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CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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Premium Analysis
シンガポール航空 第2部:長距離路線拡大を再開=プレミアムエコノミーへの改修完了の後に
26-May-2017
シンガポール航空(SIA)は、4年連続の供給削減の後に、ささやかな供給拡大の再開を計画して居る。親会社での拡大の再開は、大変ささやかな水準ではあるが、過去2年間に亘り、供給減を招いた、プレミアムエコノミーへの客室仕様改修が完了した後にやって来るものだ。
2017年の追加供給の殆どは、豪州を含むアジア太平洋の地域に配分される予定だ。然し、長距離路線の拡大も、SIAがニューヨーク、ロサンゼルスへの直航便を再開し米州への供給が20%まで増加するのに牽引されて、2018年には再開する筈だ。
新たな米国便は、SIAが2年前から導入し、今や同社の総供給席数の4%近くを占めるまでになったプレミアムエコノミークラスへの供給拡大にもう一つの増要素となるだろう。プレミアムエコノミーは、2018年末までに総供給の5%から6%を占める様になり、SIAが新たな直航便に使う、A350-900ULRはプレミアムエコノミーとビジネスクラスだけの客室仕様になる予定であることから、米国線への供給では20%近い構成率となるだろう。
Singapore Airlines Part 2: long haul expansion to resume after premium economy retrofits complete
Premium Analysis
シンガポール航空 第1部:新たな改革本部のもと、進化は加速する=利益が減少する中で
24-May-2017
シンガポール航空グループ(SIA)は、過去6年に亘り、始めて来た、数多くの戦略的計画を全面的に実行し、将来へ向けて変化の可能性を見極める事で、進化の新たな局面に入ろうとして居る。改革本部の立ち上げは、必ずしも、新規の方向性を示すものではないが、2011年始めに、ゴー・チュン・フォンがSIAグループのCEOを引き継いだ時に始動した、進化を加速させる可能性がある。
利益は、2017年3月までの四半期には滅多に無い純損失を計上したのを含め、過去6年間、ずっと歴史的な水準をはるかに下回り、現在も下り坂の状態にある。短期的な見通しは、市場環境が難しく、競争も激しいため、比較的に暗いものである。
然し、SIAが試みて居る改革が完了しさえすれば、長期的にはより明るい見通しとなる希望がある。SIAは、いくつかの大規模な戦略的計画により、既に市場に於ける構造改革を取り入れて居る。今や、同社は実行中の計画が生み出すシナジー効果と、商機の追及と言う、遥かに難しい試練を、そして更に変革の新たな領域を見極め、コスト削減を、成功裏に完了させねばならない。
Singapore Airlines Part 1: evolution accelerated with new transformation office as profits decline
エアアジア中国:共同事業のモデルを作り上げる=中国の複雑な航空市場の中で
23-May-2017
エアアジアグループは、国境を超えた共同事業で、中国の非エアライン企業とエアアジア中国を立ち上げようと計画して居る。開業には、中国副次的な都市の一つで、需要の重要地点ではなく、LCCの存在感が既に平均以上である鄭州を基地とする計画である。然し、鄭州は、航空ハブの構築に大変熱心で、この種の外国エアラインの共同事業が中国初であり、エアアジア中国にとって、政府の援護を受ける事は極めて重要である。
発着枠や、保護主義的な考え方から、中国の主要都市での事業開始はあり得ない事だったが、鄭州は手始めである。エアアジアグループのCEOトニーフェルナンデスは、エアアジア中国を「エアアジアのパズルの最後の一片」と呼んだが、エアアジアが、中国で、目一杯に躍進し、主要な市場への参入を実現するには、5年、多分10年以上かかるだろう。
エアアジアは、中国での事業を持つ事で、最初の汎アジアLCCグループになると言う栄誉を獲得する。然し、エアアジア中国の発表は、複雑な階層をなす監督官庁、ハブへの野心、自国製航空機など、中国の航空界の状況により大きな波紋を投げかけ、だからこそ、これは、中国の航空界で、如何に成功するかと言う世界的なケーススタディなのである。
幾つかのエアラインが、単に発着枠や、コードシェア問題で悪戦苦闘して居るのに対して、エアアジアは、(地理的には正しい)外国ブランドの地元エアラインを立ち上げようと言うのである。エアアジア中国は、1ダース以上ある世界的な共同事業の一つになるのだろうが、「中国」のニュアンスが意味するところ、エアアジアの発表は、企業提携の観点からは、最も意味深いものの一つになるだろう。
AirAsia China: establishing the model for JVs in China's complex aviation market
エアフランス-KLMの新たな「後押し」エアライン、ミレニアル世代を狙う=然し、飛ばすのはいつものパイロット
21-May-2017
2017年5月12日の「投資家の日」イベントに於いて、エアフアランス-KLMはパリCDG空港に於いてエアフランスと並行して運航する新たな低コストエアライン(プロジェクト名「後押し」)の計画の進捗状況を報告した。同社は「後押し」が、ビジネスおよびレジャーの双方にとって「極めて競争の激しい」赤字路線に於いて、特に湾岸のエアラインから市場占有率を取り戻してくれる事を願って居る。もし上手くいけば、「後押し」はエアフランスを拡大への道に戻ることを可能にする筈だ。
この新たなエアラインは、2017年冬季に開業し、2020年夏季までに28機(長距離10機、中距離18機)の運航となることを目標として居る。同エアラインは、エアフランスのパイロットを使う計画であるが、燃油費を除く単位コスト目標値は、主として新たな客室乗務員労働契約とケータリングや空港での諸作業などの領域での経費節減から、エアフランスのそれに比べ15%から18%低くして居る。2019年冬季から「後押し」が長距離路線用機材を、A340からA350に切り替える事により、更なる単位コストの削減が期待されて居る。
