CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
トルコの空港:TAVエアポーツ社の業績はアタチュルク後の将来を指し示す
23-May-2019
イスタンブールのアタチュルク空港が旅客運用を中止し、(TAVエアポーツ社が資金調達や開発に関与しない)イスタンブール空港に移行する事が明らかにされた時、TAVにとっては一時代の終焉と見えただけでなく、同社が財政的に手痛い影響を受けるのは間違いないと思われた。
まだ少し時期尚早かも知れないが、移行が最終的に行われた2019年第1四半期の財務実績は、TAVがひっくり返る事もなければ、戦いを諦めても居ない事を示して居る。
黒字の財務指標に加え、トルコ第3の多忙な空港の株式を大量に取得し、成長を続けるサービス提供(新空港でのものを含め)そして、欧州、アフリカ全体に向けた将来の計画の評価は、同社が未だに大いに健在である事を示して居る。
訳注)TAVエアポーツ:TAV Airports Holdingはトルコに本拠を置く空港投資、運営会社。主に東欧、中東を中心とした10以上の空港の運営を手がけている
Turkish airports: TAV Airports results point to a future after Atatürk
Premium Analysis
欧州低コストエアライン・ランキング:ボロテアは静かに成長のニッチを創り出す
23-May-2019
CAPAが蓄積したデータによると、欧州のトップ30位エアライングループで旅した旅客のうちLCCに乗った人の占有率は2017年の40.6%から2018年には42.3%に上昇して居る。
30グループ全体が8.5%の伸びだったのに比べ、17社の欧州LCCの旅客数は、13.2%伸びた。
LCCリストは2018年に旅客数1千万人以上の主導グループ9社と、より小規模なエアライン8社に区別する事が出来る。ライアンエアとイージージェットが主導する大きい方のグループが、全ての関心を惹きつけて居る。然し、より小さい方のグループは、2018年には大き方のLCCのほぼ2倍の率で成長して居る。
ロシア以外の欧州で、他のエアライングループに所有されない、どのLCCより早く(より早いのはアエロフロートの子会社ポベーダだけだった)、最速のスピードで成長するLCCはボロテアだった。自らを域内エアラインと主要LCC各社の間に置き、ボロテアは静かにニッチな境地を創り出し、2012年の開業以来、急速な成長を遂げて居る。
Europe low cost airline ranking: Volotea quietly carves a growth niche
737MAXの運航停止、北米エアラインのピーク期を直撃
22-May-2019
ボーイング737MAX保有機群の世界規模の運航停止は、航空業界に、特に供給、路線網計画そして財務計画に引き続き連鎖反応を巻き起こして居る。
アメリカンとユナイテッドの米国大手2社は、運航停止の結果として、既に2019年の供給予測を切り下げ、アメリカンは今年の一株当たり利益(EPS)見通しも切り下げて居る。
カナダの2大エアラインエアカナダとウエストジェットは2019年第2四半期に供給が減る事態に直面して居り、特にエアカナダは、ハブに於ける実収単価の高い乗り継ぎ旅客に影響を及ぼしかねない、より大きな客室仕様の機材を使ったり、他の運航を維持するためにウエットリース機材を使うなど、幾つかの緩和策を採る事を余儀なくされて居る。
ウエストジェットも他の北米のMAX運航会社と同様に、第1四半期の間に、この機材の運航停止が、出発間際で実収単価の高い需要を獲得する能力に影響を及ぼした事を目の当たりにして居る。
MAXジェット機材が最終的に、前線に復帰する事が承認されたとしてもエアラインがその
路線網を、そして運航の効率を取り戻すまでには暫く時間がかかるだろう。運航各社は補償金の議論が発生するのかについて話すのを避けて居る;然し最終的には彼らは何らかの形での賠償を求める事は間違いないだろう。
Premium Analysis
エアラインの空港投資。珍しい品種
21-May-2019
ケニヤ航空がナイロビのジョモ・ケニヤッタ空港に興味を示し、そしてそれが抵抗を受けて居る姿が、幾つかのエアラインにとっては、サービスのアウトレットについて、水平に統合していかねばならないと言う欲望に注意の焦点が当たって居る。
