、この相関関係が始まるには時間のずれがあるだろう。
Fuel & geopolitics force US airlines to revisit capacity projections
カタール航空、A330F保有機を処分=価格競争に拍車をかける
24-Jun-2018
中東でA330Fの運航を終らせようとする第2のエアラインが出て来る可能性がある。エティハドが5機のA330Fを地上待機にしてから、カタール航空は3機のA330Fを2019年のリース契約期終了時にリース元に返還する計画である。カタールは所有する5機のA330Fの売却を考えて居る。カタール航空はA330Fの世界第2位のユーザーである。トルコ航空が9機を運航して居る。
この航空機の処分は、結果として2/3のA330Fが幾つかのリース会社やエアラインの所有者から市場に出され、価格競争を齎して居て、1、2機程度の所有者は、たぶん他社と提携して顧客に対するより大きなディールを獲得するための、創造的な考えが必要だと言う事を意味するのだろう。エアラインにとっては、新造のA330Fを受領できなかったら、これらの比較的に機齢の若いものを取得するチャンスが出来るだろう。
より大規模な貨物機運航会社は、777Fのより長い航続距離、より大きな搭載能力の方に、より関心を寄せて居る。カタール航空は、更に5機の777Fをリースする契約をして居て、これでカタールはフェデックスに次いで第2の規模の777F運航会社になる。
Qatar Airways to dispose of A330F fleet, intensifies price competition