CAPA分析 : NEW HEADLINES  3月-2016年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。

 

 

 英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。 

  

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中国のエアライン各社、国際線の拡大を加速=海南航空、バージン・アメリカに関心か

25-Mar-2016

中国のエアライン各社の国際線への拡大が、増々明らかになって来て居る。中国国際航空ロサンゼルスへの毎日3便目に前進し、中国東方はデルタ航空から資本注入を受けて居る。また厦門航空は10カ月以内に長距離路線を開設する予定で、海南航空は遥か遠くのブラジルと南アフリカのエアラインに投資して居る。母国に近い方であれば、中国からの来訪者は多くのアジアの国々で最大の源泉市場であり、急速に拡大して居る。

 

 

中国のエアライン各社は、もう何年もの間、ずっと2桁の伸び率で国際線、国内線市場で拡大して来た。つい最近になって国際線の2016年、中国国際は、国内線よりも、国際線で多く飛ぶ可能性がある。中国南方は2014年には27%だった全供給に対する国際線の割合が2016年には34%になると予測して居る。中国のエアライン各社は潜在能力を具現化して居り、外へと向かう旅行需要の増大にも恩恵を受け、国際線に拡大せよという政府にも後押しされて居る。然しながら、中国のエアライン各社が既に影響を受けた様に、彼らにはもう頂点に達したのか否かの兆候は見えないのだ。2015年の12カ月間の中国のエアライン各社の国際線の旅客数は、それ以前の3年間を併せた数ほぼ同数だったのだ。

China's airlines accelerate international growth; possible Hainan Air interest in Virgin America

CAPA「過渡期のエアライン」:FSCは近距離路線のシェアを如何にLCCから取り戻せるか 第1部=現場にて

24-Mar-2016

 

フルサービスのエアライン(FSC)にとって、LCCはまさしく消え去るものでないと漸く分った時から、FSC各社は、大抵は大して上手く行かなかったが、多くの手段を講じて、低コストで地点間輸送の専門家である新たな参入者による近距離路線への侵食に対抗しようと試みて来た。影響は彼らの域内事業に留まらず、近距離路線が長距離路線を埋めるために、彼らのハブに送客することから、通常は世界的な路線網に及んで来た。

 

これは、世界連盟でも二者間の提携でも、彼らの盟友たちが安定して居て、支援してくれるし、彼らのハブでの長距離路線への乗り継ぎに於ける競争は安定して居るので、なんとか耐えられるものだ。その時、超乗り継ぎエアライン(湾岸のエアラインとターキッシュ)がやって来て、居心地の良い均衡を乱して、その代わり、改めて、近距離路線の重要性を思い知らされた。

 

2016310/11日ダブリンで開催されたCAPA「過渡期のエアライン会議」では、委員会が議長を務めるリガスドガニス教授の下、フルサービスエアラインの取締役会は、近距離路線の占有率を奪われる事に、如何に反応すべきかを検討した。彼らの熟慮の結果は、ついで、出席者による投票にかけられた。今回は、提議された問題点に関する全2回のレポートの第1回である。

 

 

CAPA Airlines in Transition. How FSCs can regain short haul share from LCCs Part 1: at the coal face

ジェットブルー航空、アナリストに評価され、格付けを上げる=然し、2016年第1四半期は単位収入に圧力が

 

24-Mar-2016

 

ジェットブルー航空は、過去数年にわたり、最上級の経営者の交代から、ミントプレミアム商品の導入、2016年同社全体の収入の動きを改善すると期待される、新運賃体系を市場に出す事まで、多くの方針変更を重ねて来た。同社はまた、この時期に、借入金の比率を2011年以来、半分まで下げ、貸借対照表をかなり強化した。

 

2015年に、業界でも優れた旅客単位収入実績を上げてから、2016年第1四半期には、同社も他の米国エアライン各社同様、ある部分、便出発間際の予約jへの圧力に引きずられ、単位収入の下落を予想して居る。(同社はもはや単位収入実績分析を公表して居ない)。ジェットブルーは、大体において、2015年に多くのエアラインの単位収入を引きずり下ろした、この種の圧力には影響を受けて居なかったが、2016年初頭から、業界全体に同調して、単位収入実績を悪化させる動きには歯止めをかける事にして居る。

 

ジェットブルーの単位収入悪化に対抗する戦略は、業績の上がらない市場に対する供給を調整する事だ。もし、現在の値付けが2016年下期まで長引いた場合、同社はショルダー期間には、供給の調整を行うと言って居る。然し、当面は、ジェットブルーの2016年供給伸び率8.5%10.5%の計画は変更されない。

 

 

jetBlue Airways praised by analysts and rating is upgraded, but 1Q2016 unit revenue is pressured

地球に、そして航空旅行にとって、「天候は存在にかかわる問題」=航空界は、成長へのライセンスを更新せねばならない

23-Mar-2016

 

航空界の重役クラスの聴講者たちが、最近、この業界が、成長へのライセンスを更新する能力があるのかを疑う事になった。2016311日、ダブリンで開催された、CAPAの「過渡期のエアライン(AIT)」会議で、投票した出席者の88%が、今後20年間のうちに、環境問題の圧力が、エアラインの成長を制限する事になるだろうと考えたのだ。航空界は、野心的な排ガス削減目標を持ち、それを達成する戦略を持ち合わせた、世界的な業界団体でも数少ない存在であるにも関わらず、そのメッセージは聞き届けられて居ないのだ。

