CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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エアニュージーランド、長距離路線網を史上最大に=ホーチミン、ヒューストンそしてブエノスアイレスを加え
26-Dec-2015
エアニュージーランドは長距離路線の市場に拡大を続けて居る。2015年12月には、同社の核をなす北米市場で、ヒューストン線を開設、そして初の南米路線としてブエノスアイレス線を始めた。次の長距離路線の目的地であるベトナムのホーチミンもまた、より周辺地域であり、現存する需要を取り込むのでは無く、エアNZが関心を触発しなければならない市場である。
入国旅行客はニュージーランド経済にとって、主要な資源であり、エアNZはこれを支えて居るが、同時に強い出国旅客市場が存在するのも否定し難く、ブエノスアイレス線、そして特にホーチミン線を後押しするだろう。エアNZはベトナムで16番目の長距離定期便エアラインで、外国社としてはまだ8番目である。しばしば中国や東南アジア各国の旅行ブームの影に隠れて、忘れられ勝ちなのだが、人口9,000万人のベトナムの国際的な成長はまさに熟成期に入ろうとして居る。
エアNZは2015年、長距離路線網のリストラを終えた後に、リストラ前より多くの長距離便数と供給席数を持つ事になった。新たな路線は同社の更なる成長を産み出す事になるだろう。
2016年、同社は2005年の最高記録より15%も多い長距離便数を持つ事になる。
Air New Zealand: long haul network grows to record highs, adding Ho Chi Minh, Houston & Buenos Aires
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デルタ航空、長期の海外投資(及び共同事業)と短期の株主還元の均衡をはかる
デルタにとって2016年、最も大きな課題としてはアエロメヒコとの共同事業の承認を取付
て、このメキシコで最大のエアラインに財政的恩恵を両社に齎す様な改革を余儀なくさせ
る事だろう。デルタは3年前のバージンアトランティックへの出資を青写真にして、効率
化と利益率の向上を計画している。
デルタはまた、中国東方航空の部分所有も進めており、この合意が正式に締結されれば、同社 は米国発の国際線の最重要地区全てに足場を築く事になると言って居る。この数年間、 デルタの採る外国エアラインへの投資行動の多くが、長距離路線網の効率性を築き上げ、
投資と、適切な水準の株主還元の間を均衡させるような筋書きを描くという戦略を反映して
いる。
短期的には、デルタは2016年には引続き、策定されたゼロから2%の供給拡大を維持し、こ
の増加分の多くは国内線市場に割り当てる計画を強調して居る。国内線の供給の殆
どは、デルタが供給増に耐え得ると考えるニューヨーク、シアトル、そしてロサンゼルス
に向けられている。
Delta Air Lines balances long term foreign investments (and JVs) with short term shareholder rewards
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コタキナバル空港 第2部:クアラルンプールに次ぐ第2のハブになる=新マレーシア航空のために
2016年4月、マレーシア航空は、コタキナバルでマレーシア第2の規模の空港に新たな基地を 開設した後、事業の拡大を計画して居る。このリストラされたフラッグキャリア—は、コタキナバルに、年間を通して6機の737-800を配置し、新たに中国へのチャーター便の運航を維持する為に特定期間は1〜2機の航空機の追加配置を考えている。
コタキナバルに於けるマレーシア航空の国際線は、現在、週間ほんの12便、4地点への運航
であり、この先数年で、急速な拡大を見る事になるかも知れない。コタキナバルの国際路
線は伝統的に極めて不採算であったが、このフラッグキャリア—としては、大きく削減し
たコスト構造と新たな地元従業員により改善された効率性が、これまで赤字垂れ流しの路線
を生き返らせる事に自信を持っている。
マレーシア航空はまた、コタキナバルをハブとして売り出している事から、国内線の乗り
継ぎの改善も当てにして居る。マレーシア航空の国内線区間と地域航空子会社のMASウイ
ングズは、乗り継ぎを容易にするために、スケジュールの改編を行う予定だ。また、リス
トラされた本体エアラインによる、新たな国内便のチャンスもありそうである。
Kota Kinabalu Airport Part 2: to become second hub after Kuala Lumpur for the new Malaysia Airlines
バージン・アメリカ、業界を通じて生産的な供給削減を期待=2016年ダラスにて
23-Dec-2015
バージン・アメリカは、2015年の同社の最大の激戦地の1つ、ダラス・ラブフィールドで、2016年早い時期の供給削減競争を歓迎して居る。2014年遅くに始まり、2015年に続いて居る同空港でのサウスウエストの大量の供給席数の圧力が、収入環境を弱め、大ダラス圏市場に定期便を持つ全エアラインに影響を与える事になった。
ダラスでの供給拡大が、漸く収まりつつあるので、バージン・アメリカは2014年と一部2015年に実施した、供給拡大の休止を終え、2016年には、13%から16%の成長を計画している。
供給増の殆どは、バージンアメリカが取りやめざるを得なかったダラスでの拡大の代わりに新市場ハワイや、デンバーへの増便など他の市場での便数増加によるものだ。
同社は、2017年から納入される10機のA321neoのリース契約締結で、2015年を締めくくろうとして居る。この新世代ジェットは、中期計画として毎年平均約10%の供給拡大を掲げたバージンアメリカにとって必須のものである。
Virgin America expects positive industry capacity reductions in Dallas during early 2016
マレーシアのコタキナバル空港、新たな成長へ=サバ・中国間市場のブームで
23-Dec-2015
東マレーシアのコタキナバル空港は、2年間の削減の時代の後に、2016年、旅客数の拡大が
戻ってくるのを見る事になるだろう。マレーシア第2の規模の空港は、中国本土の急成長
に助けられて、国際線のハブとして、静かに台頭しつつある。
マレーシア航空は、2016年4月、コタキナバルに基地を開設する予定で、この空港で、新
たにリストラされたフラッグキャリアーにほぼ30%の旅客数増加をもたらすと期待されて居る。2016年には、エアアジアもまた、コタキナバルで拡大を計画して居り、先ず、中国に第4の地点として武漢へのデイリー便を開設する。
