エアベルリン、2013年も赤字でエティハドが救援=一方でコードシェアの提携先は好調
30-Apr-2014 3:44 PM
また一年、また赤字のエアベルリン、それも実態は悪化している。2013年の営業損失は2012年の2倍となり、これで4期連続の赤字計上となる(2012年、エティハドにFFPを売った収益を除いて)。
供給を削減したおかげで、収入単価は上昇したが、タービン・リストラプログラムにも関わらず、コスト単価がそれに勝る速さで上昇してしまった。これまでも常に潰れかけたエアラインを持ち直させるのには時間がかかった、そしてエアペルリンは2014年に更なる節約をし、供給を拡大基調に戻し、RASK(座席キロ当たり収入)の向上とCASK(座席キロ当たり費用)の削減を計画していて、今年の業績については、より楽観的になっている。それでも、黒字転換は難しいだろう。
29%の株主であるエティハドとの提携は2年目に入るが、エアベルリンは未だにエティハドの深い懐と忍耐に頼っている。このような後ろ盾が居るから息つく事が出来るが、これが生存への戦略の代わりになる訳ではない。2014年内に新たな救済のための資本組入が計画されているが、これはエアベルリンの中期的な生存を保証してくれる。しかし、長期にわたって生き延び、成功するためには、基本的な改革が必要である。この事を理解して、エアベルリンのCEOウオルフガング・プロックシャウワーはビジネスモデルの再点検を発表した。
Airberlin: Etihad to the rescue after another loss in 2013. Meanwhile codeshare partners are booming
エアアジア、ノックエア、バンコク航空、MASそして間もなくフィンエアが=タイのクラビ空港の急成長を導く
30-Apr-2014 1:20 PM
タイのクラビ空港はビーチリゾートとして、過去2年に亘って、急速な成長を記録し、近隣のプーケットに代わる、人気の目的地として台頭して来た。
クラビ空港での供給座席数は2012年以来、2倍以上に増えていて、急速な国内線、国際線の拡大増加で、昨年からは70%以上の増加を見せている。最大のクラビ=バンコク間市場には現在2社増えて4社が競合しているが、続く競合社は主たる国際線のクアラルンプール線とシンガポール線に参入して居る。
クラビの急成長は、一部、プーケットの空港許容量の制限から、まだ続くと見られる。フィンエアが、2014年12月からクラビに就航する計画を明らかにしたが、これは、クラビにとって、最初のアジア以外の定期便就航であり、画期的な事である。タイ・エアアジアも中国路線開設計画の一部として、クラビに基地建設の準備をしているが、空港にとって初めての事である。
AirAsia, Nok Air, Bangkok Airways, MAS & soon Finnair drive rapid growth at Thailand’s Krabi Airport
ガルーダ、777-300ERの路線を日本中心に調整=豪州—ロンドン経由便を廃止して
29-Apr-2014 9:31 AM
ガルーダ・インドネシア航空は、ロンドンへの直航便を運航して、豪州=ロンドン市場で競争する計画を捨て、欧州路線への焦点を縮小し、更なる日本への拡大を計画している。ガルーダが広胴機活用戦略をUターンさせるのは、アジア地域内でのより魅力的な拡大の機会に比べ、東南アジア=欧州、そして豪州=欧州間市場には強烈な競争がある実態を反映している。
ガルーダの新たなフラッグシップ機材である777-300ERは、当初、2013年11月にロンドン線から始めて、いくつかの欧州への長距離直航路線を運航する計画だった。その替り、現在同社が計画しているのは、777-300ERを長距離路線にほんの少し使って、ジャカルタ=アムステルダム=ロンドン・ガトウイックという路線で、わずか週間5便の欧州線を運航するというものだ。
ガルーダはまた、豪州=英国間市場向けの、シドニーへの運航に777-300ERを使う計画も断念している。その代わり、北アジアに、特に需要が伸びていて、同じスカイチームのメンバーであり、新たな提携エアラインであるANAの乗り継ぎの利便もある、日本へ供給を拡大しようとしている。
Garuda adjusts 777-300ER route plans to focus on Japan while dropping Australia-London one-stops
(PREMIUM CONTENT)インドネシア、官民協力の急進的取り組みを開始=10空港の開発で
28-Apr-2014 5:00 PM
インドネシア政府運輸省(MoT)は間もなく、バンダル・ランプング・ラディン・インテンII、コモドそしてパル・ムティアラ空港という、全10空港中の最初の3空港に対する運営委託の公開入札をすることで、地域空港を開発する官民パートナーシップ協力計画(PPP)の第1期目を開始する方針である。
運輸省はこの3空港について、「最も魅力的な施設である。」とし、競って良い入札が来ることを期待している。
同省のバムバング・ティアジョノ局長は、2014年3月に国営航空であるガルーダ・インドネシアがコモド空港の開発への「関心表明書」を提出したと話している。
残る7つの空港は、ベンクジュ、ジャヤプラ・センタニ、マタホラ、パランカラヤ・ティリク・リウト、タンジュン、タラカン・ジュワタ、そしてテマテ・バブラーである。
インドネシアは空港セクターの建設に全力を上げる考えである。総額33億米ドルの予算で、2013年には10の新空港が建設されたが、2014年にはもう15の空港が建設される予定だ。ジャカルタの第2空港はジャカルタ湾の中の埋め立て地に作られるかも知れない。
Indonesia begins its radical new PPP drive to develop 10 airports
フライビー航空、ガトウイックをサウスエンドとロンドンシティに代える=高い地上費用はイールドの改善を余儀なくさせる
27-Apr-2014 4:17 AM
ロンドンのガトウィック空港から撤退してから、フライビー航空は、つい最近、ロンドン市場への再参入を発表した。
ロンドン・サウスエンド空港から7路線を、ATRの機材を使い、提携先のストバートエア(旧エアアラン)が運航する形で開設する予定だ。更に目立った動きとして、ロンドン・シティ空港から自社のQ400機材を使って5路線の開設も予定している。
フライビーの両空港からの当初の各路線運賃は魅力的に見えるが、両空港とも比較的空港使用料が高い。ストバートはサウスエンドで、フライビーには出来ない低コストを実現出来るかも知れないが、コストの飛躍的上昇分に見合った充分なイールドの上昇が必要となるだろう。これは難しい問題かも知れない。サウスエンド発の路線は競争が少ないが、ここはイールドの高い市場ではない。一方、ロンドン・シティの方はビジネス旅客を引き付け、エアラインにとって高いイールドの路線であるが、フライビーがそこから開設する路線では、シティペアで見るとかなりの競争に直面することになるだろう(LCCも含めて)。フライビーはこれから重要なコスト削減のプログラムを始めるところだが、新たなロンドン路線を成功させるためには、良いイールドを実現することが鍵になるだろう。
Flybe swaps Gatwick for Southend & London City. Higher charges will necessitate improved yields
アシアナ航空、第2のLCC子会社立ち上げにANA方式採用も=複雑だが上手く行く可能性も
28-Apr-2014 1:56 PM
二重ブランド戦略は、アジアでは最も主流であり、総じてこの地域の現象として定着して来た。
アシアナ航空が、ソウルでLCC子会社を立ち上げようとしているが、第2のトレンドが現れようとしている。即ち、同じ国内に2つのLCC子会社を持つエアラインの出現である。アシアナの提案するソウルを拠点とするLCCは、釜山を拠点とするエアブサンに加わる事になるが、アシアナは大阪を拠点とするピーチと東京を拠点とするバニラエアを持つANAの真似をするかも知れない。
これはシナジー効果やスケールメリットを失う事を考えると理想的な結論では無い。しかし、双方とも互いに同じ戦略が許されない市場であるという複雑な状況であることも確かである。アシアナとANA双方にとって2つの近距離LCCを持つことは極端な策であるが、アシアナがもし効果的に、今や独立系のジェジュエアが第3の規模の国際線エアラインとなっている、ソウルの低コスト市場に参入しようとするなら多分有益な方法かもしれない。エアブサンを拡大するのでは無く、新たに出発することが、唯一の対処策かもしれない。
