エアアジア、インドネシア国際線市場での主導的立場を強化=エアアジアXの新たなバリ基地で
29-Jan-2014 10:00 AM
マレーシアを本拠地とする長距離LCCグループであるエアアジアXはインドネシアに2番目の子会社を創設し、リゾート地バリ島を基地とする計画を推進しようとしている。同グループは先頃、インドネシアの現地提携先とインドネシア・エアアジX(IAAX)を設立する合意書を取り交わし、インドネシア当局からの必要な航空輸送免許も既に確保している。
IAAXは2014年末までに、最近拡大したグループの機材発注リストの中から377席のA330-300を使って営業を開始する模様である。新会社は、目的地として豪州と北アジアで、エアアジアXがクアラルンプールから、そして間もなくタイ・エアアジアXがバンコクから飛ぶ各地点をつなぐ事を計画している。
インドネシアのLCC市場は、合わせてほぼ200機の機材が、(2014年には更に約20%増えると予定されている)熾烈な競争を繰り広げている。しかし、IAAXはインドネシアの最初の長距離LCCで、いくつかの供給が不足している市場で、重要な先駆者利益を享受出来るだろう。
AirAsia cements leading position in
Indonesia international market with new AirAsia X Bali base
カンボジアの航空市場、急速に成長=カンボジア・アンコール航空や外国エアラインの拡大で
28-Jan-2014 9:00 AM
カンボジアは2013年に2年連続となる18%の旅客数増を記録して、東南アジアで最も急速に伸びる市場として頭角を現して来た。首都プノンペンと、人気の観光地であるシエムレアップの両方で、かなり高い2桁の成長を記録している。
フラッグキャリアーであるカンボジア・アンコールエアは、過去18ヶ月で、まだ比較的小さいとは言え、国際線路線網の規模を3倍に増やし、依然拡大を続け、2014年には更に急速な成長を果たす事になるだろう。また、2013年の第4四半期に6社が参入するなど、外国エアラインの成長も続く事だろう。しかし、需要を湿らせかねない政治的な不安定さという脅威がある。
カンボジア市場は、2009年から現在までに、規模を2倍に増やしている。しかし、この成長はカンボジアが大きな影響を受けた、世界経済危機で2008年、2009年に縮小した、比較的低い基準からのものである。
Cambodia aviation market grows rapidly as Cambodia Angkor Air and foreign carriers expand
ユナイテッド航空、上げ調子で2013年を終える=次はこの勢いを如何に維持するか
25-Jan-2014 8:53 AM
ユナイテッドは2013年第4四半期と2013年度通年で立派な財務実績を上げた。第4四半期には2010年にコンチネンタル航空と合併して以来、最高の収益率を記録したのだ。2012年度には経営上、財政上で大きな障害に直面したことを考えると、この好業績は同社を大いに勇気付けるものだ。
同社は2013年に統合を成し遂げ、今後は恒常的に収益を上げる基盤を築いたと宣言した。
ユナイテッドは、統合に関わる諸問題は、既にバックミラーに映っていると思っているかもしれないが、今後もかなり重大な労働問題、特に同社の客室乗務員との統一労働協定の問題が待ち受けている。
2014年1月の冬の嵐で6,000便ものキャンセルが起こるなど、いくらかの損失を蒙っているものの、短期的に見ると、ユナイテッドはこの好調の勢いを持続して居るようだ。2013年中に生じた収入面の弱点を経験して、ユナイテッドは収入単価管理(イールド・マネジメント)システムの再調整も済んでおり、2014年上半期を通して収入単価の向上が続くと考えて居る。
United Airlines ends 2013 on a positive note; now
the challenge is to sustain the momentum
米国運輸省=A4Aとデルタからのエアセルビア、エティハド両社間のコードシェア提携反対論にめくら判を押す
24-Jan-2014 11:10 AM
米国政府はエアセルビア(元のJAT)から上がっている、米国路線でエティハド航空とコードシェア提携をするという申請を却下し、いくつかの湾岸キャリアーが新たに採用しているビジネスモデルに対して、公式に一歩踏み込んで、議論のある、危険な前例を作ることになった。
航空各社の利益代表であるエアライン・フォー・アメリカ(A4A)とデルタ航空、そしてエアラインパイロット協会の三者が、正式にエティハドとセルビアの申請した、ベルグラード=アブダビ=米国という路線は、消費者にとってメリットがない事、エアセルビアの新規所有者(エティハドが2014年1月に49%の株式を取得)は疑わしく、またセルビア航空との二国間協定が存在しないと言う、今やお馴染みとなった議論で申請承認に対して反対している。
議論は両者の主張するメリットに関して進行中だが、多分、根底にあるもう一つの要素は、エアセルビアがベルグラードにハブを構築しようとしている事だ。このベルグラードへの新たなハブ構築は、欧州内の既存エアラインや、欧州大陸に飛ぶ米国エアラインには好ましくない、新たな競争の火種が加わることになる。
US DoT rubber-stamps arguments from A4A and Delta in denying Air Serbia-Etihad codeshare
タイガーエア、2014年の見通しは第3四半期の損失に続いて暗い=2015年に希望の光があるのか?
24-Jan-2014 9:00 AM
タイガーエアは、2013年12月31日までの四半期(2014年度第3四半期)に、子会社4社の全てが赤字となり、純損失並びに営業損失を計上した。保有機材の半数が運航し、グループの核となるシンガポールでは、供給過剰が収入単価と搭乗率双方のかなりの下落を招き、2四半期連続で赤字となっている。
2014年のタイガーエア・シンガポールの見通しでは市場動向が相変わらず思わしくないために、引き続き暗いものだ。グループは更に数機の機材をシンガポール市場に投入する予定で、供給過剰の状況を悪化させるばかりだ。
もし、タイガーエアが、現在の嵐を乗り切ることが出来れば、2015年の見通しはより明るいものになる。タイガーエア台湾は2014年遅くに開業すると見られるが、グループの余剰機材をいくらか吸収してくれる、一方で、ターガーエア・オーストラリアとインドネシアでの子会社タイガーエア・マンダラがリストラを経て、少しはましな状態になっているだろう。グループでは、また、タイガーエア・フィリピンの持ち株を破棄しようとしている、積極的な動きなのだが、そこから出て来る機材を、既に供給過剰に悩む市場で使わなければならないのが短期的とはいえ、頭痛の種になるだろう。
Tigerair 2014 outlook gloomy following 3QFY2014 loss. Is there a silver lining in 2015?