コタキナバルにはまた、2015年下期に中国のエアライン3社が開設または復便した。中国は今や、同空港最大の国際線市場になって居り、2016年には、エアアジア、マレーシア航空、そして中国のエアラインの新設便に牽引され、更なる拡大を見せる事になるだろう。
Malaysia’s Kota Kinabalu Airport poised for renewed growth as Sabah-China market booms
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エバーエア、長距離目的地増強を計画=近距離拡大とユニエアを統合する中で
22-Dec-2015
エバーエアは、2016年、シカゴとイスタンブール線を開設し、2017年とそれ以降には、バルセロナ、ボストン、ミラノ、そしてワシントンD.C.など多くの新たな目的地を検討して居る。ヒューストンに就航した2015年6月まで、長距離目的地の追加が無かった5年間と、今後数年間でのこの目的地の大拡大は極めて対照的である。787-9を受領することにより、2015年3月のターキッシュエアラインの参入、2016年に計画されて居る、エミレーツの2クラスA380による台北線大型化に伴い、台湾=欧州間に供給過剰が起こる懸念は有るものの、エバーにとって、欧州の副次的な市場を拡大する事が可能になるだろう。エバーの主力商品である、北米線では、2017年には合計34機になる777-300ER(この数字はエバーが777XかA350-1000により保有機の総入れ替えをするまで、もっと伸びる可能性がある)を使って、拡大を継続する計画である。
エバーは、2016年にはA330-200を退役させてA330-300に替え、一方、2機のMD-90は2016年に引退、6機のA321が加わる計画である。競争相手である、中華航空と吉祥航空は、それぞれ、LCC子会社を持って居るが、エバーは、未だ、台湾独自のLCCには環境が整って居ないと言う見方を変えて居ない。またエバーは、もし政府がその運送権割当を引き継ぐ事を認めれば、子会社ユニエアを統合する事を考えている。
EVA Air plans more long haul destinations while growing short haul and consolidating with Uni Air
マンゴー、南アフリカ航空の二重ブランド戦略により大きな役割を担う=プレミアム客室を検討
21-Dec-2015
南アフリカ航空の、不運な試みそして試練は、2015年12月に、2社の最近の新規エアラインのうちの1つであるスカイワイズが、空港と管制に対する料金未払いのため、運航停止に追い込まれると言う事態を生んだ。その免許は、手付かずで残るが、同社の出資者と資本注入を探し求める努力はまだ続いている。
この災難の渦中に、SAAの100%子会社でLCCであるマンゴーの、静かに輝く物語がある。
マンゴーは、グループの南アフリカ国内線シェアを50%以上に保たせながら、SAAグループの国内線供給席数の⅓以上を占めるまでに這い上がって来た。説得力ある、二重ブランド戦略の成功例である。南アフリカで、最も収益を上げた(そして安定した)エアラインであるにも関わらず、マンゴーはSAAの重役会に対して、もっと拡大するのを認めるよう、戦わねばならない。マンゴーは既にSAAとのコードシェアをして居り、2016年からは、スターがつい最近設けた舞台のもと、最初の乗り継ぎ提携社となるため、その他のスターアライアンスメンバー社とのコードシェアも始まる。マンゴーは引き続き、ハイブリッド化への道を進む中で、2016年には、プレミアム席の選択肢を提供するのか否か、決断する予定である。
Mango taking a larger role in South African Airways' dual brand strategy. Considering premium cabin
セブパシフィック、2016年には更なる拡大を計画=グアム、ホノルル、メルボルンへ、但し拡大率は鈍化
20-Dec-2015
セブパシフィックは、2016年、米国への便を開設し、豪州に第2の地点を加え、国際線路線網の拡大を継続する計画である。このフィリピンのLCCは、2015年12月17日に日本に4番目の目的地を加え、2014年9月以来4本の長距離路線を開設し、2015年の第1四半期を通してRPKの27%増を成し遂げた。
同社は2016年に、長距離運航の拡大から、再びASKで2桁成長を予測して居る。然し席数の拡大は、セブパシフィックがジェット機の保有機数増加を計画して居ないため、慎ましく2%から4%と、この数年で最低の伸び率である。
セブパシフィックは東南アジアの主なLCCとしては、伝統的に、最も保守的で、合理的なエアラインだった。柔軟な保有機材計画と供給席数の増加に対する抑制された取り組みが同社の最大の強みである。
Cebu Pacific plans more expansion in 2016 with Guam, Honolulu & Melbourne but growth rate slows
ブリストル空港、旅客1,000万人の目標を超える試み=達成に着々と積み上げ
19-Dec-2015
英国西部地方の玄関口に位置するブリストル空港は、エグゼター、ボーンマス、そしてサザンプトンなどそれぞれ異なった所有者のもと、100マイル(160km)圏内で競い合う、地方空港の一群の最も良い例だ。およそ100マイル離れたバーミンガム空港だけが、より規模が大きく、ブリストルと同様に明白に確立した集水域を持って居る。ロンドン・ヒースローはバーミンガムと似た距離に位置して居るが、これらの比較には含まれない。
ブリストル空港は英国内で第8位の規模に成長し、年間1,000万人の旅客を円滑に処理できるよう、建設も進んで居る。同空港が属して居る市と地域も繁栄して居るが、LCCの攻勢とその気紛れさにまともに晒されて居るのが悩みのタネだ。
今回のレポートは、数値的指標を網羅して競争にどう立ち向かおうとして居るか、建設計画や所有形態の問題など、ブリストルの現在と将来の成長の傾向を検証する。
Bristol Airport looks to break the 10 million passenger mark and builds to achieve it
ミラノ=ニューヨーク:米国エアラインの湾岸攻撃の中心で第5の自由路線があり得ない成長を示す(rvsd)
18-Dec-2015
米国の3大エアラインは、米国社が飛んでいない世界の遠隔地や、長い付き合いの提携社も少ししか、或は全くカバーして居ない地点と米国とを、湾岸のエアラインが結んで、拡大して行くのを遠くから眺めて来た。然し、エミレーツがミラノ=ニューヨーク路線に第5の自由摘み取り権をフルに使って参入したのは、余りにも母屋に近過ぎた。この路線の規模は2014年には、米国=欧州間総旅客数のほんの1.6%を占めるに過ぎないのだが、以前から、これ以上湾岸エアラインの運航する第5の自由便を増やすのは有害で、いつの間にか米国エアラインの足元をすくう事になる、我々はそんな滑りやすい坂道に立たされて居るのだと警告を発して居た3大エアラインが、ミラノ=ニューヨーク線について、声を揃えて弾劾する結果になった。