 

航空界は、地球経済に占めるその重要性を、政府もその他の利害関係者も成長が必要であると思うように、伝えて行かなければならない。ジェフリーリップマン教授は、この議題を紹介し、資源に焦点をあてた月ロケット打ち上げに匹敵する行動の必要を論じ、航空界に「カーボンフリー(炭素を含まない)」な将来を約束する、商業的にも成り立つ「バイオ燃料」の開発への関心を説いた。この議論は、業界の現行の目標を超えたところに続いて居る。彼は地球規模の問題のどれよりもまず、気候変動問題である事を強調して、即ち「天候は存在にかかわる問題」だと語った。

 

Climate is existential - for the planet and air travel: Aviation must renew its licence to grow

米国-キューバ関係:当局は本当の需要を計らねばならない=激しい復便争奪戦の中で

23-Mar-2016

 

キューバと米国の間の、新たな二国間航空協定の締結は、数多のエアラインが両国間に想定される便数をめぐって争う結果になって居る。

 

就航の希望は、フルサービス、LCCULCC、それにシルバー航空のような小規模エアラインまで多岐にわたり、キューバ線を開設する機会をつかもうと競い合って居る。米国の航空当局者は、これら各社からの提案を評価する段階にあるが、この過程は、より通常の路線認可に比べて明らかに異なった様相を呈して居る。政府は米国のエアライン各社から提出された希望路線について、それぞれの利点を検討するための、過去の需要傾向のデータを持って居ない。

 

新規就航を希望する米国社のうち2社、アメリカンとスピリットは、米国からキューバへの新しい定期便の市場規模を計測すると提案して居る。アメリカンは、チャーター運航の実績から、そして米国最大のキューバ系住民の集積地を示す国勢調査から計るのが妥当だろうという見方をして居る。スピリットは、別の参考例をあげて居て、両国の類似性から見て、ドミニカ共和国がキューバ市場の潜在需要を予測するのに良い代替例になると言って居る。明らかにキューバ路線獲得に向けて争って居る他のエアラインも、市場規模を決める、それぞれ独自の方法で加わって来るだろう。

 

 

US-Cuba: US regulators must weigh likely demand in a hotly contested race to resume flights

9エア、中国の政策変換以降、最初の新生LCC、苦闘する=母港である広州の発着枠取得で

22-Mar-2016

中国は、しばしば、低コストエアラインにとって、アジアに残された最後の手つかずの市場と言われるが、新たな市場への道で障害物に遭遇して居る。中国の新規エアラインである9エアは、政府のより多くの競争と効率性を導入する政策変換以来、初の全く新しいLCCとして創業した。9エアは、地元の大御所で、中国国際が北京に、或いは中国東方が上海に持って居るよりも強固な力を持って居る中国南方が、競争相手の腕をこまねいて待って居るとずっと思われて来た広州から、営業開始する前に73750機発注して注目を集めた。

 

9エアは、新時代に受け入れられたが、生まれたのは古い時代だ。広州に於ける政治的変化により、9エアが寵愛を受けるのに失敗したと業界では考えられて居る。同社が広州で確保出来た発着枠はたった4枠で、それも皆、誰も望まない時間帯、即ち、朝7時前の出発、深夜1時以降の到着と言ったものである。航空機は駐機したままだったり、さもなければ遅延だ。9エアの保有機材5機は、稼働率を最大化するために異常な路線を飛んで居る。1機は他都市で停泊すると言う新規参入者には高くつく条件である。9エアはそれでも楽観的であり、2016年には、収支トントンにそして保護主義がひどくない国際線市場に乗り出すつもりだ。9エアは自由化された将来に回帰することを模索して居る。

 

9 Air, China's first new LCC since policy reforms, struggles to obtain slots in its Guangzhou home

吉祥航空、世界航空連盟に加入を検討=スター・アライアンスの上海の穴を埋めるか

18-Mar-2016


2010
年、スターアライアンスは、スカイチームの次期メンバー中国東方航空が、上海航空を合併したために、中国金融業界の心臓部に居るメンバーを失った。上海を本拠地とする、民間企業である吉祥航空は、2016年末迄に、世界航空連盟に加盟するか否かを決定する計画である。提携は吉祥航空の、この10年以内に長距離路線を飛び始めると言う新生計画に弾みをつける事になるかも知れない。

航空連盟に加盟を決断するとなると吉祥の場合、ほぼ確実にスターを選ぶことになるだろう。スターは吉祥にとって、乗継旅客を送客して貰う最高の機会を提供してくれる。上海/浦東への長距離の供給席数は、ワンワールドと他の非同盟のエアライン(そして、そのうちのカンタスなどは、中国東方航空に取り入ろうとして居る)を併せたものより大きい。吉祥は、現在スカイチームに居る(そして、将来的には、ワンワールドに入るであろう)中国東方と、同じアライアンスに入る事はないとして居る。

 

吉祥の路線網は、現存するスター・アライアンスのメンバーである、深圳航空、中国国際そして、中国国際の各社とのコードシェア便を補完するもので、中国国際はこの数年来、吉祥にスターに入る事を求めて来た。

