CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
Premium Analysis
737MAXの遅れ、スペインの空港に痛手=ライアンエアの事業縮小で
25-Oct-2019
スペインのライアンエアの客室乗務員を代表する労働組合は、カナリー諸島のテネリフェ-スール、グランカナリア・ラスパルマス、ランサロテ、及び本土(バルセロナの北東)のジローナにあるライアンエアの4つの基地を閉鎖する計画に抗議して居る。
この閉鎖は、120人のパイロットをなど、520近くの仕事の喪失に繋がる結果になると予測されて居る。労働者側は基地の閉鎖は、737MAXの運航停止以外の理由が示されない中で、正当化出来ないと考えて居る。
2019年7月ライアンエアは、MAXの納入日程に遅れが予想される事から、2020年夏季スケジュールでの供給拡大計画を7%から3%に削って居る。従って、同社は言う、2020年夏季と2019/2020年冬季は、幾つかの基地の保有機を閉鎖/削減する必要があるだろう。同社のカナリア諸島基地は冬季には大きな赤字を生み出すと理解されて居る。
それにも関わらず、ライアンエアにとって、スペインは重要な収入源であり、顧客にはとても人気のある休暇目的地である。
この市場全体の伸びは鈍化して居り、幾つかの市場の統合整理の影響もあり、2013年から2017年にかけての強力な拡大の後、この冬は損失さえ出しそうである。ライアンエアは幾らか市場占有率を失ったとは言え、スペイン=欧州間の主導的なエアラインである。基地が閉鎖される事になって居る4空港も含め、スペインはライアンエアにとって重要であり続けるだろう。
Premium Analysis
バルカンの航空事情:フライ・ボスニア、ボスニア-ヘルツェゴビナの直航を拡大
25-Oct-2019
フライ・ボスニアのロンドン/ルートン空港とサラエボ間の新サービスは、英国とボスニア-ヘルツェゴビナを結ぶ唯一の直航便である。2019年9月19日に開設され、ロンドンが最初の欧州地点だが、同社はローマやパリの様な新たな欧州都市を追加する計画である。
ボスニア-ヘルツェゴビナの航空市場は、嘗ての7つのユーゴスラビア、バルカン諸国の中で、最も小さっく、一人当たりの座席数では、最下位にランクされて居る。主要な西欧の都市(またはハブ)とは極めて少数の接続しかない。
然し、ボスニア-ヘルツェゴビナの年間の供給席数は2012年から2019年の間で、2番目に高い成長率を記録して居る(北マケドニアに次ぐ)。
フライ・ボスニアの誕生は、偶々2019年9月遅くのバルカンのもう一つの航空会社であるスロベニアの国有エアライン、アドリア航空の倒産と時を同じくして居る。ボスニア-ヘルツェゴビナは、国有エアライン無しに、2013年のウイズエア参入、2013年にペガサス航空に牽引され、そして2018年10月のライアンエアの参入が更にこれを後押しして、近年、航空需要が強力な伸びを達成して居る。
2019年になって漸くAOCを取得したばかりのフライ・ボスニアは、またボスニア-ヘルツェゴビナに飛んで居る他の競合社の、欧州主要空港への直航便開設を促すかも知れない。
Balkans aviation: FlyBosnia to grow Bosnia-Herzegovina's direct links
Premium Analysis
超LCCスピリット航空の投資家は慎重、短期的課題山積で
23-Oct-2019
ハリケーン・ドリアンによる落ち込みと、先に、自ら機材稼働率を上げると言う決断をした事から、コスト圧力に直面して居るスピリット航空にとって、2019年はずっと厳しい状況である。2019年第3四半期、同社の計画する単位収入実績は、米国の同業他社に比べて弱いものだった。
スピリットにとって、これら全ての要素が、今年の残りの期間に良好な業績を残すことへの障害を生み出そうとして居る。
これらの逆風は、スピリットが、運航を改善し、機内にもう少し居心地のよさを創り出し、顧客の間に、より好意的な感情を醸し出すことに努め、より「価値のある」エアラインになる方向に軌道修正を図って居ると見られる中で起こって居る。