この話は、これで終わらない。実際に逆の事態が起こったのだ:即ち、ミラノ=ニューヨークの供給席数は、ほぼ2/3も増え、ユーロ安やイタリア経済の停滞にも関わらず、イタリア人訪米客は増え続けて居る。それでも、ユナイテッド航空は、地元市場の需要は、充分に育って居ないのに、かつて他の欧州のハブ経由で(イタリアには何の恩恵も無く)乗り継いで居た旅客を横取りする直航便席数が多過ぎる、と論難して居る。更にユナイテッドは、ミラノ=ニューヨーク線は実収単価が低いと主張して居る。米国エアラインが、何ら確たる証拠が無いにも関わらず、実収単価が低いと主張するのは、これが初めてでは無い。一方、エミレーツは、米国エアラインの実収単価は、太平洋横断路線や、ラテンアメリカ市場では、下がっているにも関わらず、大西洋横断路線では
伸びていると言って居る。
Milan-New York: the fifth freedom
route at centre of US carriers' Gulf ire shows improbable growth
マクタン=セブ国際空港、急速に成長=マニラの混雑で、ハブとしての将来性が改善して
17-Dec-2015
フィリピンのセブは、2015年の最初の10ヶ月で旅客数の伸びが13%と、東南アジアで最も急速に成長する空港の1つとして台頭して来た。マクタン・セブ国際空港は、PAL、セブパシフィック及び外国社の国際線に加え、フィリピン航空(PAL)グループが、幾つかの国内線を再就航させた事で勢いづいて居る。
このフィリピン第2の規模の空港は、2016年、PALが、更なる国内路線や、セブ初の長距離路線である、ロサンゼルス線を就航させ、同社の第2のハブでの拡大を続ける事から、更に急速な成長を遂げようとして居る。セブパシフィック・グループも2016年には、同社のセブ基地を、少なくともターボプロップをもう2機加え拡大する計画である。
マクタン・セブは、同空港の新たな民間の所有者が、年間収容旅客数を1,250万人まで増やす新ターミナルの建設を始めて居り、長期にわたる成長に良い位置に居る。新ターミナルは、セブを乗り継ぎ需要のハブにする事を、そして、フィリピンの各エアラインに、追加の機材は副次的な都市に配置させるよう仕向けて居るマニラでのインフラの制限から、更に恩恵を被る事を可能にして居る。
Mactan-Cebu International Airport grows rapidly as hub prospects improve with Manila congestion
スターアライアンス、LCCの舞台を持った最初の世界航空同盟=SAAのマンゴーが、最初の加盟社
17-Dec-2015
低コストエアラインの、目を瞠らせる急成長は、また、彼らをニッチな挑戦者から、かなりの規模の路線網を持つエアラインへと変身させる事を意味して居た。路線網は、フルサービスのライバルたちを凌ぎ、便数も多く、供給の足りない路線を、或いは、フルサービス各社は全く飛んで居ない地点を運航して居る。
この事が、世界同盟にとって、特に大市場でLCCが強い場合に、彼らを魅力あるものにして居る。
スターアライアンスの存在感が小さく、他のフルサービスエアラインとのより強力な訴求が出来ないブラジル、インドの様な地域が、これである。2015年12月、スターは、正式に乗り継ぎ提携社のモデル(CPM)をスタートさせ、LCCと協働する道を提示した最初の世界同盟となった。スターが初めてこの計画を検討してから2年が、そしてスカイチームが同様の案を考えて居ると発表してから3年が経っている。
Star Alliance the first global alliance with an LCC platform: SAA’s Mango becomes the first partner
イランの空港投資見通し:巨大な可能性を秘めた市場
16-Dec-2015
イラン空港ホールディング会社(IAHC)は、イラン道路都市開発省の下にある国営企業で、向こう15年間に、かなりの量の空港開発を計画して居る。プロジェクトはメヘラバード、イスファハン、タブリーズ、マシュハド、シラズで展開され、計画には、アフワーズとブシェールでの新空港建設も含まれて居る。
現在は、既に公式になった制裁解除(2015年12月15日のIAEAの前向きな発表以来)以前でさえ、イランは、67の空港から、4,700万人の年間旅客数、年成長率6%を記録して居る。2015年11月23日シンガポールで開かれたCAPAのアジア航空サミットでの講演で、IAHC国際協力部次長のアフマドレザー・バヤティ・ドースティは、2016年のうちに空港インフラ開発のために30億ドル近くの投資のチャンスが有ると述べて居る。
Iran Airport Investment Outlook: A market with enormous potential
米国輸出入銀行:麻痺状態に至るのは、苦悩する米国政治の傾向
16-Dec-2015
2015年12月の上旬、米国の輸出入銀行が再承認された事は、幾らかの人々には、この議論の多い公的機関についての長い政治的争いに於ける大きな勝利だった。これを中傷する側は、輸出入銀行は企業福祉のポスターチャイルドだと非難し、これを擁護する側は、この機関が、何十万人もの米国人の雇用を確保してくれたが、その内の幾らかは、2015年6月に関連法案が期限切れとなって、半年間の休眠を余儀無くされた間、麻痺状態に置かれたと主張して居る。
然し、米国議会上院は、5席の輸出入銀行の取締役会のうち、まだ2人の承認を必要として居り、これは、同銀行が、取締役が定足数を満たすまで、1,000万ドル以上の決済を承認出来ない事を意味する。輸出入銀行の幹部は、上院が取締役承認に迅速に動くだろうと楽観して居る様子だが、米国の政治は全く予測出来ないものだ。当面は、輸出入銀行の両手が事実上縛られている為に生み出される商機を、他の国際的な信用機関が、引き続き獲得する事になる。
現行の輸出入銀行の認可した案件については、大統領と議会の中間選挙の後、2019年9月まで有効性を持つ。米国の政治情勢から考えると、輸出入銀行は再び事業を開始出来るかも知れないが、その将来は、保証されているとはとても思えない。
US Ex-Im Bank: When reaching a state of limbo is progress in the US' tormented political spectrum
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キャセイパシフィック、欧州で多様化、英国航空、中国で共同事業を探る=提携が変容するに連れ
15-Dec-2015
変貌する航空業界に於いて、特異性と現実主義は提携の常識になって居り、全ての関係が見直されて居る。その理由の一部は、市場の流動性の変化、また一部には、新型機材によって需要の弱い路線も生存できる様になったと言う事が有る。