Asiana could join ANA in having a second LCC subsidiary. While complicated, it could work
エアアジア、マレーシアのジョホールバル・セナイ空港の拡大を牽引=チャンギ迂回が続く
27-Apr-2014 2:00 PM
クアラルンプールのLCCが先導する旅客数の急速な伸びが進む中、エアアジアはシンガポールからは目と鼻の先の、マレーシア南部ジョホール州にある、セナイ国際空港を更に拡張する計画であることを明らかにした。このLCCグループは2014年6月にセナイ発の国際線3路線を追加して全6路線(そのうち5路線はインドネシア行)とする計画である。エアアジアはまた、つい最近セナイに8番目の国内路線を開設している。
セナイは2013年、マレーシアで最も速く成長した空港であり、低い基準からではあるが、44%の伸びを示して利用旅客200万人を突破した、アジアで最も速いスピードで拡大する空港の一つである。2014年の第1四半期に、セナイの旅客はまたも36%も伸びて55万人となった。エアアジアは現在、セナイの総供給量の2/3を占めて、最大の牽引車となっている。
ジョホールにはこの州の急速な経済成長に伴い、急速に拡大する独自の市場があるが、直ぐ隣のシンガポールとはある程度の競争が生じてくる。エアアジアのセナイからの新たな3路線(2つはインドネシア行で、1つはベトナム行)は、このLCCグループがシンガポール=インドネシア間の運航を拡大しようとして、またもや障害に直面している中で生まれて来たのである。
AirAsia drives rapid growth at Malaysia’s Johor Bahru's Senai Airport, further encircling Changi
ユナイテッド航空、改善への誓約を強調=2014年第1四半期の大幅損失にも関わらず;経営陣は集中砲火を浴びる
26-Apr-2014 4:44 PM
冬場の嵐がこの四半期の業績に大きな爪あとを残すだろうと、最近、警告を発していたので、ユナイテッドの第1四半期大幅赤字について、驚いた人は僅かだった。しかし、同じく伝統的エアラインの仲間である、アメリカン航空が、この嵐でほぼユナイテッドと同じくらいのフライトキャンセルを出しながら、運航の問題に直面しつつ強力な四半期利益を出している。
ユナイテッドは、いつになったら、同業他社の様に、利益を生み出し、継続可能な収益力を持つようになるのかと言う疑問について、昨年一年の殆どを自己弁護に費やして来た。投資家達がなぜユナイテッドが苦戦を続けるのか、具体的な原因をつかもうとする中で、同社が、充実した路線網の優位性をずっとしつこく宣伝し続けていながら、そのハブからは収益が上がらないのは何故かという疑問を投げかけられている。
同社は、この惨めな業績の原因として、構造的な問題があるのでは無いと主張している。そうではなく、同社は単に、ユナイテッドとコンティネンタルの統合合併から来る、執念深い非効率性を排除することに注力しているのだと言い続けている。例によって、ユナイテッドはその財務体質を改善するために幾つものプロジェクトを進めているが、美辞麗句はアナリストたちには、最早、効果が薄れてきている。
United Air ramps up promises of improvement despite a glaring 1Q2014 loss; management under fire
アズール航空、A330と米国線でブラジル市場を揺さぶる=米州で最初の長距離LCCになる
25-Apr-2014 11:59 PM
ブラジルのLCCであるアズール航空は、米州で最初の長距離路線運航を始める低コストエアラインになろうとしている。同社はニューヨークを本拠地として大成功を収めたジェットブルーの創始者でもあるデイビッド・ニールマンが設立した。これまで国内線LCCであった同社は中古のA330-200を6機と新品のA350-900を5機の購入を確約している。A330は2015年早々に引渡され、米国線の開設のために投入される予定である。A350は2017年早々から納入の予定である。
この広胴機や、長距離路線運航は、今はエンブラエルのリージョナル・ジェットとATRターボプロップしか運航していないアズールにとっては、巨大な飛躍である。アズールは2008年後半に営業を開始して以来、急速に拡大しており、世界で4番目に大きなブラジル国内市場の17%のシェアを獲得し、既に保有機材は100機を、就航地点は100を超えている。しかし、これまで、定期の国際線は経験が無い。
この突然の長距離路線開設はブラジル市場を揺さぶり、全て737の機材を使って、珍しいワンストップの米国線などを運航しているブラジルのLCCのトップであるゴル航空を刺激することになるだろう。
Azul shakes up Brazil market with A330s & US routes, becoming first long-haul LCC from the Americas
英国の地域航空連携基金、どの空港に役立つ?=そして地域航空とは?
25-Apr-2014 6:00 PM
2014年国家予算の中で、英国の大蔵大臣は、航空業界にいくつか驚きをもたらした。
まず、前回、内外の批判を浴びた航空旅客税(APD)の率を変えたことで、長距離旅行で税率を下げ、前回懲罰の対象になった国々に有利なように帯域の構成を変えたのだ。
しかし、大蔵大臣はまた、「地域の空港から、新たな空路を開設し、接続を良くし、地方経済を活性化する足がかりにするために」これまで殆ど知られなかった、地域航空育成基金を持ち出しこれを2,000万ポンドに拡大するとしたのだ。この特別施策の欠点は年間3百万人以下の空港に限られること。たとえ、1つか2つの空港が閉鎖を免れるとしても、この施策がどんな意味を持つのか理解に苦しむ。
UK regional air connectivity fund – which airports does it help? And what is a ‘region’ anyway?
アリタリアの長距離路線網とエティハドの近距離接続便=エティハドの提案で拡大
24-Apr-2014 6:56 PM
アリタリア航空は2009年の再生から11億ユーロの損失を出しているが、これではとてもその基本構造が変化しているとは言えない。それにも関わらず、エティハド航空は、EUの規制で許される上限の49%の株式保有のために、可能性としては5億ユーロまで投資する交渉をアリタリアと続けている。エティハドは、ほぼ5ヶ月の真剣な交渉を続けて、一体、何らかの価値を見出しているのか、と問われるかもしれない。
まずは、多分、ASKと席数の供給量では、世界で13位、ヨーロッパではスペインについで大きなイタリアの国内線市場だろう。国内発着の総座席数で総合して、ASKで見るともっと低くなるが、イタリアは世界で第8位の規模を持つ市場である。エティハドはイタリアでは弱体で、エミレーツ航空もカタール航空も既に可成りの存在感を持っていた2007年に就航したばかりである。エティハドの2014年のイタリアへの供給量はエミレーツとカタールのそれに比べてほんの僅かなものだ。アリタリアの役割は、現行のコードシェア協定の上に積み上げることで、エティハドのイタリアでの存在感を支える事が出来るだろう。
その代わり、エティハドは、アジアでは競合他社が可成りの供給量を持っているにも関わらず極端に小さな存在感しか持たないアリタリアに、バーチャル路線網という解決策を与える事が出来る。
Alitalia's long-haul network and Etihad's short-haul feed are enhanced with Etihad's proposed stake
CAPA過渡期のエアライン:この不純な世界の中でLCCは純粋のまま
25-Apr-2014 2:34 PM
純粋なLCCのビジネスモデルというものは、全てをコストに焦点を絞り、それ以外には何も考えない。これが、頑固に通常のエアラインよりかなり安い運賃を提供し、劇的に市場シェアを獲得することを実現するのだ。一方、FSCの方は、特に近距離路線では、LCCのモデルの要素を取り入れ始め、LCCは本来の「ノーフリル(飾り気なし)」の基本の上に種々の機能を上乗せし始めた。
本来の焦点の純粋さを損なうことは、コストの基準にとって、どの様な意味を持つのだろう?付加的なサービスを提供して得られる収入は、コストの基準が上がってしまうことを正当化出来るのだろうか?LCCはFSCとの連携をより深めるべきなのだろうか、そして、彼らに旅客を送り込む様なことさえすべきなのだろうか?