短期的には、市場が2020年には状況の改善が始まる兆候を探し求めて居る中で、スピリットの評価は、失速を続けるかも知れない。同社の、予備的な2020年のコスト目標は、市場に大きな信頼を生み出しては居ない。
ULCC Spirit Airlines' investors wary as short term challenges mount
Premium Analysis
エアカナダ、構造改革10年;進化は続く
22-Oct-2019
世界の航空業界はとても速いスピードで動いて居るので、立ち止まって、あるエアラインの事業展開が、どの位の足取りで動いて居るか測る暇も無い。
10年前、エアカナダは、またもや倒産申請の危機にあって、文化的、財政的、そして顧客体験など、ほぼ事業の全領域に於いて、基本から這い上がるべく、根本的に自分を作り直さねばならなかった。
10年後、エアカナダの再生は完成し、当初の成長目標に対する懐疑論にも関わらず、自らの計画を遂行すると同社が言うことは、信頼に足る様になって来た。最近加わったB737MAX狭胴機の運航停止問題やその他の地政学的問題など、同社は依然として避けられない難問に直面して居るが、エアカナダは、今や堅固な業績を達成し続けつつ、これら不可避な課題に耐えられる筈だ。
Air Canada marks a decade of transformation; the evolution continues
ペルーの大改革と国内線市場の刷新
22-Oct-2019
ペルーの国内線の景観は、昨年かなりの変化を遂げ、既にこの国第2の規模のエアラインに成り上がって居たペルー航空の最近の運航休止でその頂点に達して居る。
然し、ペルー航空やその他のエアラインの運命は、低コスト運航会社であるビバエアペルーとスカイが市場で、益々、成長を続ける中で、疑問を投げかけられて居る。
2018年にペルー国内線で8%近くの市場占有率を持って居たLCペルーは、今や運航を休止して居り、疑問は、ペルー航空が蘇生できるかというものだ。アビアンカ・ペルーは、その興味の先を国際線目的地に向け、またこの国の国内線市場でも幾つかの商機を創り出して居る。
ペルー国内線市場でのこれら全ての出来事をもってしても、長い間、市場リーダーであるLATAM航空ペルーはその支配力を保ち、同時に国内線の景観の変化を利用出来る途を探って居る。
Premium Analysis
IAGの炭素実質ゼロ目標。世界の航空界はこの先導に続かねばならない
21-Oct-2019
2019年10月10日、IAGは、2050年迄に炭素排出量を実質ゼロとする事を公約する、世界初のエアライングループとなった。これで、同社は世界のエアライン業界が長年掲げて居る、2050年迄に排出量を半減すると言う目標の、先を行くことになる。
国連が、より広範に世界の経済界に排出量を削減するよう求めた、最新の、より野心的な目標に比べると、航空業界の半減目標は不充分に見えて来る。英国、フランス、ノルウェー、そしてスウェーデンの政府は法律で、実質ゼロ排出量を公約し、その他多くの国がこの目標に向かって動いて居る。
航空業界は排出量削減目標の道を進んで来たが、10年以上前の道では、最早不充分である。航空業界は、世界の二酸化炭素排出量のわずか2%〜5%を担って居るのだが、一回の飛行が、個人の炭素排出実績には巨大な加算となる;気候変動への懸念は拡大して居り、航空業界に対する、反動の脅威が大きくなって居る。
CAPAは、昨年来、既に幾つものレポートで、航空業界に、より野心的なゼロ排出目標に沿って進むべきであることを促して来た。従ってIAGの動きは大歓迎であるが、業界はこの重大な問題に一体となって行動しなくてはならない。多分、IAGの公約が、航空業界全体に対してCAPAの呼びかけに耳を傾けよという触媒になるかもしれない。
IAG's net zero carbon target. Global aviation must follow its lead