セブ・パシフィックの長距離LCC、2014年には豪州、サウジアラビアに拡大=中東に焦点を当てる
23-Jan-2014 12:42 PM
セブ・パシフィックは、2014年に同社がA330-300の保有機を増やすことに伴い、一つは中東に、一つは豪州に、最大5地点まで、新たな長距離路線を開設しようと計画している。同社は現在、2機のA330-300を運航しているが、2014年にこれに加えて3機のA330を受領する予定で、納入はCAPAの保有機データベースによれば、2014年2月に1機、2014年第2四半期はじめに1機、そして第3四半期遅くに1機となっている。
同社の新たな長距離LCC運航、現在はまだマニラ=ドバイ路線、唯一つであるが、前途多難な門出を経験することになった。長距離路線網を拡大するには多くの選択肢があるが、目的地ひとつひとつが、それぞれ問題を内包している。
セブ・パシフィックの次の長距離路線市場である2地点、豪州とサウジアラビアには、そしてその他の新たに計画中のクウェート、オマーンそしてカタールという中東の市場でも同様に、乗り越えねばならない、手強い競争が待ち受けているだろう。
Cebu Pacific's long-haul low cost 2014 expansion to Australia, Saudi Arabia, with Middle East focus
エアヨーロパとエティハドのコードシェア、ラテンアメリカとアジア太平洋を結ぶ=エティハドはまたもエアライン同盟の現状に挑戦
22-Jan-2014 6:09 PM
今週、発表された、エアヨーロッパとエティハドのコードシェア合意は、明らかに双方にとって、路線網を補完しあうという目的の上に成り立っている。
エア・ヨーロッパはマドリードのハブをアブダビでエティハドのハブに結びつけ、エティハドには初めてのスペインへの直航便が出来る(コードシェアではあるが)というもので、しかしこれは単に欧州にとどまる話ではなさそうだ。
エア・ヨーロッパの最大の資産は、エティハドが今のところ、たったひとつしか寄港地点を持っていない、ラテンアメリカの路線網である。新たな契約では、エティハドは湾岸キャリアー3社の中で最大のラテンアメリカへのアクセスを持つことになる予定だ。一方で、エア・ヨーロッパは現在のところ、アジア太平洋と中東には全く足掛かりがないが、エティハドを通じて、両地域にスペインのライバルであるイベリア航空がワンワールドの加盟社を通じて持っているものより、良いアクセスを手に入れる事になる。
今回の合意は、また、エアライン同盟の展開について再度、光をあてることになる。表面上はこれも、新たな二社間提携の一つなのだが、より大きな疑問を投げかけている。例えば、この関係が深まって行けば、エアライン同盟を組む事に対して、エティハドとスカイチーム加盟社のコードシェア提携は一体何を意味するのか?宿敵のデルタはスカイチームの盟友の、更に親密な友人の事をどう見るのだろう?そして、この新たなコードシェア提携は、エア・ヨーロッパがエティハド資本同盟に加わる事を意味するのだろうか?
Air Europa-Etihad codeshare links LatAm to Asia Pacific: Etihad again challenges alliance status quo
フィリピン=アラブ首長国連邦市場、供給過剰に陥る=セブパシフィック、PAL、エミレーツ、キャセイに打撃
22-Jan-2014 12:30 PM
2013年第4四半期、フィリピンとアラブ首長国連邦(UAE)の間に週間24便の直航便が追加された事で、この市場での供給削減は不可避のこととなって来た。
フィリピンとUAEの間にはかなりの旅客需要があるが、概してイールドは低く、季節間の山谷が大きい。
フィリピンのエアライン3社、セブパシフィック、フィリピン航空(PAL)そしてPALエクスプレスが実質的に同時に参入した一方で、エミレーツはマニラの代替空港クラークに路線を開設している。エミレーツは既にマニラに毎日3便を運航し、そのうち第3の便は2013年初頭に増便したばかりである。エティハドもマニラに毎日2便を運航している。
マニラ=ドバイあるいはアブダビ間の運賃は、フィリピンの3社が新しいA330を埋めようと苦戦しているために下がっている。ロードファクターを高く維持できるのは、ピーク期間だけだ。もし、この供給量が一年中続くとしたら、各社は損失を出す可能性が高い。
Philippines-UAE market suffers from
overcapacity, impacting Cebu Pacific, PAL, Emirates and Cathay
ブエリング、アラビアへの運航権取得=魔法の絨毯は上手く飛ぶのか?
19-Jan-2014 7:18 PM
ブエリングはスペインの民間航空総局から、スペインとサウジアラビア間の週2便の運航の権利を暫定的に承認された。この運航権により、ブエリングはスペインのあらゆる都市からサウジアラビアのジェッダ及び/又はダーラン(ダンマームの空港経由で)に飛ぶことが出来る。
スペインとサウジアラビアの二国間協定では、週7便の運航が許されるが、これまで、スペインのエアラインでこの権利の行使を申請したのはブエリングだけである。
供給席数から見て、ジェッダはサウジ第1の空港であり、ダンマームは第3位である。(2013年1月13日の週。出典OAG)ブエリングはこの運航権を使った路線開設計画を、まだ明らかにしていないが、サウジの市場はいくつか魅力的な特徴を持っている。
更に、現在のところ、両国の間に定期便を持っているエアラインはジェッダとマドリッド間を飛んでいるサウジアだけである。
しかし、ブエリングのバルセローナ基地からサウジの両都市には、現在同社が飛んでいるどの路線よりもかなり長い距離がある。この路線は、確かに4,000kmを超えていて、現在世界のLCCが狭胴機で飛んでいる最長路線のひとつになるだろう。果たして、ブエリングのLCCモデルを進化させる技術で、実質の長距離路線サービスへと拡大は出来るのだろうか?
Vueling gets Arabia rights. How well will the magic carpet fly?
エアベルリン、エティハド航空の信任投票を得る=しかし、両社の関係はこれからどう進展して行くのか?
17-Jan-2014 5:27 PM
2014年1月13日、エアベルリンとエティハド航空のCEOである、ウォルフガング・プロックシャウアーとジェームズ・ホーガンがベルリンで共同記者会見を開いた。会見では2012年以来のコードシェア合意の進捗状況を振り返り、2014年に向けての展開を概説した。
これに加えて、ホーガン氏はこの機会を捉えて、彼らの資本提携戦略の理論を改めて力説した。(「地球規模の取り組み、というのは一つのエアラインの能力を超えたところにある。」)
また、エティハドがエアベルリンを支援することについて繰り返し説明した。(「エアベルリンは、収益性の回復と、誇り高きエアラインの歴史の中で、新たな境地に向かう軌道に確実に乗っていると信じている。」)
この発表により、エアベルリン公開有限会社(PLC)の当日の株価は11%上昇したが、投資家達がこのドイツの赤字会社に対するエティハドの信任投票に元気付けられたためだろう。
しかしながら、一部の観測筋からすると、両社の発表した、より強い協力体制の内容が、予想したほどのものでない様だ。ただ、更なる進展の可能性も除外できないだろう。
Airberlin receives a vote of confidence from
Etihad, but how will the relationship evolve now?