今回のレポートは第3回目として、2014年4月にダブリンにて開催したCAPA「過渡期のエアライン2014」会議にて挙げられたテーマに基づいたもので、経験豊かな業界の専門家達が討議した問題に触れている。モデレーターはリガス・ドガニス教授で、パネラーは以下の方々である。コナー・マッカーシー(ダブリン・エアロスペース会長でありエアアジアの共同創業者)、ジム・ヤング(カナダ・ジェットラインズ社長)、アンドリュー・パイン(コンクロス上席共同経営者)、トニー・デービス(アイルランド・エービエーションCOO)、そしてアレックス・クルス(ブエリングCEO)。
CAPA's Airlines in Transition: LCCs - remaining pure in an impure world
中国の空港(総括):北京の成長は鈍化し、上海は大波の到来を待つ=昆明が最速の成長
25-Apr-2014 12:38 PM
CAACが新たに発表した統計によると、2013年旅客総数で北京首都空港は再び中国最大、そして世界第2位の空港となった。しかし、2013年は僅か2.2%の成長率であり、能力の限界に近い北京空港は高原状態になっており、2010年代後半の新空港開港による成長の大波の到来を待つことになる。上海の空港は慎ましく5%の成長だった一方で、中国で2番目に大きな広州の空港は8.6%の成長を遂げた。
またも、成長率が高かったのは中国では副次的な都市のある地方だった。中国南部の昆明が23.9%と、主要空港の中で2013年、最高の成長率を記録した。昆明がこれだけ成長できたのは、2012年半ばに開港した新空港が突然の大成長を齎したためだ。これは2014年から数年間かけて、徐々に発着枠を増やしていくと見られる、上海浦東空港とは対照的である。天津、貴陽はともに約20%で、次に最速の成長を見せた空港となった。
China airport wrap: Beijing's growth slows while Shanghai awaits a surge; Kunming fastest-growing
デルタ航空、「投資適格」の達成に努める=2014年第1四半期の好調を背景に
24-Apr-2014 9:52 PM
デルタ航空は、2014年最初の3ヶ月間に全米のエアラインを悩ませた冬の嵐による大規模な運航の混乱にも関わらず、2014年の第1四半期に何とか堅実な業績を継続する事が出来た。
デルタの四半期業績の中で最も喜ばしい事の一つは、過去12か月の投下資本利益率が16.4%となったことで、これは同社の掲げた、継続的に年間利益率15%という目標を超えているのだ。
未だに弱い円、トレーナー製油所で未だに継続可能な収益性を達成できないことなどの障害にも関わらず、デルタは2014年第2四半期に、需要は強く、旅客収入単価の伸びは一桁後半を守るだろうと見ている。
Delta Air Lines continues to work towards achieving investment-grade with strong 1Q2014 result
エアアジアX、クアラルンプール空港の通過旅客の43%を運ぶ=シンガポールでも同じレシピが可能か?
24-Apr-2014 11:00 AM
アジアでの長距離低コスト現象が、伝統的な路線網経営にとっては、急速に、より効率的な競争相手に変身している。その最前線に居るのがエアアジアXであり、その本拠地であるクアラルンプール国際空港(KLIA)である。
KLIAの新しいLCCターミナルの開業を目前に控え、エアアジアXはスケジュールを多様化し、路線網を構築し、中長距離LCCとして乗り継ぎ旅客数を伸ばしている。乗り継ぎ旅客数はエアアジアXの2013年度総旅客数の43%を占めたが、2011年度のわずか25%からの大躍進である。同社ではこの数値が2014年には50%に近づくと予測している。
この乗り継ぎ旅客数の伸びは、エアアジア・グループにとって、そしてその主たるハブであるKLIAにとって非常に大きな意味を持っている。また、これまでシティペアとして、LCCには縁の無かった路線でエアアジアが競争を始めた事から、アジアの他のエアラインとそのハブ空港にも同様に大きな意味合いを持っている。
過去15ヶ月、アジアの主な空港の中で最速の旅客数の伸びを記録している、KLIAが、乗り継ぎ旅客を獲得することは、他のアジアのライバル空港の犠牲の上に成り立っている訳だ。
AirAsia X drives 43% transit traffic at Kuala Lumpur's KLIA. Can Singapore follow the same recipe?
過渡期のエアライン=ハイブリッド化と二重ブランド化
23-Apr-2014 3:41 PM
フルサービスの航空会社(FSC)は、低コストの航空会社とのコスト差を埋められるか?これは妥当な質問だろうか?なぜ、FSCのグループ会社がLCCの子会社を作るのだろう?路線網を広げるビジネスモデルと点と点を結ぶLCCモデルが同じグループ内で共存できるのだろうか?これは企業文化にどう影響するのだろうか?
2014年4月、ダブリンでCAPAが開催した「過渡期のエアライン2014」会議ではリガス・ドガニス教授がパネルディスカッションを主宰し、同じエアライングループ内でのLCC/FSCのハイブリッド化ビジネスモデルとLCC/FSCの二重ブランドでの運用について検証した。
IAGのCEOであるウイリー・ウオルシュ、コムエアのCEOエリック・ベンター、フライナスCEOラジャ・アズミそしてエアリンガス戦略計画担当役員のスティーブン・カバナーが夫々の分析を披露した。
Airlines in Transition: Hybridisation and operating dual brands
(PREMIUM CONTENT)ミャンマー国際航空の見通し=強烈な競争と縮小する市場シェアが課題に
23-Apr-2014 11:55 AM
ミャンマー国際航空(MAI)は、民間企業でフラッグキャリアーであるが、激化する競争環境の中にニッチな居場所を開拓しようと、北アジアに焦点を当てた拡大を目論んでいる。
外国エアラインは過去2年間に亘り、供給席数を倍以上に増やしているが、MAIは逆に減らしていて、保有機材A320が稼働不足に陥っている。MAIの国際線市場シェアは2012年には19%あったものが、2013年は12%しか獲得できなかった。自らの基幹路線で、急激に拡大する、LCCを含む外国社に対抗して戦っているのだ。そして今度は国際線市場に進出しようとする国内のエアラインとの競争に直面している。MAIは過去20年間、概ねミャンマーの唯一の国際線航空会社だった。
(CAPAでは間もなくミャンマーの航空、観光、旅行部門を包括的に取纏めた総合レポートを発行する予定である。詳しくは、info@centreforaviation.comまで)
Myanmar Airways International outlook: intense competition, shrinking market share create challenges
(PREMIUM CONTENT)ミャンマー国際線の見通し=2年間の急激な拡大の後に成長は鈍化し始める
22-Apr-2014 11:00 AM
ミャンマーの国際線市場は、世界の除け者だったこの国が自由化を開始して以来2年間で、大まかに言って、2倍の規模になっている。外国社9社が新たに参入し、すでにミャンマーに就航していた13社がすべて、供給を拡大している。
しかし、これまでのところ、この追加供給は、航空旅客便への需要の拡大を上回ってしまっている。ミャンマーでの平均搭乗率は、業界の標準を遥かに下回っている。
幸いな事に、外国社は拡大のペースを緩めている模様で、2014〜2015年冬期間の供給座席数は、今終わったばかりの冬シーズンに比べて、大まかには同程度となりそうである。ミャンマーの旅客便への需要は引き続き拡大すると見られるので、究極的には過去2年に亘って上積みされて来た供給量は全て吸収され、明るい展望が出来る事になるだろう。
Myanmar international aviation outlook:
after two years of rapid expansion, growth starts to slow
カンタス、1990~2000年代の日本発旅行ブームを支配した=しかし現在の中国発需要の流入では振るわず
21-Apr-2014 10:34 AM
豪州旅行産業の有様は過去10年の間、構造改革が進み、カンタスの存在感が薄くなるようになった。
1990から2000年代、カンタスは豪州=日本間市場の非常に大きな部分を支配したが、その原因は、カンタスのコスト単価が日本のエアラインに比べてかなり低かったからだ。カンタスの収入は、日本からのものだけで、全体の11%を超えていた。
しかし、2005年から2013年にかけて、日本路線の供給が半減するに連れて、中国路線の供給席数は3倍に増え、2011年には豪州にとって北アジアで最大の市場の座を、日本から奪い取ってしまった。カンタスの運命は変わってしまう。即ち、中国の競合他社に比べ高いコスト単価(と限られた路線網)から、豪州=中国間市場のシェアは20%を下回ることになってしまったのだ。カンタスは今でも、中国路線より、日本路線に多くの供給をしている。したがって同社には、まだ中国で拡大するチャンスはある、とはいっても限られたものだ。カンタスは中国のエアラインの影に隠れてしまうだろう。日本ブームの過去の栄光の影の中で運航することになるだろう。
これは単に豪州の話であるが、その意味するところは地球規模の話であり、奥の深い問題である:即ち、フルサービスで低コスト体質、そして世界最大になろうとする国内市場の強みを手にしたエアラインが、全ての旅客の流れのバランスを変える事ができるのだ。
Qantas dominated 1990s/2000s tourism boom from Japan, but is disadvantaged in current Chinese influx
ユナイテッド航空、2014年の出足は低調=これで更なる失望の業績への道筋が決まるか?
