タイガーエアとスパイス・ジェットの提携関係=インド・東南アジア間のLCCの拡大を主導する
20-Dec-2013 6:30 PM
タイガーエアの新提携先であるスパイス・ジェットはインド=東南アジア間の市場で、低コスト航空会社に新たなビジネスチャンスの扉を開く可能性がある。
LCCは現在インドでの供給シェアで70%、東南アジア内では60%を占めているが、両地域間では30%以下に留まっている。タイガーエア・シンガポールとスパイスジェットは2013年12月16日、業務提携を発表したが、いよいよ2014年1月から段階的に始動する。両社の協同事業は、ひとまずハイデラバードでのフライトをカバーするだけだが、特に彼らがハイデラバードの乗り継ぎ旅客誘致に積極的に協力できるなら、続いてその他のインドの都市に拡大する事が考えられる。
スパイス・ジェットにしてみれば、この提携が、インド=シンガポール間の市場で戦う機会を創ってくれるし、その先の段階では、他の東アジアのオフライン市場でプレゼンスを高めてくれるだろう。
タイガーエアにとってはこの提携が、今や、主要な市場の一つにのし上がってきたインドにおけるグループの存在感を大幅に高めてくれるはずだ。
Tigerair and SpiceJet partnership leads accelerated
LCC growth between India and Southeast Asia
デルタ航空の2014年路線戦略=東京通過と提携強化が必要
20-Dec-2013 12:10 PM
デルタ航空の2014年の路線戦略は、二本の主たる柱が引っ張っている。
即ち、エアラインが外国社の株式を保有する、所謂、新世代の提携関係、そして、日本経由の価値が下がっていく中で、アジアの戦略的に重要な都市には、どんどん直航便を開設するということである。
昨年はシアトルがデルタの米国西海岸に於けるアジアに対する主要ゲートウェイとして頭角を現し、同社は、乗り継ぎ旅客を最大限、送り込むために、太平洋線に繋げる国内線を必死に追加増強した。同社の直近のシアトル新路線はサンノゼ線で、シアトルを基地とする長年のコードシェア協力先であるアラスカ航空グループとの提携に頼るよりは、と自ら選んだ新市場である。
更に、2014年1月1日にはバージン・アトランティックとの合弁事業が始まる予定だが、これは、デルタにとって、全米で最重要な企業渡航市場の一つであり、アメリカン、ユナイテッドに対抗する立場を改善しようと過去数年に亘って努力して来たニューヨークで、収益性を達成するために使うべき、最も大切な梃子なのである。
Delta Air Lines' 2014 network strategy entails
bypassing Tokyo and leveraging partnerships
エアバルティックとエティハドのコードシェア、更に深化の可能性あり=一方でEUの政府援助に関する取調べは続く
19-Dec-2013 12:02 PM
2013年12月16日、エアバルティックはエティハド航空と新たなコードシェアを始めた。リガのハブとエティハドのアブダビハブを結ぶ週4便のA319での定期便である。
リガはバルト海地方の主要な乗り継ぎ地点で、(リガ空港によれば、全旅客の33%は乗り継ぎ、乗り換え旅客だという)アブダビは欧州とアジア間の航空旅客にとって重要なハブとして急速に頭角を現している。
2011年にエアバルティックが倒産の危機に瀕したとき、再国有化を余儀なくされ、ラトビア政府からの資金注入が行われたため、国は民間からの投資についてはずっと厳重に監視している。
一方、CEOのマーティン・ガウスはずっとこの会社のリストラ計画に焦点を絞って来て、2013年の第3四半期までに予期せぬ好業績を上げてから、2014年には黒字転換を達成できると見ている。2011年に受けた国からの援助については、EUからの調査が続いていて、同社は援助された資金を返還しなければならない可能性もある。このため、新たな資本投入を確保しようとすると、圧力が強まるかもしれない。
観測筋はエティハドとの業務提携は、将来的に資産提携への布石の可能性があると指摘している。今回のコードシェア開始は、既にある種の意思の一致がある事を証明しているのだろう。
airBaltic-Etihad codeshare could lead
to deeper links. Meanwhile, EU state aid inquiry continues
ノック・スクート、2014年下期に2機の777で開業を目指す=タイと日本、その他の北アジア市場を標的に
18-Dec-2013 7:30 PM
タイ航空の子会社ノックエアとシンガポール航空(SIA)の子会社スクートは、ノック・スクートを創設して、タイの中、長距離LCCの分野に参入するが、両社は夫々の強みを基盤に、これを築き上げる事が出来る筈だ。この二つの会社はタイ・エアアジアXの強力な競争相手を創り上げるのに、丁度良い立場に居る。
タイは、脚光を浴びる長距離のLCCというビジネスモデルを追求し、好奇心をそそる力関係を現出させ、前例の無いレベルの競争を呼び込む可能性のある、2つのエアラインを同時に抱える最初の国となる。ノック・スクートとエアアジアXは、多分、ともに似た様な路線網を持つだろうが、エアアジアやエアアジアXそしてスクートに比べるとノックエアが、よりハイブリッド型を指向していることから、両社に商品の違いが生まれて来る可能性がある。
ノック・スクートは当初、SIAから提供される2機の777-200で事業を展開する計画である。この新エアラインは少なくとも最初は北アジア、特に日本の市場に焦点を絞る事になるだろう。タイ・エアアジアXは、いくつかの共通の地点に乗り入れる事になるだろうが、より効率の良いA330-300を使うと見られる。
NokScoot plans 2H2014 launch with two 777s, targeting Thailand-Japan and other North Asian markets
LCCの体験報告;貴方にとっては如何でしたか?=ハイブリッド化そして過渡期のエアライン
18-Dec-2013 5:43 PM
LCCというレッテルはまだ有効なのだろうか?それは、単に地点と地点を結ぶ市場のことなのか?フルサービスのエアラインが創設したLCCの将来はどうか?LCCを定義するのにコスト単価の最低線はあるのか?
