当分析は、CAPAが9月1日に発表した
All Nippon Airways acquisition of Skymark and its A380s would be difficult but with upside for bothを、
JAMRが翻訳したものです。
CAPA分析
全日本空輸とスカイマーク航空の交渉がスカイマークに対する、日本の歴史上最大の航空会社への投資になるかも知れない。1998年に起業したスカイマークは、中間クラスのニッチ市場を創りだして成功を収めていたが、ここへ来て、2014年7月に誤った思惑で発注した、6機のA380のキャンセルにより、エアバス社に凡そ10億ドルの負債を抱えることになった。
提案によれば、ANAはスカイマークのA380を手に入れ、日本国内の市場に高密度座席仕様で投入する。スカイマークはそのブランドや運航をそのまま維持する。従って、この協力は単なるコードシェア以上の、種々の理由から出来そうも無い統合合併の直前まで行くものである。ANAはエアドゥとスターフライヤーという国内線エアライン2社と、より小規模だが、これに類似した提携関係を持っている。
エアバス社は、契約が履行される事を望んで居る訳で、A380の賠償のためにスカイマークを業界から追い出すことになるかも知れない事を承知しつつ、この案を後押していると思われる。航空機メーカーとしては、当然ながらA380問題への批判に敏感になっていて、つい最近になって創り上げた日本市場での存在感を維持することを真剣に望んで居る。日本政府もまた、スカイマークを日本人の手に確保するこの提案を支持する可能性は高い。
最大の問題はANAとスカイマークが部分的な投資額について合意しなくてはならないが、スカイマークのA380キャンセル問題の発覚で、同社の株が暴落していることから難しくなって居る事だ。この計算だとANAは1~2機の広胴機の値段で、採算性の高い、日本の国内線市場で相当な地位を手に入れる事が可能になる。しかし、ANAとスカイマークの関係は冷やかなままで、スカイマークの気まぐれなリーダーは、可能な限り、自主独立を保とうと努力したい様だ。他にもANAとスカイマークの間では、スカイマークが狙うのは低コスト市場か、フルサービス市場かを決めねばならない。しかし可能性としては、いずれにせよ、ANAは効率の高いエアラインを経営することを学ぶことが出来るだろう。さもないと、シナジー効果はたかが知れたものになる。即ちANAは、特に羽田空港で、国内市場占有率を伸ばせるものの、その先にはさして収穫は無いと思われる。
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