 

 

Juneyao Airlines considers joining a global alliance: it could fill Star Alliance's gap in Shanghai

エアニュージーランド-ユナイテッド航空の共同事業=NZの長距離供給席数の62%が共同事業で

16-Mar-2016

 

友は身近に、敵はもっと身近に置くべし。この数年間で、エアニュージーランドは、競争相手を次々に共同事業の提携相手に変え、その長距離路線網、そして、ニュージーランドの航空市場を変貌させて来た。エアNZの最近のそれは、ユナイテッドとの収入配分提携で、201671日にユナイテッドがNZ線を復活させると同時に発効する。

 

共同事業は、その前に、エアNZとシンガポール航空、キャセイパシフィックそして中国国際の提携があった。然し、今回は単なる、もう一つのJVではない。エアNZ-ユナイテッドはオークランド発の長距離供給席数合計の25%を占め、最大になる予定だ。これはエアNZ―シンガポールのJVのほぼ2倍の規模になる。NZ発の合計で、エアNZの長距離供給席数の80%JVのものとなり、残りは独占市場への供給である。

 

Air New Zealand-United Airlines joint venture: 62% of NZ's long haul capacity operated under JVs

米国3大エアライン、下がり行く評価を支えるために努力=投資家達は依然懐疑的

15-Mar-2016

 

2015年に米国エアラインは、総計で約190億米ドルの利益を計上し、彼らの貸借対照表のリスクを減らし続け、約100億米ドルのフリーキャッシュフローを作り出した。

 

これに加えて、これらの企業の殆どは、投下資本利益率を押し上げ、株主利回りを増加させて居る。

米国の3大エアラインの経営者達は、飽く事なく、過去数年間、業界に生じた、変化について強調して来た。然し、このメッセージは、投資家の耳には届かなかった。これらの企業の評価は、昨年、投資家達がどんどん増える供給と、落ちて行く旅客単位収入の関係を理解しようと探って居る間、圧力を受け続けて居た。

 

今や、全てのエアラインが出来る事はと言えば、事業の基本的な変化として、これらの企業が考えて居る事を強調し続けて行く事だろう。そして一方で、米国のエアライン業界の耐久力について、投資家達が納得するまで、エアラインの過小評価については、ずっと大きな問題であり続ける可能性がある。

 

 

The Big 3 US airlines work to bolster their sagging valuations; the investor base is still sceptical

ブランド運賃、3大エアラインの中にも定着=市場のダイナミクスが変化

4-Mar-2016

 

2012年の頃、デルタ航空は、当時の市場で、特に投資家の間で弾みがつきつつあった米国の超LCC、スピリット航空の運賃レベルに似た値付けの運賃を密かに試し始めて居た。2014年までにこの商品は、今やよく知られたベーシックエコノミー運賃として、デルタが2014年遅くに、自ら発表した運賃種別の一部へと、開発され、明確化されて居る。

 

ベーシック・エコノミーは、批評家達に「スピリット殺し」と名付けられたが、スピリットが2015年に投資家の人気を失ったのは、これより、米国国内線市場に於ける、安売りの運賃体系全体に根ざして居る。然しながら、有名運賃という概念は、この業界で事業を続けるに当たって、米国のより大規模なネットワーク・エアラインが超低運賃の競争相手に、有効に対抗出切る様にする方法として、どんどん人気をあげて来て居る。

 

より細分化された運賃の導入は、常にアメリカン、デルタ、そしてユナイテッドの各社に、収入が薄まってしまうのを避け、自社の収入管理に、更なる洗練された手法を許す。すなわち、これらの運賃商品が幅広い旅客に、満足される様な、値付けの幅を創り出すはずである

 

Branded fares take hold among the three large US global network airlines. Market dynamics will shift

キャセイパシフィックの2015年収益=10億米ドルの燃油ヘッジ損が戦略的な弱さを覆い隠す

14-Mar-2016

10億ドルはとても無視できる額ではない。だから、キャセイパシフィックの85億香港ドル(10.9億米ドル)に上る燃油ヘッジの実現損失が同社の2015年会計の全体像を大きく支配して居る事は大きな驚きではかなかった。キャセイの同業他社、中国本土や湾岸のエアライン各社の多くは、ヘッジをして居なかったが、ヘッジをして居たものも、大抵は2016年には、極めて限定的だったヘッジから抜け出ようとして居る。然し、キャセイは他社に比べて2倍も長期間のヘッジを組んで居るため、損失は2016年にもずっと続く見込みだ。ヘッジ設定のあやふやさは、事業の他の局面で見せるキャセイの周到で保守的な姿勢とは対照的である。

収益が増加して居るにも関わらず、事業の基盤に潜む問題への大きな懸念がある。貨物は、収入の¼を構成して居るけれども、もう何年もの間、憂鬱な話題であり、今また状況が悪化して居る。貨物の不振により、旅客事業から、より良い収入実績をあげる事が必要になる。然し、旅客事業は、競合他社が野心的な拡大を始めるにつれ、そしてキャセイのプレミアム戦略が充分な旅客数と実収単価を実現出来て居ない事から、増々大きな問題に直面して居る。長距離のプレミアム需要は弱くなって居り、2017年に予定されて居た、新地点開設は延期されて居る。2015年の全営業費用の6%削減は、主に旅客の実収単価の下落11%で、持って行かれてしまった。供給の6%増に比べて、燃油費は2%増と低い伸びだった。それが貴重であると同様に必要なのが、更なるコスト削減だろう。