マックギル大学助教授ピーター・バン・フェネマが2013年11月にアムステルダムで開かれたCAPA世界航空サミットで、パネルディスカッションを司会し、その中で、エアラインの幹部達がLCCに関わった経験を語りあった。
パネリストとしては、欧州の既成エアラインが所有するLCCの代表、新たなLCC子会社の創設を計画している既成エアライングループ、アフリカの新興LCC、中国唯一の純LCC、そしてLCCに対する投資家が含まれている。
サミットでのパネルディスカッション報告のこのシリーズ、第4回目では、最近のLCCの経験と展開について要約して見ようと思う。
LCC experiences: how was it for you? Hybridisation and Airlines
in Transition
エミレーツ、エティハド、カタール航空=ダラスが湾岸3社全てのハブ十字路に
17-Dec-2013 6:55 PM
湾岸諸国のエアラインである、エティハドとカタールは2014年には、エミレーツが2012年2月に路線網に加えたダラス・フォートワース空港に乗り入れを開始し、引き続き、急速に米国でのプレゼンスを高めようとしている。いざ、ダラス乗り入れの新サービスが始まると、湾岸エアライン3社が揃って、角突き合わせて競合する、米国で第3番目の都市となる。
現在、エミレーツ、エティハドそしてカタールは、それぞれのハブ空港であるドバイ、アブダビ、ドーハからニューヨーク・JFK空港とワシントン・ダレス空港に飛んでいる。
過去、数年、エティハド、カタール両社はエミレーツが米国内に獲得した優位な地位との差を縮めようと躍起になって来た。カタールが2014年にダラス・フォートワース、マイアミ、そしてフィラデルフィアに乗り入れると、ドーハから米国への乗り入れ地点は7都市になる、一方エミレーツは2014年3月、ドバイからボストンへの路線を開設すると米国内で8都市目となる。カタールがドーハから2014年7月に、次いでエティハドがアブダビから12月にダラス線を開設すると、アメリカン航空にとっては、二つの中東のパートナーが数ヶ月の間にそれぞれのハブに相次いで路線を開く事になる。エティハドはダラス線の開始を発表するにあたって、アメリカンとの提携関係を宣伝しているが、アメリカンとしては湾岸から米国国内線へ、そして中南米市場への送客増大という果実を摘み取るチャンスを期待している。
ダラスが湾岸エアライン3社の集合する地となる、それが齎すエアライン提携の複雑さも合わせて。
Emirates, Etihad and Qatar Airways:
Dallas becomes the hub crossroad for all three Gulf airlines
ベトジェット・エア、2014年は更なる急速拡大を追求=ベトナム国内市場シェア50%を目指す
17-Dec-2013 2:35 PM
ベトジェット・エアは2014年には、ベトナム最大のLCCとしての地位を活用して、国内、国際線にいくつかの新規路線を開設するなど、更に野心的な拡大を計画している。
民間企業である同社のグループはまた、2014年に少なくとも2件の国際線での合弁事業の開始を計画している。
ベトジェットは2013年12月25日に創立2年目を迎えるが、既に、ベトナム国内市場で約25%のシェアを占めるまでになっている。同社は国内線路線を拡大し、就航地点を現在の11都市から20都市に増やし、2015年末までに国内市場シェアを45%乃至50%まで獲得しようと狙っている。
ベトジェットは国際線では、現在、就航地点はバンコクのみである。だが、2014年末までにカンボジア、香港、インドネシア、韓国、日本、シンガポール、台湾に路線を開きたいと考えている。
VietJet Air will pursue more rapid
expansion in 2014, targets 50% share of Vietnam’s domestic market
タイガーエア・台湾、そしてノック・スクート、アジアの躍動する低コスト分野の成長と更なる変化の到来を告げる
16-Dec-2013 11:54 PM