ケニヤ航空は、このやり方に専念して居るか或は、まさにそうしようとして居る、その他に世界中に点在するより小規模な例がある中で、幾つかの相当大きなエアラインのひとつである。かれらは種々の理由から、そうして居るのだが、政府と空港運用者に対する信頼を欠いて居る事が高い比率になる。多くの場合、地元の規制が彼らを止める様な例は少ししかない。
世界中の地域で、その様な手法が他のものより人気のある例はただの一つも無いが、エアラインが、時に幾つかの空港を運営する権利を求めたて来た東南アジアでは、流行って居る。彼ら自身の国で、或は外国で、そして単独で或は空港運用者や投資家たちとコンソーシアムを組んで。
異なる施政下で、その空港をエアラインが所有する位置づけはまちまちである。規制を司る機関は、概して、空港へのアクセスに於ける競争を阻害する惧れから、エアラインが余りにも大きな占有率を持ってしまう事を懸念して、例えば、如何なる種類でも投資の総量を5%程度に限定して居る。
然し、一定不動の決まりがある訳では無く、異なる市場には異なる優先順位があるだろう。
Premium Analysis
GMRエアポーツ:GMRインフラストラクチャー、遂に新たな投資を獲得
20-May-2019
インドの負債まみれのGMRインフラストラクチャーが同社の空港部門に新たな投資を求め、しばしばIPOの決行が検討されたのは5年前の事だ。
然し、突如として大きな資金移行が仕組まれた。
これには、国内線エアラインの分野には居ても、空港分野には未だかつて分け入ろうとした事の無い、巨大なインドの会社が、以前は世界的なハブに限定して居たので、通常その様な財政的な体系を連想しがちな外国のソブリン・ウエルス・ファンド、そしてもう一つ外国の企業、この分野には新参者である民間の投資企業とともに含まれて居る。
訳注)GMRインフラストラクチャー:インドの大手不動産企業グループの旗艦企業
GMR Airports: GMR Infrastructure finally gets fresh investment
Premium Analysis
北米のエアラインとAI:使用例はより広範に広がる
19-May-2019
航空業界の人工知能(AI)に対する投資は、2025年には、およそ20億米ドルに達しようとして居り、北米のエアラインはAIを種々の業務の機能に応用する体制に踏み込もうとして居る。
エアカナダはこれまでも、北米運航会社の中で、AIの約束する恩恵をより喧伝するエアラインの一つであったが、今や、AI研究所を立ち上げ、自社の整備やFFP(常顧客プログラム)にビッグデータやAIの機能を使用する事を目指して居る。デルタもまた、整備からHR(人材)部門の機能など全般にAIを使って居る。
これらは北米エアラインがAIの潜在能力を議論するより先に進んで居る、最近の例であり、より多くの運航会社が、AIを適用する事を公表する様になるのは間違いないだろう。当面は、AIから投資への対価がどのくらいかを見極めるのは難しい;然しエアライン各社はAIが創り出す対価について余り疑いを持って居ない様子である。
North American airlines and AI: usage is becoming more widespread
メルボルン・タラマリン空港の異常な10年;今や成長は鈍化
17-May-2019
豪州のメルボルン・タラマリン空港は、過去10年、急速な国際線の拡大の時期を享受して来た。メルボルンは2009年、国際線旅客が初めて年間500万人を越え、僅か8年後の2017年には1,000万人の大台を越えて居る。
国際線旅行客の需要は2018年に更に9%伸びたが、2019年には大きく鈍化して居る。近年の最大の牽引車の一つであった中国が鈍化しつつあり、エアアジアXがアバロン空港に移った2018年末に、タラマリンは最大の外国エアラインの一つを失ったのだ。
近年、メルボルンにとっては、インド、スリランカ、日本、フィリピン、そしてベトナムなど、その他の拡大する市場が出現して居る。これらの市場は、インドネシアや、より成熟した北米の市場と共に、この穴を埋める様に、成長を続ける筈である。
Melbourne Tullamarine Airport's extraordinary decade; now growth slows
Premium Analysis
16-May-2019
これまで、航空産業界では、アナリストや投資家を満足させるために、公的機関が、ますますより短期的な財務的目標を叶える事を前提とする様になって居る事から、特定の会社を民営化する議論が常になされて居る。