エアフランス-KLMは新エアラインのブランド名をまだ発表して居ないが、市場セグメントとしては、ミレニアル世代を狙うものと位置づけられると言って居る。この「後押し」エアラインは、また、エアフランス-KLMのデジタルラボラトリーに入るが、欧州の主導的な競争相手たちのデジタル改革専門インキュベーター/アクセラレータープログラムには一歩及ばないものである。パイロットたちとの最終合意は、未だ「後押し」の就航への重大な道の途上にある。
Air France-KLM's new 'Boost' airline to be aimed at millennials, but flown by same old pilots
マリンドエア 第2部:新たな全席エコノミーの737MAX機材=エアアジアと、更なる直接対決の結果に
マレーシアのライオングループの子会社マリンドエアは、新たな保有機である4機のボーイング737MAX8を、プレミアム需要の限られた路線に投入し始める事で、エアアジアやその他のLCC各社とよりよく競う事が出来るようになるだろう。マリンドは2017年6月の末までに737MAX8を4機受領し、この新型機を3~7時間の東南アジアおよび中国の路線に使う計画だ。
マリンドの殆どの737MAX路線は、ライバルのエアアジアが運航して居る、極めて競争の激しい所だ。この新型機は、高密度の全席エコノミークラス仕様と、向上した燃料効率により、マリンドの既に低い単位コストをかなり落とすことが可能になり、結果として、いくつかの市場で、収益性を高める事になるだろう。
今回は、マリンドとその新たな保有機737MAXについての2部構成のレポートの後半である。第1部では、737MAXの最初の運航会社として頭角を現して来たマリンドが、で2クラス、32インチピッチ、機内エンターテインメント設備付きの現行の737-800/900機材に比べ、全席エコノミー、31インチピッチで機内エンターテインメント無しとして使う決断をした事について注目した。
Malindo Air Part 2: new all economy 737 MAX fleet results in more direct competition with AirAsia
米国の大エアライン、依然、不確かなまま=大西洋横断路線の近い将来の好転について
18-May-2017
大西洋横断の路線は、昨年中、米国の大規模ネットワーク・エアラインにとって、英国のEU離脱投票、テロリストの攻撃、低コストエアラインの拡大、そして通貨の変動など、多くの理由から難しい市場だった。これらの複合した要素の結果として、アメリカン、デルタそしてユナイテッドの大西洋線のそれぞれの事業体の単位収入が、芳しい状況ではない。
大西洋線の問題が長引いて居るにも拘らず、この3社は、欧州の、特に米ドルに対して通貨の弱い英国の状況の弱さを相殺する様な、米国の市場現場の販売状況に牽引されて、いくらか明るい見通しを立てて居る。
この米国3大ネットワーク・エアラインの内のどの社も、大西洋線が確実な回復の軌道に乗ったとは明言して居ない。実際問題、デルタは大西洋線で単位収入を上向かせるには思ったより長い時間がかかると警告を発して居る、一方で、アメリカンとユナイテッドは2017年夏季以降のこの地域について、悪くない見通しを持って居る模様である。
Large US airlines remain uncertain about a trans-Atlantic rebound in the near term
Premium Analysis
世界の航空機資金調達市場、健全な状況=当面は
18-May-2017
ボーイング社のデータによれば、過去10年間の搭乗率と機材の稼働率の改善から、世界の航空会社は、3,800機を追加して運航する必要を免れて居る。もし、2017年の搭乗率の水準が2007年同様だったとしたら、現在の需要を満たす為に、今日の保有機材数より1,000機以上多くの機材が必要だったろう。日々の稼働率が2007年の水準だったら、現在の保有機数は、もう2,800機は必要だったろう。
これは、エアライン業界の改善された投資行動規範の例を示す一例であり、同時にCAPAが世界のエアラインの営業利益率の循環(至近では2017年1月にアップデート)の分析を示した保有機拡大率の低くなる事を証明する事にもなって居る。然し、世界金融危機が終って以来、ずっと世界の航空機投資は強力に拡大を続けて来ており、即ち、資金調達を必要として居る。
また、資金調達の原資の組み合わせには変化が生じて来て居り、今は、キャッシュ、銀行融資、資本市場、リースなどの間に良い均衡が出来て居る。結局は航空機資金調達市場は循環に従うと思われるが、現在は健全な段階にある。
The world's aircraft financing markets are enjoying good health, for now
カザフスタンの航空市場:拡大が鈍化し競争が激化=エアアスターナがIPOを準備する中で
18-May-2017
カザフスタンの旅客数の拡大が、経済の停滞と通貨の値下がりが地元需要に影響したために、大きく鈍化して居る。カザフスタンの旅客数の伸びは2016年、わずか1%で、フラッグキャリアであるエアアスターナによる乗り継ぎ需要の増がなければ、市場は、縮小してしまっただろう。
カザフスタンの航空当局は、2017年は、首都アスターナで開催されるEXPO2017で、訪問客の大波が押し寄せる筈であるにも関わらず、また、か弱い成長の年となると予想して居る。アスターナ空港は、EXPOの開幕前に、新たなターミナルを開業する予定で、これでアスターナは、この先も更なる乗継旅客需要拡大を追求する事が可能になる。
第6の自由旅客数は、2015年の5%に比べ、2016年にはカザフスタンの国際線旅客数の約10%を占め、エアアスターナとカザフスタン市場全体の拡大の新たな局面を牽引する可能性がある。エアアスターナの計画する株式公開(IPO)による資金は、乗継需要に的を絞って保有機数と路線網両方の拡大を加速させる可能性があるが、同社は、地元と外国社からの強まる競合などで、比較的に難しい市場環境を乗り越えねばならないだろう。
Kazakhstan aviation market: growth slows & competition intensifies as Air Astana prepares for IPO
ライオングループのマリンドエア、737−8に単一クラス仕様を選択=MAXの納入が始まる中で
16-May-2017
マレーシアのマリンドエアは、フルサービスエアラインに移行しようと努力して来た事からすると、予期せぬ戦略的な調整と見える決断、新たな保有機であるボーイング737−800/900に、全席エコノミー180席の客室仕様を選んだ。マリンドは現在、29機の現世代737−800/900を2クラスで、30以上の国際線路線に飛ばして居る。