英国航空とカンタスは、カンタスがエミレーツと提携せねばならないと決断した時、それまでと異なる関係に動いた。今や、キャセイが欧州の路線網を強化し、BAが中国本土へのより良いアクセスを求める中で、航空業界で歴史のある、もう一つの世界的提携である、英国航空とキャセイパシフィックの関係が緊迫の兆候を見せ始めた。
何十年にも亘って、両社は、世界の突出したハブのうちの二つ、ロンドン・ヒースローと香港を使って、その先の目的地に旅客を運んで来た。この関係は続く一方で、同時に新しい世界からの圧力に応える為に、進化せざるを得なくなって居る。
キャセイは、5本のロンドン便(6本目は、2016年9月に新たにロンドン・ガトウイックへのA350による便だ)のうち2本程度に、BAの近距離ヒースロー線での送客を必要として来たし、BAは上手くいかないもののキャセイの他のアジア市場、特に中国本土と豪州へのアクセスを求めて来た。キャセイは、欧州のオンライン地点を、2010年の6都市から2016年9月に10都市と、欧州での存在感を拡大して来た。A350の保有機数が増えるに連れ、更なる香港=欧州直航便が開設されるだろう。地元での提携社は、小規模のものではあるが、多くの空港で増えるだろう。
BAの中国本土での存在は、戦略的に必須であり、キャセイは、相応しい乗継便をブロックして居る。それならと、BAは自ら中国オンライン路線網を拡大し、中国エアラインとの提携を進めようとして居る。中国東方と中国南方が、選ばれるのは明らかだろう。これに合わせて、英国航空は、ロンドン・ヒースローのピーク帯の発着枠を使って、2本目の上海便を追加しようとして居る。
Cathay Pacific diversifies in Europe, British Airways seeks China JV, as their partnership devolves
フィリピン航空業界 第2部:新たな国内線供給拡大が、セブパシフィック、PALそしてエアアジアに影響
15-Dec-2015
2015年下期、フィリピンの国内線市場は実収単価と収益性に圧力を加える供給拡大の大波を見て来た。2016年には、マニラでの便の大型化と、セブやその他の副次的都市を結ぶ地点間新設便などにより更なる供給増加がありそうである。
フィリピンの国内線市場は2013、2014年には拡大は経験しなかった。
エアラインの統合と供給に対する、より合理的な取り組みがフィリピンの市場環境にかなりの改善をもたらした。
2013、2014年に拡大がなかった事から最近の供給増は、時とともに吸収可能だろう。然し、残された国内線3社間の競争が激化するに連れ、少なくとも、短中期的には実収単価への圧力になるだろう。
Philippines aviation Part 2: Renewed domestic capacity growth impacts Cebu Pacific, PAL & AirAsia
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西欧=イラン:発展途上の市場に好機、然しターキッシュエアラインは既にニッチを確保
14-Dec-2015
イランは、西欧=中東間の供給席数では、ほんの5%を占めるに過ぎないが、これは中東の総人口の24%になるのだ。西欧とイランの間の航空旅客数は2013年から成長を取り戻すまで、毎年下落して居た。にも関わらず、未だに発展途上の市場のままであり、イランとの関係が雪解けの時を迎えている事は、かなりの商機を齎す筈である。
OAGの速報値によれば、この市場に於けるイラン航空の供給席数36%は、ルフトハンザの27%より上に位置して居る。然し、ルフトハンザとオーストリアンの拡大が、ユーロウイングズの参入と相俟って、ルフトハンザグループを46%に押し上げる。この市場に於ける他のイランのエアライン、マハンエアも、2016年夏に急速な成長を期して居る。西欧側からは、その他の運航会社は、アリタリアとジャーマニアである。
需要が、イランの国の人口(エジプトに次いで中東第2位)の規模に、より見合った水準まで進化するにはまだ時間がかかるけれど、西欧の各社にとっての、潜在能力は明らかである。
更には、ターキッシュエアラインは、イランと西欧の双方で幅広い存在感を持って居り、既に、イスタンブール経由のワンストップ便として強力な競争を仕掛けて居る。
Western Europe-Iran: opportunity in under-developed market, but Turkish Airlines already has a niche
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エアラインの二重ブランド戦略:LCC、湾岸エアラインとの対抗に地球規模の万能薬を求めて
13-Dec-2015
多分、二重ブランド戦略ほど、航空業界の微妙な意味合いを示すものは無いだろう。ユナイテッド-テッドや、デルタ-ソングの様な手法は忘れられる一方で、カンタス-ジェットスターの大々的な協力体制、そしてルフトハンザ-ユーロウイングズの様な新規参入組は、自分達の計画の方がより機能すると言い張らねばならない。
これらの試み、成功と失敗を束ねるのは、二重ブランド戦略は失った旅客を取り戻せるだけで無く、新たな顧客を確保する、「銀の弾丸」になり得るのだと言う信念である。当然ながら、それだけでは無い。
成功を収める二重ブランド戦略には、適正な管理が必要であるが、それだけで成功が保証されるわけでは無い。外部からの力が急速な終局へと招く事もある。労働問題は、しばしば成功と失敗を分ける重要な要素になる。然し、また二重ブランドがまず必要かどうかも重要である。
Airline dual brand strategies: In search of the global panacea for LCC and Gulf airline competition
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マルタ国際空港、堅固な国家経済を支える=36社ものエアラインが就航で
マルタ国際空港は、シシリーと、北アフリカのチュニジア、リビアの間の地中海に浮かぶ、人口45万人の独立した島国の玄関口である。EUのメンバーであり、同時に世界で最も小さく(316㎢)、人口密度の高い国のひとつである。然し、2015年11月には、世界クラスの会場(16世紀の病院跡に創った)で、英連邦政府代表会議を開催し、充分に世界の 舞台でも存在感を見せた。
産業と観光の両方に支えられ、この国は、戦略上重要な交差点に、ずっと置かれて居た様に見える。にも関わらず、この国のエアライン産業は、未だに、ルカ空港(地元では、未だにそう呼ばれて居る)をハブに押し上げる事が出来ないで居り、一方、エアマルタは、LCC各社からの極めて厳しい圧力に直面し、何度も構造改革をせねばならなかった。これら全ての事が、空港の持てる財産に大きく影響して居る。