然し、規模の大きなエアラインが自ら民営化を選択したり、或は民間の金融企業に追い求められる事は稀である。だから、オネックスがカナダ第2のエアラインであるウエストジェットを取得する計画は、種々の面から好奇心をそそられるものだ。ウエストジェットの、最近の財務実績は、幾分その歴史的な業績に比べて輝きを失って居るものの、困窮したエアラインとは程遠いものだ。然し、オネックスがウエストジェットを追いかけて居る事は、買収により同エアラインが長期的に現在の立場と収益性を維持するために、超LCCのスウープを成熟させることと、長距離路線網を拡大する事の二つの重要な戦略を遂行するために、一息つく余地を与え、同エアラインにとっては間違いなく魅力的なものだったのだ。
CAPAメルボルン航空と業務渡航サミット
16-May-2019
CAPAメルボルン航空サミットは、2019年5月24日、多様な業界のエクスパートが業界が、今直面して居る重要課題と商機について、同時に航空業界の見通し、メルボルンの旅行と観光などなどを討議する場を提供する予定だ。
このサミットは、メルボルンがこの国の航空業界システムの中で果たす役割と、国際的な発展の可能性を発見する事になるだろう。サミットは豪州の供給伸び率、豪州国際線市場に於ける長距離LCCの役割、新規路線の商機、そして組織と企業のリーダーたちの社会的な責任についてまで喫緊の課題を網羅する予定である。
熊本空港民営化:ANA、JALがコンソーシャムに参加
16-May-2019
進行する日本の空港民営化の一部として、日本の商業界と航空業界が交差して構成する共同組織(コンソーシャム)が、熊本空港のコンセッション下での民間運営を目指して合意書に正に署名した。
この共同組織には、日本の2大エアラインが含まれて居る。JALとANAホールディングスは、この共同組織が、日本の国交省(MLITT)と33年間のコンセッション契約の条件で、基本合意に達した事を発表した。
ブラジルの様に、だが殆どの場合日本の空港は、塊では民営化されては居ないが、多くの小規模な空港が市場に現れて来た。表面上は、投資家達には大した対価を与える様には見えないかも知れないが、少なくとも日本の企業は、熱心にこの話に乗ろうとして居る。
CAPAのIATA後サミット於ソウルでCEO達に会おう
15-May-2019
CAPAー航空センターは、2019年、IATA AGMの直後に、エアラインCEOサミットで、戻って来ようとして居る。このイベントは、同組織の最大のエアラインCレベルの集まりで、2019年6月3日〜4日、韓国のソウルで開催される予定だ。
2018年、CAPAは、IATAのAGMの直後に、それに続いて、親密で、高い水準のCEO会議を開催すると言うアイディアを始動させた。中国の一帯一路計画の様な話題を含め、航空にまつわる最大の問題の中の幾つかが討議された。
CNNのリチャードクエストの主催する、陽気な晩餐会と共に、このイベントは、楽しく同時に有益なものになった。
今年のサミットは、流通の変化が交通手段の販売の工程を破壊しようとして居る中で、NDCやその他に関する特別オープンフォーラムも含まれる予定だ。
Premium Analysis
豪州-タイ航空市場:エアアジアが間隙を埋める
15-May-2019
タイは、年間80万人以上の訪問客、160万人の旅客を生み出し、豪州国民の中では最も人気のある観光目的地の一つである。然し、タイ航空による供給カット、エミレーツのシドニー=バンコク線の運休により、豪州=タイ間市場に、30%の供給減をもたらして居る。エアアジアはこの好機に乗じて、同社史上初の豪州=タイ間直航便を開設しようとしている。タイエアアジアXは、2019年6月25日から週4便で開設するブリスベン=バンコク線で、タイ航空と競合し、そして2019年末迄に豪州=タイ路線を更に追加する可能性がある。
豪州=タイ間市場は、主として、価格に敏感なレジャー旅客で成り立って居り、長距離LCCは良い立場に居る。ジェットスターは、既にこの市場に直航便を飛ばして居り、エアアジア、スクート両社も、複数の都市組み合わせに魅力的な価格の経由便の選択肢をを提供して居る。
アジアの他の主要LCCグループであるライオンは、関連会社のタイライオンを使って、豪州=タイ間市場への参入を真剣に検討して来た。然し、タイライオンは、規制上の障害から、当面豪州線就航は断念する事としたため、エアアジアに参入の余地が残ったのだ。
Premium Analysis
ベルリン/テーゲル:イージージェットの運航が空港を甦らせるが、時間が必要
14-May-2019