シンガポール航空(SIA)グループは、タイでのスクート新子会社、そして台湾で新たなタイガーエアの子会社を創設して、アジアで急成長を続ける低コスト市場への関与を大々的に強めようとしている。この大プロジェクトにより、アジアでの躍動するLCC市場での競争が激化するが、スクート、タイガーエアにとっては(SIAグループにも同様に)シンガポール市場への依存を軽減し、経営基盤を広げることになる。これらの新たなエアラインは2014年に発足する予定の8社のうちの2社であるが、既に、近年、速射砲の様に続く変化に見舞われているこの業界の成長を促進し、更に揺さぶりをかける事になる。
ノック・スクートはSIAの長距離LCC子会社スクートと、タイ航空の近距離LCC子会社ノックエアの合弁会社だが、バンコク・ドンムアン空港から広胴機を運航して、丁度立ち上げられたタイ・エアアジアXと競合することになる。一方、タイガーエア・台湾はタイガーエア・グループと台湾の中華航空(CAL)の合弁で、台北から狭胴機を使って運航し、復興航空が計画しているLCC子会社と競合することになる。
Tigerair Taiwan and NokScoot usher in more
change and growth for Asia’s dynamic low-cost sector
スリウィジャヤ・エア、インドネシアの地域市場を狙う=フルサービス子会社のナムエアを開業して
16-Dec-2013 10:00 AM
スリウィジャヤ・エアのフルサービス子会社ナムエアの事業開始によりインドネシアの躍動する国内線市場での競争がまた激しさを増している。
スリウィジャヤはライオン、ガルーダに次いで、インドネシア第3の規模の航空会社で、ナムを使って、急速に成長する地域航空市場でのプレゼンスを高めようとしている。
ナムエアは2013年12月10日に運航を開始し、現在はボーイング737-500を使って、ライオン、ガルーダそしてスリウィジャヤも飛んでいる幹線、ジャカルタ=パンカル・ピナンを一日一便運航している。開業初期段階として、更に国内6路線の開設を計画しているが、その内の5路線は、スリウィジャヤ・グループとしても初となる、副次的都市を結ぶものである。またその内4路線は現在ライオンかガルーダが飛んでいない路線だ。
スリウィジャヤはナムを使って、最近のインドネシアでの航空需要成長の大半を占める、但し、競争が熾烈になっている、低価格の市場に参入することも出来た。グループとしてはその代わりに、ナムをフルサービスのエアラインとして、スリウィジャヤと類似した商品を、異なった路線戦略、即ち、それほど需要規模の大きくないけれども、供給が足りない、将来性を秘めた市場をピンポイントで標的にしようとしている。
Sriwijaya Air targets Indonesia regional market with launch of full-service subsidiary Nam Air
ANA、羽田の新発着枠で成長=成田便との差し替えも
14-Dec-2013 11:36 AM
ANAは最近の羽田空港の新規発着枠配分でライバルのJALのたった5枠に対して、11枠を獲得し、物議を醸した大勝利で可能になった事業の拡大に着手しようとしている。2013年12月、ANAはこのうちの8枠の活用計画を発表した。予想通り、羽田枠を使って、手っ取り早く成長を狙う策と、成田の現行便を羽田に差し替える策を混ぜ合わせた内容になった。
全くの新規路線で、ANAにとっては初のカナダの都市であるバンクーバー線開設とパリ・シャルルドゴール線の増便が始まる。しかし、ロンドン・ヒースロー線は成田から羽田への変更である。アジア地域内では、ハノイ、マニラ及びジャカルタが新たに開設されるが、バンコクとシンガポール線は成田から羽田への変更である。
残りの3枠は、中国(1)とドイツ(2)行きとなる。現在の市場動向から見ると、ANAがこれらの枠の全てを短期間に全くの新規路線開設に使うとは思えない。これは羽田新発着枠配分の議論の過程で声高に訴えていた様な、新路線開設により業績を伸ばさねばならないのだ、と言うよりも、11枠中の6枠は成田便を羽田へ移行するだけと言う事を意味する。アジアの競合他社が、必要にかられた低コストで、誰かがやらねばならない事をやっているのに、日本のエアラインは、自分達の利益の核となる国内市場に焦点を絞って専念している、これが皆が知っているのに、認めようとしない現実である。
All Nippon Airways grows with new Haneda slots, with
some replacement of Narita services
中国の航空旅行、エアライン経営者は世界の航空界を巡る急行列車に飛び乗る
13-Dec-2013 7:57 PM
