当分析はCAPAが2019年11月13日に発表した
Disruption in the accommodation industry – the lines blur
をJAMRが全文翻訳したものです。
2019年12月8日
宿泊業界の混乱=線引きがぼやける
組織が法制化をし始めると、「混乱」が正常な状態になったと言うのは常に容易な事だ。
旅行と輸送の業界は、現在、そんな混乱に満ちて居る:無人飛行機(不充分な反応);セルフコネクション(幾つかの大きな空港に限られ、多くは正式に提供して居ない);シェアリングエコノミー;(そしてこれら全ての親父として)環境問題(抗議に対して、調整が出来て居ない、無力な反応)。
国連世界観光機関(UNWTO)は、宿泊業界の新しいビジネスモデルを、国の政府と地方の自治体が共に立ち向かい、管理する方法のシステマティックな概観を示す、「宿泊業界の新たなビジネスモデル」と言うレポートを最近発表した。
国連は、エアbアンドbの様な宿泊シェアリング代理業がホテル分野に参入し、そしてホテルグループの幾つかはシェアリング分野を狙って居る中で、まさに混乱への対応を本格化する、新たな形態としてこれを行って居る。
Summary概要
● 国連の世界観光機関(UNWTO)のレポートは宿泊シェアリング活動の持続可能性への規則の欠如を指摘して居る。
● 具体的には言わないが、明らかにある場所では供給過剰となり、地域のコミュニティがこの概念に反対する方向に仕向けて居る。
● この背景に対し、そして幾つかの都市のひとつがそんな賃貸形式を厳しく取り締まる様になった事から、エアbnbは、これで「業界の破壊者」のイメージを失うとしても、(上流の)ホテル分野に移行しようとして居る。
● 然し、逆に言うと、未だに多くの魅力があって、幾つかの主要ホテルグループは逆方向へ、シェアリングに移行しようとして居る
消費者保護の規則が支配;計画性と持続可能性を懸念するものーそれ程でもなく
国連世界観光機関(UNWTO)のレポートは、世界で最も観光客に人気の高い都市を擁するオランダ、イタリアそしてスペインの様な欧州各国、そしてメキシコなど米州の国、そしてアジア全体では日本の例と言った、21の世界的ケーススタディを取り上げて居る。レポートは、シェアリング経済に関して開始された、殆どの対策が、「公平な競争」と「消費者保護」、特に課税と登録と許可の分野についてである事を指摘して居る。
比較してみると、「計画」と「持続可能性」に関する対策は、それほど共通の土台とは言えない。同時に、レポートは各目的地は、地方に収容能力が無い事や、短期間の観光客の宿泊を誰が監視し、管理するのは誰の責任なのか、明確さに欠ける中で、規則と規制を開始する課題に直面して居る事を強調して居る。
幾つかの国では、過剰な供給が深刻な問題である
最早、種々の面で、決して唯一のものではないにも拘らず、エアbnbが第一の主導者であり続ける中で、これら新たなビジネスモデルを取り巻く、多くの問題がある。
国連のレポートは収容能力の欠如を言って居る;然し、幾つかの地域(上述の国々や、またアイスランドでも特にそうだが)での、より深刻な問題は、供給の過剰である。どういう事かと言うと、現存するものと新規の宿泊施設の両方で、暴利をむさぼる家主により、そもそもの「空き部屋」の概念でなく、むしろ短期間の休暇(次第にビジネス用も増えて居る)の目的の賃貸ばかりに、施設全体が召し上げられ、拡大しつつある業務渡航と家族の休暇旅行を結合する需要の傾向へ、進入しようとして居るのだ。
これが地域住民にとって、長期の賃貸をするより利益の上がる場合は、宿泊施設を品薄にするだけでなく、まだ手に入る物件の価格を押し上げてしまう。レイキャビクは、今年海外からの訪問客が20%超も下落したので、これがその対応の手助けになるだろうが、この事で苦労した都市である。
その他の土地では、オスロで、新たな「バーコード」の繁華街地区のアパートをシェアリング分野の「起業家」が買い占め、英国マンチェスターでは4つの巨大な中心部のアパート地区(その内の一つは700フィート[225m]の高さ)が海外からの投資家にハイジャックされて居て、これもまた、その様な短期の賃貸を提供すると言う評判である。