2018年1月、イージージェットがベルリンのシェーネフェルドに加え、テーゲル空港に参入したことで、同社をテーゲルでの、そしてベルリン全体での筆頭エアラインに押し上げた。テーゲルは、イージージェットの急速な浮上、ユーロウイングズとルフトハンザの拡大、そしてライアンエアの参入のお陰で、2017年10月のエアベルリンの破綻が残した陥穽に殆ど気づかずに来られた。
以前には、エアベルリンの供給がゆっくりと出血していくのに悩んで居たが、テーゲルの成長は回復し、今やドイツ第2のLCC空港である。テーゲルの返り咲きは一部シェーネフェルドの犠牲の上に成り立って居る。2019年3月の総旅客数は、テーゲルでは対前年25.1%伸びたが、一方シェーネフェルドでは8.1%落ちて居る。
然し、イージージェットにとって、トップの地位に居るとは言え、テーゲルでの事業は順風満帆と言う訳では無い。主要エアライン全てが供給を拡大し、ベルリンの2つの空港の大きな方で激しい競争の市場を創り出して居る。これが、イージージェットの単位収入に重くのしかかり、テーゲル基地での損益分岐点を押し戻す事態になり、今や、2年目は損失を計上する事が予想されて居る。
Berlin Tegel: easyJet's operation revives the airport but needs time
Premium Analysis
マンチェスター空港、英国第3位の空港、モナークの退場を払いのける
14-May-2019
旅客数で見た欧州20空港の中で、マンチェスター(20位にランク)は、どの首都にも飛んでも居ないし、ナショナルフラッグキャリアーのハブにもなって居ない、旅客数もとても少ない空港の一つである。マンチェスターでの供給席数の、ほぼ2/3は、LCCとチャーターエアラインがを占めて居る。
この空港のスケジュールは、主として欧州内の目的地向けのレジャー路線に絞られて居るが、同時に北米向けの供給では英国第3位でもある。更には欧州と湾岸地域の主要ハブへの乗り継ぎも持って居る。
マンチェスター空港は2018年6月、80歳の誕生日を祝ったが、1年間通じて旅客数の伸びは、世界金融危機以来の最低の率に鈍化した。これは2017年10月のモナークエアラインの破綻の結果である。然し、旅客数は伸び続けて居り、81年目を迎え、マンチェスター空港はより高い伸び率に戻ろうとして居る。
Manchester Airport, UK's number 3 airport, shrugs off Monarch's exit
13-May-2019
サンカントリー航空は、過去数十年間、故郷であるミネアポリス-セントポールの大黒柱であり続け、30数年の歴史の中で、この市場で忠実な支援者グループを築いて来た。然し、恒常的な収益性は、同社にとってなかなか難しいもので、倒産に至る過程で、幾つかの取り組みをして来て居る。
2017年の1年間に、同社は超LCCのベテランをCEOに指名し、民間金融企業であるアポロ・グローバル・マネージメント社に買収された。それ以来、サンカントリーは、低コスト運航会社への転身を図り、ピーク期間中には、季節変動のある市場では需要をフルに活かす事に集中し、ミネアポリス以外への路線網を多様化しようと努力して来た。
2019年半ばは、旅客サービス、出発コントロールのシステムのオーバーホールに合わせ、新たなウエッブサイトを開設する同社にとって致命的に重要な時期である。
同社は、また燃油を除く、単位コストの目標6セントを2019年末までに達成する事に向けて努力して居る。
サンカントリーの経営陣は、これら全てとその他の努力により、同社の経営を安定させ、将来の成長に好ましい立場につけてくれると考えて居る。そして最終的には、アポロはサンカントリーを売却かスピンオフさせて、投資に対する対価を得るために動くことになるだろう。
13-May-2019
過去3か月と言うもの、中央アジアからインドへの航空便は、パキスタンの領空閉鎖により、通常より最大4時間長くかかって居る。アジア=欧州間の便への影響については、各メディアや旅行関係ウエブサイトで充分に報じられて居るが、パキスタン領空の閉鎖が続いて居る事で、パキスタンから飛ぶ中央アジアのエアラインへの影響はより大きいものだ。
カザフスタンのエアアスターナは、飛行時間が、かなり長くなる事によるコスト増から、同社の2便のデリー路線を維持する事が不可能であるとして、インド行きの便を休止して居る。ウズベキスタン航空とトルクメニスタン航空は、同様に影響を受けて居るのだが、燃油費の高額な請求書が実質的に同路線で損益分岐を超えるのは不可能にして居るものの、インド路線を継続して居る。
ウズベキスタン航空はインド路線のアムリスター、デリーそしてムンバイの全3路線を維持して居る。トルクメニスタン航空はアムリスター線を休止したが、デリー線を維持して居る。