 

 

Cathay Pacific 2015 profit: USD1 billion fuel hedging loss obscures strategic weaknesses

マレーシアのマリンドエア、更に急速な拡大へ=リブランド、完全FSCモデルに移行して

14-Mar-2016

 

マレーシアのマリンドエアは、このライオングループの子会社を、完全にフルサービスのエアラインにしっかりと位置付ける事を目指したブランド変更の準備をしつつ、拡大を加速して居る。同社は、2016年に10機のボーイング737を追加する計画で、この年の末には、737NG26機、ATR72-60011機など計37機の保有機を持つ予定だ。

 

マリンドは、過去4カ月半の間に、7つの目的地を加え、急ピッチで、国際線路線網を拡大して居る。2016年中に、インドネシアや台湾を経由した、1ストップの第5の自由便を、豪州、韓国、そして日本の新たな地点に開設する事を計画中である。

 

然し、マリンドは、向こう数ヶ月間の国際線拡大を終えると、短期間の休眠に入り、その代わり、現有の目的地の便の供給拡大やスケジュール変更に絞ろうとして居る。また、マリンドは、現在、フルサービスの地位を強化し、2016年中頃にはスタートする新ブランドを盛り立てる事が期待される、2016315日のクアラルンプール国際空港の本来のターミナル(KLIA1)への復帰に向けて集中して居るところだ。

 

Malaysia’s Malindo Air to pursue faster expansion following rebranding and fully embracing FSC model

スリウィジャヤ・エアとナムエア、2016年に拡大=ガルーダとライオンに対抗して

 

11-Mar-2016

 

インドネシアのエアライングループであるスリウィジャヤは、2016年、子会社のナムエアを使って、域内の拡大に焦点を当て、更なる成長を計画して居る。スリウィジャヤは、2016年、新たな副次的な基地を開設し、ガルーダやライオンが拡大を図る域内事業で対抗するために使う、より小さな737-500を子会社ナムに移管する事が出来る様、ボーイング737-800を何機か追加する計画だ。

 

民間企業であるスリウィジャヤはガルーダとライオンには遥かに及ばないが、エアアジアよりは上を行く、インドネシアの第3の規模のエアライングループへと台頭して居る。合併統合と厳しい市場環境の長い期間を生き残ったことで、スリウィジャヤには明るい展望が開けて来た。

 

スリウィジャヤは過去2年間に亘り利益を上げ、黒字を維持し、市場での現在の地位を保つことに自信を持って居る。然し、同社は常に、ガルーダとライオンにはじき出される危険に直面するだろう。

 

 

Sriwijaya Air and regional subsidiary Nam Air to expand in 2016, fighting off Garuda and Lion

米国キューバの航空路線 2部:LCCULCCが正当な主張=新規路線開設に機会均等を

10-Mar-2016

 

低コスト、そして、超低運賃エアラインが、大手の世界的ネットワークエアラインに伍して、50年以上を経て米国とキューバ両国間に再開される商業飛行を可能にする、新たな二国間協定で定められた、米国からキューバへの、限られた便数の争奪戦に加わろうとして居る。ジェットブルーとスピリットは、米国で最大のキューバ系移民の故郷である南フロリダ市場での夫々の強みを喧伝して居る。アメリカンと同様に、ジェットブルーも同社の飛ぶ主要な都市が、米国キューバ間の航空サービスにとって最大の市場であると主張して居る。

 

アラスカ航空は、この町が、 米国東海岸以外では最大のキューバ人人口を抱える町であるとして、アメリカンと組んで、ロサンゼルスからハバナへの便を申請して居る。アラスカは、同社の提案は、米国4大エアラインの支配に対する、重要な代替案だと主張して居る。サウスウエストは、フォートローダデール、タンパそして、オーランドからキューバへの便を申請するのにそれ程やかましくしては居ない。フロンティアの主張の主たる部分は、同社がフォートローダデールとともに、南フロリダの航空旅行市場を包含する都市マイアミから運航して居る、唯一のULCCだと言う事だ。

 

米国の当局者達は、LCCULCCが提唱して居る、彼らが交渉に加わる事のメリットを勘案して居る。即ち、それは、大手米国エアラインは、キューバ路線で、低運賃エアラインからの競争を受ける必要があると言うものだ。これらのエアラインの中から、一つ或はそれ以上が、現在まで孤立して来た孤島の国家に定期便を開設する事に、部分的には成功すると言う事は大いにあり得る話だ。

 

 

US-Cuba Air services Part 2: LCCs and ULCCs rightfully argue for equal access for new services

2016年夏欧州線スケジュール、エアライン各社の供給計画=LCCと新機材のために拡大が加速

10-Mar-2016

 

OAGの最新のスケジュールデータによると、エアラインの供給席数の伸びが、2015年の夏の6%から、この夏は8%に加速する事になって居る。この伸び率は過去6年間の夏の中で最高の数字になるだろう。2016年の夏ダイヤが始まるまで、3週間を切った今、このデータはかなり確実なものになって居る。(勿論、更なる修正が加えられる可能性はあるが)

