当分析はCAPAが2020年6月12日に発表した
Hong Kong to Shanghai in 12 hours - by air. A business travel odyssey
をJAMRが全文翻訳したものです。
2020年6月15日
これからするのは、香港のあるビジネスマンの上海への業務渡航の極めて詳細なお話である。
それは、中国政府が、新たな感染を持ち込むのを防ごうと、如何に入念に注意を払ったかを、詳細に物語って居る。
それはジョニー・トールセンの、「カリフォルニアからデンマークへ、36時間の空の旅:ジョニーの冒険旅行」に詳しく描かれた、フランクフルトに到着後、ドイツを進む気軽な旅とは大きく異なる体験である。
中国、そして殆どのアジア太平洋の国々は、都市封鎖の規制を緩和し、外国人の入国さえ許すなかで、感染の第2波を体験して居る。彼らはそれ以来、開放するために、遥かに多くの慎重な取り組みを行い、この例の様に、旅行が特別に業務のためとして認められたものである場合でさえ、多くは未だに厳格な検疫隔離を義務付けて居る。
然し、欧州各国は、しばしば彼らの旅行の出発地が何処で有ろうとも、特にEU市民を例外とする、それぞれ異なった条項を設けて居る。
地球規模の旅行の標準を達成するのは多国間の問題である。更に広範な再開を、真剣に語る事を可能にするためには登らねばならない山がある。
香港=上海体験記とジョニー・トールセンのフランクフルト空港を通る旅行を対照させる目的は、単に一つのアプローチを別のものより良い、悪いと決めつける為では無い。
<関連記事参照>カリフォルニアからデンマークへ36時間、空路にて:ジョニーのオデュッセイア 2020年6月11日
これら2つの体験記を並べて見ることの重要点は、地域によってコロナウイルスの蔓延と戦う取り組みの大きな相違点を、そして国際航空旅行の体験を調和のとれたものに出来るまでに、未だ登らねばならない残された山を描き出すことである。
およそ150カ国が入国検疫条件を課して居る中で、2020年以前のエアライン路線網が再構築できるまでに、明らかに未だかなりの時間がかかるだろう。然し、もし旅客に空に戻って来ることを促すために安心を提供するだけでも、旅行の間中、健康と安全を確実なものにするための、世界標準を開発することは重要だろう。
2020年6月上旬、あるビジネスマンの香港から上海への旅行体験
以下の、香港(コロナウイルスが比較的に蔓延して居ない)から上海への長い一日の旅の詳細な説明は、もう一つのオデュッセイアである。
● 2週間先の(中国本土では2週間の検疫隔離が必要)出張旅行のため、中国東方航空に香港発、上海行きの便を予約。
● 我が中国東方便は出発間際にキャンセルされた。
8:30am 最初に予約した便がキャンセルされたため、香港空港に早めに到着。
● 到着と同時に幾つかのエアラインカウンターを駆け回り、最終的にキャセイドラゴンに一席を売ってくれるよう説得。
● 香港空港では、出入国管理官やエアラインスタッフなど全員がマスクを着用して居るが、大半は単なる普通のマスクで、誰もPPE(個人防護具:Personal Protective Equipment)は着用して居ない。皆と同様に私も旅の間、マスクを常時着用した。
● ターミナルにはほんの僅かの旅行客しか居ないし、2つのファストフードレストラン以外、店は全て閉って居るので、基本的にソーシャルディスタンスは自動的だった。
● 機内では、全客室乗務員がマスクを着用して居た。やはりPPEは無し。
● 私は、1機で最大合計50人のA330広胴機に乗ったので、やはりソーシャルディスタンスをとるには充分な空席があった。私は横の列全体で唯一の乗客だった。
● 搭乗するとすぐに、客室乗務員が消毒した濡れタオルを渡してくれた。