Pakistan airspace closure: India-Central Asia market most impacted
Premium Analysis
13-May-2019
2018年、エーゲ航空グループは、連続6年目となる黒字を達成し、30機のエアバスA320neo系列機材を発注して、その将来への自信を示して居る。同社の成功は、変動するギリシャの経済情勢に関わらず、活発なインバウンド観光客需要、そして他のフルサービスエアラインに比べ、効率の良いコスト構造の上に成り立って居る。
ギリシャの市場は極めてレジャー指向であり、価格に敏感で、激しいLCC間の競争が特徴的である。エーゲ航空グループはこの激しい競争環境の中で、フルサービスを提供し、評判の良いブランド、スターアライアンスの加盟社である事、アテネのハブでの乗り継ぎがある事で、自らを差別化して来た。同社はまた、国際路線ではエーゲ航空の運航するエアバス狭胴機、国内路線ではオリンピック航空の運航するターボプロップと市場の細分化もして居る。
今回レポートはエーゲ航空グループの強みstrengths、弱みweaknesses、商機opportunities、そして脅威threatsを考える。強烈な競争、そして時に困難な国内経済にも拘らず、エーゲ航空はこれに耐えて居る事を証明して居る。
ロサンゼルス郊外オンタリオ空港:新たな国際線便、好転の見通し
12-May-2019
カリフォルニアのオンタリオ国際空港はロサンゼルス盆地の4大空港の一つだが、2008年から2013年まで利用旅客数が減少した後、米国のエアライン各社がロサンゼルス首都圏に充分な供給を確保しようと努力した結果、年間旅客数が上昇に転じた。
オンタリオの路線網の組み合わせは興味深いものだ。2018年に中華航空の台湾行きを加えたオンタリオはロサンゼルス国際の他には唯一の長距離路線便を提供して居る。オンタリオ地域にはこの便を可能にする独特な性格があり、空港は勿論、更なる国際線便を獲得しようと努力して居る。
オンタリオが近い将来、更なる国際線便を惹きつけられるか否かは未だ分からないが、当面は、何年もの間、勢いを取り戻そうと努力した結果として旅客数がプラスに転じた事は歓迎すべき事だ。
Ontario Airport: new international flights, positive prospects
Premium Analysis
エアフランス-KLM対TAPポルトガル航空、フォルタレザにて
11-May-2019
2018年、パリ/CDGとアムステルダムからフォルタレザへの便が開設された事で、エアフランスとKLMは、それぞれ、ブラジルに第3の目的地を追加する事になった。両社は共にサンパウロとリオデジャネイロに、かなり、より多くの供給を続けるものの、フォルタレザはエアフランス-KLMのブラジルへの供給の2桁の拡大に貢献して居る。
2018年5月、エアフランスとKLMそしてGOLの三者提携の下に、ブラジルの町フォルタレザにハブが構築された。エアフランス-KLMとGOLの営業提携関係が長距離路線便から、及び長距離路線便へ送客する事でフォルタレザ空港の成長に貢献して居る。このエアライン3社は、提携初年度に国内線、国際線、合わせて250万人以上の旅客を運んだ。
エアフランスとKLMの運航する便に加えて、コンドル(フランクフルトから)も飛んで居るフォルタレザへは、TAPポルトガル航空のリスボン便が、同社を欧州最大の運航会社にして居る。
然し、フォルタレザの運航によりエアフランス-KLMは、欧州=ブラジル間市場でのTAPポルトガル航空の主導権に挑戦しようとして居る。
長距離LCC狭胴機:エアアラビア、ジャジーラ航空が仲間入り
10-May-2019
長距離低コスト狭胴機の運航は、間も無く開設されるエアアラビアによるシャルジャーからクアラルンプール、ジャジーラ航空のクエートからロンドン/ガトウイックへの便により、中東まで広がろうとして居る。
クアラルンプールは2019年7月1日、エアアラビアの最初の長距離目的地になる計画で、ロンドンは、日取は未定だが、2019年下期にジャジーラの最初の長距離目的地となる予定である。
エアアラビアとジャジーラ両社は、2003年と2005年に営業を開始した、中東最古のLCCである。フライドバイは、2009年の創業で、ある種の指標では、中東唯一の長距離路線を持つLCCだが、概して、最早、LCCとは見なされて居ない。