インドネシアのライオングループの一部であり、間も無くバティック・マレーシアにブランド変更する予定のマリンドは、737MAX8の最初の4機を主として、プレミア旅客需要は余り無い南アジアと中国ヘの現行路線に投入する計画だ。マリンドのMAX機材の最初の定期便目的地には、バングラデシュのダッカ、ネパールのカトマンズそして、パキスタンのラホールが想定されて居る。2017年5月22日に予定されるクアラルンプール=シンガポール線が、MAXによる最初の有償フライトになるだろうが、これは、商業定期便と言うよりも、セレモニーが目的の一度限りの物になるだろう。
マリンドは、サウスウエストとノーウエジアンとともに、MAXにとって最初の顧客であり、この3社への納入は、全て、2017年5月末までに始まる計画になって居る。
マリンドは、最初の運航会社で、同社の737MAX8は、サウスウエストより5席多く、ノーウエジアンより9席少ない。
Lion Group's Malindo Air opts for single class configuration on 737-8 as MAX deliveries begin
ブルーエア:新たなリバプール基地、主張を強める=汎欧州のLCCモデルとして
15-May-2017
OAGからのデータに依れば、ルーマニアのLCCブルーエアの2017年夏季スケジュールでの供給席数は対前年で64%増となる予定で、これは席数の比較では、欧州エアライプグループの上位30社のどこよりも早い拡大だ。2004年に事業を開始したブルーエアは、今では年間輸送旅客数と保有機数で、ルーマニアのフラッグキャリアーであるTAROMより大きくなった。
その成長は、ルーマニアで第1位のウイズエアと4位にランクされるライアンエアに刺激されたものだ。
ルーマニアは依然として路線網の中心にあるものの、ブルーエアは、より地理的に大きく広がる戦略を持つ、汎欧州LCC モデルを考えて来た。ルーマニアの首都であるブカレストに次いで、同社の2番目に大きな基地はイタリアのトリノであり、キプロスのラルナカも重要な基地である。
2017年のスケジュール開始にあたり、2017年4月、ブルーエアはルーマニア以外の第3の基地を、リバプールに追加し、北西イングランドのこの空港の7%の旅客数増を助ける事となった。同社の合わせて3つの国外の基地でブルーエアは、全てルーマニア国外の目的地に運航して居る。欧州規模としては未だ小さなものだが、英国に基地を開設し、ブルーエアはライアンエアやイージージェットの様なLCCに、彼らの最強の市場の一つで戦いを仕掛けようとして居る。
Blue Air: a new Liverpool base signals growing emphasis
as a pan-European LCC model
サウスウエスト航空、積極的に2018年上半期の供給を計画=機材の退役が保有機群の流動化を招く中で
15-May-2017
2017年残りの期間、サウスウエストの収入、コストそして供給の予想には流動的な部分があるが、同社はどの指標にも積極的なメッセージを予測して居て、収入の向かい風は弱まりつつあり、コストインフレは、大きくは2018年上期に向かって、押しやろうとして居る。
テクノロジー関係の支出、及び最近交渉が成立した労働契約がサウスウエストの2017年の単位コスト実績を圧迫して居るが、2017年上期に単位コストの一桁後半の上昇を記録してから、同社は2017年第4四半期までには現状維持の数値とする事を目指して居る。同社の燃油費を除く通年の単位コストは、一桁前半の上昇となるだろう。
サウスウエストは、2018年上期の供給増を4%未満と発表し、引き続き、攻撃的な姿勢を保とうとして居る。同社は、ボーイング737クラシックを退役させ、次世代のボーイング737MAX狭胴機を受領し始めることから、来年にかけて、保有機群に多くの出入りを体験することになるだろう。同社は、投資家たちが持つ、2018年に長引く供給増の可能性への懸念を鎮めるため、2018年の予測を発表しようとして居る模様だ。
Southwest Airlines proactively outlines 1H2018 capacity as retirements drive fleet flux
エアカナダ、積極姿勢を打ち出す=第1四半期の損失と利益率への圧力、同社の評価が停滞するにも関わらず
15-May-2017
エアカナダは、2017年第1四半期に損失を計上し、営業利益率が下降し、実収単価への圧力に苦しんで居るけれども、同社のこの四半期のEBITDAR利益率が以前の予想を上回ったために、市場はこれらの結果を容赦して居る。過去数年間というもの、エアカナダは投資家たちを、EBITDARやROIC、そして借り入れ率などの指標で自社の実績を見るよう仕向けて来た。2017年については、同社はそのうちEBITDARとROICの2つの指標で、狙った予測を達成する筈である。
エアカナダの数年にわたる実収単価の下落は、国際線路線網を増強する中で、今やおなじみの同社が数え上げる項目:レジャー市場の比率上昇、区間距離の増大、そして実収単価の低い、米国国境越え市場の第6の自由需要の流れ、に引かれて、2017年にも続く筈だ。
然し、エアカナダは、大西洋横断路線での価格設定の改善、安定した国内の動向、そして米国国境越え需要で、特に強力な第2、第3四半期のより良い実績などの地理的な事業分野でのプラスの展開を挙げて居る。然し、太平洋横断路市場では、エアカナダにとって状況は引き続き厳しいものだ。
Air Canada strikes a positive
tone, despite 1Q losses and margin pressure, and its valuation holds
トルコ航空 第3部:アジア、豪州で企業提携の強化を目指す
15-May-2017
トルコ航空は、シンガポール航空(SIA)との提携を拡大し、アジア太平洋地区での新たな提携先を加えようとして居る。新たな拡大された提携によりトルコ航空はオフライン市場、特に豪州での立場を強化することが出来る。
数年間と言うもの、トルコ航空は、インドネシアとシンガポールを経由した、ワンストップ便も含め、豪州への路線開設を検討して来た。然し、トルコ航空の新たな経営陣は豪州線を始める計画は全く持たず、その代わり、豪州、ニュージーランド、そしてその他のアジア太平洋のオフライン市場をより良くカバーする企業提携を進める事に的を絞って居る。