ボーイング、エアバス、2013年の発注/納入競争で、勝利を分ける=しかし、これは単なる勝者と敗者の話では無い
17-Jan-2014 1:00 PM
2013年、ボーイングとエアバスのどちらがより多く受注し、より多く機材納入を達成するか、親しみ溢れるとは言えない競争の、勝利の栄誉は複雑な結果になった。
ボーイングは先週、通年の実績を発表した。648機を納入、取消数を除く純受注数は1,355機(総受注数は1,531機)だった。エアバスは今週はじめ、自社の受注数、納入機数を発表した。2013年、同社は626機を納入、確定受注数が1,503機(総受注数1,619機)という発表だった。
しかし、この統計でより重要なのは、二大航空機メーカーにとって、恐ろしく、大成功の年だったということで、同時にATR、ボンバルディアそしてエンブラエルにとっても2013年は納入、受注ともに大きな成長を見せた年だった。
燃油価格と旺盛な旅行需要が数字を押し上げたのだが、しかし、2014年は、大量の納入待ち機数があり、生産率に重くのしかかるために、新記録を生む可能性は少ないだろう。
Boeing, Airbus share honours in 2013
orders/deliveries race - but it's not about winners and losers
シンガポール航空とエア・ニュージーランドの提携=豪州-NZ-シンガポールの力関係に新時代を開く
17-Jan-2014 9:50 AM
2014年1月16日に発表された、エアニュージーランド(Air NZ)のシンガポール航空(SIA)との新たな提携関係は、双方のハブとそれ以遠のフライトをカバーし、明らかに数年前に冷え切っていた両社の関係を深めることとなった。
Air NZにとっては、この提携により、東南アジア、南アジア、欧州、そして南アフリカの重要なオフライン地点への道が開ける。Air NZが現在その地域に持っているオンライン地点はロンドン・ヒースロー空港だけである。SIAはAir NZにとって、親会社であるバージン・オーストラリア・ホールディングスの26%の株式を保有する、バージン・オーストラリアに次ぐ、第2の提携相手となる。
Air NZは現在、特に東南アジアに弱く、一方北アジアでは、戦略的には重要性がずっと低いと見ているからか、中華航空、ANAそしてキャセイ・パシフィックという3つのずっと小規模な提携先を持っている。SIAとの新たな提携により、本質的には現在のキャセイとの提携を(明らかに大きな)大中国圏市場に拡大するという構想には扉が閉ざされることになる。
SIAにとっては、今回の提携は既にバージン・オーストラリアと提携している、南太平洋での存在感を増大させる事になる。ニュージーランドは小国ではあるが、SIAにとっては比較的に重要な市場である。
Singapore Airlines-Air New Zealand
partnership opens a new era for Australia-NZ-Singapore dynamics
ライオンエア、2014年の見通し=航空機納入率が上がり、インドネシアで更なる市場占有率を獲得する
16-Jan-2014 12:30 PM
ライオンエアは2014年に、インドネシア国内市場で既に占めている最大の占有率を更に増やすために大きな進展を見せる可能性がある。
ライオンエア・グループは2014年、インドネシアの3つの運航ライセンスの下に、ほぼ30機の機材を増やす計画で、その内の最大数を、インドネシアの巨大で急速に成長している国内市場に充てる予定だ。
ライオン・グループは2013年には、マレーシアとタイでの新たな子会社に注力するためにインドネシアでの拡大のペースを少し緩めた。2014年、マリンドエアとタイ・ライオンエアには更なる成長があるだろうが、グループとして2013年よりはるかに多くの機材を受領するので、インドネシアでの拡大を早める好機となる可能性もある。
ライオンは中長期の目標として、国内市場の占有率を2011年~12年に占めていた45%から更に増やして、60%を獲得することを掲げている。60%の占有率というのは、競争相手の拡大計画もある事を考えると非現実的かもしれない、しかし、2014年から、更なる占有率拡大が始まるのは間違いない。
Lion Air 2014 outlook: More market share gains in Indonesia as aircraft delivery rate increases
2013/14年、世界最大の空港建設プロジェクトの内側
15-Jan-2014 6:56 PM
CAPAの空港建設、CAPEXデータベースは現在、アジアの1,150億米ドルを筆頭に、世界中では、3,850億米ドルを超える、現在進行中、計画中、または完成可能性の高いプロジェクトを収集している。2015年までに現在の193の空港に加えて、69地区の空港が建設される計画を持つ、中国が、最も活発な国である。しかし、一部アジアの国では、特に2桁以上かそれに近い成長を遂げているインドとインドネシアでは、新しいインフラの導入が大きく遅れている。
中東でも、特に湾岸諸国の空港で、世界を変えつつある各国のメインエアラインが急速な成長を続けているのに合せ、大きな投資が進行中である。サウジアラビアとオマーンでも、大々的な拡張に乗り出している。
イスタンブールの新空港は2014年に姿を現し始めるが、この世界最大の施設は2019年までに完成の予定になっている。一方、ブラジルでは2014年6月に開始予定のサッカー・ワールドカップのために、充分な能力を確保するためのレースが続いている。
Inside the world's biggest airport construction projects in
2013/14
復興航空、20%超の成長=激しい競争の中で、次は継続可能性を保障する必要あり
15-Jan-2014 1:23 PM
台湾の復興航空が2013年の11ヶ月間のRPKで、35%の成長を遂げ、主に北アジアの旅客を惹き付ける力があることを示している。しかし、これは低い基準からの成長で、2014年を同社は保有機材11機のみでスタートする。同社の次の挑戦は継続可能性を持ちながら、この成長の勢いを保つことである。2013年通年の推定利益は力強い下期の所為であり、上期は赤字であった。
国際線の搭乗率は概ね70%で、未だ改善の余地があり、供給増が無くとも、まだ増収を期待することが出来る。2013年の第3四半期(2013年7月~9月)のピーク期に、国際線旅客数が29.4%伸びて494,692人となった。しかし、搭乗率はピーク期でありながら、1.7ポイント下がって68.7%となったのだ。
釜山とシンガポールなどに手を出したが、これは賢明な選択ではなかっただけでなく、同社が台湾では顕著になり始めたLCCとの激しい競争には何の備えも出来ていないことを証明してしまった。復興航空の計画するLCCは近距離路線で役に立ってくれるかもしれないが、二つの事業でどの様に規模を拡大するのかと言う疑問が沸いてくる。拡大するのは容易である。しかし、賢く利益の上がる成長は、より難しいのだ。
TransAsia Airways, growing at 20%+, now needs to ensure sustainability among strong competition
タイガーエア・マンダラ、2014年は拡大を緩める=多分インドネシアの他のLCCにリードを許すだろう
15-Jan-2014 12:09 PM
タイガーエア・マンダラは、インドネシアのやや下降気味の市場動向を受けて、拡大のテンポを緩める事を決めた。通貨ルピアの急速な下落により、コストが上昇する一方、運賃は低いままであり、激しい競争環境の中、全てのエアラインが影響を受けている。
タイガーエアのインドネシア子会社である同社は、2013年の末の段階でA320を9機保有していたが、現在のところ、2014年に追加は3機のみの予定である。
タイガーエア・マンダラの本来の機材保有計画では、2013年末までに12機、2014年末には18機としていた。同社は2014年下期に機材取得計画を見直す可能性もあるが、当面は様子見となっていて、この分では原計画の18機体制には届かないだろう。
路線網のリストラをし、拡大についてはかなりのペースダウンをすることから、タイガーエア・マンダラはインドネシアのより大きなLCCであるライオン、シティリンクそしてエアアジアとの差が更に広がる事が危惧される。
同社の二つの大株主は現時点では、損失を拡大しても市場のシェアを伸ばし続けるという選択には消極的である。しかし、どちらの株主も、フィリピンの子会社を放棄しようと言う計画にも関わらず、インドネシアの躍動する市場には残ろうとするタイガーエア・ホールディングズと、縁を切ろうとは思っていない。
Tigerair Mandala slows 2014 expansion, perhaps giving the lead for Indonesia's other LCCs
セブパシフィック、2014年にはフィリピン国内線で更に大きな市場占有率を獲得する=60%は可能か?
14-Jan-2014 3:40 PM
フィリピンのLCCセブパシフィックは、2014年、自分自身の拡大と、先頃、新たに買収したタイガーエア・フィリピンズのフライトとの組合わせを上手く使って、更なる国内線での市場拡大を図ろうとしている。
この拡大により、グループとして、2013年に初めて50%に達した、フィリピン国内線市場での占有率が60%に近づくかもしれない。セブパシフィックは2014年、国内線供給をほぼ2013年と同様に、9%伸ばす計画である。これは、A320ファミリー4機をタイガーエア・フィリピンズに移す結果として、狭胴機の保有機数を縮小した上での拡大計画だ。
タイガーエア・フィリピンズは、セブパシフィックの傘下に入っても、個別の運航を続けるが、5機の現有機材はタイガーエア・グループに返還する事になるだろう。セブパシフィックはタイガーの持つ5%を譲り受け、同時に自社の運航も伸ばし続けることで、現在、既にトップの50%の市場占有率を更に積み上げる事になるだろう。しかし、2014年、同社が最終的に勝ち得る市場占有率は、部分的には、未だ残る2つの競争相手、フィリピン航空とエアアジア・グループの出方次第で決まる事になるだろう。
Cebu Pacific poised for further Philippine
domestic market share gains in 2014. Is 60% achievable?