LATAMとデルタ航空、提携のシナリオを書き直す
21-Oct-2019
LATAM航空グループとデルタ航空の新たなタイアップ提案は、両社による見事な動きである。
LATAMは強力で安定した米国の提携社を手に入れ、また同時に同社の貸借対照表の負債の解消を続ける好機を確保できる。デルタはラテンアメリカの最重要で急速に伸びて居る市場への、最適なアクセスを獲得し、多分、LATAMの方向性について幾らかの影響力を行使できる様になるだろう。
彼らの新たな提携関係はある程度、LATAMとデルタ双方の前向きの考え方を表して居る;これはまた、LATAMがワンワールドを脱退し、デルタの提携社のリストが非同盟メンバーやスカイチームのエアラインにとって、より均衡のとれたものになるにつれ、世界的同盟構造の長期的な妥当性について、疑問を投げ掛けて居る。
LATAMとデルタの間の新たな関係の、全ての流動的な部分が、現実のものとなる以前に、調整されねばならない多くの詳細があるのだが、両エアラインのそれぞれの長期的な展望は可なり、改善して居る。
Premium Analysis
エアフランス-KLM、新たな趨勢に圧される
18-Oct-2019
フランスに於ける供給座席数の伸びは、欧州そして世界の伸びと比較して、過去10年
間ずっと停滞して居る。
エアフランス-KLMは、世界の航空業界のほぼ1年間の増加率を、フランスでは10年間
かけて居り、年間供給席数の伸びは全くと言って良い程無かった。そのLCC子会社ト
ランサビアの伸びはより早い、しかしイージージェットを筆頭に、競合するLCC各社
がフランスでの伸びの大半を牽引して来た。
エアフランス-KLM以外では、フランス地元のエアラインは規模が小さい、しかし市場
の趨勢は変わりつつある。フランス地場の2つのエアライン、エーグルアズールとXL
エアウエイズ・フランスが最近倒産した。
この悲しい出来事は、長距離での拡大計画(来夏、両社ともにパリ=ニューヨークを
開設など)、を持って居る、コルセールとフレンチビーと言う、その他のフランス地
場の2社の抱く拡大の野望達成を易しくするかも知れない。コルセールの拡大計画
は、同社がTUIからイントロアビエーションに売られた後に、更新されて居る。
同時に、供給席数ではエアフランス-KLMに属さないエアラインとして、フランス最大
のエアコルシカは、引き続き国内線に焦点を絞った路線網を飛んで居る。
エアフランスがより良い収益性への途を探す中で、競争は激化する可能性がある。
Premium Analysis
パリ-ニューヨーク間航空市場:コルセール、フレンチビー、そしてその他
17-Oct-2019
2020年6月、フランスの2社がパリ/オルリーとニューヨーク/ニューアーク便を開設し
ようとして居る。
レジャー航空であるコルセールは、今年はじめ、TUIグループからイントロアビエー
ションに売却されたが、2020年9月から、この路線でA330-900neoを使用する計画であ
る。LCCであるフレンチビーはA350-900を使う予定だ。両社は、長距離路線のスペ
シャリストだが、どちらも現在はニューヨークに飛んで居ない。
この計画が発表されて以来、以前からずっとパリとニューヨークの間を飛んで居た、
もう一つのレジャー指向のフランスのエアラインが管財人の管理下に入った:パリ
/CDGからニューアークに飛んで居た、XLエアウエイズ・フランスであるが、財政危機
に陥るまでは、この都市組合せを飛ぶ8社中第5位の規模であった。
パリ=ニューヨークは供給席数から言って、欧州大陸からの最大の大陸間路線の都市
組み合わせであり、パリ/CDG=ニューヨーク/JFKは欧州大陸からの座席数で最大の大
陸間の空港組合せである。パリ=ニューヨークは、2019年にはロンドン=ニューヨー
クの年間座席数のたった44%にしかならないが、2012年以来、より早い伸びを示して
居る。ロンドン=ニューヨーク線の、エアフランス/デルタ共同事業の占有率は、英
国航空/アメリカン共同事業の占有率より高いのだが、これは下降しつつあり、更に
多くの競合社が来つつある。