トルコにとって、豪州への主たる経由地であるシンガポールに供給を追加する事で、同社の豪州へのオフライン事業の拡大が可能になる。トルコはまた、新たなマリンドエア及びマレーシア航空との提携により、豪州=クアラルンプール需要を伸ばそうとして居る。
Turkish Airlines part 3: seeks to boost partnerships in Asia
and Australia
アフガニスタンの航空市場:アリアーナ保有機更新、拡大を再開=激しい競争にも関わらず
11-May-2017
アリアーナ・アフガン航空は、この国有フラッグキャリアーが、高齢化する機材を更新して、拡大を再開出来る様に、遥かに期限遅れだが保有機更新プロジェクトを計画して居る。アリアーナは、737-800を3機、767-200を2機、そしてATR42を2機取得して、2019年末までに、現在の4機を7機の保有機群とする予定である。
同社は、737-800を使って、新たな国際線5路線を開設し、アリアーナの路線網の目的地を12地点としようとして居る。ATR42は、国内線を現在の5地点から、拡大する為に使われる。
アリアーナは、小規模で、難しい市場に於いて、年間輸送旅客50万人以下の小さなフラッグキャリアーである。アフガニスタンには、他に2社の民間エアラインがあり、攻撃的な外国エアラインの就航する開かれた国際線市場がある。
統合合併は、特にアリアーナが、国内線、国際線両方の市場で拡大に成功するなら、避けられないものである。
Afghanistan aviation market: Ariana to renew fleet and resume growth, despite intense competition
ウエストジェット、広胴機での拡大と超LCCへの野望で実力の証明を試みる=高いリスクを抱えた賭け
08-May-2017
カナダのエアラインであるウエストジェットは、2週間の間に、超低コストエアラインの開業の計画を明らかにし、同時に10機の新たなボーイング787−9を発注と、2017年も大いなる野望に事欠かないところを示して居る。この動きは、同社の収益が目標の範囲を下回る中で、これだけ大きな規模のプロジェクトを同時並行で扱う能力がウエストジェットにあるのかと言う市場の懸念を呼び始めて居る。
ウエストジェットの、まだ名前も無いULCCが2018年早々には登場するのに続いて、2019年に787の導入を計画して居るのだ。多分、新たな長距離路線市場を、最初の広胴機の受領前に明らかにするだろう、即ち、ウエストジェットは、新規に広胴機の路線を開設する一方で、新たな超低コスト商品を完成させる事に取り組んで居ることを意味する。
ウエストジェットは、同社が野心的な取り組みを充分に扱える例として、地域航空の子会社「アンコール」を成功裏に開設し、成長させた事を挙げて居る。然し、二つの大きなビジネスモデルの変更を抱える事は、単にターボプロップを域内航空に導入するのと比べて、より大きなリスクを投げかける事になる。
WestJet looks to prove in its high stakes gambles with widebody expansion and ULCC ambitions
Premium Analysis
エアフランス−KLM、ルフトハンザグループ、IAG欧州の伝統エアライン各グループ、楽観的=第1四半期終了後の単位収入で
08-May-2017
欧州の3大伝統エアライングループは、2017年第1四半期、前年同期に比べて、合計でより大きな純損失を計上した。然し、この悪化の原因は、大きくは、デリバティブ評価と為替換算項目の未実現低下によるものである。営業実績の水準では、彼らは全体として、連結利益を伸ばして居り、3グループ中、IAGとルフトハンザの2つは営業利益率を改善させて居る。エアフランス-KLMは為替の変動から、利益率を下げて居る。
多分、欧州の3大伝統エアラインからの、最も首尾一貫して、勇気づけられるメッセージは単位収入に関するものだろう。未だに落ちて居るものの、3グループとも、2016年第4四半期に比べ、2017年第1四半期は、その対前年の率が緩和して居る。欧州各市場からの供給の伸び率見通しは歴史的な傾向に比べ、未だに比較的に高いままで、また、地政学的なリスクも常に存在するものの、単位収入傾向の見通しについての彼らのコメントも、また希望を持たせるものだ。
3グループの中では、利益率の点では、IAGが依然として最も利益を上げて居る。ますます重要になる戦場である、地点間/LCCの分野では、IAGのブエリングが成長の速度では最も遅いが、ルフトハンザのユーロウイング/ブラッセル航空の組合せ、および、エアフランス-KLMのトランサビアは、より大きな損失を出して居る。
Air France-KLM, Lufthansa Group, IAG: Europe's legacy airline groups upbeat on unit revenue after 1Q
Premium Analysis
トルコ航空第2部:東南アジアで拡大=然し、エミレーツ、エティハドそしてカタール航空には遅れをとる
08-May-2017
トルコ航空は、シンガポール線をA330-300から777-300ERに大型化し、プーケット線を開設し、東南アジアで、供給を追加しようとして居る。トルコ航空は、2017年末までには、東南アジアの9都市へ、現在の供給に比べ10%の伸びとなる、週間33,000席以上を供給する予定だ。
然し、トルコ航空は、湾岸の競争相手各社に比べ、未だに東南アジアへの供給では劣って居る。例えば、カタール航空は、東南アジアの13地点発着で、週間10万席以上を供給して居り、エミレーツは12(もうすぐ13)の東南アジアの目的地に全部で週15万席いじょうの供給をして居る。
トルコ航空は、また、北アジアや、南アジアの競合他社に比べ小さな路線網であるが、東南アジアに限っては、拡大し、その差を縮める可能性がある。東南アジアは、概して自由な市場であるが、トルコ航空は、二国間条約の制限から、中国とインドでは、拡大する事が出来ない。
Turkish Airlines Part 2: expands in Southeast Asia but lags Emirates, Etihad and Qatar Airways
Premium Analysis
シンガポール航空、欧州でのスクートの拡大を加速させる要あり=長距離低コスト 第4部
05-May-2017