 

アフリカへの供給は下降し、欧州からアジア太平洋への拡大は鈍化する事になるだろうが、その他の全地域はこの夏は、拡大を経験するだろう。欧州域内は殆どがLCC(大きな伝統エアラインの低コスト子会社も含めて)の伸びに牽引されて、8%の伸びとなるだろう。中東へは、引続き欧州からの供給の伸びが、最高になるだろうが、ラテンアメリカと北米へも2桁の供給増があるだろう。

 

大西洋航路の、この供給増の加速については、一部は新たな競争が出現して来た事、また、現行エアライン各社がどこか他の路線から、供給を振り替えて来て居る模様だ。この事実は、独禁法適用除外の共同事業に対する懸念の要因になるだろう。

 

Airlines plan Europe summer 2016 seat capacity: growth accelerating due to LCCs and new models

ジェットスター・パシフィック、2016年、保有機材と国際線の拡大を計画=べトジェットとの競合が激化する中で

9-Mar-2016

ベトナムのジェットスター・パシフィックは2016年、保有機数を12機から18機へと50%
増強を狙い、より急速な拡大を計画して居る。同社は2015年にほぼ40%と、2008年の開業以来最大の成長を記録した。

ベトナム航空とカンタスの共同事業である同社は、国内線でも引続き拡大するが、2016年は、新しい定期便とチャーター便を使って、より国際線市場に的を絞る計画だ。特に、ジェットスター・パシフィックには、バリや日本の様なジェットスターグループが既に強力な存在感を持っている国際線市場で、かなりの好機が待って居る。

 

国内線の更なる拡大は、ベトナム航空グループにとって、ベトジェットの急速な台頭に対応するためには戦略的に必要な事である。現在の競争状態からして国内線での拡大は収益に繋がらないかも知れないが、ジェットスターパシフィックは、インターラインやコードシェアの旅客に焦点を絞る事により、現在の国内線の弱い収益率を改善する好機である。

 

 

Jetstar Pacific plans fleet and international expansion for 2016 as VietJet competition intensifies

ペガサス航空の待機戦術、今や市場占有率を守る為に打撃を甘受=後は燃油価格の上昇にかかる

9-Mar-2016


ペガサス航空は、待機戦術を採って居る。このトルコのLCC2015年の営業利益と利益率は、欧州の上場エアライン各社の大半の傾向に抗って2年連続で縮小して居る。大半は、単位収入と2015年に上昇した利益率への下降圧力を相殺して余りあった燃油価格の低下である。

ペガサスでは、燃油価格が下がって居るにも拘らず、自社のコスト構造への変更が、2015年の実収単価と搭乗率が下落するのを相殺するために、単位コストを下げようとするのを阻んで居る。地政学的懸念など、市場に関連した運賃設定への圧力はあるけれど、ペガサスは自分自身の供給拡大が実収単価の下落に影響した事を認めて居る、


それにも関わらず、ペガサスは2016年も供給の拡大を加速しようとして居る。彼らの理論は、燃油価格の低い環境下では、競合他社の拡大を刺激するので、ペガサスとしては自らの地歩を守る事が重要だというものだ。そうしてこそ、もし燃油価格が上がった時に、現在は低燃油価格のお陰でのし上がって来た弱者には痛手となって起こる、あらゆる市場の淘汰から恩恵を受けられるのだ。その様な長期的視野に立った考え方は立派だ、とは言うもののペガサスは、燃油費以外のコストに再度焦点を当てなくてはならない。

 

 

Pegasus Airlines' waiting game. Take a margin hit now to keep market share, pending fuel price rises

タイ・ライオンエア国際線拡大を加速=北京、ハノイ、ホーチミン、ジャカルタそしてヤンゴン

9-Mar-2016

 

タイ・ライオンエアは、向こう数カ月間に、インドネシアへの復便、ミャンマーとベトナムへの路線開設と、野心的な国際線拡大計画を立てて居る。このライオン・グループの子会社は北京、広州など中国本土の地点への路線も追加しようと模索して居る。

 

タイ・ライオンは2013年遅くに開業して以来、基本的には、国内線の拡大に集中して来た。2016年も新たな3つの目的地や、現行路線への供給の追加など、更なる国内線拡大を計画して居るが、焦点はタイの、更に大きな国際線市場に移して居る。

 

タイ・ライオンは、間も無く、全ての主要な国内線地点に便を飛ばし、開業から時を経た、2つのLCC競合社と国内線供給でも同様の規模にまで伸びようとするに連れ、国内線の商機は比較的限られて来るだろう。国際線の拡大は必要なのだが、同時にタイの近距離国際線市場の競争が極めて激しいものになって居る事から、難しい問題である。

 

 

Thai Lion Air accelerates international expansion with Beijing, Hanoi, Ho Chi Minh, Jakarta & Yangon

米国キューバの航空路線 1部:3大エアライン、主張を展開=アメリカン航空は甘い汁を狙う

8-Mar-2016

 

今やキューバと米国は両国間の航空旅行の、全てでは無いが幾つかの自由化に関する最終合意に至ったため、多くの米国エアラインがキューバ路線開設の申請を上げて居る。米国の3大グローバルネットワークエアラインも新路線開設を目指す競争各社の中に居るが、夫々が自社の計画する路線の利点の持つ意味合いについての主張に微妙な違いを見せて居る。