コルセールとフレンチビーは、2015年以来パリ=ニューヨーク線に新規参入したノル
ウェーエア、レベルそして(短期間だったが)プリメラエアの3社の後を追う予定で
ある。
Paris-New York aviation market: Corsair, French bee and others
カナダの航空事情:ウエストジェット、新オーナー・オネックスの下で優先順位を策定
16-Oct-2019
カナダ第2の規模のエアラインであるウエストジェットは、過去10年の間に、2つの新しい子会社アンコールとスウープを世に出し、新たな域内の提携社を加え、新たな共同事業を形成し、長距離運航を先ず767で、次いで新世代787で開設するなど、そのビジネスモデルに多くの変化を経験して来た。
目眩く様な変化の速さが、当然ながら、投資家の世界から厳しいチェックが入り、エアラインが、長期的戦略計画を立てる一方で、近視眼的な市場を満足させようとする中で、直面する二分法を反映して
今や、ウエストジェットは、50億カナダドルで、民間の投資企業オネックスに買収されて居り、他社が直面する様な、四半期ごとのむち打ち刑の対象にはならない。然し、同社は、国際的な波及力を拡大し、カナダの業務渡航市場での占有率を拡大し続ける、明確な成長戦略を引き続き形成しようとして居る。
Canada aviation: WestJet defining its priorities under new owner Onex
アラスカエア・グループ、合併後の目標達成に向けてまい進
16-Oct-2019
アラスカエアグループのバージンアメリカとの合併は、統合という観点から見て、米
国の航空業界の歴史の中でも、より円滑な例の一つだが、今や、統合が概ね完了し
て、アラスカは長期的利益率と債務目標を達成しようと努めて居る所だ。
同社はまた、ハワイを除いて、全体として価格設定に関し上向きの環境の中にあっ
て、2019年第3四半期の収入予測を引き上げて居る。アラスカはまた、他のより大規
模なネットワーク仲間の業績を反映した付帯業績を達成しようと、努力する中で、ば
ら売り運賃やその他の付帯的商品などの新たな収入計画から、恩恵を収穫中である。
アラスカはまた極めて競争の激しい大陸横断市場の中で、ある種の安定性からも恩恵
を得て居る様だ。然し、同社は路線網の全体収益性を最大化しようとする中で、幾つ
かの中距離、そして大陸間路線を切ろうとして居る。
Premium Analysis
アエロフロート・グループのSWOT分析:ロシア第1のグループ、2023への道を進む
16-Oct-2019
アエロフロートグループは、2019年の最初の8ヶ月で旅客数に於いて、この年の伸び
率目標に沿った11.4%の増加を報告した。グループは、10年連続の輸送実績拡大に向けて進んで居る。2008年から2018年迄を併せた、旅客数の平均成長率は、17%だった。
これは、2011年の買収で勢いを得たのだが、純粋な成長に基づく、過去5年の平均は、依然として強力な12.2%である。その成長はロシアのマクロ経済と地政学的な背景の中での変動に
アエロフロートは、スピードを緩める気は無い。2018年の5,500万人に比べ、2023年には9,000万人から1億人を運ぶという目標は、毎年11%近い成長を続ける事を意味する。
アエロフロートの強み(strengths)、弱み(weaknesses)、好機(opportunities)、そして脅威(threats)についてのCAPAの分析は、同社が、この目標達成への好位置に居る事を示して居る。
デルタ航空:A220が性能と顧客体験の向上を実現する
11-Oct-2019
Delta Air Lines: A220 delivers on performance and customer experience
デルタ航空のエアバスA220狭胴機保有機群の運航は、まだ日も浅いが、これまでの所、同機は、デルタの期待に応えて居り、最初のニューヨーク/JFKとラガーディアだけの使用からどんどん拡大し続けて居る。