シンガポール航空(SIA)のLCC子会社スクートは、長距離運航を開始するにあたり、向こう数ヶ月間いくつかの重大な決断に直面する。スクートは、最近、長距離飛行用に調整された、同社にとって最初のボーイング787を受領し、長距離仕様の第2号機を間もなく受領する予定で、今年度内にもう2機が続く予定だ。
スクートはこれまで、長距離路線を予定しているのは2017年6月に週4便で開設(10月には週2便に減便だが)予定のアテネ線だけである。同社は、長距離仕様の他の4機の787−8のために、少なくとも、更に2本の長距離路線を、急ぎ決める必要がある。欧州、ハワイでの目的地候補が一年以上も検討されて居る筈だが、同社はこの9ヶ月、新路線について一切発表して居ない。
スクートは現在のところ、英国は、SIAと重なるため、ドイツはSIAとルフトハンザ共同事業との重複を避けて、考慮して居ない。然し、ノーウエジアンがロンドン=シンガポールを開設、というの最近の発表、そして他にも考えられるノーウエジアンのシンガポール線の計画は競争環境を大きく変化させ、SIAグループは見直しをせざるを得なくなって居る。ルフトハンザへの影響があるけれども、ベルリンも真剣に検討されるべきだろう。
Singapore Airlines needs to accelerate Scoot expansion in Europe: long haul low cost Part 4
アリタリア:これで全てが終わりか?=商業的には不要となったエアライン
04-May-2017
2017年5月2日、アリタリアの取締役会は、イタリア政府経済開発省に対して、「特別管理手続き」を申請した。これに先駆けて、エティハドを含む株主たちは、かつてアリタリアに充当するとして居た20億ユーロの新たな資本金を提供しない事を確認して居る。この新たな資金の投入計画は、従業員たちが、アリタリアのリストラ計画を受諾する事が前提であった。然し、労働組合指導者たちと会社が達した仮合意に対して組合員たちは反対票を投じた。
イタリアン政府は、アリタリアに対し、短期間、運航の現状維持のため6億ユーロのつなぎ融資を約束して居り、同社の運航スケジュールは変わらない。この新たな負債は約6か月間は続くと見られ、政府はそれ以上の資金面での支援をするとは思えない。
これで、監督当局は可能性としての企業買収先探しも含め、アリタリア救済の方策があれば、そのための時間を買う事になる。このイタリアのエアラインの長期にわたる損失、そして複数回のリストラ、過去の経営の事を考えると他のエアラインは投資を逡巡すると思われる。
アリタリアはこれまで、長いこと、墓の中から蘇ったラザロの様な能力を示して来たが、先に労働組合員たちが、会社の変革の必要性の受け入れを拒否したことで、今回は遂に棺桶の蓋に最後の釘が撃ち込まれる事になるかも知れない。多分、彼らは何らかの形で政府が救済してくれる事を期待して居るだろう。然し、政府でさえ、既に辛抱は限界に来ているかも知れない。
Alitalia: Is this the end of the line? An airline that is no longer commercially needed
米国の超LCCであるスピリット航空は、2017年下期が厳しい状況になりつつあるのと比較して、2017年第2四半期の同社の単位収入の伸びが、今年最高となるだろう
と結論して居り、2017年の残りの期間、この国の収入環境について、慎重な見方をして居る様だ。
スピリットは、もうほぼ2年間と言うもの、より大きな競争相手からの更に攻撃的な価格設定に直面して来て居て、今や、搭乗率を上げることから、より良い収入管理により利益
率を改善することへと移行しようとして居て、また繁忙期と閑散期に供給を如何に管理するかの方法についても変更しようとして居る。
まるで、スピリットの収入環境の評価は、より大きなネットワークエアラインのベーシックエコノミー運賃導入による影響というよりも、価格に敏感な旅客の分野で、需要を刺
激し続ける一方で、利益率を極大化する収入管理をする事に対して、これまでと違った考え方を採った事による方が大きく関係しているかの様に見える。
Spirit Airlines adopts a cautious view of an improving revenue environment in the US
Premium Analysis
トルコ航空 第1部:2017年の供給と保有機計画に改善の可能性=回復が期待を上回る中で
2016/2017年冬季スケジュールの中で、トルコ航空グループは前代未聞の供給対前年カットを開始した。OAGのデータによると、同社の総供給席数は前年冬季スケ
ジュールに比べ4.7%も低くなって居る。ASKで見ると、トルコ航空は、冬の期間(2016年11月~2017年3月)に対前年6.1%の削減を報告して居る。
このレポートは、トルコ航空が2016/2017冬季に保有機を削減する事についてCAPA保有機データベースからの詳細な数字を示すものだ。同社の保有機数、そし
トルコ航空のCEOビライエクシ氏は2017年4月25日シンガポールでグループとしては、予想を上回る需要の回復を経験して居ると語って居る。これによればASKの伸び
は、同社が立てた2017年の3%という目標より高くなる見込みが出て来た。更に、グループの保有機群の規模は、先に計画された様に縮小するのではなく、今年は現状を維
持すると見られる。そして新世代の広胴機のウエットリースもあり得る。
トルコ航空に関する2部構成の今回レポートは、同社のアジアでの拡大と豪州への就航計画を検証する。
Turkish Airlines part 1: possible upside to 2017 capacity & fleet plan as recovery beats expectation
Premium Analysis
アメリカン航空、賃上げ権でウオール街の近視眼を無視=然し、歴史は繰り返す事に要注意
01-May-2017
アメリカン航空を追いかけ、最終的には統合合併すると言う、USエアウエイズの経営陣の大きな優先課題は、2011年、同社のチャプター11による再編の前に、何年も経営側と揺れ動く関係に耐えて来た、孤立無縁のアメリカン航空の従業員たちとのバラバラに壊れた労使関係を改善する事だった。新たにアメリカン航空の経営チームに入ったUSエアウエイズの幹部たちは、アメリカンを追いかける間に旧体制で壊れた労使の絆を完全に修復すると約束し、アメリカンの従業員を繋ぎとめた。