20-Apr-2014 1:41 PM
ユナイテッド航空の2013年は合併統合の段階を過ぎて、財務的にも改善されたものになったという宣言は、2014年第1四半期の損失、そしてこれに続く収入単価の伸びが他社に比べて下回っている現実を見ると、急速に色褪せて来ている。
同時に同社のコストは上昇していて、コンチネンタルとユナイテッドの合併から4年も経っていながら、確固たる基盤を実現できない様子は、新たなユナイテッド航空の再生物が出来てしまうという望まれないシナリオを創り出している。
2014年第1四半期には、大半の米国エアラインが大混乱に陥った、冬の嵐の大災害など障害はいくつかあったのだが、各社は何とかこの比較的弱い四半期に収益を上げるだろう。天候の障害はエアライン事業の、そもそも根源的な課題なのだから、ユナイテッドの2014年第1四半期の低調な業績が予測されることは、同社の真の弱体化を懸念させる多くの疑問を呼び、一体いつになったら同業他社並に戻るのかという問を投げかけている。
United starts 2014 on a weak note – does this set the stage for more disappointing results?
タイガーエア、エアアジアXとともに西安路線開設=東南アジアのLCCが中国に焦点を絞る中で
19-Apr-2014 6:00 PM
タイガーエア・シンガポールは、東南アジアのLCCグループが揃って中国本土への路線網を更に拡大しようとしている中で、エアアジアに追従して西安に乗り入れようとしている。中国=東南アジア間の市場はLCCにとっては、比較的に未だ浸透度が低く、域内の市場が飽和状態になりつつある中で、新たなビジネスチャンスを与えてくれると見られている。
2014年5月、西安はタイガーエアにとって中国内の6番目の目的地となるが、そのうち3地点は過去7か月以内に開設されている。新たに追加受領する機材を活用できる新たな中距離路線を探し求め、また、ちょうど、シンガポールを基地とするライバルであるLCC、ジェットスター・アジアが中国路線を縮小することから、タイガーエアにとって、中国は新たな焦点となりつつある。
マレーシアを基地とするエアアジアXは、2014年7月に西安線を加え、グループとして、今や13地点になった、中国本土での路線網の中の地点地点を急ぎ、つなぎ合わせようとしている。現在は、タイ・エアアジアが西安に飛んでいる唯一の東南アジアのLCCである。
Tigerair to join AirAsia X in launching Xian as Southeast Asian LCCs increase focus on China
カナダ・ジェットラインズ、好機を見出す=他社の中途半端な施策から
17-Apr-2014 5:00 PM
カナダの始動間近のエアラインであるカナダ・ジェットラインズは、運賃上昇の続くカナダの市場で、2大エアラインであるエアカナダと、ウエストジェットの施策が「中途半端に陥った」ことが、同社の、オンライン専門、超低コストというビジネスモデルに、花開く好機を与えてくれるのだと考えている。
この新会社の理論は、どうせ車で旅をする旅客に対して、低価格を示せば、飛行機へと需要を刺激でき、超低コストエアラインの、座席以外の殆ど全てから付帯サービス料金を徴収する、極端に細分化した課金戦略に乗ってくれるというものだ。これは、大米国圏で上手く機能したスピリット・エアラインズの戦略である。
この超LCCモデルが簡単にカナダでも通用するか否かは定かではないが、やがてカナダ・ジェットラインが飛び始めたとしたら、最も痛手を被るのは、市場を駆け上っているものの、今でも、かなりの部分、コスト意識の高いレジャー旅客の需要に依存しているウエストジェットだろう。
Canada Jetlines sees an opportunity from other airlines diving to the middle
クアラルンプールの国際線旅客実績、2014年第1四半期にまたも16%拡大=これは継続可能なのだろうか?
17-Apr-2014 11:00 AM
マレーシアは、マレーシア航空(MAS)、エアアジアによる供給拡大と、これに加えてマリンドエアの就航で、世界一速い速度で旅客輸送実績を伸ばし続けている。
マレーシアの空港は、クアラルンプール空港(KLIA)の16%など、2014年第1四半期に18%の旅客数拡大を記録している。これは昨年KLIAをアジアの主要空港の中で最も急速に拡大する空港に押し上げた19%成長を含め、2013年通年で記録した18%に続くものである。
この拡大率は2014年の残りの期間で、鈍化すると思われるが、それでも通年での二桁成長は固いと見られる。対前年の伸び率は瞠目に値するものであるが、これはエアラインの収入、即ち採算性を犠牲にして生まれているのだ。
Kuala Lumpur International traffic surges another 16% in 1Q2014. Is the growth sustainable?