 

デルタは、米国最大のキューバ移民人口を擁するマイアミを、ラテンアメリカへの玄関口として主要な基地とするアメリカンに対して、重要な競争状態を創り出すと主張して居る。これとは対照的にアメリカンは、キューバと米国間の新たな航空便が消費者に与える恩恵を最大化するために、多くのサービス形態を保証できる自社のマイアミ・ハブがあり、自社こそ主導的な立場に居ると考えて居る。ユナイテッドは、同社が提供できる便は、両国間にある、全ての便の中では、ほんの僅かなものだと主張し、慎重な姿勢を示して居る。

 

管理当局としては、エアライン各社が、キューバに路線を開設しようと見せる様々な提案主張を何とか切り抜けるのに暫く時間がかかるであろうが、マイアミとフォートローダデールを擁する南フロリダが、キューバへの新たな定期航空サービスの主役を演じる事は間違い無いだろう。

(これは、 米国のエアラインのキューバへの定期便計画を検証するレポートの第1部である。)

 

 

US-Cuba Air services Part 1: The Big 3 stake their claims. American Airlines seeks the lion's share.

豪州/NZ湾岸エアライン=オークランド直航便、カタール航空が現状打破

7-Mar-2016

 

豪州と湾岸間の市場では、20163月大きな戦略的展開が発生した。エミレーツが世界一長い路線と言う称号を勝ち取るドバイ=オークランド直航便を開始したのである。重要な事に、これでエミレーツはカタール航空を打ち破ったのだ。カタールの大衆が、20161月ドーハ=オークランド線の開設に喜んで居る姿が、エミレーツを刺激し、カタールの発表の一週間後には発表、僅か5週間後には就航という何とも短期間にオークランド線を開始したのである。

 

カタールは、オークランドと欧州間で、もう一つのワンワールドの1地点経由便の選択肢を検討して居るのと同時に、エミレーツとエティハドに可なりの遅れを取って居るこの地区で、存在感を向上させる事を検討して居る。エミレーツのオークランド直航便は、同社が戦略的重要性ではより低い、更に、ルフトハンザが、コパ航空とのコードシェア の実現を阻もうとして居るパナマシティーへの直航便を取り止める事を間接的に明らかにして居る。

 

これに続く展開は、カタール航空、待望のシドニー線の開設である。20165月に予定されるアデレード線を併せると、カタールの規模は2016年に倍増することになるだろう。カタールは現在、運輸権が許せば、シドニー線のデイリー2便目とブリスベーン線の新規開設を検討して居る。この拡大はエティハドが、いや 特にエミレーツが望んで居た様な、余りにも急速に伸びて来た、湾岸=豪州間の供給の伸びは一休み、と言う状態をぶち壊す事になる。

 

 

Gulf airlines in Australia/New Zealand: Auckland non-stops as Qatar Airways disrupts the status quo

ターキッシュエアライン、燃油費低下で2015年の利益率改善=2016年は拡大が加速

6-Mar-2016


ターキッシュエアラインは、2015年、少なくともこの10年間で最高の純益を計上した。米ドルに対して、トルコリラ(TRY)が弱い事から(同社は財務実績を米ドルで計上)、単位収入と単位コストの両方とも、低下して居る。燃油価格が下がったお陰で、ターキッシュはRASK(有効座席キロ当たりの収入)よりも早くCASK(有効座席キロ当たりのコスト)を何とか引き下げる事が出来た。

 

然し、同社の2015年の営業利益率(対収入の比率としての営業利益)は、2014年よりも僅かに良い結果ではあるが、依然として、2008年の絶頂期の水準の半分より僅かに大きいに過ぎない。それ以上に、同社の収益の改善は、年間を通じて均等になって居らず、主に、強力な第3四半期の業績に依存して居る。

 

何年にも亘って、続いて来た急速な拡大と、地政学的そしてマクロ経済上の不確かさを秘めた多くの市場に晒されて来た事から、ターキッシュエアラインは、不安定な単位収入に弱くなって居る。

エアラインが、引き続き燃油費の低下から恩恵を受ける筈の2016年、供給の拡大は加速するだろう。然し、同社が低い燃油価格の力を借りずに、その利益率を維持し、改善するためには、更なる労働生産性の向上やその他の燃油費以外の経費効率化に、引続き集中する必要があるだろう。

 

 

Turkish Airlines improves 2015 margins thanks to lower fuel; growth to accelerate in 2016

ユナイテッド航空のサンフランシスコ-杭州線=中国の新しい副次的ゲートウェイ便への注目を強調

6-Mar-2016


中国のオンラインニュースサイト「カーノック」によると、ユナイテッド航空は、2016713日より、サンフランシスコと杭州の間に787-9で週間3便の路線開設を計画して居る。中国東部の杭州は、成都(2014年に開設)、西安(20165月開設予定)に続き、ユナイテッドの3番目の副次的な都市への便開設の例である。他のどの北米エアラインも中国の副次的都市には飛んで居ないので、毎年新たな中国都市への路線を開設すると言う期待を込めた、ユナイテッドの拡大策は将来の決断に影響を及ぼすかも知れない。杭州への便は、ユナイテッドにとって、一部、叶えられないすぐ傍の上海/浦東での発着枠追加に代わる物かも知れない。因みに、KLMもカタールも共に、上海/浦東に加えて、杭州にも便を飛ばして居る。