777-300ER、2014年は北アジアの3社を獲得=中華航空、中国東方、そして中国南方航空
14-Jan-2014 3:23 PM
2014年に、北アジアで777-300ERを運航するエアラインは、3社を加え、全部で9社に拡大する。2014年、中華航空、中国東方、中国南方に納入される事により、初めて、北アジアの長距離運航会社の過半数が777-300ERを使うことになる。主に、北米路線だか、欧州線もある。
機材は、似た様な用途になるだろうが、それらの生い立ち、客室仕様、そして、持つ意味合いは夫々異なる。
中華航空はエヴァエアに追いつき、747-400を777-300ERに置き換えることで、控えめな拡大を計画している。
中国東方航空は、現有のA340-600を、当初787で計画していたのをキャンセルし、777-300ERに置き換え、大幅な長距離路線の拡大を図ろうとしている。中国南方航空は、A380/787サイズとA380の機種間の空白部分を777-ER300で埋める考えのようで、その証拠に新路線のニューヨーク/JFK線を777-300ERで開設している。
中国南方は、この777-300ERに34席という北アジアのエアラインの中で、これまで最小のビジネスクラス席数の客室仕様を導入する予定だ(これ以前の平均は50席)。これは、56席のビジネスクラス(第2番目の規模であり、エコノミー席を中国南方より減らす事になる)を持つ中国東方と対照的である。
777-300ER gains three North Asian operators in 2014: China Airlines, China Eastern & China Southern
ジャカルタ・ハリム空港再開=シティリンク、ガルーダ、エアアジア、ライオンエアのスカルノ・ハッタ空港発着枠が開放される
12-Jan-2014 8:00 PM
ジャカルタの古い空港、ハリム空港が、ジェットによる国際定期便の受け入れを再開し、逼迫したスカルノハッタ空港の混雑緩和に僅かに役立っている。
ガルーダの低コスト子会社であるシティリンクが2014年1月10日、インドネシアの少なくとも4つある主要エアラインのトップを切って、ハリム空港から国内4路線、8便を就航させた。
ガルーダ、インドネシア・エアアジア、そしてライオンエアも今後数ヶ月の内に、ハリムからの便を開設する準備を進めている。
ライオンは当初、新たな、フルサービス子会社バティックエアのジャカルタ線をスカルノハッタからハリムに移す計画だったが、戦略を変えて、ライオンエアの国内幹線から選んで一部を移動させることとした。
ガルーダとエアアジアも国内幹線の一部の運航にハリムを使うものと見られている。しかし、ハリムには民間機用には僅かな余裕しか無いために、圧倒的多数の便が当初設計能力の約3倍に達する水準で運用しているスカルノハッタに残ることになる。
Jakarta Halim Airport re-opening frees Soekarno-Hatta slots for Citilink, Garuda, AirAsia, Lion Air
エミレーツとIAG、バージンの単位コスト分析=引き戻そうとするのではなく、新しいビジネスモデルから学ぶ事
11-Jan-2014 10:39 AM
昨年、2013年、欧州の伝統的エアライン大手の、湾岸諸国からの競争相手に対する姿勢、そしてまた地球規模の提携に向けて、湾岸のエアラインの戦略的なスタンスに大きな変化が見られた。
カタール航空はワンワールドに加盟、エミレーツはカンタスと合弁の合意に達し、エアフランス-KLMはエティハドとコードシェアを開始した。そのエティハドは引き続き、可也の(とりわけ)欧州のエアラインと資産同盟を組む戦略を展開した。
にもかかわらず、古い考え方が尾を引いており、未だに、欧州の、エアラインや航空当局の中には湾岸のエアラインの成功は、不公正な補助金のお陰なのだという印象が未だに存在する。
このリポートではエミレーツの単位コストを分析し、エミレーツのコスト競争力の源を探る為に、IAGとバージンアトランティックとの比較を試みる。
競争の場はどの位、公平なのか、そして、伝統的欧州エアラインにとって、この単位コストの分析の結論は何なのか、また欧州の航空当局や政府にとって、政策の意味合いは何なのだろう?
Unit cost analysis of Emirates, IAG &
Virgin; about learning from a new model, not unpicking it
理想的なエアラインのCEOとは?=CAPAの世界航空サミット出席者は専門家の意見に賛同するか?
11-Jan-2014 10:08 AM
2013年11月、アムステルダムでCAPAの開催した世界航空サミットでは、出席者がエアラインのCEOとはどの様な特徴を持っているべきだと思うか尋ねられた。回答の中には、ビジョン、決断する人、改革的、カリスマ性、指導力、コミュニケーション、焦点、情熱、順応性、自制心、起業家などの言葉が含まれていた。出席者はまた、これまでで最も優れたエアラインCEOは誰だと思うか名前を上げる様に言われた。
この激しい競争にさらされるエアラインの市場で、エアラインCEOは不可能なほど広い範囲の手腕を求められる。
これらの能力の全てを一人の人間が兼ね備える事を求めるのは果たして妥当なのだろうか?ほかの重役や、取締役達はCEOにとって、どのくらい重要なのだろうか?
サミットでは、CAPAの会長であるピーター・ハービソンの司会するパネルディスカッションで、これらの主題、そしてほかにも理想的なエアラインCEOに関する問題に触れる内容について広く討議した。
パネリストの選ぶ最高のCEOは誰だったのだろう?そしてサミット出席者たちはこれに賛同したのだろうか?
What makes the ideal airline CEO? Do CAPA’s
World Aviation Summit delegates agree with the experts?
カナダのエアライン第2回:2014年、エアカナダは自らの国際線路線網の強化に動く
10-Jan-2014 8:27 PM
2014年、エアカナダは過去数年に亘り、第2次公的リストラを回避するために、痛みをともなう段階を踏んできた後に、比較的に確かな足許の上にスタートを切った。
財務レバレッジを改善するために負債を少しずつ減らし、流動資産の目標を達成し、国内のライバルであるウエストジェットとのコスト格差を縮めるために野心的なコスト削減目標を設定している。
エアカナダがカナダ国内市場での展開、(主な動きといえば、ウエストジェットの新地域航空会社であるアンコールの出現だろう)を注視し続け、競争への対応を組み立てる中で、その2014年の積極的動きを支えるエアカナダの戦略の主たる教義は国際線だろう。
エアカナダの国際線強化の主たる柱は、新たなLCC子会社であるルージュであり、より高密度の777-300ERであり、テルアビブ線、東京線にデビューすることになっている、待望久しい37機の787のうちの初号機の到着である。
エアカナダは2014年中に、ウエストジェットの域内近距離路線での侵食を阻む為に、そしてこのライバルが長距離路線でもエアカナダとの競合の可能性を探っている中で、長距離国際線網を拡大充実させるために、攻撃的そして防御的両面の対抗策を打つ準備は出来ている様に見える。ウエストジェットと同様に、エアカナダも多くの課題を抱えているが、今や、自らの計画を遂行できる良いポジションまで来ているようだ。
Canada’s Airlines Part 2: Air Canada works to bolster
its international network in 2014
シルクエアの2014年見通し=シンガポール航空子会社にとって、更に急速な拡大と大きな節目の年
10-Jan-2014 10:00 AM
シンガポール航空のフルサービス地域航空子会社シルクエアは、2014年、更に急速な供給と路線網の拡大を計画している。
同社は、737-800を8機、受領し、A320を4機退役させることで、保有機を4機増やし、合計28機に拡大する計画だ。
2014年はまた、大きな節目の年である。シルクエアは2014年2月で25年目を迎えるが、これを記念して、少なくとも54機に上る737新機材の初号機を受領して祝う予定だ。
いつもは控えめなシルクエアだが、珍しく、この25周年を記念してその殻から抜け出し、大規模なキャンペーンを実施することになっている。商品を改良し、ミャンマーのマンダレー、フィリピンのクラビを始めとする、いくつかの新地点へのサービスを開始する。
SilkAir 2014 outlook: more rapid expansion and major milestones for Singapore Airlines subsidiary
北アジアの航空業界、2014年の見通し=仕来たりの壁、まだ倒れることは無いがひび割れが
9-Jan-2014 8:31 PM
北アジアの航空業界はそのサイズ(中国南方航空)、市場資本(中国国際航空)、利益率(JAL)、そして権威(キャセイ)など、種々の意味で、世界的に有名なエアラインの宝庫である。この地域のエアラインにとって2014年は希望の持てる年の様だ、そして間違いなく、欧州のエアラインよりはるかに上手くやって行けそうである。北アジアの長距離エアラインにとって、共通するテーマと言えば北米への強大な市場で、企業渡航やプレミアムクラスの需要が上向いている、そして例えば欧州行きに比べて競争が少ないということだろう。
ここ以外ではどこでも、特徴づけるのは微妙な意味合いの問題になる。為替レートの問題では、円が17%も下落した日本に鋭いインパクトを与えた、一方で元の切り上げが中国エアラインを助ける事になった。地域間の緊張は、相変わらず日本と韓国、日本と中国の二国間市場に悪影響を与えている。また、近距離赤字路線の問題が大きくなっていて、アシアナは新たなモノクラスの客室仕様を導入し、中華航空や復興航空はLCC子会社を創設する予定である。これにより、東南アジアや欧州に比べて活気に満ちたLCC市場の無かった、この地域にますます二重ブランド戦略が広まることとなっている。日本を除いて、北アジアには、航空自由化はよりゆっくりとやってきているのだ。
2014年はこの地域の航空自由化にとっては忘れ得ぬ年になるだろう。ジェットスター香港は免許の認可を訴え続け、エアアジアは韓国での新子会社創設の道を探っている。外国人にとっては、LCCを容認する、台湾政府の方針は、現存する台湾のエアラインが創ったものに限ってのものでは無いかと危ぶまれている。そして、中国、ここはエアラインへの投資を考えると、潜在的には世界最大の市場である。しかし、政府の主導する改革の一部として、新たなエアラインがいくつも生まれているにも拘らず、地球規模で考えれば、様相を一変させる可能性のある、外国資本を受け入れる兆しはまだ見られない。大きな壁にはひび割れが見え始めている。
North Asian aviation 2014 outlook: cracks in the wall of inertia - but it is yet to fall
セブパシフィック、最新のタイガーエア提携社となる=LCCの盟約でエアアジアとライオンの釣り合いがとれるか?