デルタは、同機が取って代わった、より小さなリージョナルジェットに比べて、より優れた経済性を発揮する一方、卓越した顧客体験を提供すると、引き続き考えて居る。
2020年にジェットブルーが、最初のA220の納入を受けるまで、デルタは、米国で唯一のA220運航会社と位置付けられ、これはデルタのこの航空機に関する戦略は、引き続き緻密に検証される必要がある事を意味して居る。
Delta Air Lines: A220 delivers on performance and customer experience
Premium Analysis
欧州のエアライン:IAGの業績下方修正は、循環的下振れのもう一つの兆候である
11-Oct-2019
2019年9月26日、IAGは、2019年の営業収支目標を、2億1,500万ユーロ、6%下げ、業績の下方修正を発表した。
IAGはその原因を3つの主要な要素が下落したためとして居る。その内の2つは、一度限りのもので、これまで完全い数値化されて居ないものの、世界中に広く知られて居る、2019年9月の英国航空パイロットのストライキと、懸念されるヒースローのストライキである。然し、3番目は、それ程知られず、注目もされて居ない、潜在的な需要パターンのある種の変化である。IAGは先ごろ、2019年8月にブエリングとレベルでの事前予約の傾向の水準が、収益目標の打撃になるほど悪化して居るという、それまでの2019年の見通しを繰り返した。
IAGはかつて、今年の始め以来、2019年の営業収支目標を維持するとして居て、これは前年の実績に匹敵するのだが、明らかに他社にのしかかって居る重圧を、無視するものだった。2019年6月、ルフトハンザ・グループが収益目標を切り下げた。エアフランス-KLMは収益目標を公表して居ないのだが、同社の2019年8月の輸送実績報告が搭乗率の下降と予約の弱さを暴いて居る。
2019年、IAGは未だに、欧州の主要エアライングループ5社の中で最高の営業利益率を記録すると予想されて居る。にも関わらず、その業績下方修正は、欧州エアラインの収益サイクルの下振れの更なる証拠である。
European airlines: IAG profit cut another sign of cyclical downswing
Premium Analysis
エアラインの性差の多様性:エアカナダとウエストジェットの試み
11-Oct-2019
IATAは、加盟エアライン各社に、次の6年間で、重役クラスやまだ進出して居ない地位に、女性が進出する水準を上げることを促す、新たな「2025年までに25」方針を公表して、新たな一歩を踏み出したのだが、この公約は女性が地位を駆け上る事を阻止する障害を撃ち壊す様設計された、現実の計画で支えられる必要がある。
性の平等は、エアラインがその戦力の中に女性の人数を拡大する様、努力する方法を理解しようと試みる中で、航空業界に大きく広がる議論になって居る。
カナダ最大のエアラインである、エアカナダとウエストジェットは彼らの経営幹部クラスに進出する女性の数を増やす事の重要性を痛感して居るのだが、彼らの組織の中により多く性の平等を推進するために、割当てを決める事はメリットが無いと考えて居る。
「飛ぶのは恥だ」とジェット燃料税の脅威
「気候変動によって発生するコストを賄う唯一の方法は、課税である。」スウエーデンの財務大臣マグダレーナ・アンダーソンの、2019年6月20日オランダが主催した炭素排出量の価格と航空税に関する会議でのコメントは、欧州の政治家や候補者の間に広がる見方を代弁して居る。会議はジェット燃料税を提案して居る。
スウエーデン語のflygskam、英語で「飛ぶのは恥だ」は、スカンジナビアから他の欧州各国に広がった、飛行に反対する運動を支える言葉である。これは、とりわけ先進国で、どんどん拡大する、飛行することは気候変動に与える影響から、罪悪と恥辱の源泉だと言う感情を反映して居る。
スウエーデンは、2018年、一旅行毎の航空税を導入したが、アンダーソン女史はジェット燃料税を導入したいと考えて居る。一方で、2018年の税と航空が気候変動に悪影響を与えると言う社会に広がる感情はスウエーデンにおける航空旅行への需要を圧迫して居る。