北米エアラインがどこも、大陸と中国の副次的な都市を結んで居ない一方で、中国のエアラインは既に4社が便を開設して居て、2016年後半には、中国のオペレーターもう3社が便を開設する。

 

最初は四川航空で、2012年に瀋陽=バンクーバー線を開設した。2013年にはまだ、副次的路線は無かったが、2014年に2路線、2015年に1路線が出来た。ユナイテッドの杭州線は副次的中国=北米路線としては8番目となり、これはある種2016年への提案で、2016年を中国から北米への副次的路線の年として確実に足固めをするだろう。2016年の結果は、より多くの中国都市に、欧州行きの便より多くの北米行きの便が飛ぶ事になるかも知れない。

 

 

United Airlines San Francisco-Hangzhou route emphasises new focus on secondary China gateway service

欧州の航空乗継可能性=EUとエアライン各社は湾岸とトルコから教訓を学べる筈だ
4-Mar-2016

航空乗継可能性(Aviation Connectivity)は品質に関わる評価であり、多くの物事に関わる機能である。広い意味で、また長い期間に亘って、乗継可能性は、ある時点で、旅客数が増えると共に向上する。これは、乗継可能性は経済的な豊かさと密接な関係を持つと言う事を意味する。互いに相手を牽引するのだ。然し、乗継可能性はlまた、制限したり、刺激したりする多くの要素によって変化するものでもある。

エアラインの、壊れやすい経済世界に於いて、航空業界のインフラ、税制、市場アクセスの規制、そして空港の料金などは、全て政府の政策に影響される。地理的条件や地政学的な問題も、それに一役買って居る。これら全ての要素に関連して、然し、また異なった存在がエアラインの路線網戦略である。

2015
年の国際空港評議会(ACI)の報告によれば、2005年から2015年の間に、欧州の空港での乗継可能性は全体で39%上昇して居る。然し、これは直接乗継可能性(18%向上)よりも、間接乗継可能性(51%向上)に依存して居る。湾岸やトルコを経由した間接的な乗継可能性が、この成長の大部分に貢献して居る。EUの航空当局やエアラインはこれらの国々の支援する航空政策や野心的なエアラインの戦略に学ぶべき事が多くある筈だ。ところが、それとは逆に、しばしば、より効率的なモデルに対する制限を求める反動的な動きが出て来るのだ。


Aviation connectivity in Europe: the EU and airlines could learn lessons from the Gulf and Turkey

HNAの米国エアラインへの投資、米-中間市場で海南航空を後押し=競争環境を再編

3-Mar-2016

 

HNAは、旗艦エアライン海南航空の持ち株会社であるが、財産目録として、エアライン投資を大中国圏の外まで拡げて居り、最近では、ブラジルのアズールを、そしてTAPポルトガル航空をも含む投資拡大の可能性もある。いくつかの株式所有のお陰で、HNAは活発な投資家となり、外国市場での存在感を高めて居る。この大きな戦略目的のために、そして使うキャッシュの為にもHNAが米国エアラインへの投資を考えるのは理に適って居る。

中国の1路線、1エアライン政策は、大抵の場合、長距離路線を飛ぶ中国のエアラインは1社に限って居る。北京や上海からニューヨークやロサンゼルスと言う優良路線へは中国国際、中国東方が既に飛んで居るので、海南には許されない。その代り海南はボストンやシアトルと言った、主に副次的な市場の路線網を展開して居る。運輸権がある限りは、米国側の規制は無い事から、米国エアラインを買収して、中国に展開させる、或いは全く新しい便を就航させる事でこれらの制限を克服する事が出来るだろう。アメリカン、デルタ、そしてユナイテッドは全てロサンゼルス=上海路線を運航して居る。

 

中国米国間のオープンスカイ協定は、HNAとその米国の提携社が共同事業を開始し、収益を分け合う事さえ認めるだろう。統合する事が、HNAの投資の確実な将来像と言うわけではないが、米国エアラインへの投資で考えられる枝分かれは大きく、幅広く広がる可能性を秘めている。この太平洋横断路線の変化の可能性は、丁度カナダのウエストジェットがアジア路線に参入を検討して居るのと時期を同じくして居る。


HNA investment in a US airline would boost Hainan Airlines in US-China market, reshape competition

スティーブン・ピアス、CAPAの最高業務責任者に就任=新たな革新チームと組織が発足

2-Mar-2016

 

CAPA(航空センター)より、スティーブンピアスが最高業務責任者に就任した事を謹んでお知らせしたい。
スティーブンは2016321日より、CAPAのシドニー本社にて業務を開始する予定である。
加えて、次の局面の発展に備えるため、デレク
サドゥビンを長とするCAPA業務革新チームを立ち上げる予定で、リズピンゼウスキーがより幅広い経営の役割を担う予定だ。

 


Stephen Pearse joins CAPA as managing director; new Innovation Team and organisation established

ラオ航空、業績見通し好転=アジアでの拡大と国内線縮小で

1-Mar-2016


ラオ航空は、過去数年間で、北アジア、特に中国に焦点を絞って、急速に国際線を拡大して居る。2012年後半から、中国に4地点、韓国で2地点、国際線で併せて6つの目的地への路線を開設して居る。