「ホスト」の中には、100以上の物件を所有して居るものも無いでは無い。一例では、ほぼ1,000件を所有し、その事業で年間1,500万米ドルを稼ぐと言われて居る。
確かに、パターンはインターネットで急速に追従された例と全く同じである:具体的には当初の友好的で地方分権的な資本主義という約束のはずが、偽の権威で飾られた表向きの裏で、ぼろ儲けする好機を見つけた金持ち事業者達の、狂気の突進がすぐさま後を追って来るのだ。
混乱が共通の基盤へと変わる、もう一つの兆候は、エアbnbが益々ホテル分野へ移行して居る事である。確かに、これは「破壊者たち」が、管理監督者(緩慢に)と、別の破壊者(より急速に)の双方から邪魔されて居る状況から発生して居るのかも知れない。
エアbnbは、ライアンエアやその他の「低コストエアライン」が実収単価のより高いビジネスセグメントに安全地帯を求めて行くのと全く同じ途を辿って居る様に見える。5,500億米ドルに上る世界のホテルビジネスは、未だに、エアbnbのアパート、家屋、邸宅、老人用付属住宅、(物置小屋、そして賃貸されるその他の施設すべて)よりもずっと多くのビジネス客を宿泊させて居る。
エアbnbの創立者の一人、ブライアン・チェスキーは現在、マンハッタンのミッドタウンにあるロックフェラープラザ75の再開発計画に、摩天楼を所有する180億米ドルの物件を持つ、ニューヨークを本拠とする不動産会社、RXR不動産との共同事業として参画して居る。
「ユニークな物件」と称され、この建物には一部、全室スイートのホテル、一部はサービス付きアパート、一部は共同作業場、そして一部はメンバー制クラブ、これに加え、バー、レストラン、ジム、ビジネスセンター、会合やイベント会場、会議室、そして、コンシェルジュが提供する「通常地元民だけが出来る体験」(それが何を意味するかは別として)がある。ルームサービスはホテルからでは無く、地元のレストランから、高級市場向けのデリバルー或はウーバーイートでやって来る。
エアbnbはこうして、嘗て自ら取って代ろうと立ち上った、ホテルの分野に進入して居る。
部屋はエアbnbがデザインし、収入の分け前を得る為に、同社が市場に流通させ、そして予約はエアbnbを通じ、たった一泊から出来る。RXRはホテルの運営とその他の建物内の各施設から利益を得る事になる。
来年には別の物件がブルックリンでも、それからその他の米国都市で、次いで、マンハッタンの物件のモデルが機能すると見られて居る、ロンドンにと続く予定だ。
エアbnbの決断は、一部、ニューヨークでの短期賃貸の取り締まりに押されたのかも知れない
ニューヨークに開業する理由の一つは、そこの市当局がエアbnbやその他の短期賃貸運営業者を厳しく取り締まって来たからかも知れない。
既に今年、エアbnbは、毎月700以上の物件を追加して、世界最速で伸びるチェーンとなったインドのホテル起業組であるオヨ・ルームズに2億米ドルを投資して居る。チェスキー氏は、来訪者数を2028年までに年間10億人に増やす事を目指して居ることから、彼らをエアbnbのシステム上で入手可能としたいのだ。
エアbnbがホテルビジネスに進出して行くもう一つの理由は、ホテル業者もまた自分たちの縄張りに踏み込んで来たからだ。
130万室を擁し、世界最大のホテル運営企業であるマリオットが、今夏、自社独自のホーム賃貸サービスを開始する最初の例となった。それ以前には、2016年にフランスのホテルの巨人アコールが英国の高級ホームシェア運営業者ワンファインステイを買収した。ハイアットは、部屋にキチネットが着いて、より居住感覚の高いサブブランド「ハイアットハウス」を導入して居る。
エアbnbにとって、この戦略を採ることにはあるリスクがある。伝統的なホスピタリティの世界に進出する事で、「破壊者」としての訴求力のいくらかを失うかも知れないのだ。
きっと、UNWTOがまだ食い込んで居ない、目に見えない規制など多くの問題があるだろう。「破壊」のゲームの全体像は、さもないと統制の取れない状況に転がる危険を孕んで居る。
確かに英国航空が英国で鉄道の運営を始めたり、ロンドン、パリ、ローマ、ワシントン、そしてモスクワの政府のビルに、休暇用の賃貸物件が登場するのもそう遠くない話かも知れない。
以上