9-Jan-2014 10:00 AM
タイガーエアはフィリピンの小さな子会社を国内最大のLCCグループに売り渡す条件の一つとして、セブパシフィックと盟約を結んだ。本質的には、少なくとも最初は、インターライニング(連帯運送協定)と重複路線の調整程度に過ぎず、提携は深い内容のものではない。しかし、これがアジアの躍動し急速に成長するLCCの世界に幅広い影響力を持つ可能性がある。
セブパシフィックはタイガーエアにとってインドのスパイスジェット、そしてシンガポール航空の長距離LCC子会社スクートに続く第3の提携エアラインになる予定だ。更に、提携社は増え、その中には最近スクートと提携が決まった、タイ航空の子会社ノックも入る可能性がある。
セブパシフィック、タイガーエア、そしてスパイスジェットは規模から言って似ている。この3社が手を組むと、個々に比べればはるかに大きな競争相手である、アジア太平洋LCCの雄たち、エアアジア、ライオンそしてジェットスターにスケールや路線網で太刀打ち出来る力を持つことになるだろう。
Cebu Pacific becomes latest Tigerair partner. Can LCC alliances counterbalance AirAsia and Lion?
カナダのエアライン第1回:2014年、ウエストジェットは野心的な多様化戦略を継続
8-Jan-2014 6:33 PM
カナダ第2のエアラインであるウエストジェットは、2013年、新たなプレミアムエコノミーのサービスを、またレジャー需要にも企業渡航の顧客にも一様にアピールする運賃体系を導入する一方で、地域航空子会社アンコールを立ち上げるという、大胆で野心的な戦略を実行して来たが、2014年も継続しようとしている。
現在のところ、ウエストジェットはアンコールの業績に関し、良いコメントしか発表していないが、これは事業開始の初期段階から予想されていたことである。しかし、2014年には業界が、一体、アンコールがウエストジェットの期待を満たしてくれるか否か、明確な証拠を見出そうとしている。これには、このカナダの地域航空と近距離航空との仕切りを越えたエアラインという事業が、20億米ドルという大金を齎すとしていたウエストジェットが、本当にそれを手に入れることが出来るのかという問いも含まれるだろう。
ウエストジェットは、2014年6月にダブリン線という新路線を開設して最初の長距離国際線運航を始めるという節目を迎えようとしており、2014年も一向にペースを落とす兆しは無い。報道によれば、新路線の予約状況が順調と総評しており、近い将来、他にも大西洋路線を開設する可能性もありとしている。ウエストジェットが、潜在的収入源であり、エアカナダの長距離国際線の牙城に挑戦するチャンスであることから、単なる2国間路線運航から抜け出し、国際線サービスに新事業域を拡大することは必然と思われる。
豪州市場に当てはめると、良く似た例であるバージンブルー/バージン・オーストラリアは市場の求める所に応じてLCCからフルサービスエアラインに完全に変身した。ウエストジェットはより慎重に取り組もうとしている。
Canada’s airlines Part 1: WestJet continues its ambitious diversification strategy in 2014
北アジアのエアライン、2014年は供給増=後進組は追いつこうとし、近距離路線に焦点が強まる
8-Jan-2014 11:24 AM
大韓航空を除く、北アジアの全13社の主要航空会社が、2014年第1四半期は前年比で増便を計画している。しかし、これは別のインパクトを持っていて、また全てのエアラインが供給席数やASK(座席キロ)を増やす訳では無い。第1四半期の平均で、供給席数は3.7%増、ASKは3.4%増で、便数が4.5%の増となっている。キャセイとJALは機材を小型化したり、配置座席数を少なくし、ASKではなく便数を増やしている。その他のエアラインは席数やASKの拡大より、先に便数を増やす事で、新たな近距離路線市場の値踏みをすることが出来るだろう。
香港航空、中国南方航空、エヴァエアそして復興航空が、それぞれの地区で一番の伸びを見せている。
大中国圏のエアラインは、発着スロットが限られていることと幹線の特性から、便数よりも供給席数やASKを伸ばしている。中華航空とエヴァエアは類似した成長形態だが、他の市場では2大エアラインは異なる形を取っている(日本のANAとJAL、韓国のアシアナと大韓航空)。
これを結びつけるテーマは、後進エアラインは格差を縮めようとし、筆頭エアラインは持続可能性を追求するという事だろう。
第1四半期は比較的におとなしい一年のスタートの時期だが、ANAの羽田での拡大、アシアナのA380導入と長距離路線の開設、スカイマークが日本で第3の長距離運航会社になり、キャセイが2年間の沈黙の後にASK成長率6.3%を記録するという変化を見せている。
North Asia's airlines add capacity in
2014 as underdogs play catch up and short haul focus increases
ベトナムの二次的空港、国際線を惹きつけ始める=ビン、ニャチャンを手始めに
8-Jan-2014 10:00 AM
ベトナム市場の急速な成長は、新たな国内線、国際線の路線開設で二次的な空港にも広がろうとしている。新路線はエアライン各社が急速な成長を追及することによって、ベトナム市場の発展に拍車をかける、重要な新局面を迎えている。
典型的には、ベトナムの二次的な空港は、これまでハノイ、ホーチミン、ダナンにある3つの主要空港にしか繋がっていなかった。ビンは2014年1月12日、ベトナム航空がラオスのビエンチャンへの路線を開設して、同国第5の国際定期便の就航する空港になる。2013年にビンはLCCであるベトジェットとジェットスター・パシフィックにより、2つの新たな国内路線を追加し、合せて5都市への路線を持つ空港になった。ビンはベトナムの二次的空港としてはニャチャンに次いで国際路線を持つ空港となる。
2013年ベトナム航空は、ニャチャンからモスクワへの路線を開設したが、これで、同空港は国内3路線と国際1路線を持つことになった。ニャチャンは人気のビーチリゾートとして台頭して来ているので、今後更なる国際線、そして新たな国内線の開設がありそうだ。
Vietnam’s secondary airports begin to
attract international traffic, starting with Vinh & Nha Trang
羽田発着枠配分、新規路線の開設には至らず=欧州勢が成田線を差し替えたため
7-Jan-2014 3:35 PM
ANAとルフトハンザは、このたび両社が共同で割り当てられた羽田空港の、利益の上がる発着枠4つを割り振った。唯一、ANAが成田=デュッセルドルフ線を羽田枠配分とは関係なく、開設したものの、4枠の全てが、現在成田で運航している路線を羽田に差し替えるものである。これにより、ANAとルフトハンザの日独間市場に占めるシェアが更に拡大して89%となり、残りがJALということになった。
ANAに与えられた羽田の11枠の内、たった5枠が新路線に使われ、5路線は成田線の差し替え、そして残る1枠(中国用)は未だに割り振られていない。これはまだ良い方で、欧州のエアラインは6枠を付与されたがその内、新規路線に使われるのは唯1つである。全体として、日本=欧州間の市場は北半球の2014年夏に4%拡大すると見られる。
ANAはこの拡大の主人公だが、これを以って羽田枠獲得に成功した成果であるとするのはいささか無理がある。何故なら、理論的には今回の事業規模拡大は発着枠とは無関係に可能だったからだ。限られた羽田発着枠が深刻な問題を引き起こすか否かとは何の関係もなく、日本=欧州間市場で最速で成長している2番手は、羽田発着枠も貰わず、企業提携もしていないトルコ航空とKLMの2社である。
Tokyo Haneda slot allocations fail to
generate new flights as Europeans replace Narita operations
セブパシフィック、タイガーエア・フィリピンズを狙う=フィリピン当局は事業買収を許すべきか?