国内線で、いくつか不採算な路線を、より小規模な国営のラオ・スカイウエイに移管して来て居り、これで、ラオ航空は小型のターボプロップ機を退役されることが出来た。同社は2001年以来、ATR723機増やし、一方、2クラス仕様のA3204機追加して居る。


新たに北アジアに焦点を置くことと、国内線市場から、焦点を外すことで、ラオ航空の採算性と業績見通しが改善して居る。然し乍ら、国際線では、東南アジア域内で激化する競争に直面するだろうし、ますます人気の高まるラオスの目的地ルアンプラバンに、初のLCCとしてタイエアアジアが就航することから、影響を受けることになるだろう。

 

 

Lao Airlines outlook brightens following North Asia expansion and domestic reductions

エアカナダ、投資家に長期的指標の考慮を求める試み=自社の評価が下がる中で

1-Mar-2016


エアカナダは、2015年の期中に西カナダの一部で、供給を削って以来、2016年は、供給拡大の大半を、国際線市場に割り当てようと計画して居る。エアカナダは、西カナダに本社を置き、石油とガス業界からの需要が低下した弱さから、2016年の早い時期に、単位収入の急激な下落が起こると予測して居る、ライバルのウエストジェットに比べて、この地域での露出度合は低い。


エアカナダは、2016年を始めるにあたり、45機のボンバルディアCシリーズを発注内示して幕を切った。一方、ケベック州政府(今や、Cシリーズの株式を保有して居る)は、この州で行われた機材整備に関して、このエアラインに対する告訴を取り下げた。

 

然し、エアカナダはいわくつきのCシリーズを発注するのに、政治的な圧力は一切無かったと言って居る。現在、ポーターエアラインの発注は疑わしいままであり、他の北米でのこの機材の顧客であるリパブリカン航空ホールディングスが、会社更生法適用に至って居る状況で、ボンバルディアは、エアカナダの発注により、漸く信頼できる国家的な顧客を得た事になる。

 

2015年の殆どを、割引で商売して来たエアカナダは、四半期または年間ベースでの、利益率、収入単価、そして供給目標などの公表をしない事にした。この決定に関する同社の論理は、2015年半ばに、同社が投資家向けに出した、具体的なROICEBITAR率などの目標値を盛り込んだ長期戦略に注目して欲しいと言うものだ。同社は盛んに、短期的な投資家たちが、もしこの新方針にご不満なら、どうぞ他所へ行って下さって結構だと言って居る。

 

 

Air Canada attempts to steer investors to contemplate long term metrics as its valuation falls

A380の空港使用状況:ドバイが最も人気があり、ヒースローは最多の外国社

29-Feb-2016

A380
は相変わらず、ロンドン/ヒースローと深く絡みあって居る。マレーシア航空は欧州線とA380での定期便路線網を整理して、ヒースローのA380毎日2便だけに絞った。エミレーツは、ヒースローに毎日6便目のA380を導入する予定であり、英国航空は、中古のA380の入手を考えて居る。ロンドン/ヒースローは、世界一A380の多い空港では無く、そのタイトルは、どのエアラインよりも多くのA380を運航して居るエミレーツ航空の本拠地であるドバイが獲得する。


ロンドン/ヒースローは、就航して居る全A380の内、地元エアライン(英国航空)が運航して居るのが、たった30%であるという点で、主要なA380空港の中で際立って居る。バンコクやシドニー、そしてメルボルンでも地元エアラインより外国社の運航するA380の方が多い。一方、ソウル/仁川では、全A38082%が地元エアラインの運航である。A380の飛んで居る、最大の15空港の内、ロサンゼルス、ニューヨーク/JFK、そして香港の3つを除く全てが、A380運航会社のハブである。カンタスは、世界最長のA380路線(ダラス行き)を飛び、エミレーツが最短路線(クウエート行き)を持って居る。中国南方とカタールが、最短の平均区間距離を持ち、最長であるマレーシアとカンタスの半分である。

 

 

A380 airport usage: Dubai is most popular, Heathrow has the highest number of foreign airlines

中国国際航空のメルボルン-線申請=中国の路線網細分化の好例

29-Feb-2016

中国民用航空局(CAAC)は大体に於いて、一つの地元エアラインに一つの国際線路線を付与するので、一度飛び始めれば、他の競合社は参入出来ない。このハブ細分化は効率を悪くする危険がある。将来、難しい合理化が待って居そうだ。外国エアラインにとっては、この展開方式が路線計画を余計にきわどい物にする。

一方で、中国のエアラインは、相変わらず、一つの市場には、一つのエアラインという政府の整然とした計画を崩す様な、長距離路線の申請を続けて居る。申請された幾つかの路線では、戦略的に適合するかもしれないが、同時に、しっぺ返しの報復だったり、地元の競争相手を出し抜こうとするものだったりする。中国南方航空は地元の中国国際と深圳航空をだまし、深圳の長距離市場を無視して、深圳=シドニー線を開設した。今度は中国国際が、中国南方が次に開設しようとして居た深圳=メルボルン線を申請して居る。この様な例が、毎週増えて居るのだ。

 

Air China's Melbourne-Shenzhen route application an example of China's network fragmentation