2013年11月に、アムステルダムでCAPAの主催した、世界航空サミットの中で史上初のCEO達による討議があったが、アジア、中東、アフリカそして欧州の4つの航空会社のCEOが、彼らの中国に関する戦略について議論した。世界の航空業界の重心が東へ動くにつれ、アジア太平洋最大の市場は中国であり、これは、あたかも急行列車で、止められなくなる前に飛び乗らねばならないのだ。
エチピオピア航空、IAG、エミレーツ航空そしてエアアスターナは、それぞれ、全く異なった経験と対応策を持っているが、中国は航空旅行市場としての巨大なチャンスを秘めている事では全員が一致する。中国のエアラインは未だに国際線市場より国内線に関心を持っているけれど、これも、欧州や米国からの輸入品への需要が急進するに連れ、変わって来ている。そして、これが外国エアラインとの企業提携の新局面に発展するかも知れない。
中国発着の航空旅行の発展を妨げる障害物としては、文化の違い、航空権益とビザの制限などがある。空港の発着制限については、予想される交通量の伸びを受け止められるよう、インフラ整備に大々的な投資をして居るところだ。これは、CAPAの会議の複数のパネリストが、自国の政府にも見習って欲しい教訓だろう。
China air travel: airline CEOs jump on the
express train about to steam through world aviation
ダーウィン航空、ジェットスターの拠点閉鎖にも関わらず外国社とのリンクを強める=ハブ空港の役割さえ進化するのかもしれない
13-Dec-2013 11:30 AM
ダーウィン航空は、特にエネルギー、鉱物資源産業の隆盛から来る、北部豪州発着の国際線需要の増大に合せた、外国エアラインの供給増の大波を目の当たりにしている。この供給拡大はジェットスターが間もなくダーウィン空港の基地を閉鎖することに伴う、供給減を帳消しする形になる。
ダーウィンと東南アジアを結ぶ路線の供給席数は昨年、約40%伸び、インドネシア・エアアジア、マレーシア航空、フィリピン航空の外国エアライン3社が就航した。ガルーダ・インドネシア航空も、2014年にはダーウィン線の復便を計画している。
これまでダーウィンに飛んでいたのは、2012年に就航したシンガポール航空の地域エアラインであるシルクエア1社だった。ジェットスターもダーウィンからバリ、マニラ/東京、とシンガポールの国際線3路線を運航していたが、マニラ/東京線を運休し、バリ及びシンガポール線の供給席数を少し減らしている。
Darwin grows foreign airline links, despite
Jetstar's base closure. Even a hub role may evolve now
アラブの航空会社、人皆平等には創られていない事を示す=しかし、それ以外の世界にとっては良い教訓
12-Dec-2013 4:42 PM
2013年11月にアムステルダムで開催されたCAPA世界航空サミットでの最大の話題の一つは、中東のエアラインの成功というテーマだった。アラブ航空会社連盟の事務総長アブドゥル・ワハブ・テファハ氏はアラブのエアラインの発展、成功、学ぶべき教訓に関して彼の考えを述べた。
地理的条件や、政府の方針、比較的に政治的に安定した環境で、AACOの加盟エアライン、特にエミレーツ、エティハドそしてカタールは経費効率と高い成長、洗練されたサービスを融合したビジネスモデルを創り出した。もちろん、この公式がこの地域のどこにも応用された訳では無いし、アラブの航空会社を単一な同種のグループの様に語るのは間違いである。
それでも、エアラインにせよ、政府航空関係者にせよ、航空業界からの、また、アラブ世界からに限らず、他の参加者は、皆、この特筆すべき湾岸の三社の成功から有益な教訓を得ることが出来た。
Arab Air Carriers show that not all are created equal, but the rest of the world can learn from them
KLM、アジアでの提携拡大を目指す=今や北米より大きなターゲットになりつつある
11-Dec-2013 3:02 PM