飛行機を使うのは、世界の人口で言えばほんの少しの割合でしかないのだが、飛ぶ人にとっては、一人一人が、とても大きな割合で二酸化炭素排出量の責任を問われるとも言える。
「飛ぶのは恥だ」の結果、少数だが、増加する数の人々が、自主的な航空旅行を減らしたり、一切辞めたりする事態が起こって居る。世界の航空業界は、スウエーデンの動向を注意深く見守るべきである。
CAPAニュージーランド・航空と業務渡航サミット:10月16日・17日於オークランド
08-Oct-2019
CAPAの「2019年ニュージーランド航空サミット&CAPAニュージーランド業務渡航サミット」は2019年10月16日/17日、オークランド空港とニュージーランド航空の主催で開催される。
このイベントに集まるのは、エアライン、空港、航空ナビゲーションサービスの供給会社、観光組織、そして業界の技術関連提携企業の経営者クラスの人々である。
CAPA NZ Aviation & Corporate Travel Summit: Auckland, 16/17-Oct-2019
CAPA低コスト長距離世界サミット:10月10日・11日於ハンブルグ
07-Oct-2019
長距離LCC事業が継続可能か否かについての議論が続いて居る中でも、現実問題として、過去数年間で、この分野は劇的な拡大を遂げて居る。
何年もの間、近距離、地点間事業で展開した後に、LCC各社はそのビジネスモデルを高度化すべき地点に到達し、そして新しい航空機の科学技術とが、旅客の期待が変化してきて居るのと丁度相まって、長距離便の事業が正に成長分野になって来たのだ。
何が長距離低コスト事業かという議論とは別に、中心となる問題は、伝統的長距離市場の高い運賃、高級なサービスという概念は、成熟して今や改革の時が来て居る。当然の帰結として、空港や観光地は、先を争ってLCC各社が新たな直航路線を開発する様、誘致して居る。
然し、全てが上手く行って居る訳では無い。最近の欧州での幾つもの倒産騒ぎは、航空業界の利益率は、貧弱なままであり、今日の市場破綻の誘因は、明日、一体何をなすべきかのケーススタディである事を物語って居る。経済動向の悪化の雲行きも見えて来て、このビジネスモデルが嵐に耐えて行けるのか疑う人々も存在する。
2019年10月10日/11日、ハンブルグで開催される、CAPAの「低コスト長距離世界サミット」は、この低コスト旅行の新しい最前線を、一つの主要なトレンドとして検証する予定である。
CAPA Low Cost Long Haul Global Summit: Hamburg, 10/11-Oct-2019
Premium Analysis
ウィズエア、ポーランドでライアンエアとLOTに圧力をかけ続ける
ウイズエアは、2020年夏季スケジュールで、15路線を追加、既存の13路線で増便を行い、ポーランドでの路線網を拡大しようとして居る。同社がポーランドに配置する保有機群は、4機増えて、30機となり、ポーランド路線の年間供給席数は20%増大する予定だ。
これにより、ポーランド第1位のエアラインになろうとする戦いの中で、ウイズエアとLOTポーランド航空、ライアンエア両社との間の格差は縮まるだろう。
ポーランドは、低コストである事が極めて重要な価格に敏感な市場である。ポーランドでは、2019年には超LCCのライアンエアとウイズエアが47%を占め、LCCが他の殆どの欧州市場より多い、国際線供給席数の55%の占有率を持って居る。これはLOTが過去4年間、毎年、ポーランドに於ける供給占有率を増やし、2019年にはライアンエアに並んだ、リストラの成功の証である。
ウイズエア、LOTそしてライアンエアの拡大はポーランドが引き続き、3すくみの激しい競争状態に置かれる事を確実なものにする筈だ。
Premium Analysis
欧州-南アフリカ間航空事情:バージン・アトランティック、ケープタウンを検討
04-Oct-2019