今回レポートはマルタ国際空港(MIA)の現在と将来の成長の傾向、数値的指標や事業運営データ、建設計画、所有と採算性、そして小さな島国の強力な経済をどの様に支えて居るのかなどの点で、他の競合空港にどの様に対抗して行くのかを検証する。
Malta International Airport supports a robust national economy, with up to 36 airlines operating
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エアカナダの評価、他社に比べ低いまま=長距離路線拡大への努力が続く中で
11-Dec-2015
エアカナダは、北米航空界でも最も尊敬に価するブランドの一つであるが、その幹部たちは、同社が戦略的な長距離路線の拡大に焦点を当て、2015年の間に始まり、2016年に本格的に続こうとして居る、国際線市場での目覚ましい拡大を反映した事業構造改革の真っ最中であると強調して居る。
同社の株式は北米のフルサービス競合他社に比べ、低い価格で取引されて居るが、エアカナダの幹部たちは、その理由は、市場が、同社が現在進めている拡大戦略に関して「様子見」をして居るためだとして居る。
一方で、エアカナダは航空機購入の資金調達を有利に出来るよう、その貸借対照表を強化する事に集中して居る。同社は2018年に始まる61機のボーイング737Maxの納入を前に、向こう数年間に亘り、一連の787の着実な納入を計画して居る。
Air Canada’s valuation remains lower than peers as work continues on its long haul expansion
東南アジアのLCC:高密度狭胴機へと大型化=供給に、そして機材発注リストに影響
東南アジアのLCC各社は、この地域の幾つかの空港に於いて、インフラからの制限が拡大するのに対して、航空機の大型化で対応し始めて居る。より大きく、密度の高い狭胴機は貴重な発着枠を使う上で、効率を極大化するためには理にかなった方法である。然し、これはまた、東南アジアのLCC分野にとっては、巨大な発注リストが出来上がる事を警告しても居る。次の10年間で、保有機数が倍以上増える見通しと、機材の平均的サイズが市場に於ける供給バランスに与える影響はかなりのものである。
この地域のA320を運航するエアラインの幾つかが発注して居る、或いは手に入れようと考えて居るのはA321である。東南アジアのLCC分野で、最初のA321はベトジェットエアに今年に入って納入されたばかりだ。向こう数年間に、A321はベトジェットエア、セブパシフィックそして、ガルーダのシティリンクなど、その他の東南アジアのLCC各社にとって保有機の主流となり、あらゆる保有機数増加の要素を勘案する以前に、最大33%の供給増という結果になる可能性がある。
同時に、東南アジアのLCCグループのあるものは、発着枠が貴重品である空港間を結ぶ、近距離幹線に広胴機の投入も始めようとして居る。
SE Asian LCCs: up-gauging to high density narrowbody aircraft will impact capacity - and order books
ハワイアン航空、貸借対照表を強化=A321neoによる新たな路線網の時代に備える
過去10年間というもの、ハワイアン航空は、比較的に短期間の中で、会社更生法の保護から抜け出し、高価な広胴機を必要とする大きな路線網拡大に乗り出して来た。
今や、同社はこの数年間、その拡大がペースを落とす一方で、拡大の成果を収穫し始めて居る。同社の貸借対照表の指標は改善し、債務水準の管理に努めようとして居る。確かに、同社は、2015年に債務指標の幾つかの目標を達成し、投下資本に対する効果を拡大して居る。
ハワイアンの2016年への見通しは、引き続き明るいままである。その供給拡大の予測としては、2015年1年間の供給増強の水準内にあり、利益率の上向きの軌道は継続する予定である。ハワイアンにとって、次の大きな道標は、2017年に始まるA321neoの納入で、これは同社に路線網を効果的に管理する、新たな柔軟性を与えてくれる事だろう。
Hawaiian Airlines bolsters its balance sheet and prepares for a new network era with A321neos
LATAMとアビアンカのコスト効率化、優先順位が上がる=実収単価が下がり続ける中で
10-Dec-2015
脆弱な経済状況は、2016年に向かってもラテンアメリカを覆い続けて居り、この地域のエアラインは供給調整を余儀無くされ、実収単価の回復に期待せざるを得無い。これらのエアラインは、また、収入面での弱さが相変わらず続く為に、既に厳しく絞って居る焦点をコスト管理に当てようとして居る。
ラテンアメリカの2つの統合されたエアラインである、LATAMとアビアンカ・ホールディングスは、一部、安価な燃油費に牽引され、2015年は良好な単位コストを記録したが、一方で、実収単価が相変わらず、圧力を受けて居る。LATAMは、目下2018年迄に、何百万ドルもの営業費用を落とすプロジェクトの真っ最中であり、アビアンカが2015年に直面した、燃油ヘッジの逆風も、2016年には収まりそうである。
コスト構造を平坦に、或いは低減する様に保つ事は、売り上げと利益がずっと圧迫され続けて居る環境下に於いては、異なったレベルの重要性を持つ事になる。然し、LATAMとアビアンカは、彼らのコスト基準の中から非効率性を抉り出し、財政的な負担を軽減するために保有機数拡大計画を元に戻そうと努力して居る。
Cost efficiency for LATAM and Avianca takes on a higher priority as yields continue to fall
エアベルリンのSWOT:エティハドの数百万ドルでさえ、黒字化出来ず=エアライン部門の利益率が頂点に達した年に
10-Dec-2015
欧州のエアライン各社に加え、エアベルリンに29%の持ち株を持って居るエティハド航空のCEOジェームズ・ホーガンは、最近、EUが外国人所有者の持ち株比率の制限を変えたとしても、エティハドはこれらの持ち株を増やそうと思わないと言ったと伝えられる。エティハドは、既に、2012年以来、エアベルリンに対し、種々の形で、8億ユーロを超える資金を提供して居る。2011年以来、このドイツのエアラインは、目下、第4次のリストラ計画をスタートさせる時間を必要として居る。
数年間の損失を続けた後、エアベルリンの2015年最初の9ヶ月の業績は、資産の処分で若干縮小したものの、またも赤字で、2015年3月に発表した、2015年に「業績は画期的に改善する」と言う公約が実現できない事を示して居る。世界中のエアライン産業が、歴史的サイクルの頂点にあり、燃油価格が、エアベルリンが最後に年間の営業利益を計上した年に比べても低いこの年に、またも大きな損失を出す模様である。