企業提携とKLMオランダ航空とは深く絡み合っている。先ず1989年KLMがノースウェスト航空の株式を20%買収したところから両企業の協力が始まり、1997年には両社が先駆けとなって近代航空業界で初の合弁事業を開始、この方式を、ついには大西洋路線の競合他社のみならず、世界中の航空会社が真似ることになったのだ。企業提携は今や、更に広く行われる様になりKLMにとっても重要なものになっている。大西洋路線ではどんどん広がっているが、KLMは他にもケニア航空とも合弁事業を行っている。
しかし、先ごろアムステルダムで開催された「世界航空サミット」に於いて、KLMのCOO兼副CEOであるピーター・エルバースがCAPAに語ったように、KLMの提携の広がりが最も顕著なのは、そして拡大の可能性を秘めているのはアジアである。
中国の四川航空、厦門航空が欧州線を開設したのを見ると、KLMが現在協力している中国東方航空との関係、そして中国南方航空との提携に加え、更に深い企業提携を結んだことが分かる。また、KLMとマレーシア航空(MAS)とは歴史的な繋がりを持っていて、MASが2013年にワンワールドに加盟したにも拘らず、関係は続いているし、かつて敵対関係にあったエティハド航空も提携先に加えている。KLMは今、その世界第2の市場である日本で提携先を探していて、理想的にはエアフランスの持っているJALとの関係に便乗したいところだろう。エルバース氏はチームスターの大物である大韓航空とは、制限はあるが安定した関係だと語っている。これらの企業提携はアジアがKLMの最大の市場として、北米との差を広げるに連れ、どんどん大きくなっている。
KLM looks to grow partnerships in Asia, which are becoming larger targets than North
America's
シルクエア、短期の問題に直面=来るべき商品改良が見通しを改善するだろう
11-Dec-2013 9:00 AM
シンガポール航空(SIA)の子会社で、フルサービスの地域航空会社であるシルクエアは、今、ボーイング737-800への機材移行を開始するのに伴い、2014年内のインフライト商品のアップグレードを計画している。同社はまた、SIAグループがますますアジアに焦点を絞っているのに合せて、急速な成長を継続する計画だ。
しかし、シルクエアはこの数ヶ月、アジアの域内市場で競争が激化しているのに伴い、収益率の低下に見舞われている。同社は今年度最初の7ヶ月で12%の供給増を行ったが、未だに消化しきれず、利用率の低下を招いている事が、短期収支見通しに影を落としている。
目下計画中の商品アップグレードはシルクエアとLCCとの差別化を図り、東南アジア地区のフルサービス地域航空会社のリーダーの地位を確立する様にデザインされている。
だが、シルクエアは、ビジネスクラスシートの改良を計画しているが、キャセイの子会社で地域航空会社であるドラゴンエアの真似はしないと決めている。
SilkAir faces short-term challenges but
upcoming product enhancement could lead to improved outlook
アエロフロート、2013年度9ヶ月で大きく収益を伸ばす=LCC子会社ドブロレットはグループを補完して2014年早々に開業
10-Dec-2013 5:59 PM
アエロフロート・グループは2013年度第3四半期までに、旅客数、売上そして利益の全てで力強い上昇を記録することが出来たが、これで2年間に亘る収益性下落の時期を通りぬけ、単位売上を伸ばし、単位コストを下げる事に成功し、2013年度通期の営業利益率改善の見通しにこぎつけた。これが買収した子会社たちを再編、再構築してロシア航空業界の整理統合へと導いたが、今やこの政府主導のプロジェクトが実を結ぼうとしている様だ。
グループの成長の次の段階は、2014年春に予定されている、LCC子会社ドブロレットの開業である。LCCはこれまでロシアの市場には馴染まないとされていたが、国際線分野からこれが変わってきたのだ。イージージェットはロンドンとマンチェスターからモスクワへの路線を確立させている。ウイズエアはブダペストからモスクワへ、そしてライアンエアは2014年3月からダブリンからモスクワとサンクトペテルブルグへの路線免許を取得している。
LCCのビジネスモデルの一部を国内市場にも導入可能とする法律が今年末までに通過すると見られており、アエロフロートはこれを活用すべく、ドブロレットに1億ドルを投資しようとしている。
Aeroflot: strong profit growth in 9M2013.