中国南方航空の長距離路線戦略=拡大から継続可能性と提携に焦点を移す
17-Apr-2014 4:50 AM
アジア最大のエアラインである中国南方航空は国際線路線網を増強し、国内線市場依存からの脱却を図る野心的な戦略の最終段階に来ている。中国の大手エアラインの中でも最大の同社は、2014年、ロンドン線を加える他に豪州に急速に展開した国際線路線網の締めくくりとして、フランクフルト、ニューヨーク線を開設する予定である。
中国南方の全路線網に対して国際線のRPKのシェアは、2010年の14%から2013年に初めて20%に達した。国際線収入は遅れを取っていて、2010年の13%から2013年には全旅客収入の17%となっている。万事が成功物語という訳には行かない。A380を買ったは良いが、これを活用する市場が無い。継続可能性の考え方は後回しになっていて、拡大戦略がしばしば供給過剰を生んでいる。
この事は司献民会長も認識していて、市場を定着させること、そして、カンタスとの提携に続き、加盟するスカイチームのメンバー以外の相手も含め、より多くの企業提携を実現する考えを明らかにしている。それでも中国南方の視線は、目前の結果よりも、より長期の成功に向いている。司会長が言う様に、「未来を目指したければ、長期にものを見なければならない。」
China Southern Airlines to move long-haul focus from growth to sustainability and partnerships
ミャンマー国内線市場の見通し=長期的潜在能力あるが競争は激化
16-Apr-2014 4:13 PM
極度に競争が高まっているミャンマーの国内航空市場は、更に競合が激化し、ますます難しい状況になる事が考えられる。現在8社が運航している国内線市場に、9社目が間もなく営業を開始し、2014年の末までに更にもう2社が参入しようと狙っている。
現在、殆ど全社が不採算であり、統合整理に動く可能性は高い。しかし、ミャンマー政府が、起業家に対しモラトリアムを与え、燃油や航空機への税免除を約束していることから、改善への希望もある。
ミャンマーが人気の観光目的地として台頭し、経済が発展していることから、旅客需要も引き続き伸びて居る。
ここには巨大な長期的ビジネスチャンスがあるが、現時点では国内線市場は難しく、特にLCCモデルに相応しい状況では無い。
Myanmar domestic aviation market outlook: long-term potential but intensifying competition
キャセイ・パシフィック、マンチェスター線開設=長距離路線の調整は継続、エミレーツから収入を取り戻す
16-Apr-2014 8:46 AM
キャセイ・パシフィック航空は2014年12月に開設予定の週4便の香港=マンチェスター線を計画しているが、これにより、香港から未だに路線の無い最大の長距離目的地への路線開設が実現する事になる。キャセイは、OAG旅客輸送分析のデータによると、2013年に、香港=マンチェスター間実績の38%を運んだと見られるエミレーツが得たものを回収しようとしているのだ。マンチェスターは、エミレーツにとっては、ロンドンに次ぐ最大の香港発の目的地である。香港=マンチェスター間市場の19%は、ロンドンでBAかキャセイの長距離便からBAの国内線に乗り継いでおり、一方、5〜9%がエアフランス、フィンエア、KLMそしてカタールの便に乗り継いでいる。マンチェスターから東アジアへの便としては、シンガポール航空のデイリー便はミュンヘン経由である事から、キャセイのこの便が初の直航便になる。
この新路線は香港発需要の摘み取り以上のものを意味している。キャセイは、今はエミレーツが獲得している、豪州=マンチェスター間の市場をはじめ多くの目的地への需要も取り込む事ができるだろう。この新たな動きは、近年、指向して来た近距離路線で激しい競争に直面しているキャセイが路線網再調整への模索の中で生まれたものである。2013年12月に更なる777-300ERを発注した事が、キャセイは長距離路線拡大を続ける意思を示しているだろう。
これに続く大きな欧州の目的地で、キャセイが香港から路線を持たないのは、チューリッヒ、ミュンヘンである。一方北米では、ニューアーク線を開設する事で、7大路線のうち香港発が無いのはシアトルとボストンだけになる。しかし、これらの市場は比較的小さく、キャセイが充分に魅力的であると判断するかどうか定かでない。
Cathay Pacific launches Manchester, continuing long-haul re-balance and clawing back at Emirates
ミャンマーのLCCの見通し=商機あり、エアアジアがリードするも当面は低搭乗率が問題
16-Apr-2014 2:15 AM
ミャンマーでは、過去18ヶ月の間にLCC大手2社のエアアジアとジェットスターが拡大し、更に3つのLCCが参入したことから、低コストキャリアーによる供給の大波が押し寄せて来た。ミャンマーにおける国際線市場でのLCCの輸送実績は、2013年に70%の伸びを示し、市場への浸透度は20%から26%に上昇した。
しかし、この拡大はミャンマーの2大国際線市場であるタイとシンガポールが、競争の激化から状況が悪化し、LCCの搭乗率を犠牲にして成り立っているのだ。2013年ミャンマーのLCCの国際線平均搭乗率は63%に留まっている。
市場環境は、需要が供給に追いついて、やがて改善するだろう。しかし、統合整理および/または供給の削減が、近いうちに起こる事になるだろう。
Myanmar LCC outlook: opportunities, led by AirAsia, but short-term challenges with low load factors
アレージアント・エア、ニッチな領域で成功=世界の航空産業にとって広く学べる好材料
14-Apr-2014 9:24 PM
アレージアントのビジネスモデルは、伝統的な知恵の蓄積に逆らって飛んでいる様に見える。保有機材は古く、燃費性能は悪く、機材の使用頻度や稼働率は低く、極めて季節性の高い市場を相手にしている。にも関わらず、この超LCCは、業界の多くの他社の例とは違って、着実に利益を計上し、
フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローが資本支出を上回る状態)を創出している。
アレージアントの保有機材および財務担当副社長はこの3月、CAPA「エアラインの保有機材・財務サミット」において、彼の会社は「他とは違う様に作られている」と述べている。勿論、全てが上手く行く事業などあり得ないもので、アレージアントも労務問題、そして米国の近隣国に、そのビジネスモデルを持ち出して上手く適用できるのかなどの問題を抱えている。
それにも関わらず、同社の投下資本収益率は、一貫して、殆どのエアラインの羨望の的である。アレージアントは一体どの様にしてこの強力な業績を上げているのか、そしてエアライン業界は、その手法から何を学ぶ事が出来るのだろう?
Allegiant: a successful niche player with wider lessons for the world's airline industry
タイ・エアアジア、2014年は国内、国際線で急速な拡大を計画=難しい環境にも関わらず
14-Apr-2014 10:00 AM
タイ・エアアジアは、2014年、タイ国内の難しい市場環境にも関わらず、更に急速な拡大を計画している。同社は、2014年内に、8機のA320を追加して保有機材を計43機とし、輸送旅客数を27%伸ばし、1,330万人に拡大する事を目指している。
タイ・エアアジアは新規路線と、便数の増加を組み合わせ、国内線、国際線の双方で事業の拡大を続けようと計画している。国内線はますます激化する競争の中で、一方、国際線はバンコクでの反政府デモ騒ぎで減退する需要の中での拡大である。
2014年、エアアジアの全ての近距離路線子会社の中でタイ・エアアジアは最も急速な拡大を目指しており、保有機材の拡大を緩める戦略を選ばない唯一の会社である。急速な拡大を継続するというのは、タイでのLCC業界の競争が強まる中で、主導的立場を確保し続けようとするエアアジアの戦略的な決断である。
Thai AirAsia plans rapid domestic and international growth in 2014 despite challenging conditions
セブ・パシフィックとフィリピン航空、米国での拡大の準備万端=FAAの安全査定カテゴリー1引き上げに従って
12-Apr-2014 4:35 PM
米国の連邦航空局がフィリピンの安全性判定をカテゴリー1に引き上げた事から、セブ・パシフィックエアとフィリピン航空(PAL)は、短期の拡大のチャンスを得て、両社の業績見通しを明るくする事になった。この引き上げはこれ迄の、新たな参入や供給増の凍結を取り払うものである。
カテゴリー1判定により、PALは直ちに現在のロサンゼルス線とサンフランシスコ線の使用機材をA340と747-400から、より効率の高い777-300ERに置き換える事が可能になった。PALはまた、来年中に、リスクの高い、欧州への路線網の拡大計画に対して代案となり得る、米大陸の新地点への路線を追加する事も計画している。