今回のレポートでは、エアベルリンの強み、弱み、商機そして脅威(strengths, weaknesses, opportunities and threats=SWOT)を検証する。損の上に損を重ねないというエティハドの決断は正しい様だ。
airberlin SWOT: even Etihad's millions can't help it to profit in year of peak airline sector margin
LCCタイガーエア・台湾、北アジアでの拡大を図る=競合する地元LCC Vエアを凌いで
10-Dec-2015
台湾は、LCCを持たない、アジアで最後の市場であった。台湾は北東、そして東南アジアからのLCCの競争に取り囲まれて居たが、2014年、ついに独自のLCCを迎えた。タイガーエア・台湾(中華航空の子会社)とVエア(復興航空の子会社)である。
台湾は躊躇したかも知れないが、タイガーエア・台湾は、本来は2017年9月までに12機の計画だったのに比べて、2015年12月にA320を7機(2016年1月には8決めが到着)と計画より早く成長して居る。
タイガーエア・台湾は、北東アジア、具体的には日本のLCCが台湾で順調な事業を展開して居た日本市場で拡大して居る。所有者の中華航空は、日本で第4位の規模のエアラインであり、飛行時間1時間未満の路線ながら、タイガーエア・台湾も飛んで居る台北=沖縄間に、747さえ飛ばして居るなど、広く路線を伸ばし、多くの便を飛ばして居る。韓国は、二国間協定上の制限があり、難しい市場であるが、一方東南アジアへの拡大が次に来るかも知れない。
LCC Tigerair Taiwan plans Northeast Asian expansion as it outpaces local LCC competitor V Air
春秋航空、初のA321を含む60機発注=国際線拡大を加速するために
10-Dec-2015
春秋航空の60機のA320購入契約は、この中国最大のLCCにとって歴史的な年の中のもう一つの展開である。
2015年、春秋航空は、上海証券取引所に上場し、保有機数は50機を超え、創立10周年を祝い、中国初(世界でも最初のエアラインの一社)の186席のA320を受領し、緊縮政策の中でも政府の旅行ポータルに取り上げられて居る。
IPO(株式公開)とともに航空機の発注は来るべき将来を決定する出来事になるかも知れない。60機の発注は、エアアジア、ライオンエア、ベトジェットの様なエアラインなど東南アジアでの数百機の超大型発注に比べれば小蝿の様なものかも知れないが、中国では、そして特に、春秋の様な民間企業の60機は大きな意味を持つ。春秋のIPOは同社を市場の力に晒し、中国航空界は、腐敗捜査にがんじがらめになりながら、大変動を経験して居る最中である。
Spring Airlines orders 60 aircraft, including its first A321s, to accelerate international expansion
日本初のLCC、ピーチ・アビエーション、拡大を続ける=日本の旅行者数が目標を超える中で
9-Dec-2015
ゆっくりだが着実な者が競争に勝つ。これが2012年以来、日本に入って来た、LCCの波の先駆けであるピーチ・アビエーションからのメッセージだろう。日本はLCCの育つ市場では無いと言われてきたが、ピーチは、時とともに、成功を納めることが出来る事を示した。同社は、2年間、黒字を計上し、目下、20機のA320と言う保有機数に向けて事業を構築して居る。ピーチは、物静かな達成者であり、ジェットスター・ジャパンの様な攻撃的な拡大や、バニラエアの様な、もっとゆっくりした強化を見せても居ない。
昨年来、ピーチは2015年12月と2104年12月を比べると、国内線の便を2%伸ばしたが、国際線は43%増やし、国際線の拡大に集中して来た。国際線便はピーチの全路線網の中で35%を占めて居る。ピーチの国際線の拡大は、偶然、2015年に計画よりも5年間も前倒しで2,000万人を超えると思われる、訪日観光需要の流入と重なって居る。日本は2014年から2015年にかけて、660万人を増やした事になると見られる。これを2005年から2014年と比べると、日本はたった670万人の増加しか記録して居ない。10年間の増加数が、今や、たった1年間で達成される事になるのだ。
Peach Aviation, Japan's first LCC, continues expansion as Japan surpasses tourism targets
香港エクスプレス、LCCとして3年目を迎える=キャセイにとっては、ジェットスター・香港より大きな脅威
8-Dec-2015
ジェットスター香港は、結局飛ぶ事になる。香港政府は2015年6月に、LCC創設を提案する申請を却下したが、ジェットスター香港の戦略と理論の多くは、今やLCCとして3年目を迎えた香港エクスプレスの理解するところとなった。香港エクスプレスは旅行や市場の活性化に、そして、キャセイパシフィックとの競争に、おそらく、ジェットスター香港が持っただろうと思われるより大きな影響力を持って居ると言われて居る。香港エクスプレスは、より早く開業して居り、かなりの量の発着枠を確保し、市場で好意的に受け入れられて居ることは、姉妹会社でフルサービスエアラインである香港航空にもっと存在感、競争力を備える様にと圧力をかけて居る。
香港エクスプレスの変身の成功と成長はまた、所属するHNAグループのオーナー達に、LCCでの実験をもっと深めることに自信を与えて居る。即ち重慶を基地とするウエストエアはLCCとしての基礎を採用し、その他にも、長距離路線を含めて後に続くものが居る。強大化するフルサービス、低コストの範囲を超えて包含するHNAグループは、キャセイに対してジェットスター香港では出来なかったと思われる圧力をかけるだろう。
HK Express begins year 3 as LCC; a greater threat to Cathay than Jetstar Hong Kong would have been
バンコク航空 第2部=2016年は路線網、保有機、提携エアラインの拡大を計画
8-Dec-2015
2016年、バンコク航空は、3機のA320系列機を加え、3つの国際線目的地、少なくとも5社のコードシェア提携エアラインを加え、更に急速な拡大を計画して居る。この独立した、フルサービスの域内エアラインは、2016年に、2011年のほぼ2倍となる600万人の旅客を輸送することを目指して居る。
バンコク航空は、拡大の好機が、その主たるハブであり、幾つかのコードシェア提携エアラインが供給を増やし続けて居る、バンコク・スワンナプーム国際空港にあると見て居る。バンコク航空は現在20社とコードシェア提携をして居り、中国本土から初めてとなる2社を含め5社との新たな提携交渉が進行中である。