7-Jan-2014 10:00 AM
セブパシフィックは取り沙汰されている様にタイガーエア・フィリピンを買収することにより、フィリピン国内線市場の主導権を固め、時に無秩序な競争に晒されてきた市場は、再び整理統合される結果になると思われる。
国内幹線は一年前には5社の競争だったものが、3つのエアライングループ(セブパシフィック、フィリピン航空、そしてエアアジア)のみの競合になる。
フィリピン当局は競争環境を保つのに、3社で充分なのかを決断しなければならないだろう。
マニラ空港では発着枠が枯渇しており、新規エアラインの市場参入はほぼ不可能である。
セブパシフィックのタイガーエア・フィリピンズ買収は、他のエアライングループの動きを封じる為の防御的な一手とも見ることが出来る。
しかし、タイガーエア・フィリピンズに求婚する者が他に沢山居るとも思えないので、この買収は、セブのマニラでの発着枠品揃えを増やす為の、賢い戦略的な行動と見るべきなのかもしれない。
同時にタイガーエアにとっては、LCCグループとして台湾での子会社設立やオーストラリアやインドネシアと言った、より戦略的価値の高い大きな市場での成長に集中するために、赤字続きのフィリピン子会社を手放すことが、これもまた賢い戦略的な行動といえるのかもしれない。
Cebu Pacific eyes Tigerair Philippines. Should
Philippine authorities allow a takeover?
米国航空会社とA4A、エアラインは乳牛の様なものという考えを変える戦いに直面=国家の確固たる航空政策を求めて
6-Jan-2014 7:41 PM
米国の事業者団体であるエアラインズ・フォー・アメリカ(A4A)は、一年以上も暗礁に乗り上げた状況が、基本的には何も変わらないままで、2014年を迎えている。即ち、米国の航空産業が地球規模で、競争力を保つ為には、特に、急激に台頭した市場で、A4Aの言うところの、現地政府が自国の航空会社に対して、より弱い規制しかかけない中で、競争力を保つ為には、米国の航空政策が最重要である事を、熱っぽく連邦政府や議会に納得させようとしているのだ。
最近の連邦議会での予算交渉の中で、交通安全委員会(TSA)が徴収する航空セキュリティ料金を片道2.50ドルから5.60ドル、往復11.20ドルに値上げする案を、議会が超党派で合意に至った事実が明らかに証明するように、このA4Aの作戦は、これまで、一向に賛同を勝ち得ていない。
結局、A4Aは商業航空に対する連邦政府の偏った見方、凝り固まった頭を変えようとして、きつい上り坂に直面している様に見える。ロビイスト達は、現在、米国の航空業界と世界の競争相手との競争力の格差をどんどん拡大させている規制や、税負担をこのまま負い続けさせる様では、航空業界の抱える危険は高くなると警告している。
しかし、不幸なことに、彼らのメッセージは一向に政府の耳に届かず、「エアラインは乳牛の様に扱えば良い」といった古き良き時代の考え方が相変わらず主流となっているのが実態だ。この原始的な考え方は、航空業界の社会生活への貢献については言うまでもないが、経済に与える計り知れない価値を全く無視したものである。
US airlines and A4A face a battle to
replace airline "milk cow" thinking by a valid national policy
マリンドエア、インド線を開設=クアラルンプール市場でマレーシア航空とエアアジアに更なる揺さぶりをかける
3-Jan-2014 4:25 PM
マレーシアのマリンドエアが、遅れていたインドへの拡大計画の実現に動き始めた。
計画は4路線の開設で、これによりライオングループの子会社である同社は、マレーシア=インド間の路線で15%の供給シェアを占める事になる。マリンドはこのマレーシア=インド間市場で、主たるプレイヤーになることと、急速に成長するインドネシア=インド間市場に対して乗り継ぎの足を提供することを狙っている。
マリンドは現在、マレーシア航空(MAS)しか飛んでいないクアラルンプール=デリー、そしてクアラルンプール=ムンバイの路線を標的としている。ティルチラッパリ線でエアアジアと競合し、クアラルンプールとアーメダバードを結ぶ唯一のエアラインになる予定だ。
このハイブリッドエアラインは南アジアへの進出の一部としてバングラデシュの2番目の目的地としてチッタゴンにも路線を開設する予定だ。2014年5月下旬の同社の創立一周年記念日までに、マリンドはマレーシアと南アジアの間の総供給量の12%を占めることになる予定だ。
Malindo Air launches India, further
shaking up Kuala Lumpur market for Malaysia Airlines and AirAsia
欧州エアラインのリストラ計画=2014年生き残り戦略
3-Jan-2014 4:12 PM
IATAによる2014年の予測では、欧州は、またもエアラインにとって、主要な地域の中で最も利益の上がらないところとされ、依然として生き残りの為の戦略が焦点となっている。
大きな路線網を持つエアラインは近距離路線でLCCとの競争から打撃を受け、長距離路線では、急成長する湾岸キャリアーとトルコ航空との競争に直面している。より小規模なエアラインも「スーパーハブ」の急成長で自社の長距離路線網を縮小しなくてはならなくなった。
利益率は改善しているというものの、彼らは贅肉をそいだままであり、利益の配分は不平等である。
欧州LCCの数社は、相当な利益を上げているが、フルサービス航空会社(FSC)の大半は僅かな利益しか上げられないか、いくつかは、特に小規模なエアラインは赤字を出している。更なる倒産の起きる可能性も排除できない。
2013年11月のCAPA世界航空サミットでは、リガス・ドガニス教授をモデレーターとして、エアリンガス、ルフトハンザ、トランサビア、バージン・アトランティック、ブエリング、そしてボンバルディアの各社の幹部が参加してパネルディスカッションが行われ、欧州のフルサービス航空会社(FSC)にとっての戦略的な選択肢についての議論がなされた。
European airline restructuring: survival strategies for
2014
中国東方航空、中国聯合航空をLCCに変身させる=御三家としては初めてLCCを持つことに
3-Jan-2014 12:52 PM
中国東方航空は大手航空会社としては初めて、LCCを勧奨するという政府の航空業界運営の新方針を体現し、100%子会社の中国聯合航空を、LCCに改変する事を計画している。
中国には、非効率で無駄の多い実態と戦いつつ、経済的に未開発の西部の地域に、空路を切り開く、ジャンプスタートとして、全く新しい、あるいは変身した、純民間の、或いは国営航空の子会社としてのLCCが生まれている。
北京を本拠地とする中国聯合航空は、その地点間サービスに焦点をあてた、近距離路線網、そして北京の第2の空港である南苑空港を基地とする事、企業渡航の潜在需要に絞った小規模経営など、LCCに変身するには理想的である。中国東方航空は北京では大規模だが、中国聯合航空は潜在的にLCCのサービスには適した、より副次的な目的地を結ぶサービスを提供できるのだ。
China Eastern to transform China United Airlines into a LCC; first of China's Big 3 to have a LCC
デルタ航空、湾岸キャリアーの重要性には依然否定的=保護主義的な姿勢を強める中で
3-Jan-2014 12:17 PM
デルタは、エティハドがスカイチームでのデルタの盟友である、アリタリアの株の買収について検討していると報じられても、依然湾岸キャリアーの台頭に対しては、保護主義的な太鼓を打ち鳴らし続けている。