LCC subsidiary Dobrolet complements the team in early 2014
ガルーダ・インドネシア航空、2014年度以降に更に急速な拡大を計画=競争は激化するにも関わらず
10-Dec-2013 8:00 AM
ガルーダ・インドネシアはグループとして、2014年度に、もう26機の航空機を追加し、再び20%もの拡大を計画している。インドネシアで、そして地域全体で競争はますます激化する中で、ガルーダは2014年そして、中長期に亘って急速拡大を支えるだけの充分な需要があると自信を持って居る。
グループは2013年度に約20%の供給拡大を行ったが、国際線で11%。国内線で30%のASK増強となった。主として子会社の格安航空会社シティリンクの増強に引っ張られた形だ。ガルーダはそして、2014年度にも国内、国際を組み合わせて、これに似た成長を計画している。
国際線では、2014年度には同社初の欧州直航便であるジャカルタ=ロンドン線を開設する予定である。ガルーダとしては、2015年まで、他の新たな欧州内地点への就航は無さそうだが、新機材777-300ERは、主として日本路線に使用する事から、北アジアへの供給拡大になるだろう。国内線では、シティリンクが成長を続ける一方で、ガルーダは新たな機材としてATR72ターボプロップを導入して拡大を計画している。
Garuda Indonesia plans more rapid expansion
for 2014 and beyond despite intensifying competition
ハワイアン航空、2014年の目標を発表=長距離市場の成熟を果たし、収支を支える
9-Dec-2013 10:01 PM
ハワイアン航空は、過去3年間に亘り、猛スピードで開設した数々の新路線を成熟させることに焦点を大きく転換し、大々的に成長のスピードを緩める事を狙って2014年に向かって進んで行く事になった。「慣熟」がハワイアン航空の経営陣が選んだ決まり文句の様だ。
より緩やかな供給の伸びと併せて、2015年に広胴機A330の最終機材を受領して、同社の資金支出も歩を緩めることになる。同社はこの年に財務レバレッジを改善する、ポジティブなフリーキャッシュフローを生み出し、将来有望な新人に生まれ変わるという計画である。
経営者もそして投資家も同様に、2014年4月に開設予定のホノルル=北京線を頂点とする10の長距離路線の新設を開始した2010年以来の熱狂的な拡大方針から、スピードを緩め、新路線が収益を上げることを確保する事に焦点を移すことには、大歓迎だろう。ハワイアンはその長距離路線のそれぞれに、乗り越えねばならない問題を抱えているが、経営陣は同社の路線網の多様化戦略は長い目で見れば、必ず良い結果をもたらすと強気である。
Hawaiian outlines 2014 goals: mature
long-haul markets and begin work to shore-up its balance sheet
バージン・オーストラリアとタイガーエア、二重ブランド戦略始動=路線網の整合を開始
9-Dec-2013 5:50 PM
大々的なファンファーレが響くことも無く、バージン・オーストラリアとタイガーエアが、その二重ブランド戦略の一部として、初の路線網変更を明らかにした。これはバージン・オーストラリアが、かつては敵対関係にあったタイガーエアを買収した事に伴うものだ。この買収が、バージン・オーストラリアに、カンタスグループのカンタス・ジェットスター組に対抗するための資金という副産物を与えてくれたのだ。タイガーエアはブリスベーン=ダーウィンの市場に参入するが、そのスケジュールがバージンとほぼ同じだった所を、バージンがカンタスに対抗できる様に変更する。
これはローカルな話題に聞こえるかもしれないが、実は世界的な意味合いを持つ出来事である。すなわち、豪州は二つの本格的な二重ブランド戦略の航空会社同士が、正面きってぶつかり合う、世界最初の市場になるのだ。
商品、サービス、ブランドは二重ブランド戦略を成功させるための最重要ポイントである、しかし、路線網がこれを支えるのだ。多くのエアラインが二重ブランド戦略を試みたが、殆どの場合、そのいくつかを、時には全ての必須なアイテムをごちゃごちゃにしてしまうのだ。
バージン・オーストラリアはただ単に二重ブランド戦略に挑戦している訳ではなく、かつてその先駆者だったエアラインの裏庭でそれを試みているのだ。というのは、豪州市場の典型的な皮肉な例なのだが、カンタスはかつてのバージンブルー(現在のバージンオーストラリア)という格安航空会社に対抗するために、ジェットスターを作り上げ、二重ブランド戦略を展開したのだ。この結果バージンブルーは上手く下層部をターゲットには出来ない事を露呈し、次第に市場の対象を上げ、ついにはフルサービスになる事を余儀なくされたのだ。バージンオーストラリアがタイガーエアを買収したことで、ほぼ10年かかってこの環が完成した事になるが、これから二つのエアラインを、それぞれにどう上手く動かしていくのか非常に複雑な行程が始まる。
Virgin Australia and Tigerair dual-brand
strategy commences as they start to coordinate routes
デルタ航空の最近のアラスカ航空に対する一撃=旅客の流れをバンクーバーからシアトルへ吸い上げるのが目的
5-Dec-2013 10:00 PM