拡大の好機はまた、同社が空港を所有し運営して居るリゾート島のサムイのハブにもある。バンコク航空は、1年前に政府が制定した毎日36往復という便数上限を50往復に増やす認可を確保して以来、順次サムイに便を加えて居る。そして今、同社は現在、ますます人気の高まる目的地でありながら、どの低コストエアラインも飛んで居ない、サムイ空港で更なる拡大への道を開くべく、上限を75往復に増やす途を探って居る。
Bangkok Airways Part 2: Plans for further network, fleet & partnership portfolio expansion for 2016
デルタ航空のパラドックス:明白な基本理念=対するは、混乱を呼ぶ反グローバリズム
デルタ航空は、多くの財政的及び事業的な指標から見て、 米国で最強のエアラインの一つ にのし上がって居る。その成功は、社内において明確な目標を示した事と、同時に、2008年に始まった、米国の大統合の最後の波において、先駆者利益を享受した事が、牽引したのである。
デルタは、アメリカンやユナイテッドが、合併企業として、目論んだシナジー効果を、存分に生かすべく努力して居る中で、この大きなライバルたちを、車のバックミラーの中に置き去りにする様な、多くの先駆者利益を享受して来た。結果として、デルタは、石油精製所を買ったり、一時的なパイロットの問題から航空機発注を差し止めたり、平均機齢の高い機材を運航する選択をしたり、シアトルでの覇権を巡って長年の提携社であるアラスカ航空グループと戦いに打って出たりと、前例の無い、攻撃的な戦略を採用して来た。
同社の、議論を呼んで居るその他の問題には、湾岸の3大エアラインが、補助金を貰って不公正に利を得て居ると言う攻撃の最前線に立ち、米国エアラインのロビー団体である、エアラインズフォーアメリカと協調しない事を決めた事などが挙げられる。これらの行動は、湾岸の補助金問題には、不正だと大声を挙げながら、補助金を受け取って居るエアラインに投資を決めたりと、デルタのグローバルな見方に疑問を投げ掛けて居る。
The Delta Air Lines paradox: Stellar fundamentals against a bemusing anti globalisation stance
バニラエア、ANAにより大きなグループの存在感を与える=ハワイ、太平洋の島々で
全日本空輸(ANA)は、そのルーツに回帰しようとして居る。日本第2のエアラインは、1986年3月、日本の旅行者を惹きつける太平洋の島の一つ、グアムへの便で国際線定期便を始めた。ANAの国際線進出は、当時強大だったJALとの激しい戦いであり、それ以来、ANAは優良な高級路線に集中して来た。そうする中で、グアム、ハワイそしてパラオと言ったビーチ/リゾート市場に重きを置かなかったのだ。JALの縮小にも関わらず、(今や、ANAより小さい)JALは、未だにこのビーチ市場で最大のままである。
ANAは、今、その100%子会社であるLCCバニラがそこで、如何に拡大出来るか、そして、ANAにグループとしてのより大きな存在感を与える事が出来るかを考えて居ると、最近シンガポールで開催されたCAPA アジア航空サミットで、バニラエアの石井知祥社長は語って居る。
JALも同様に、名古屋や南日本の温泉地など、伝統的にANAの力が上回っている市場で、そのLCC子会社ジェットスタージャパンを使って居る。バニラエアが、これらのレジャー市場に日本から直航する為には、広胴機が必要であり、この展開は現在検討されて居るものだ。日本の未だ比較的若いLCC分野にとっては大きな飛躍であろう、がANAは、自らの2つのLCCであるバニラとピーチを統合すると言う、多分、より大きな使命に直面するだろう。
Vanilla Air could give All Nippon Airways a larger group presence in Hawaii and Pacific Islands
タイのエアライン分野=バンコク航空、第3四半期にタイ航空、ノックエアを再び出し抜く
7-Dec-2015
賢く、努力を重ねた戦略のお陰で、バンコク航空は2015年タイ国内で最も利益を上げ、また幾つかの指標では東南アジアで最高の収益を上げたエアラインになろうとして居る。バンコク航空は、市場に株式が公開されて居る、タイのエアラインやその子会社、タイ航空、ノックエア、タイエアアジアX、そしてノックスクートの4社が全て不採算に終わろうとして居るのに対して、今年これまでのところ、規模はより小さいにも関わらず、タイエアアジアよりも大きな利益を上げて居る。
バンコク航空はまた、タイのエアラインが2013年と2014年に上げた中で最大の利益を計上して居る。同社の2016年への見通しは明るく、コードシェア提携各社は引き続き、実収単価の高い、更に多くの近距離路線需要をバンコク航空に送り込んで居る。
LCC間の競争は、タイでますます激しくなり、結果として供給過剰と実収単価に圧力がかかろうとして居る。しかし、バンコク航空は東南アジア以外からやってくる需要に焦点を絞っていること、そして他のどのLCCも飛んで居ない、リゾート島サムイに空港を所有し、大掛かりな事業を展開して居る事から、比較的に、市場の底辺で繰り広げられる無意味な競争から無縁で居られるのだ。
Thailand airline sector: Bangkok Airways again outperforms Thai Airways, Thai AirAsia, Nok Air in 3Q
マレーシア航空、リストラ後の戦略=エミレーツとの提携、新たな国内線基地で進化
4-Dec-2015
マレーシア航空は、その路線網を更にリストラする中で、エミレーツとの拡大コードシェア提携を構築して居る。このフラッグキャリアーは、アムステルダム線、パリ線を休止し、アジア太平洋以外の目的地は、2つのみ(ロンドン/ヒースローとドバイ)とし、欧州大陸、アフリカ、中東そして米州のオフライン地点への便は、エミレーツに依存する計画だ。
マレーシア航空は、域内事業にその焦点を拡大して居る。国内線と幾つかの近距離国際線のスケジュールをエミレーツや、リストラした自社便、そしてその他の提携社の便に、接続が良くなる様に再編して居る。修正した域内事業のもとで、同社は、コストの低減を可能にし、737所有機群の稼働率を向上し、新たな地点間路線の開設を実現するべくマレーシア国内に副次的な基地を7箇所、開設する計画である。
この新たな、未だ展開の最中にある、マレーシア航空の戦略は、同社を、急速な成長があり、また提携社に送客する好機の存在するアジア太平洋地区に集中させる様、位置付ける事になる。マレーシア航空が、欧州への長距離路線では湾岸エアラインとは効果的に対抗できないのだから、かつてのライバルとも提携する事が唯一合理的な選択肢である事を理解した事は尤もである。
Malaysia Airlines post restructuring strategy
evolves with Emirates partnership, new domestic bases
中国国際の上海長距離路線拡大計画は海南航空を標的に=中国東方も穏やかならず