種々の意味で包囲されたアリタリアは、エミレーツのミラノ=ニューヨーク線の新設をイタリアの法廷に提訴して、湾岸キャリアーの拡大を阻もうとするデルタの一連の熱心な動きのまっただ中に居る。デルタには、単に一便の問題に留まらない、遥かに大きな賭けなのだ。デルタにとって、西欧=北米路線市場がその全国際線供給席数の概ね1/4を占めることから、エミレーツがこれ以上第5の自由の運輸権益を使って拡大する事を止めるためには、法廷闘争も辞さない考えである様だ。
デルタは、世界の航空業界が急速に変化している中で、いにしえの戦術に戻ろうとしている。
湾岸キャリアーは、現在起きようとしている変化の大きな要素を占めていて、デルタが彼らの拡大を阻もうとすればするほど、現実的には、あらゆる局面で、新たな競争に直面し続ける事になるのだ。丁度かつての不倶戴天の敵であったエティハドと、今や腕を組む事とした、エアフランスの様な、古くからの長い付き合いである提携相手の様に、もしエティハドがアリタリアの大株主になる事に成功した場合、デルタは湾岸キャリアーと、より親しく協調しなくてはならないのかも知れない。
Delta Airlines remains dismissive of Gulf carriers’ importance as its protectionist stance deepens
韓国の航空界、流動=アシアナの新CEOはLCCエア・ブサンから、そしてエアアジア・コーリアが設立を申請
2-Jan-2014 4:48 PM
韓国の航空界は、過去10年間にわたり、その中頃に、何社ものLCCが誕生して以来、大きな出来事が殆ど無かった。 2014年、これが変わるかもしれない。アシアナ航空が2014年1月1日より新CEOとしてキム・スウ・チョン氏を指名したのだ。キム氏はクンホ・グループの旗艦ビジネスを統帥しているが、同時に部分所有するLCC子会社であるエア・ブサン(認知度を上げる為に悪戦苦闘し、時にはアシアナに無視されている様だったが)のCEOを務めていた。
キム氏は、エア・ブサンを利益が上がるまでにしたが、アシアナでは、2013年に成長率では大韓航空を追い抜いたものの、これを採算が取れる様にするなど、多くの使命が待ち受けている。キム氏はまた、アシアナのA380導入を統括する事になるだろう。
エア・ブサンは今、キム氏をトップに頂いて、更に大きな役割を引き受ける事になる。報道によれば、エアアジアグループが、韓国での子会社、エアアジア・コーリアの設立を当局に申請したということであり、このタイミングは決して遅くはない。エアアジアにとっては、韓国市場では長く浮名を流して来たが、ついに結実することになると同時に、エアアジア・ジャパンから手を引いて以来、改めて北アジアに同グループの子会社が出来る事になる。
ライバルのジェットスターは既にジェットスター・ジャパンを持っており、タイガーエアは台湾で子会社を計画している。ベトジェットでさえ、韓国での合弁事業を検討している。エアアジアが韓国に入っていくことは、市場に競争原理を齎す待望のアドレナリン注射になるだろう。短期的には、韓国のLCCには圧力がかかり、傘下のLCCとの統合と拡大が進展することで、メリットを享受するにも関わらず、アシアナや大韓航空にはさほどの影響は無いだろう。
Korean aviation in flux. Asiana's new CEO
comes from LCC Air Busan; AirAsia Korea files application
2014年アジア太平洋地区の展望=LCCの伸び加速、保有機数1,000機に達する
1-Jan-2014 12:00 PM
アジア太平洋地区のLCCは2014年を迎え、ほぼ1,000機の航空機を運航していることになる。そして、1,500機が既に発注されていて、1,000機は、アジアの躍進するLCC業界にとっては、まさに氷山の一角にすぎないのだ。
2014年を迎え、10社のLCCが創業し、アジア太平洋で運航するLCCは60社近くにまでなるという、記録的な水準のスタートを切る事になるだろう。現在営業中のLCC47社も、2014年に更に急速な拡大を計画している。殆どが2013年中に猛スピードで2桁の供給増を果たしており、競争が激化するなかで、その勢いが止まる様子は無い。
LCCがアジアで過去10年間に着実に築きあげて来た勢いはどんどん推力を増し、後戻りする事は無いだろう。今、LCCのシェアは、地区内エアラインの保有機数合計のほんの15%、そして供給席数では20%をわずかに超えたに過ぎないが、発注機材数では、ほぼ50%になる。10年前、LCCはアジア太平洋地区の総供給量のたった約2%だったのだ。
Asia-Pacific 2014 outlook: faster growth for low-cost airlines as LCC fleet reaches 1,000 aircraft
2013年、最も読まれたCAPAのリポートは=各地域での世界的変貌の記録
31-Dec-2013 8:00 PM
今回の年末の総括では、2013年のCAPAアナリストによるリポートの中から、最も読まれた15編についてレビューを行った。年間で最も人気のあったCAPAアナリストのリポートは、エミレーツ、エティハドそしてカタールの各社が、今よりもっと米国に根を張った場合、米国市場に迫り来るこの中東エアライン3社の衝撃に関するものだった。特に、2013年4月1日に発効したカンタスとの驚くべき合弁事業契約を開始した直後にエミレーツの進む方向について分析報告したものだ。
アジアでは、最大の関心はLCCの台頭と彼らのいくつかの国際合弁事業に向かっており、それが皆、従来の伝統的二国間協定のしがらみから解き放とうとする変化を加速させるものだった。欧州でも同様で、伝統的なエアラインがコストを削減し、新たな環境に適合する新たなビジネスモデル(湾岸からやって来た、かつての敵との提携も含め)を見出すのに四苦八苦している中で、殆どの行動が主なLCC各社から始まっている。
ラテンアメリカでも、LATAMの域内最大のエアライングループを生み出した統合など、幾つかの重要な国境を超えた合併があった。アフリカでは、一方では、徐々に民間の、より効率的なビジネスモデルに扉が開かれつつあるものの、2、3の例外を除いて、悲しいかな、未だに非効率と政府の干渉を乗り越える事に苦闘している。そしてロシアでは新たな年、2014年が、生まれ変わった活力と共に期待されている。
CAPA’s top 15 most read reports of 2013; a
chronicle of global transformation, region by region
エアアジアとライオンエアの対決激化=タイでのライオン急拡大で
31-Dec-2013 11:47 AM
アジアの最新のLCCである、タイ・ライオンエアが2014年早々、タイのますます競争の激化する国内、国際線市場で、更なる拡大を計画している。この拡大により、タイ・エアアジアにとっては新たな競争を齎し、エアアジアとライオン両グループ間の重複、競合が進むことになる。ライオンの現行路線、そして計画している路線は、皆、エアアジアの強固な地盤である。そこで、タイ・ライオンは既に運航を始めた3路線で、運賃値下げ攻勢をかけている。
この揺さぶり作戦は、2014年、タイ・ライオンが、保有機材を2機から10機に急増させるにつれ、他の路線にも広がるだろう。しかし、タイ・エアアジアも、2014年に、8機を追加する計画で、ブランドの力ではずっと強力で、確立されたエアアジアが、より大きなエアラインとして、有利な立場で、挑戦を受け止める構図は変わらないだろう。
AirAsia and Lion Air rivalry intensifies as Thai Lion rapidly expands
キャセイ太平洋航空、777Xの発注で保有機材の再編進む=同時にアジアで777X売込み攻勢が始まる
29-Dec-2013 9:09 AM
キャセイ太平洋航空は777-9Xを21機発注し、アジアのなかで、保有機材の世代交替に関して他社をリードする立場に立った。これは同社がかつて、A340-300や747-400の更新で遅れを取った苦い経験から渇望して居たものだ。