シアトルに於ける、デルタ航空のアラスカ航空に対する圧力は、バンクーバー線とアラスカ・フェアバンクス線というアラスカ航空が独占または支配している路線に参入、増便する形で続いている。デルタの最近の動きは、昨年一年間を通じ、太平洋線への乗り継ぎ旅客を、デルタの拠点に集中させようとシアトルに基地を構築する、そして、今やお馴染みになった、長年に亘る提携相手であるアラスカ航空との競争を激化させるというものだ。
アラスカ航空の方は、経営幹部が認めている様に、デルタが最近発表した、シアトルから南北を結ぶ国内線を大々的に増強して、タコマ国際空港から拡大するデルタの国際線への供給を図る動きについて、両社がコードシェアをする計画は無いと言っている事からも、デルタがアラスカ航空の縄張りを侵食していることには痛いほど気づいている。
2014年9月迄にアラスカ航空の就航する、上位10都市うち、6都市に便を張ろうとしているデルタは、また、来年中にシアトル乗り継ぎ旅客のためにバンクーバーからの便を開設して、アラスカ航空との競合を計画して居る。この新路線はアラスカ航空との緊張を高め続けるだけでなく、シアトルから204キロしか離れていないバンクーバーからアジア行きのサービスを提供することで、両社の競合の形に新たな局面を加えることになる。
Delta Air Lines' latest punch at Alaska in Seattle is an effort to siphon traffic from Vancouver
カンタスと豪州の航空業界のシステムは炉心溶融するのか?=否、しかし、周りは障害だらけだ
5-Dec-2013 12:59 PM
カンタス航空は2013年12月5日、2013年12月31日までの6ヶ月間の3億豪ドルに上る、税引前損失予測を、新たに1000人の人員整理と、更に強力なコスト削減策を盛り込んだ計画とともに発表した。
カンタスは、昨年、エミレーツ航空との前代未聞の提携により、その国際線の路線網を適正化し始めたことで、少なくとも、大きな問題の一つは解決された様に見えた。また2013年12月3日に発表された、中国南方航空とのコードシェア協定は、これまでの中国東方航空との協力関係を補完するものだが、将来の膨大な中国市場の成長に向けて良い足場を与えてれくれるだろう。一方、ジェットスターは、現地の合弁先と一緒になって、此の地域全体で各国を足場にして新市場の開拓を担っている。
国際線では、長期に亘って持続する事業展開のための主役達は、持ち場持ち場に適正に配置されている。問題は、短期の課題が上手く消化出来ないことが分かって来た事なのだ。バージン・オーストラリアは、国内線ではタイガー・エアウェイズと組んでカンタスの二重ブランド戦略に対抗し、国際線ではエティハド航空、シンガポール航空、エア・ニュージーランドとの資産同盟提携を通じ、神経を逆なでする形で攻撃を仕掛けて来ている。また、いまだに比較的に好調を持続している、豪州市場の出国需要をつかもうと激しく攻めてくる外国社もいくらでも居る。
一方でカンタスの本体は未だに体重オーバーで、競争が長引くにつれその虚弱な体質を露呈している。それゆえの緊急対策なのだ。
Is Qantas and Australia’s aviation system in meltdown? No, but challenges are all around
JAL、東京ニューヨーク線デイリー2便目を復活=日本市場の力が衰退する中で
5-Dec-2013 7:08 AM
日本航空が、倒産と大規模なリストラを経験する以前に運航していた、ニューヨーク線デイリー2便目を復活させようとしているのは、まるで過去の栄光を取り戻そうとしている様に見えるかもしれない。
しかし、2014年3月30日に再開されると、この路線は全く別の戦略と意味合いを持つ事になる。この便は昔の様に747-400では無く、比較的に小さな186席の787-8で運航される予定だ。これが、アメリカン航空が最近休止したニューヨーク東京線に取って代わるサービスなのだが、供給座席数は更に減少することになる。アメリカンとJALは合弁関係にあることと、787によってマーケットプロファイルを変えられるという便利さが相まって、この切り替えは比較的容易に行くだろう。
一方で、かつてのJALのニューヨーク便の内1便はサンパウロまで飛んでいたが、再導入される第2便目は自社機ではなく、提携エアラインの便で南米に、より便利な乗り継ぎが出来る様になっている。787はニューヨークに一泊して、翌日の早い戻りが可能になる。JAL便の出発はJFK発アジア行きとしては、全体で2番目に朝早い時刻になり、東京での余裕ある時間と、より良い乗り継ぎを提供してくれる。これは、JFKを夕刻に出て東京には更に遅い時刻に到着し、乗り継ぎ便も、地上交通機関の選択肢も限られてしまうANAのデイリー2便目とは対照的である。
Japan Airlines revives a second daily Tokyo-New
York service, as Japan's market power wanes
ルフトハンザ、トルコ航空とのコードシェアを中止=破談はそれぞれの新戦略を意味する
3-Dec-2013 5:30 PM
ルフトハンザがトルコ航空とのコードシェア契約を終結するという最近の決断は、多くの観測筋からは驚きとして受け止められている。この二つのエアラインの過去18ヶ月に亘る協議は、ずっと、より密接な関係の構築を探り、その見通しについてはドイツ、トルコ両国政府さえも話し合っていたくらいだ。