3-Dec-2015
中国が、唯一の拡大の好機として、幅広く認められる前から、同国の航空界の計画立案者たちは、中国が急速に世界最大の市場に進化するだろうと知って居たのだ。その開発を指導するために、彼らは現在の世界最大の市場である米国に目を向け、ノースウエストの砦であるデトロイトからアメリカンが事業を縦横に広げるダラスまで、ハブの概念に惹きつけられて行った。米国のエアラインが中国の視察団に授けた教えは、巨大な地理的国土を持ち、多くの競争や何ダースもの大都市を持つ環境下では、エアラインは強力なハブを支配する事に集中する事が必要だと言う事だった。
そして、中国国際には北京があり、中国東方は上海を占拠し、中国南方は広州を本拠として居る。国内での競争は、ずっと複雑になって来て居るが、長距離路線便では概ねハブの原則に忠実である。つい最近まではその通りだった。2015年、海南航空はこれまで北京の主たる基地から飛ばして居た、現有の長距離路線網の目的地に向けて上海線を開設した。これは上海に本拠地を置き、長距離路線展開では遅れを取って居た(また、中国国際からの侵食を経験して居た)中国東方に対する挑戦であった。中国国際は時に、シカゴや、トロントと言った優良目的地を確保しようとして、それを阻もうとする海南にしばしば悩まされて来て居る。
Air China's long haul Shanghai expansion targets Hainan Airlines, leaves China Eastern uncomfortable
東南アジアのエアライン、2015年第3四半期、2015年最初の9カ月の業績改善=然し、半数以上が、未だ赤字のまま
2-Dec-2015
東南アジアのエアライン分野は、市場環境では、幾らかの改善が見られたにも拘わらず、相変わらず苦戦し、他の地域に比べ低い業績を続けて居る。公式に売買されて居る東南アジアの20社のエアラインまたは、子会社のうち、11社は2015年9月末迄の3カ月で赤字の状態である。
昨年、東南アジアのエアラインの殆ど全てが、収益性を改善させた。直近の四半期では、この分野全体の総計で約2億ドルの改善を示し、2014年の第3四半期には1億ドルの赤字だった同じサンプルの20社が、2015年第3四半期には、1億ドル近くの営業利益を上げて居るのだ。
グループにまとまった事が、2015年の最初の9カ月で、約7億ドルの営業利益を創出し、2015年通年で、約10億ドルの年間利益を創り出そうというペースである。然し、それでも、アジア太平洋地域から期待されて居る利益総額の⅕に満たないのである。
Southeast Asian airlines: improved profitability in 3Q2015, 9M2015 but over half remain unprofitable
カンタス、広胴機を国際線に変更=欧州との繋がりは無くともアジアでの存在感を取り戻す
30-Nov-2015
シンガポールは、長い間、豪州の主要都市からの長距離便が欧州への乗継ぎ便に送客する、カンタスの海外国際ハブであった。アジアを、カンガルールート上の単なる中継地点でなく、目的地の市場としてカンタスが注目したのは、つい最近の事だ。この変化を助長したのが、カンタスに、欧州への一時通過ハブを、アジアから中東に移させる事になったカンタス=エミレーツ提携である。欧州便の再編が行われ、カンタスは、アジアでの立ち位置を考えねばならなかった。
当初これは、供給の再編によるアジア路線網の大幅な縮小を意味して居た。然し、2016年の早い時期に、カンタスはエミレーツとの提携以前に比べ、より多くの豪州発アジア便を持つ事になる。
現在欧州へは、アジアを経て居ないにも拘わらずである。カンタスは、アジアで拡大する模様であり、供給席数は、次第に遅れを取り戻し、更に増加するだろう。既に、アジア行きのA330週3便の追加が計画されて居る。この拡大を牽引して居るものには、カンタスのリストラの成功がコスト水準を下げて、アジアでも儲かる様になった事や、入国旅客需要が大きく伸びて居り、カンタスも広胴機を国内市場から引き出して再編投入する必要が出て居る事など、多くの要素がある。
Qantas shifts widebodies to international, restoring Asian presence despite no European connections
空港でのウーバー=TNC各社、空港の方針、彼等を取り巻く問題:CAPAが調査
26-Nov-2015
この記事の多くの読者の皆さんは、トランスポート・ネットワーク・カンパニー(TNC)の下で運用される車に乗った事があるだろう。彼等は、既に、世界中の都市で、タクシーや、ミニキャブの様に人気を博し、中には、特にウーバーの様にブランドとして、人気の辞書に登場する様になったものもある。これらのサービスは、スマートフォンのアプリや、その種の道具で、呼び出す事ができ、予約の簡易さが人気をますます大きくして居る。当然な事に、人々はTNCを空港への行き来にも使う。然し、彼らの運用基準のいくつかが、空港のそれとぶつかる事があり、そして、それがますます明白になって来て居る。
本レポートの目的は、TNCというものの運用実態や如何に進化しようとして居るかと言った、背景情報を紹介する事にある。空港側の対応に踏み入ってのCAPAの調査の結果も、TNCとの関係で、空港が抱えて居る問題にも洞察を加えるような、CAPAが選んだ最近のニュース項目一覧とともに明らかにされて居る。
Uber at airports; TNCs, airport policies and the issues surrounding them: CAPA Survey
スクート、黒字に近づき、東南アジアで業績最高の長距離LCCに=SIAの見通しを押し上げる
30-Nov-2015
シンガポールを本拠地とする、スクートは、シンガポール航空(SIA)が創設して、たった3年で、利益計上に近づく一方で、長距離LCCとして東南アジア最高の業績を上げている。スクートの損失は、最近の四半期に顕著に縮小し、同社は、今や、燃油費ヘッジの損失の影響を除けば、黒字となっている。
シンガポールを基地とするこのLCCの業績は、2015年9月末までの四半期に、他の5つのアジアの長距離LCCを凌いで居る。搭乗率は同業社の中で最高であり、スクートは、実収単価でも改善を見せ始めている。
スクートの2016年の見通しは、787への機材更新の恩恵をフルに享受し始め、燃油価格の低下と、近距離LCCで姉妹エアラインのタイガーエアとの、より親しい関係などから、明るいものだ。然し、2016年4月にスタートする会計年度中に49%の供給増、そして、幾つかの新路線開設は、実収単価に圧力となり、スクートの初の年間黒字計上は、2017年4月からの年度に遅れる可能性もある。
Scoot
approaches profitability & becomes SEAsia’s top performing long haul LCC, boosting SIA outlook