キャセイはその影響を強烈に感じて来たが、一方で、A350-1000と並行して、777Xを発注する2番目のエアラインになる。これは、エアラインが機種間の特性の違いを上手く使い分けようとしている事を示している。即ち、キャセイにとっては、旅客、貨物どちらの観点からも777Xを最有力長距離路線であるニューヨーク、ロンドンそしてロサンゼルス線に投入する事を意味する。
2015年以降はまだ、キャセイへの一連の納入しか受注がなかった777Xを発注したことは、キャセイにとってA350を選ぶのに比べてずっと大きな将来の利益を齎すことになる。
キャセイは今や、アジアで最大の777-300ERのユーザーであり、世界ではエミレーツに次いで第2位である。777-300ERの41%は、現在アジア太平洋地区にあり、発注段階の30%もそこからだ。同地区の他の大口顧客にはシンガポール航空、大韓航空、ANAそしてエヴァ航空などがある。アジアのエアラインは機齢を若く保ちたがる事から、キャセイが777Xを発注したことで、地区内で健全なセールス活動に繋がる動きが始まるに違いない。
すでにANAは777Xの最終評価段階にある。またエヴァは将来777-300ERを発注する事を明らかにする一方、777Xは追って評価に入るとしている。
Cathay Pacific 777X order ensures prompt
re-fleeting while starting 777X sales bonanza in Asia
空港の財政と民営化=CAPAが分析する2013年の回顧と2014年の展望ーその2
27-Dec-2013 1:48 PM
世界的な空港民営化に関する2013年のまとめ、報告第2回では、CAPAの2014年見通しとともに、アフリカ、中東、ロシア、西アジア、インド、中国、その他のアジア諸国での動きについて振り返って見たい。
報告第1回では、欧州、北米そしてラテンアメリカを見てきた。
ここで紹介する情報はCAPAの比類の無い世界空港投資データベース、(これは新CAPA空港データ大全の中のほんの一部に過ぎないが)から抽出したものである。
2013年は多くの交渉が、概ね落ち着いた、投資に参加しようとする人々は引退する人も居る中で、増加し続けた。
Airport Finance and Privatisation: CAPA's Review of the Year 2013 and 2014 outlook - Part 2
ノックエア2014年に更なる拡大を計画=タイではエアアジアとライオンとの競争が激化する中で
27-Dec-2013 11:19 AM
タイ航空のLCC子会社であるノックエアは、2014年、そのタイ国内線市場での主導権を確固たるものにし、新たな目的地を開設して国際線路線網を多様化するために、更に急速な拡大を計画している。この拡大計画は、新たな二つの近距離LCCが誕生して、タイでの競争が激化する中で行われようとしている。
ノックは2014年、少なくとも4機の737-800を追加し、保有機材を2014年末までに、737で18機~20機とする計画だ。同社の地域航空部門でも、最近発注した2機のボンバルディア・ダッシュ8Q400が2014年第4四半期に納入される予定で、保有機材の更新が進む。
ノックは、主として国内線のエアラインで、現在、国際線は隣国のミャンマーに飛んでいるだけだ。しかし、今や株式上場を果たした同社は近距離国際路線を増やすことに意欲的であり、また、シンガポール航空の長距離LCC子会社であるスクートとの合弁を開始しており、2014年下期には中長距離路線にも進出を計画している。
Nok Air plans more expansion in 2014 despite increasing competition in Thailand from AirAsia & Lion
空港の財政と民営化=CAPAが分析する2013年の回顧と2014年の展望ーその1
19th December, 2013
2013年、CAPAは世界空港投資データベースを構築した。
2013年は商談案件の数は概ね安定し、また投資への参加者は幾らかの引退にも拘らず、増加し続け、このデータベースの中身に大きな影響を及ぼした年だったが、データベースへの登録企業が500社に近づいている今が、空港の民営化と財政の傾向について検証する、丁度良いタイミングだろう。
前年同様、2013年は、二次的、三次的レベルのものを含む空港のM&Aの案件数は比較的少なかったが、主要レベルの空港で発生した重要な案件があった。確かに、この年は、航空及びその他の交通分野で、港湾や道路を総合して、このレベルの案件の数は記録的水準に近いものだった。
2013年上半期、166億米ドルに相当する地球規模のインフラ資産に関わる商談があり、そしてこの数字は、第3四半期の終わりまでに、235億米ドルに上った。これは既に2008年以来毎年の年間総額を超えるものだった。
2013年に取得された資産の大半は、欧州かアジアのどちらかにあるものだった。
Airport Finance and Privatisation: CAPA's Review of the Year 2013 - Part 1
航空アライアンスの未来は?=地球規模、多社間、2社間の提携は全て進化している
17-Dec-2013 7:58 PM
世界航空アライアンスはコストの効率化に効果があったのだろうか?それとも、その価値は収益への効果に限られるものだろうか?2社間提携は有名アライアンスと同様に効果的なものだろうか?アライアンス内での反トラスト法訴追免責の合弁事業は、その他のメンバーにとって不安定な影響を与えるものだろうか?アライアンスはLCCを彼らの仲間として誘致すべきなのだろうか?
2013年11月26日、27日アムステルダムで開催されたCAPA世界航空サミットで、リガス・ドガニス教授の先導により、世界の3つの航空アライアンスの状況について検証しながら、上述を含む疑問点についての討議が行われた。パネリストには二つのアライアンスのCEOとアライアンス加盟員である航空会社(合弁事業は無し)の幹部、そしてアライアンスとは無関係のハイブリッドLCCからも含まれている。
Airline alliances - what future? Global,
multilateral and bilateral partnerships are all evolving
IATA、エアライン利益見通しを上方修正=しかし未だに水面下の亀裂は明白
16-Dec-2013 6:28 PM
IATAの2013年12月の航空業界利益予測は、一見すると肯定的な印象を与える。IATAは2013年、2014年の両年とも利益予測を上方修正し、2014年の利益率は振り子の周期の頂点だった2010年のそれに近づくと予想している。しかし、水面下では亀裂は未だに明白に見えている。
高利益予測は全て低い燃油費に由来するもので、燃油費以外の経費削減努力への意欲は若干低下している。貨物事業は(特にアジアでは)事業収益の足手まといとなっており、地域格差が拡大している。優等生である北米地区は企業統合で利を得ているが、世界レベルでは所有と経営に関する制限に邪魔されている。成績の思わしくない欧州は、伝統的なコスト問題と、相変わらず脆弱な経済、政府による課税や制限により、改善が阻止されている。
世界のエアラインの収益構造について、改善が見られるだろうという私たちの以前の観測については、依然有効だが、資本コストを抑える動きは未だに遠い先の話だ。この事は、コストと供給の管理に更に鋭く焦点を当てることをエアラインに求めている、と同時に減税や料金値下げ、所有や市場参入への制限除去といった政府による協調した動きを必要としているのである。
IATA raises its airline profit outlook, but the cracks are still clearly visible under the surface