しかし、トルコ航空がドイツで強烈に成長した事から、両社の関係のバランスを崩してしまった様だ。特に、トルコ航空はルフトハンザの強力な足場であるフランクフルトとミュンヘンから遠く離れた、ドイツの副次的な都市で、その強い存在感を示すようになっている。そして、アジア行き旅客は地方都市から自社のハブに集めるという、ルフトハンザの戦略を、トルコ航空が、イスタンブール経由をどんどん勧めることで、侵害し始めているのだ。
ルフトハンザには太刀打ち出来ないような運賃で、世界一の一つと言える路線網で、次々と各種の賞を受賞する商品を持って、トルコ航空はルフTトハンザとそのグループ企業にとって、同じスターアライアンスの盟友でありながら、恐るべき競争相手になっているのだ。
Lufthansa ends codesharing with Turkish Airlines. A full rift would mean new strategies for each
カンタスと中国南方航空が提携=キャセイとシンガポール航空提携に対抗
3-Dec-2013 1:01 PM
カンタス航空の中国南方航空とのコードシェアそして提携を確立しようとする動きは、丁度、提携戦略で言う二大テーマを一緒にしたようなものだ。即ち、「敵の敵は味方である。」そして「もし勝てないのなら、仲間になれ。」である。
カンタスは豪州発中国行を週間7便運航しているが、現在、豪州、ニュージーランドに向けて週間47便を持ち、2015年までにこれを55便に増やそうとしている中国南方航空の規模にはとても太刀打ち出来ない。
今回の提携は、カンタスの中国東方航空との現行提携スキームを中国南方航空に補完させようとするものだ。中国東方航空と南方航空はお互いに仲が良いので助かるが、南方航空の基地である、広州は中国南部地方の地点を結びつけるには、東方航空の基地である上海より都合が良いのである。カンタスは、当初は豪州・中国間の便に加え、中国南部の地点でのコードシェアを行い、南方航空は豪州国内線のコードシェアが出来ることになる。
Qantas and China Southern Airlines to partner, clawing back at gains from Cathay Pacific & SIA
カタール航空、サウジのアルマハ航空の開業を2014年まで延期=サウジ政府が構造改革に手間取る間に
2-Dec-2013 9:12 PM
カタール航空はサウジアラビアで事業を開始しようとしている子会社をアルマハ・エアウェイズと名付けたが、運航は早くとも2014年上半期まで開始しないと言って居る。カタールがこの間、運航に関して異常なほどに沈黙を守って居り、就航予定日さえ公表して居なかったのだが、サウジの監督官庁は、2013年の末までに、航空自由化の一環として、就航する予定だと公言していた。2012年12月、カタール航空はガルフエア関連グループと共に、航空、観光分野の遅れている改革の一部として、サウジアラビア国内線運航の免許を与えられた。
サウジ政府が、この分野の活性化を図るとして居る事は正しいのだが、サウジアラビア航空の民営化という最初の取り組みが、遅々として進まない。今や政府は、国内線市場のコントロールを緩めようとしている様で、監督官庁である、航空局にとっては、想像以上に難しい問題になって来た。航空局は新規のエアラインに対して燃油価格を割引するよう、政府の関係組織と延々と交渉して来たと言う。
サウジアラビア航空は、市場を歪め、結局2010年にサマ・エアラインに撤退を余儀なくさせた、燃油補助金を受け取って居る。また、国内運賃の上限規制のお陰で、サウジアラビア航空でさえ、国内線の幾つかで赤字となる便が出来てしまった。
カタール航空のCEO.アクバル・アル・ベーカーはロイターの取材に対して、サウジの当局からこの二つの議論のある問題については、解決するとの約束を貰って居ると、慎重な表現で言って居る。
国内線の成長が国際線に遅れを取っている一方で、これが好機を創り出しているのだが、ベーカー氏の言う様に、まだ多くの障害が残されている。
Qatar Airways delays Saudi operation 'Al Maha Airways' until 2014 as government dabbles on reform
ユナイテッド航空、東京乗り継ぎを減便=直航便優先の太平洋路線再編の中で
1-Dec-2013 2:01 AM
ユナイテッド航空は、2013年の殆どの期間を通じて、円安で同社の業績の足を引っ張った東京市場での乗り継ぎ便よりも、直航便を増やすことを中心とする路線再編成を計画している。また、ユナイテッドは中国での供給量拡大競争が同社の太平洋線の業績を圧迫している事から、これまでの伝統的なゲートウエイでない都市への直航便を運航する戦略を立てようとしている。
この路線再編によって、同社のヒューストン・インターコンティネント空港、ワシントン・ダレス空港、そしてシカゴのハブを使って、現在、緩やかな景気回復軌道に乗っていて、より安全な選択と思われる、欧州への新路線展開に使うための、余剰機材が生まれるのだ。
この路線再編計画の成否は、ユナイテッドがコンチネンタル航空との合併に関して、難問に直面したのと同様に、まさに、実行できるかどうかにかかっている。
今や、同社のアジア戦略の中心は「上手くやること」になるだろう。
United reduces Tokyo connections in a Pacific network revamp that emphasises more directs