エアアラビアは、新たな保有機群であるA321neoLRを使って、クアラルンプールや、公表されて居ない、その他の長距離路線を追加することは可能である。エアアラビアは、6機のA321neoLRしか予約して居ないが、2019年下期に、同社のグループが配備を想定して居る100機以上の新機材の発注の一部として、より多くの長距離狭胴機を取得することを検討して居る。
ジャジーラもまた、A321neoLRの取得を考えて居るが、ロンドン線の開設にはA320neoを使い、そして、少なくとも当面は、A320neoの保有機群の拡大に絞ろうとして居る。
Long haul LCC narrowbody: Air Arabia, Jazeera Airways join the party
ルフトハンザとコンドル、鶴のロゴを再結成か
10-May-2019
ルフトハンザグループのCEOカーステン・スポールは、ドイツのレジャーエアラインで、トーマスクック・グループの子会社であるコンドル・フルークディーンストに、拘束力の無い提案をしたと述べて居る。ルフトハンザはまた、英国、スカンディナビア、そしてスペインのバレアリック諸島の子会社など、全てのトーマスクック・グループの航空会社を買収することに関心を持って居る。
トーマスクック・グループで最大のエアラインで、唯一独自のブランド名を持って居るコンドルは、ルフトハンザとの繋がりでは長い歴史を持って居る(歴史的な鶴のロゴマークなど)。ドイツ第5位のエアラインであるコンドルを取得する事は、ルフトハンザ・グループがリードする供給席数占有率を更に拡大する事になる。
トーマスクック・グループにとっては、ツアーオペレーター事業に対し、エアラインの座席を供給し続ける事は、重要であるが、エアラインを所有する事は、最早戦略的には必須ではない。そのエアラインはこの数年間、座席オンリーと第三者ツアーオペレーターへの販売を伸ばして来た。
更には、トーマス・クック航空ベルギーが、2017年、ブラッセル航空に売られた。
CAPA分析では、コンドルの夏季定期便路線網(それは冬季に比べ遥かに大きい)は、ルフトハンザ及びユーロウイングズとかなりの水準で重なって居る事を示して居る。
コンドルがレジャー路線に強く焦点を絞って居る事は、エア・ベルリンの一部を未だに消化して居る最中であり、他にも幾つかの障害が競争の懸念を秘めて居るものの、ルフトハンザのユーロウイングズ部門に繋ぎこまれる事を示唆して居る。
米国の空港:2020年大統領選が曇らせる新たな2兆ドル資金計画
10-May-2019
共和党と民主党と言う米国の政党の間には、特に2016年11月トランプ大統領が選ばれてからは、失われた愛情は少ししか無かった。
然し今や、2018年初頭に提示された「大統領のインフラ計画」の破綻が明らかになるに連れ、この2つの政党とその他の人々が、新たな、より大規模なものを始めようと協力して動くかも知れない様に見える。米国のドナルド・トランプ大統領と民主党の首脳陣は、2兆米ドルのインフラ計画を促進して居る。
これは、空港のインフラ資金調達に、明白な意味を持って居るのだが、政府は、既存の施設に投資する方を好むのか、それとも新しいものなのか定かで無い。
US airports: 2020 election clouds new USD2 trillion financing plan
Premium Analysis
米国エアラインのNPS:デルタ、アラスカ、ジェットブルー
09-May-2019
NPS(正味推奨者比率:Net promoter score )と言う指標 は、評判の良い成熟度に達しようとして居り、多くの企業が、顧客満足度を判断する際に使って居る。またNPSは多くの批判もあるものの、北米のエアラインでは、顧客の間の反響を測るために、ますますこれに頼るようになって居る。
当初は、永いこと旅客のお気に入りであったアラスカかジェットブルーが、好ましいNPS数値を喧伝するかに思われたが、最近は、デルタがこの指標での成長を公表し、その改善が、業績に明らかなメリットをもたらして居ると考えて居る。
現在のNPSが、米国のエアラインの間で顧客満足度の指標として生き残るのか否かはまだ定かではないが、当面は殆どのエアラインが競争相手に対して自社のNPSを維持向上させようと努力して居る。
カナダの超LCC:フレアとスウープ、成長目標を追及
07-May-2019
カナダの超LCCであるフレアとウエストジェットの子会社スウープはこの国の国内線供給のほんのひとかけらでしかないが、それぞれのエアラインは成長への野心を達成する努力を続けて居る。フレアはより新しい世代の機材を保有機群に加える過程にあり、スウープは2019年末までに6機の保有機群を10機に増やそうとして居る。