セブ・パシフィックは、2014年末までに、A320とA330を使ってグアム、およびハワイへの路線を開設し両路線でPALに対抗する模様だ。ハワイと、今やPALと共にEUのブラックリストから除外されために、選択肢として浮上した欧州路線を開設して、中東キャリアーの拡大を抑制し、長距離路線運航へと多角化する好機がこのLCC、セブ・パシフィックに与えられたのである。
Cebu Pacific and Philippine Airlines are poised to expand in US following Category 1 upgrade
「CAPA過渡期のエアライン」:所有、法的拘束、労務問題、そして長距離路線などの制限について
11-Apr-2014 11:20 AM
ダブリンにて行われた、CAPA主催の「過渡期のエアライン 2014」会議において、この業界のトップレベルの人々を交えたオープニングセッションでは、この産業の構造改革の重要な事柄の討議が行われた:国家によるエアライン所有の制限である。パネラーには、IAGのCEOウイリー・ウオルシュ、ノルウエイ・エアシャトルCEOビヨルン・キオス、エアアジアの共同創立者でダブリン・エアロスペース会長コナー・マッカーシー、欧州委員会航空国際交通局長マシュー・ボールドウイン、そしてアイルランド航空局CEOイーモン・ブレナンが含まれている。
米国国務省の前運輸副長官補で、EU=米国間のオープン・スカイ条約の主要な交渉担当だったジョン・バーリーが、古色蒼然としたエアラインの外国人による所有と監督の制限について再点検するテーマで討議の口火を切った。全パネリストと航空会社幹部、航空監督官庁からの出席者は一様に現行システムは「愚かしい」という点で一致した。
CAPA's Airlines in Transition: limits on ownership, legal knots, labour and long haul
モルディブ航空、国際線拡大を企図=2機目のA320と意中の新機材A330を使って
10-Apr-2014 12:00 PM
モルディブ航空は、2機目のA320ファミリー機材と、多分1機のA330を追加し、中国に焦点を絞って、巣立ったばかりの国際路線網を更に拡大しようとしている。この国営会社は、757と767を保有し拡大する民間企業のメガ・モルディブ航空や、いくつかの外国エアラインと競合することになる。
モルディブ航空は基本的に国内線の会社であり、2012年後半に最初のA320を追加するまでは、国際線は南インドに、近距離路線を唯一つ運航するに過ぎなかった。今や国内線9路線と中国に1路線と南アジアに3路線の国際線計4路線を運航している。
モルディブ航空は、ボンバルディア・ダッシュ8ターボプロップと新たに水上機、1機を増やし、国内線で引き続き拡大する。しかし、中国での第2の目的地を始め、国際線での拡大を追求していることは、更に議論を呼ぶ所だ。
Maldivian plans international expansion with second A320 and potential new A330 operation
メガ・モルディブ航空、急速拡大を計画=中国-モルディブ間の市場以外への多角化を開始
9-Apr-2014 12:00 PM
メガ・モルディブ航空は、マレにある基地をハブとして、海外の市場での合弁事業の提携先を求める中で、保有機材、路線網の急速な拡大を計画している。メガは2011年前半に営業を開始した当初から、緩やかな拡大を実行して来たが、今は2機の767と1機の757という保有機材で、マレから3路線のみの定期便を運航している。
拡大計画の第1段階は、757を4機そして767を1機追加して初の中東及び東南アジアへの路線を開設しようとしている。第2段階では、第2期の広胴機を使って、豪州及び欧州への路線開設を計画している。一方で、同社は、通過旅客需要の追求を開始する計画であり、まずネパールを皮切りに、供給が充分でないレジャー市場で、提携先を見つけようと考えている。
メガはこれまで、殆ど全てをモルディブと大中国圏の間の路線に注いで来た。しかし、今度は、ブームを迎えたモルディブ=中国間の市場を更に熱心に拡大する一方で、その他の潜在的に収益性の高い、ニッチな市場をいくつか開拓することを狙っている。
MEGA Maldives Airlines plans rapid expansion as it starts to diversify outside China-Maldives market
タイ・ライオンエア、国内線の拡大に集中=バンコク-チェンマイ、ハジャイ線で急速に規模を広げる
8-Apr-2014 9:00 PM
タイ・ライオンエアは、幹線と地方路線を取り混ぜて、先ずは国内線の拡大に焦点を絞ろうとしている。同社は現在、国内4路線を運航しているが、そのうち3路線は、保有機材を、737-900ERの追加分2機を加え、4機とし、そして最初のATR72を受領したのに合わせて、2014年3月に開設したものだ。
国際線の拡大については、長引くバンコクでの市民デモ騒ぎで需要が減退していることから、慎重な対応をしている。しかし、先ずは地域内の国際2路線で実験的な運航を開始しようとしている。
タイ・ライオンは激化する競争と、難しい市場環境に直面している。しかし、タイの市場が国内線、国際線ともに、更なるLCCの参入拡大の受け入れ可能と見られることから、中長期の見通しは比較的に明るい。
Thai Lion Air focuses on domestic expansion, quickly gains scale on Bangkok to Chiang Mai & Hat Yai
インドの第3者グランドハンドリング業界、一夜にして1億3,000万ドル市場に
7-Apr-2014 6:00 PM
3年以上に亘る法廷闘争の結果、インドの最高裁判所は2007年に提唱された政府のグランドハンドリング方針に対して、2014年4月中旬、好意的な裁定を下す模様である。
何事もインドではゆっくりと進むのだが、動くときは大変身、ということがしばしば起こる。この国のグランドハンドリング業界がそれに当たるだろう。
しかし、全てが順風満帆というわけではない。
もし、裁判所が政府の方針を支持する裁定を下せば、インドのグランドハンドリング分野の規模と構造が劇的に変貌し、第3者グランドハンドリング業者にとって対象となる市場が、ほぼ一夜にして、大きく拡大する。CAPAの推計では、この10年以内に、年間10億ドルの規模になると思われる。
Third party ground handling business in India could increase by USD130 million overnight
ノックエア、国内線への集中を継続=タイ国内での競争激化の中で
7-Apr-2014 10:00 AM
タイの低コストエアラインであるノックエアは創立10年の歴史の中で初めて、狭胴機とターボプロップの保有機材を発注し、これを使って主として国内線市場に焦点を当てる方針を継続する計画である。ノックは現在、17機を保有しており、先ごろ、向こう5年間に737-800を8機、737-MAX8を7機、ボンバルディア・ダッシュ8Q400を4機など、少なくとも19機を購入する意向を明らかにしている。
ノックは2013年、タイの国内線市場占有率を、2012年の22%から27%に伸ばしている。ノックと部分所有者のタイ航空は、競争が激化する中で、国内線でのノックの優位な立場を維持したいと真剣に考えている。
しかし、国際線ではノックは慎重な取り組みである。現在、同社の国際線はバンコク=ヤンゴンの一路線のみで、2014年にはバンコク=ホーチミンや、可能性としてバンコク=ハノイなど1~2路線を追加するのみという計画である。結果としてタイ航空グループには近距離国際線に真剣に参入するエアラインが無いということになり、これは注意すべき問題である。
Nok Air will continue its domestic focus as competition within Thailand intensifies
日本のLCC各社、成長を牽引するも開拓が必要=春秋航空とエアアジアの再参入が迫る
5-Apr-2014 2:00 PM
日本における低コストエアラインの新たな波は開始から3年目を迎えようとしている。ピーチ・エービエーションが2012年3月に、ジェットスター・ジャパンが2014年7月に夫々の一里塚を超え、エアアジア・ジャパン(2012年8月開業、2013年12月バニラエアとして再開業)といくつかの先行LCCは、日本の目的である旅客数を増やす事を実現しただけでなく、LCCが日本における重要な交通手段の一翼を担うようになるのを目の当たりにして来た。
2013年の終わりの9ヶ月間にLCCは日本の国内線市場の総旅客数の17%を輸送しており、2014年の最初の3ヶ月間で、OAGのデータによると、総供給席数の24%、ほぼ1/4を提供している。
3つの新LCCである、ピーチ、ジェットスターとバニラは、総量の6%を輸送。エアアジアからバニラへの交代劇では意気消沈したが、一社だけで7%を運んでいるスカイマークなどの先輩と違って、余分なサービスを一切なくした最初のエアラインのスタートとなった。日本でのLCCの参入は遅く、初期には、いくつか痛みを伴う苦い経験もあったが、今後の成長は約束されたも同然である。