● 食事は出るが、選ぶことはできなかった。全ての食物、飲み物は一つのトレーで配られ、パンはプラスティック袋に納められて居た;飲み物は全てビン/缶に入って居て、開いたビンから注がれる事は無かった。私はリスクを減らす様、何も食べない事にした。
● 検疫スタッフが、完全防護服で全ての搭乗者の体温を測り終えるまで、旅客は誰も飛行機から降りる事は許されなかった。
● 浦東空港では、入国管理、税関、検疫、トイレの清掃係まで含め全てのスタッフがPPEを着用して居た。例外は全く無かった。
14:30 我々はターミナルに入る事を許可された。
● それから、最初の検疫の尋問のため列を作った。この最初の健康チェックの列に並ぶ間、我々は、約20人が列をなす、最大の人数が一緒になる体験をした。唯一この時だけは、充分なソーシャルディスタンスを取らなかった。他の到着旅客も、全てマスクを着用して居たが、PPEでは無かった。数人の旅客は、全身保護の衣服を着て居たが、プロのPPEには見えなかった。
● 続いて、指定された健康衛生管理官により一人ずつ質問を受けるための列を作った。
● このQRコードは私の上海滞在全期間の通行証となるものだ。
● 入国管理、税関、そしてその後バスに乗る時も、このコードが必ずスキャンされた。
● 新たな体温検査に続き、別の健康衛生管理チームによる耳のスキャンがあった。
● それから、もうひとつの申告用紙に署名をさせられた。
● 次いで、健康衛生スタッフがCOVIDテスト用に、充分な喉の検体を採取するため、建物外の空港エプロンの区域まで長いこと歩いた。(多分これは屋外でやる事で、より良い風通しで健康リスクを軽くするのだろう。)
● この過程は完全に接触不要になって居る。全て顔認証技術を使い、指紋採取機にさえ触れる必要が無い。
● 到着ロビーでは、選択肢は、左へ曲がる(家で検疫隔離を選べる、上海を本拠とする市民)か、定められたホテルで、14日間の隔離義務を実行する非上海人たちは、右に曲がる。
● 係官はそこで、再び私のQRコードをスキャンする。
● 次いで、我々は、上海のどの区域でビジネスをする計画かなど、更なる情報を記入する必要がある。これでどのホテルに指定されるかが決まる。
● バスに乗る前に、QRコードが、またスキャンされねばならない。(私の後で一人の婦人がQRコードをスキャンした際、サイレンがけたたましく鳴った、彼女は違うバスに乗ろうとして居たのだ。QRコードは機能して居る!)
● 乗車中に、係官がガイドラインの概要、検疫隔離の規則を説明する。
● 我々全員が「ウイーチャットWeChat」(中国版メッセージシステム)グループに入る事を求められた。そして我々は、WeChatのアプリに入って、更なる個人情報を入力する様に言われた。
● ホテルは周囲に塀がめぐらされ、完全に外界から封印されて居る。複数の警官の存在が目立ち、全ての出入口には守衛が配置されて居る。
● 全ての荷物はバスから運び出されると、消毒薬液がスプレーされた。
● 我々は、どの部屋に入るか言われ、部屋に入るには、我々のQRコードをスキャンする必要があった。部屋の鍵というものは無かった。
● 我々は一人一人、係官に付き添われて部屋に向かう。
● 部屋に歩いて行く間に、係官は沢山のテレビモニターがあることを警告し、食事を受け取りに行くために、扉を開けて外に出る事が出来ると教えてくれた。
● 私は現在、ホテルの部屋に14日間閉じ込められて居る。もし更なるテストの後にCOVID-陰性であれば、私は会議に出席できる。
● このホテルでの休暇は、私の会社が費用(比較的に慎ましやかな一泊250元+食事代50元である。)を負担するので、ただ乗りでは無い。(1ドル=7.1元)そして勿論wifiは通じて居る!
Hong Kong to Shanghai in 12 hours - by air. A business travel odyssey