バージンアトランティック航空の、拡張後のロンドン/ヒースロー空港に於ける新路線網計画は、ロンドンとケープタウン間の直航便を復便させる考えを確認させるものだ。以前、同社はヒースローからケープタウンに飛んで居たが2015年に撤退して居る。
この都市組み合わせは、現在、英国航空に支配されて居る。2020/2021年の北半球の冬季スケジュールに依れば、BAはロンドンとケープタウンの間に週間17便(ヒースローから14便、ガトウイックから3便)を飛ばして居るが、一方、2020年1月6日の週を見ると(出典:OAG)トーマスクックの退場により唯一の競争相手(週3便を運航する予定だった)が居なくなって居る。
より幅広く見ると、欧州と南アフリカ間の航空市場は、2012年から2016年の拡大ゼロの4年間の後、過去3年間、余りパッとしない時期を経験して居るのだ。
更なる刺激を経て、より成熟に向かうかも知れない。
Europe-South Africa aviation: Virgin Atlantic mulls Cape Town
インタージェットの課題拡大、メキシコ市場での競争が激化する中で
03-Oct-2019
メキシコ第3位の規模のエアラインであるインタージェットは、同社にとっては恐るべき問題を生み出す、出来事の複合体に直面して居る。同社は、整備問題で悩まされるスホーイ・スーパージェット狭胴機を退役させようとして居るが、同時に同社が倒産の危機に瀕して居ると言う憶測を正すために躍起になって居り、また報道によれば人員配置の問題にも直面して居る。
これら全ての問題に立ち向かう中で、インタージェットは、同社の事業をメキシコシティに積み上げ、カンクーンに新たにハブを構築するなどの大規模な路線網の変更を行おうとして居る。最近の変化が成功するか否かは未だ判明しないままで、インタージェットは、同社の実収単価が下降し、コストが増大して居る時期に、路線網の再編を行おうとして居る。
インタージェットは常にメキシコの格安エアラインと自社を宣伝して来たし、同社の輸送量と旅客水準は成長し続けて居るのだが、より低コストなライバル達が、このラテンアメリカ第2の航空市場で激しく戦い続ける中で、収益性を取り戻す為には登らねばならない急坂に直面して居る。
Interjet's challenges rise as Mexico market competition intensifies
Premium Analysis
バージン・アトランティック航空、拡張されたヒースロー空港で英国航空への挑戦を計画
02-Oct-2019
英国航空の支配に対し、真向から挑戦する中で、デルタに支援されたバージン・アトランティック航空は、ロンドン/ヒースロー空港発の路線網の攻撃的な拡大計画を打ち出して居る。バージンは、低運賃と消費者にとってより幅広い選択肢を提供し、自らを英国にとって、第2のフラッグキャリアーであると自認して居る。
バージンの数々の計画はヒースローの長距離路線網を19から54路線へと拡大しようとして居る。また、その計画には、英国国内線(12路線)と近・中距離欧州路線(37路線)をも含まれて居る。それらは、baが飛んで居ない目的地、ヒースローにとって全く新たな目的地に加え、BAまたはIAGが独占して居るものをも含んで居る。
然し、バージンがこれら84の新たな路線を追加するのは、もしヒースローの第3滑走路が建設され、発着枠配分システムが変わったらの話になるだろう。バージンとその提携社たちは、ヒースローの発着枠の8.6%(バージン自身は3.5%)を持って居るが、一方IAGとその提携社たちは60%(51.1%がBA自身)近くを握って居る。バージンの路線網が拡大されるには、新たな供給が不釣り合いに配分される事が必要となるのだ。
然し、これによってバージンが、消費者の味方と言うお馴染みの役回りに自身を投じて、既存のエアラインに圧力をかけるのを止める事は出来ないだろう。
Virgin Atlantic Airways plans BA challenge at expanded Heathrow
トーマスクックの撤退が英国ーカリブ間の航空市場の勢いを変える
02-Oct-2019