フレアは、昨年、それなりの山谷を経験した。民間金融企業からの重要な投資を確保し、機体塗装とウエブサイトを含むブランド改変を完成させて居る。然し、同エアラインは、また、米国との国境超え路線を唐突に休止し、客室乗務員との労働争議も経験して居る。
フレアは、また、カナダの競争監視機関を調査に駆り立てた、略奪的価格設定でウエストジェットとスウープを糾弾したと報じられて居る。フレアがウエストジェットグループを競争を阻害しようとして居ると非難するのは、これが最初ではなく、最近の一件はカナダでの超LCCの世界の競争は強まるばかりであることを示して居る。
Premium Analysis
チリのLCC、ジェットスマート、スカイ、ラテンアメリカに羽根を広げる
06-May-2019
ジェットスマートがチリの国内線市場に超低コストモデルを導入してから、もう2年近くになるが、チリ政府のデータによれば、ジェットスマートの開業前の2016年から2018年の間にチリの国内線旅客数は260万人伸びて居る。
ジェットスマートの旅客占有率は2018年に12%に伸び、LATAM航空グループとスカイの2つのエアラインが長く支配して来た市場に、同社の確固たる地位を与えて居る。
この2年間に、スカイは基本的に旅客占有率を維持し、LATAMは大差で支配するエアラインのままであるが、確かに占有率は落ちて居る。ジェットスマートの戦略は旅客を刺激する事だと言うものであり、データもその考え方に、ある程度信ぴょう性を与えて居る。然し、今やチリに第3の大規模エアラインが誕生し、この国の国内線市場の価格設定には圧力がかかりそうである。
スカイもジェットスマートも今は、チリ国外に羽を広げて居り、スカイはペルーに新しいLCC子会社を発足させつつあり、ジェットスマートはアルゼンチンの拡大する低コスト運航社のリストに加わって居る。
この拡大は、南米には低コストモデルに、数多の商機が存在すると言う、彼らの夫々の見方を反映したものだ。
フィリピン-北アジア間航空市場:LCCが急速な成長を牽引
03-May-2019
北アジアは、フィリピンの国際線市場を支配して居る。フィリピンは東南アジアの一部ではあるが、他の東南アジア諸国への供給席数に比べ北アジアには、ほぼ3倍の供給がある。
出稼ぎと家族友人訪問(VFR)の分野もまた大きいのだが、北アジア諸国民にとってフィリピンは休暇の目的地としての人気が高い事が、フィリピン=北アジア間市場の主たる牽引車である。北アジアからフィリピンへの訪問者数は、急速に伸び、旅客数の急増に繋がって居る。
特に低コストエアラインはずっと、フィリピン=北アジア間旅行需要の急速な伸びの恩恵を受けて居る。LCCは、特に、マニラの混雑空港を避け、北アジア全域が、フィリピンから狭胴機の航続距離範囲内にあり、そして、殆どのフィリピン=北アジア間需要は価格に敏感であることから、恰好の立場に居る。
これらの背景から、フィリピン政府観光局、そしてマクタンーセブ国際空港は、2019年6月24/25両日、開催されるCAPA北アジアのLCCサミット会議には、理想的なホストである。
Philippines-North Asia aviation market: LCCs drive rapid growth
空港グループ:AENA新部門、ブラジルの空港コンセッションへ
03-May-2019
AENAインターナショナルは、2015年に親会社から民営化されて以来、とても活発とは言えない状態だった、と言うのは、同社は実際に多くの取引に応札したものの成功して居ないのだ。
然し、ブラジルの公用語はスペイン語では無く、ポルトガル語であるにも関わらず、同社は6つの小規模なブラジルの空港でのコンセッションを確保するのに成功して居る。
それらは全て、一つの主要空港であるブラジル第8位の交通量を持つレシフェを中心として、その回りに集まって居る。ブラジルの景気が改善すれば、見通しはそこそこであり、同社が数年前全体としてより安全な賭けだったロンドン・ルートン空港の残りの資本に対する選択肢を、何故手に入れなかったのか不思議に思うのも自然である。
訳注:AENA Aeropuertos Internacionalスペインの空港運営及び投資会社
Airport groups: new AENA division for Brazilian airport concessions
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