経営側は、その努力の中で、入り混じった結果になった;然しアメリカンの幹部たちは、概ね、約束を守る事が出来て居る。2015年、彼等は、業界全体で、給与水準の改善の為の厳しい労使間取引を始めると言う、業界をリードする契約を大規模な労働者グループと成立させた。2016年には、アメリカンは、利益の配分を止めると言う不人気な決定(事前に合意されたものだが)を、労働者側の要求で撤回して居る。
2016、2017年の間、アメリカンのパイロットと客室乗務員達は、それぞれ独自に要求を上げて居た他の米国エアラインに対して、給与水準について、より声高に発言するようになった。その結果、純粋な文化の変更、エアラインや業界が変化したことに対する従業員の貢献の価値を定めると言う経営側の約束を強化するために、契約途中で、賃上げを実施すると言うアメリカンの前代未聞の決定となった。
アメリカンが、従業員に賃上げを実施する計画を説明した後の、ウオール街からの強いしっぺ返しは、驚く事でも無ければ、予想して居なかった訳でも無い。そしてこれは、株主への責任と健全な仕事の文化を確保する事の釣り合いを取ろうとして、米国のエアラインが直面して居る問題を反映して居るのだ。これら二つの概念は、互いに相容れぬものであってはならないのだが、投資家たちの嫌悪感は仕事の文化を変えるのに、金銭的な約束事をすることへの不寛容を示して居る。時に経営者は、長期的な備えをすべきで、ウオール街の短期志向を無視しなければならない。
American Airlines pay raises right to ignore Wall Street's myopia. But beware repeating history
カタール航空、12都市を追加=多分エミレーツにとって、フライドバイを併合する時期
30-Apr-2017
カタール航空の居るドーハには違うリズムがある。エミレーツが米国線を19%も削り、エティハドは世界中の目的地と供給を切るというのに、2017年4月24日、カタール航空は、2018年に12ヶ所の新たな目的地を追加すると発表した。これは、2016年遅くに発表した、2017年の8つの新地点に追加しての話である。これらの都市は未だ計画段階ではあるが、どちらかと言えば規模の小さいレジャー需要に絞った市場が特徴である。カタールはカーディフとウタパオへの便によって、ロンドンとバンコクの需要地域を拡大しようとして居る。
カタール航空は3つの湾岸エアライン中では、最も多くの目的地に便を飛ばして居り、エミレーツが飛んで居ない49都市に便を持って居る。これらの目的地の約3/4はエミレーツの使って居ない狭胴機または小型の広胴機で運航されて居る。これは、最小の機材が777-300ERであると言うエミレーツ自身の拡大への障害を浮き彫りにして居る。エミレーツには、多様化に対する機敏さが、そして自身の路線網にとって最適な大きさの機材が必要である。エミレーツはA350或は787などの、より小さな機材の発注を検討して来たし、もっと近くは狭胴機の評価もして居る。同社は自から狭胴機の運航を考えるより、寧ろ、姉妹エアラインのフライドバイを統合する事も可能だろう。
Qatar Airways adds 12 cities; perhaps time for Emirates to combine with flydubai
ジェットブルー、エンブラエル190保有機群の精査を開始=コストと利益の野望に適合させるために
30-Apr-2017
ジェットブルー航空は、他の多くの米国のエアラインにならって、包括的な保有機群の見直しを行って居るが、大規模な競争相手であるユナイテッド、デルタが将来の広胴機の必要性を査定して居るのとは理由が異なる。ジェットブルーは全く反対で、自社の保有機群の中で最小の機材である100席のエンブラエル190の将来の妥当性を検討して居る。
同社は、2017年に入って明言した、エンブラエル190の単位収入に与えるメリットが、同機の高い運航コストをしても価値があるか決断するというコメントを繰り返して居る。ジェットブルーは同機の世界最大の運航会社であり、エンブラエル190の現存の発注数の33%を占めて居る。
ジェットブルーは、また、いくつかのエアバス機材の受領を延期して居り、複数のA320neoを運航するエアラインがエンジンの問題を経験して居る事から、2018年分の発注をNEOから現行世代の機材に切り替えて居る。機材群の再検討はジェットブルーの2018年から2020年の間にコストの低減を達成し、利益を業界水準以上に引き上げようとする試みの一環である。
jetBlue starts heavy scrutiny of Embraer 190 fleet as it works to meet cost and margin ambitions
イベリア:供給が安定=IAGが新長距離LCC「レベル」の拡大に集中する中で
29-Apr-2017
イベリアの「将来計画」によるリストラは、2014年に利益を回復させ、2016年には、3年連続での営業黒字を達成して居る。オーナーであるIAGは、何年もの削減の時代の後に、供給拡大と新機材の発注でこれに報いて居る。イベリアの改善した配当、そして姉妹エアラインブエリングの業績下降が、2016年にIAGグループ内で同社を底辺から引き揚げたのだ。
然しながら、イベリアは未だに資本コストを稼ぎ出して居らず、IAGの更に高い配当目標にはまだ届かない状況である。供給過剰勝ちの市場で、イベリアは、より搭乗率の向上に集中して居るため、同社の供給拡大は鈍くなって居る。今年は、2016年に開設した上海と東京路線の送客が北東アジアでの拡大へと繋がるだろうが、イベリアの供給席数はラテンアメリカの主要長距離路線で現状維持のままである。欧州でもまた、イベリアは、LCCの急速な拡大を前にして前年並みの供給を維持しようとして居る。
「将来計画」の第2段階では、更なる利益の拡大を目標にして居るが、次の段階へ踏み出すことで、イベリアは利益を回復した時よりも大きな障害を抱えることになるかも知れない。一方で、IAGの拡大の焦点は、新たな長距離LCC子会社である「レベル」へと移って居る。
Iberia: capacity stabilises. IAG focuses growth on Level, its new long haul LCC
エアベルリン:またも記録的な損失=然し、「何でも屋」が「グランドホッグデー」を免れるチャンスがあるかも知れない
29-Apr-2017
ドイツの航空会社、エアベルリンは、2016年、またも記録的な損失を計上し、過去9年間で8回目の純損失となった。同社はエティハドが株主になって以来の5年間で190億ユーロの累損を出して居る。2012年に唯一の小さな利益を出して居るが、これはエティハドが同社の常顧客プログラムを買ったからだ。今年初の決算として2017年第1四半期は損失が悪化して居ることを示して居る。