2019年9月23日、トーマスクックが、事業清算に入った事で、英国とカリブ海の間の定期航空便を運航する競合社の数は3社(全て英国が本拠地)に減った。
欧州最大の2つのツアーオペレーターグループの子会社が定期便の市場に参入する(2013年のトーマスクック・エアラインと2014年のTUI航空)までの英国航空とバージン・アトランティックの間の複占状態であり、英国=カリブ海はそれから、安定した4社の寡占状態に落ち着いて行った。
トーマスクックとTUIの参入は、数年間に亘り、成長を刺激したが、供給席数全体では、2015年以来、複合平均で毎年1.7%の伸びにしかなって居なかった。冬季ピーク期である2020年2月10日の週に運航して居る24路線の中では、僅か6路線でしか競争が無い。競合のあるこの路線でさえ、近年は、大きな供給や便数の変更は僅かしかない。
カリブ海はラテンアメリカの中では、供給席数で英国最大の市場であるが、他の地域のずっと大きな成長と比べて、その供給は安定したものだ。
トーマスクックは、年間の供給席数で見ると、ラテンアメリカで、およそ1/8と最小の運航会社だった。その退場は、他社には新規参入の機会を与えるのだが、既存エアライン各社にその残した間隙を埋める事を急がせるに過ぎないのかも知れない。
737MAX:ブラジルのGOL、長期的な強気を維持
01-Oct-2019
ブラジル最大の国内線航空会社GOLは、18年前の創業以来、忠実なボーイングの顧客である。同社は、常に全機ボーイングの保有機群を運航して来たし、143機を発注した世界でも最大のMAXの顧客の一つである。
MAXの運航が再開できる時期が極めて不確実な事から、数多くのMAX運航社と同様にGOLも同機の運航停止に起因する、同社が補充するに充分な機材を確保する事などの問題に立ち向かって懸命に努力して居る。同エアラインは2019年遅くに始まり、2020年2月まで続く、ブラジルでのピーク 季をカバーするに充分な機材を確保して居る。
MAXの運航停止により発生した問題が有っても、GOLは、この機材が保有機群から削除される事に始まった障害があるにしては、称賛に値する、既に公表済のEBIT利益率目標を達成すると予想して居る。
ライアンエア、ロシアの飛行禁止後のグルジアへ;ウイズエアと対決
30-Sep-2019
ライアンエアは今年の冬季には3路線を、来年夏には4番目を開設し、その路線網に39番目の国としてグルジアを加える予定である。これは2019年7月8日、ロシアがロシアとグルジア間の直航便を禁止して以来、EUの目的地への新路線を開拓するのに懸命なグルジア政府との綿密な交渉の結果である。
禁止令の前には、ロシア=グルジア路線はグルジア航空と多くのロシアのエアラインが飛んで居た;ウラル航空、ポベーダ、S7、アエロフロート、ノーダビアそしてレッドウイングズである。
ロシアはグルジアの首都トビリシでの反ロシアの抗議活動に対抗する措置として飛行禁止令を課したのだが、安全とグルジア航空とずっと小規模なグルジアのエアライン、マイウエイ航空に関連した航行援助料の負債を名目に挙げて居る。2019年9月下旬、ロシアの外務大臣は航空便の復活を期待すると述べたが、具体的な日程枠には触れなかった。
ライアンエアの参入は、中欧最大の超LCCであるウイズエアと、欧州犀医大の超LCC、ライアンエアの間で、グルジアをもう一つの戦場にする事になる。2012年に参入して以来ウイズエアはグルジア航空の17路線に対して、今や27路線(2019年9月9日の週でウイズエアUKの1路線を含む)運航し、グルジアで主導的エアラインとなって居る。
グルジアの航空市場は、近年、強力い成長を享受して来たが、ロシアの飛行禁止令がこのトレンドを妨げて居る。ライアンエアの参入がグルジア政府にとって、政治的にも絶好の時期にやって来たのだ。
Ryanair to Georgia after Russia bans flights; confronts Wizz Air
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