ジェットスター・ジャパンはほぼJALと同じくらいの席を増やし、ピーチはANAと同程度の席数を増やしている。一方で、ANAとJALはこれから長期にわたり日本の国内市場は縮小していくと見ている。更に、2014年の6月には、春秋航空・日本が国内線を開業し、やがて、主に中国への国際線を始めるだろう。これは中国の春秋航空にとっては最初の(多分最後では無いだろう)国際合弁事業である。エアアジアも再参入を狙っている。しかし、5つの新たなLCCに加え、既存の3社では市場は余りにも細分化されることになる。
日本ではエアラインは決して潰れないという通説には逆らうことになるかもしれないが、整理統合は必要になるだろう。しかし、より重要なのは今の主流をなす正統派偏重の考え方が、より経済成長推進という目標に方向修正されるまで、LCC各社は無用の足かせをはめて活動し続けねばならないだろう。
Japan's expanding LCCs drive growth but need cultivating; Spring Airlines and AirAsia re-entry loom
タイ航空、2014年の供給は現状維持=厳しい市場環境の中で収益性向上を目指す
4-Apr-2014 1:43 PM
タイ航空はグループとして厳しい市場環境の中で戦いを続けているが、2014年は供給拡大をしばし休むことを計画している。しかし、需要は、この数ヶ月、バンコクでの市民デモ騒動の影響を受けているが、2014年下半期には回復すると見られており、タイ航空の中長期見通しは、同社の新たな多重ブランド戦略が定着するにつれ、改善する筈である。
同社は、2014年上期、需要の低下に合せて、いくつかの便の運航を一時休止した。これらの便も、第3四半期までには復便する見込みである。タイ航空はまた、下期に中国、日本などいくつかの市場に供給を増やそうとしているが、今年は新規地点への路線開設は計画していない。
タイ航空の主要路線の供給量は、保有機材のうち6機を削減することから、2014年は僅かに低減する。一方で、タイ・スマイルの供給がそもそも低い基準である現状から、かなり増え、タイ航空の減少を相殺し、グループ全体では、供給は現状維持となる。
Thai Airways plans flat capacity for 2014 in bid to boost profitability amid challenging conditions
タイ・スマイル、タイ航空の不採算路線の改善に焦点を絞る=新規航空事業免許を確保して
3-Apr-2014 11:00 AM
タイ・スマイルがタイ航空の一部門から、子会社化されたのに伴い、地域航空会社であるタイ・スマイルの使命は、グループの路線網を広げることより、グループ全体の収益性を向上させることに置かれている。同社は2014年、保有機材として、A320を7機増やし合計17機とするが、その供給力は実質的に全て現在タイ航空が運航している路線に注ぎ込まれる。
タイ航空グループは2013年にタイ・スマイルを使って8つの国際線を新規開設した。しかし、これらの路線の内、4つが取りやめとなり、3つが暫時休止中で、現在まだ運航しているのはたった一つである。
タイ・スマイルはタイ航空が運航していた国内と国際の路線を取り混ぜて、引き継ぐためにこの機材を使って来た。向こう数ヶ月の間に、タイ航空の幹線用の保有機材が縮小するので、主として国内線だが、国際線も含め、更に多くの路線がタイ・スマイルに引き継がれることになるだろう。
Thai Smile focuses on turning around unprofitable Thai Airways routes as new AOC is secured
ベトナム航空子会社のジェットスター・パシフィック、急速拡大を目指す=まずはマカオから
2-Apr-2014 12:48 PM
ベトナムのLCCの国際線への参入、A320の保有機材拡大が現実のものになるに従い、ジェットスター・パシフィックも事業の拡大を再開しようとしている。
これまで、目立たない動きをしていた、ジェットスター・グループの一員でベトナム航空の子会社である同社が、後発でありながら既に規模で勝るライバル、ベトジェットエアに追いつくために、積極的な歩を踏み出したのである。
ジェットスター・パシフィックは、2008年にジェットスターブランドを採用して以来、初めての国際路線として、2014年3月28日マカオ線を開設した。同社は過去6年に亘って、ベトジェットを始め、この地域の他のLCCが猛スピードで追い抜いて行く間、ずっと大人しく、たった1機の保有機材で路線を増やしてきた。
計画されている路線網と保有機材の拡大は、マカオ線開設を手始めとして、6機のA320を受領するなど、まさに、ジェットスター・パシフィックの新時代の到来を告げるものである。同社にとって、ベトナム市場は比較的にLCCの浸透度が低いことから、依然としてビジネスチャンスを秘めている。しかし同社は多くの問題に直面することになるだろうが、中でも潜在的なリスクとしては、現在の拡大計画が、「小さすぎて、遅すぎる」結果になってしまう可能性があることだ。
Vietnam Airlines subsidiary Jetstar Pacific begins to pursue faster expansion, starting with Macau
ベトナム航空、IPO直前の見通し;787とA350を受領し急速に成長=しかし競争は激化
1-Apr-2014 12:29 PM
ベトナム航空は787とA350のプログラムの遅れに伴い、2年間以上に亘る休眠状態から目覚めて、2015年に長距離路線拡大を再開する計画である。
ベトナム航空は今や、2015年の第2四半期に純増分4機を含む8機の787-9とA350-900の受領を開始しようとしている。
国営のフラッグキャリアーである同社は、この数年、A321を使った近距離および中距離の路線拡大に焦点を当てて来た。しかし、ベトナム航空にとって、世界的な地位を高め、ベトナム第2の規模を持つLCCベトジェットが急速に成長して、やはり国際線の長距離路線に進出しようとしているのを阻止するために、今度は長距離路線の拡大が最重要となって来た。
競争が激化していることが、2014年の中頃には株式公開(IPO)を計画しているベトナム航空の業績見通しを曇らせて居る。ベトナムの市場は、巨大な成長の可能性を秘めているが、LCCや外国のフルサービスのエアラインが、今後、更にずけずけと侵入してくるだろうから、ベトナム航空が、拡大を加速させようとするには乗り越えねばならない問題がいくつも待ち構えている。
Vietnam Airlines pre-IPO outlook: rapid growth as 787s & A350s arrive, but competition intensifies
中国国際航空、2013年の利益は供給過剰に悩む=長期目標達成には2014年に14%の成長が必要
31-Mar-2014 11:28 PM
中国国際航空は、国内の同業他社と同様、中国が世界最大の航空市場になる事の長期的な影響に注目し続けている。問題があるのは短期間である。
国内経済の成長率は以前の、より力に溢れていた時期に設定された航空産業界の目標値から乖離してきている。空港発着枠は、相変わらず逼迫していて、供給席数の大半は国営企業のものとはいえ、中国の地元エアライン間の競争が激烈になっている。
これに対する反応は、需要が求めるからではなく、スペースが出来たら事業を拡大するというものだ。これで、エアラインの経営を後押しするために考えられた、供給を統制することが齎すより、処理能力を増大させることの方が、より大きな経済的貢献を齎すという、国家の目標を充たすのに役立っている。
一見矛盾するこれらの目標に対する成果から言えるのは、中国国際航空が難しい条件下でよくやっていると言う事になる。2013年の同社の搭乗率は高く維持された、その一方で、利益率は、部分的には会計方式の変更などで帳消ししたが、9%下落した。グループの営業利益は41億人民元(7億8,500万米ドル)、対前年では51%も減少している。外国為替差益で助けられたが、利益率は4.2%だった。2014年のASKの伸びは過去数年に比べて緩慢になるが、それでも国内9%、国際22%そして地域内の12%の拡大計画に牽引され、未だ全体で14%という高い成長率が見込まれている。
Air China's 2013 profit suffers due to overcapacity, but long-term goals push 14% growth in 2014
復興航空、LCC子会社をVエア(威航)と命名=二重ブランドのLCCのイメージキャラクターは黒熊
30-Mar-2014 3:29 PM
フルサービスとLCCの二重ブランドで商売を始めようとするエアラインは往々にして、LCC部門に力を入れ勝ちである。そこでは、自制が必要なのだが、しばしば、低コストの兄弟の方が力を着けるに連れて、もう一方のフルサービスの方がイールドの高いプレミアム旅客を獲得できる様に、低コストに負けない様にすることを見落とし勝ちなのである。
これは台湾で復興航空が抱く懸念である。同社の子会社は新たにVエアと命名されたLCCで、微笑む熊が(鼻はハート型)お馴染みのピースサインをでポーズしていて、少し可愛すぎるかも知れないが、Vエアが標的とするこの地域のレジャー市場では良い前兆になるだろう。