少しましなニュースとしては、株主であるエティハドの支援のおかげで、エアベルリンは事業を継続して行くに充分な流動性を持って居り、新たなCEOとともにリストラ計画を立てて居ることだ。仮に損失、エティハドの支援、リストラ、そして新たなCEOの話が前にも聞いたことがある様に感じたら、それはその通りだからだ。エアベルリンは、「グランドホッグデー」のビル・マレーと同じくらい、何度もこれを繰り返して居る。
然し、肝心なことは最近のリストラが純粋に急進的に見える事だ。新しいCEO、トーマス・ウインケルマンは、エアベルリンはこれまで、「何でも屋」でこれと言って取柄がなかったと言って居る。過去のリストラは、職域をより少なくして来たが、焦点を欠いた状態を完全には解決できて居ない。現在の計画は、規模を縮小し、概してレジャー分野から手を引き、ネットワーク・エアラインとして焦点を絞ろうとして居る。未だ、多くの事をしなくてはならないし、競争状況は改善しそうに無いが、ウインケルマン氏には前任者に比べ、より良いチャンスがあるかも知れない。
airberlin: another record loss, but "Jack of all trades" may have a chance to escape Groundhog Day
米国と中国のオープンスカイ:2019年に開かれる窓=エアライン提携と空港インフラの調整
29-Apr-2017
2019年という年は、中国と米国にとって、オープンスカイ協定を調印する可能性を示して居る。この事は、主として両国間の航空便の規制を取り去る事になるが、両国は主な乗り入れ権が飽和状態になって居り、割り当てを拡大しようとする交渉は上手く行って居ないことから、これは重要である。
最も重要な事に、オープンスカイは、独禁法適用除外の米国・中国のエアライン共同事業が米国の承認を得るためには、まずもって必要なものである。これらの提携関係により、エアライン各社は、共同で路線網と運賃設定を調整し合う、彼らは消費者の選択肢を増やすものと言って居るが、他のグループは大西洋横断路線の経験からして、競争を抑制する事になると心配して居る。
矛盾した話ではあるが、多分、共同事業という疑似餌は、エアライン各社が結局は競争を軽減する事になるオープンスカイの導入を両政府に働きかけて居る事を意味するのだろう。米国のエアラインは、上海と北京でのより多くの発着枠を求め、これは2019年に実現可能性がある。
最終的には、エアライン各社は提携相手との、共同の将来について自信を持つ必要があるだろう。中国東方はデルタに接近して居り、一方中国南方は、アメリカン航空と未熟ではあるが、提携関係を結んで居る。然し、中国国際は、この市場で最大の存在感を持つユナイテッドに親近感を抱いて居ない。中国国際は、ユナイテッドが本当にオープンスカイを希望して居るのか疑問視して居る。フラッグキャリアーで、管理当局と親しい関係を享受して居る主要エアラインである、中国国際の支持の無いままに、政府間取引が行われる事は考え難い。
US-China open skies: a window in 2019 – alignment of airline partnerships & airport infrastructure
ノーウエジアン、スクートを抜いてエアアジアXに次いで世界第2位の長距離LCCに=長距離低コスト 第3部
29-Apr-2017
2017年第3四半期、ノーウエジアンはシンガポールのスクートを抜いて、マレーシアのエアアジアXに次いで世界第2位の長距離LCCになる見込みだ。皮肉にも、ノーウエジアンのロンドン/ガトウイックからシンガポールへの便が、同社を世界第2位の地位に押し上げる助けになる模様だ。
ガトウイック=シンガポール線は向こう5か月間にノーウエジアンが、開設する新たな20の長距離路線の一つであり、このLCCグループにとって長距離路線は48となる。ノーウエジアンは、2017年第3四半期の終わりには、エアアジアXとスクートよりも多くの長距離路線を持つことになるが、エアアジアXは依然として、供給ではかなり上回って居る。
長距離低コスト事業は、現在世界の全供給席数の0.5%未満を占めているに過ぎないが、この分野は急速に拡大し、より主流になり始めようとして居る。今夏は、160の長距離低コスト路線が16のエアラインによって運航されて居る。
Norwegian overtakes Scoot as second largest long haul LCC after AirAsia X: long haul low cost Part 3
アメリカン航空とノーウエジアン、世界的な版図のため新たな提携関係を構築=CAPA米州サミット
28-Apr-2017
アメリカン航空が最近、中国南方を追いかけて居ることやノーウエジアンのライアンエアとの提携協議は、あらゆるビジネスモデルのエアラインが、事業の妥当性と競争力で生き残りをかけて路線網の乗継可能性を極大化する中で、直面せざるを得ない、変容する複数のダイナミクスを反映して居る。アメリカンはワンワールドから彷徨い出て、中国での重要な足場を獲得せねばならなかったし、一方ノーウエジアンは、自社のビジネスモデルに、伝統的なエアライン提携構造は適さないと強調して居る。
然しアメリカンが懸念から、中国南方に小規模な資金提携をする即断をしたにも関わらず、合意は単発的なものの様である。アメリカンはライバルのデルタ同様に、路線網を長生きさせるために、世界中のエアラインへの資本参画を模索する計画は持って居ない。アメリカンの立場は現在のそして計画中の共同事業の合意が、世界中の最も大切な地域に、拠り所を作る様にというものだ。
ノーウエジアンにとっては、考えられる他の低コストエアラインとの提携とは、同社が米国への狭胴機での新たな路線開設で刺激しようと目論む、旅客群に対して幅広い路線網を提供してくれるものであるが、より複雑なエアライン提携につきものの、余分なサービスや支出などを伴わないものだ。
American Airlines and Norwegian forge new partnerships for global reach: CAPA Americas Summit
ハワイアン航空、引き続きプラスの単位収入の波に乗る=競合他社を凌駕して
28-Apr-2017
昨年中、殆どの米国エアラインが単位収入の下落に悩まされた中で、ハワイアン航空は、この指標では、プラスの実績を享受して居る。この実績は独特の地理的な優位性と、2017年の殆どの期間に継続しそうな、この市場での、業界全体の穏やかな供給拡大が牽引して居る。多くの米国エアラインが、単位収入実績は、2017年第2四半期には、遂に、プラスに転じると考える中で、ハワイアンはこの指標では、島嶼路線市場で供給に圧力が続くにも関わらず、またもより強力な業績を予想して居る。2017年が進んで行き、単位収入が対前年比で厳しい状況であるにも関わらず、ハワイアンはプレミアム商品の売れ行きで、多くのプラス要因が続いて居ると考えて居る。
新しいエアバスA321neoの納入により、ハワイアンの2017年の供給拡大目標は変動して居る。然し同社は、2017年末の旅行需要の高まる時期に合わせる様に、保有機群の調整を試みて居り、現時点では、供給は2%から5%拡大すると考えて居る。
ハワイアンは、2017年第1四半期に対前年の税引き前利益が増加した、数少ない米国エアラインのひとつだったが、同社は2017年第2四半期の評価は、この実績から見返りを得て居るかの様に見える。
Hawaiian Airlines continues to ride a wave of positive unit revenue momentum, outshining competitor
FOR CAPA MEMBERS
ノーウエジアン、ロンドン/ガトウイックとシンガポール/チャンギのハブの位置付を強化=長距離低コスト 第2部
27-Apr-2017
ノーウエジアンのロンドン/ガトウイックとシンガポール/チャンギ間の便開設は、この路線の両端の空港にとって大きな派生効果を持つことになる。可能性としては、ガトウイックからアジアへの新たな長距離LCC路線がいくつか、そしてチャンギからの欧州へのLCC路線が続いて生まれるだろう。
ガトウイックとシンガポールのチャンギは世界の5つの最大規模のLCC空港に入って居る。然し、現在ガトウイックには事実上アジアへの便が全く無く、ここ数年チャンギにとって欧州は成長市場ではなかった。
今回は、ノーウエジアンの新たなロンドン=シンガポール路線と急速に拡大する長距離低コスト市場についてのレポートの第2部である。ノーウエジアンは2017年9月28日、787-9を使って週4便のロンドン/ガトウイックからシンガポールへの便を開設し、2017年10月29日からは、週5便に増やす予定である。
Norwegian
strengthens London Gatwick & Singapore Changi LCC hub position: long haul low cost Part 2
春秋航空、自社の再定義を模索=更に混雑する 中国のLCC市場で
27-Apr-2017
中国の低コストエアライン、春秋航空の伝説は、春秋社員が、乗務の旅先のホテルで部屋を分け合い、即席麺を食べる写真とともに、航空業界の歴史に刻み込まれた。
中国市場では、この倹約の姿勢は、億万長者の創業者、王全家のいつも率直なインタビューとともに春秋航空の拡大する低価格便数の同義語になって居る。一般大衆は、フルサービス国内線エアラインの、紋切り型とは異なる、中国で唯一の注目すべきLCCについて、教えられて来た。
然し、中国のエアラインの姿は、広がって居り、今やスティーブン王の指導の下、春秋は、中国の市場のなかでの立場を、再定義する必要がある。
王氏は、2017年4月、オーランドで開かれたCAPAの米州航空サミットで語った。新しいLCCが、異なったサービス水準に移行しようとして居り、春秋は、ULCCに成るべきか考えさせる。政府が、市場を統制するという現実は、春秋は国内幹線と、可能性として長距離路線のために、広胴機を持つ必要がある事を意味する。春秋はまた、その存在を多様化する必要もある。即ち、同社の母港でハブである上海は高い利潤を生む所だが、この事が嫉妬を呼び、航空ハブの全面再再編成で、LCCは皆、新たな、遠い第3空港に移動させられる事になる可能性がある。
Spring Airlines seeks to redefine itself in a more crowded Chinese LCC market
ノーウエジアン参入でロンドン-シンガポールは世界最長のLCC路線になる=長距離LCC 第1部
26-Apr-2017
欧州のLCCグループである、ノーウエジアンは、2017年9月28日、ロンドン/ガトウイックからシンガポールへの便を開設しようとして居る。ロンドンー=シンガポールはノーウエジアンの路線網の中で最長、世界的にも、どのLCCの路線の中でも最長になるだろう。
ロンドン=シンガポールは大きな市場だが、現在はシンガポール航空(SIA)と英国航空が相互に往復直航便を飛ばして居るだけだ。ノーウエジアンは新たな需要を刺激し、今は、価格競争のある経由便を使って居る旅客を惹きつける事が出来る筈だ。
また、ロンドンとシンガポールそれぞれの以遠地点に運ぶ商機もあるだろう。然し、ノーウエジアンは主として2地点間需要に頼らねがならないだろう。
London-Singapore becomes world's longest LCC route as Norwegian enters: Long haul low cost, Part 1
FOR CAPA MEMBERS
モンゴルの航空界:自由化、MIAT保護の中止が必要=新空港での成長を牽引するために
2018年3月、政府が首都ウランバートルに新空港を開設する準備を進める中で、モンゴルの停滞した市場が、目下重要な転機に差し掛かって居る。拡大を牽引し、新空港が白い象に変らないように、政府は、新たなより自由化された航空政策を採用し、フラッグキャリアーの保護を止める必要がある。
モンゴルの国際線市場は、一部は保護主義的な政策のために、過去4年間成長して居ない。最近の保護主義の例では、モンゴルはカザフスタンのエアアスターナの開設を拒否し、イスタンブールからの直航便を新設するのに必要なトルコ航空の供給増を承認して居ない。
モンゴルの市場は巨大な可能性を秘めて居り、ツーリズムの拡大は国有のMIATモンゴル航空が競争に晒されて被る負のインパクトより、遥かに大きな全体的な経済効果を持つ筈である。新空港が間もなくオープンする中で、モンゴルは参入の意思を持つ全ての外国エアラインに対し開放することだけでなく、MIATのグランドハンドリングの独占を止めさせ、空港使用料などが新設便を充分に維持出来る程度に低くなることを確保する様に、自由化する事が更に重要である。
Mongolia aviation: liberalisation, end of MIAT protection needed to drive growth at new airport