問題は、これで復興航空はどこに居場所を見出すかであり、そのブランドはVエアに比べて漠然として特徴がないし、復興航空の市場はどちらかと言えば、フルサービスというよりもLCCに向いている。規模の拡大は問題を孕んでいる。即ち台湾は小さな市場であり、復興の保有機材は11機に過ぎない。その一方でVエアは3機のA320/A321で就航開始し、毎年2機ずつ増やそうしようとしている。Vエアは急速に復興の影を薄くしてしまうだろう。或は、選択肢として、両方のブランドを維持しようとすれば、Vエアの活動を無理にも拘束することになりかねない。
TransAsia names LCC 'V Air' and 'Wei Hang'. Cuddly bear becomes the dual brand's low price image
ベトジェットエア、野心的な発展を計画=ベトナム初の低コスト長距離運航も含めて
30-Mar-2014 2:00 PM
ベトジェットエアは、急速にA320の保有機数を伸ばし、広胴機の運航を開始するなど、向こう数年間で国際路線網の大々的な拡大を計画している。2014年5月にシンガポールがバンコクについで、ベトジェットの第2の国際線目的地となる予定だ。2014年の末までに、東南アジア及び北アジアで、更にいくつかの国際線目的地が加わると見られる。同社はまた、ここ3年以内に豪州、欧州そして米州へと新たな保有機材である広胴機を使って路線を開設する予定である。
これに加えて、ベトジェットは母国の市場以外で野心的な拡大を計画している。
即ち、2014年9月に、同社にとって最初の海外合弁事業であるタイ・ベトジェットが営業を開始しようとしているのだ。タイ・ベトジェットは当初はA320を3機運航し、本国ベトナムでは2014年中にベトジェットとしてA320を7機追加し、合計17機の機材を保有する計画である。この2つのエアラインはこの新たな機材を国内と国際の比較的均等に開設する新規路線のために使おうと計画している。
VietJet Air plans ambitious expansion including
Vietnam’s first long-haul low-cost operation
ANA、国際線市場への移行を支える70機を発注=JALに追いつくために
29-Mar-2014 12:00 PM
ANAが、777Xを20機、777-300ERを6機、787-9を14機、そしてA320neoとA321neoを30機と、合計70機の新機材を発注したのは、日本国内の市場が引き続き停滞気味なのに対して、急速に成長する国際線市場に焦点を移していこうとする戦略変更の一部である。
2015年には、かつて国内線専門だったANAが創立以来初めて、国際線が国内線を上回る供給を持つ事になる。JALは歴史的に国際線市場で大きく、ANAは国内線を支配するという図式だった。777-300ERから、より大きな777Xに交代させるANAの強気な長距離路線拡大策は、JALが2013年に下した777-ERを、より小さなA350-1000に交代する決断と好対照を見せている。
ANAの機材発注の中には、かなりの現役機材の交代機材が含まれていて、2/3以上が更新用である。しかし、日本が円安で更に魅力的な目的地になっていること、また日本が北米=アジア間の旅客の流れの中で地理的優位性を持っている事から、ANAの国際線の、特に長距離路線の拡大はあるだろう。国際線がANAに成長を齎すのだ。これらの目標は、ANAが国際線での役割を拡大するほうがメリットのある、但しその引き換えに利益率への圧力がかかる事になるだろうが、合弁事業の提携相手も後押ししている。
All Nippon Airways order for 70 aircraft to help it shift to international markets, catch up to JAL
タイ・エアアジアXとノック・スクート、共にタイ-日本間市場を狙う=まずはバンコク-成田線で
28-Mar-2014 10:00 AM
タイと日本間の市場での競争は新たな長距離LCCであるタイ・エアアジアXとノック・スクートがともに最初の国際線目的地として東京/成田への路線開設を計画している、2014年の末に向けてかなり激化しようとしている。まずはタイ・エアアジアXが、2014年4月からチャーター便として日本路線をスタートし、2014年第4四半期に両社がともに、定期便を開始すると見られている。
タイ・エアアジアXはマレーシアの姉妹会社から来た2機のA330-300で路線を開設し、ノック・スクートはシンガポール航空から来た2機の777-200で開設を計画している。タイは2社の中長距離LCCが同時に運航するという、興味深い力関係を目の当たりにする、最初の国になる予定だ。
タイ-日本間の市場は、急速に成長しており、LCCが刺激する効果で更に発展する可能性を持っている。しかし、特にタイが最近の政治的反目から早急に回復しないと、供給過剰になってしまう危険がある。
Thai AirAsia X and NokScoot both target Thailand-Japan market, starting with Bangkok-Tokyo Narita
イランの航空事情=経済制裁の解除がイランの航空会社の加齢機材に命を吹き込めるかもしれない
27-Mar-2014 9:35 PM
イランに対する航空機の禁輸措置により、イランのエアラインは中東一のみならず、世界で最も古い機材をいくつも抱え込んでいて、これが、過去20年間のこの国の恐ろしい航空安全水準の記録を残す大きな原因となっている。
イランは、これまで、独自の商業用航空機製造産業を立ち上げようと試みてきたのだが、また、ロシアとウクライナで作られた航空機を持っていることから、西側で作られた機材や交換部品を手に入れようとする努力は、多くの国による経済制裁のお陰で、ずっと無視されてきた。
しかし、2013年11月、イランが核開発の中止に合意した結果、米、仏、独を含むいくつかの国が、イランの航空安全水準の改善を助ける為に、航空機とエンジンの部品を販売することに関する制裁を6ヶ月間だけ暫定的に中断することに合意した。2014年1月には販売の窓口が開かれた。報道によれば、航空機のスペア部品を供給するこの好機を利用しようと申請したメーカー各社の中には、ボーイングとGEも含まれている。
Iran aviation: lifting of sanctions could breathe life into the ageing fleets of Iran's airlines
CAPA「エアライン保有機材と資金 アジア・サミット2014」=第2日目のハイライト;「資金調達は浮揚傾向にあり」
27-Mar-2014 3:45 PM
CAPA「エアライン保有機材と資金 アジア・サミット2014」の第2日は、英国輸出金融庁の宇宙航空部門の長であるゴードン・ウエルシュによる力強いスピーチで始まった。彼は、この数年、輸出部門にとっては忙しい時代を終えたのだが、2014年は更に強力なスタートを切った、と強気な観測を述べた。即ち「周期は戻ってきていて、資金調達は浮揚の流れにあり、あらゆるところに資金のニーズがある」と語った。
この日の殆どはエアラインからの代表のプレゼンテーション、そして、より期待される機材の評価に当てられたが、セントーサ島の壮麗なカペッラ・シンガポールに集まった200人の参加者の中には48社のエアラインからの代表が来ていた。来年のイベントもこのカペッラで2015年3月17日、18日の両日開催されることになった。
CAPAは2013年に「資金サミット」を開催して、アジアの資金市場のコミュニティーに対して、この地域に新たな航空機保有のブームが生まれていて、資金調達の必要性と商機があるという情報発信を開始した。
このサミットは、資金供給サイドにとって興味深い主題に関する、エアラインからの発表と、パネルディスカッション、そして、CAPAの比類の無い保有機材マーケットプレースという企画からなっている。
CAPA's Airline Fleet & Finance Asia Summit 2014,
Highlights Day 2 - "Financing is buoyant"
JAL、羽田スロットの傾斜配分で短期的な業績見通しは湿り勝ち
27-Mar-2014 12:29 PM
JALの短期の業績見通しは、羽田空港の国際線発着枠が、僅か5枠しかもらえなかったのに対し、ライバルANAに11枠とはるかに大きな配分があった事もあり、やや湿り勝ちである。JALは、中期計画での成長戦略として成田空港よりも、足の便が良く便利な羽田空港の国際線を当てにしていたのだ。
しかし、長距離路線の成長のチャンスはまだ残っていて、JALは成田空港での拡大を進め、中期計画の目標を達成できそうである。
羽田空港の発着枠配分の焦点は欧州とアジアの近隣諸国への路線だった。北米向け枠は唯一つ(ANAのカナダ路線に)与えられたが、主要な長距離市場でのANAとJALの規模の逆転は少ししか生じ無いことになった。
JALは羽田枠5つの内4枠を使用し、第5の中国路線用の枠はこれからの交渉に残されている。JALの新羽田枠4つは成田発着の現有路線を犠牲にして開設することになった。しかし、それはANAも同様で、羽田の新たな枠は概ね成田の現有便を指し換える形で使っている。羽田発着枠は確かに重要だが、少なくとも、新規路線を生み出すという点では、ANAやJALは大々的な宣伝に相応しい結果を出す事は出来ていない。
Japan Airlines’ smaller gains from Tokyo Haneda slot dispersal dampen its short-term outlook