CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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Premium Analysis
ANA、国際線で拡大=JALはゆっくりと
23-Mar-2018
日本のフラッグシップ・エアライン2社は国際線路線網に大きな投資をして居る。向こう3年間に、事業拡大と機材更新のために新たな航空機を入手するために、双方合わせて107億米ドルの資本支出を充てようとして居る。
然し、詳細を見ると驚かされる。ANAは、利益と利益率を改善するために、供給増を緩めよと言う、投資家からの圧力にも拘わらず、拡大に一段ギアを上げる計画だ(国際線のASKを、年平均成長率で11.5%)。ANAはJALより多くの便を飛ばして居るが、利益はJALの方が大きい。
ANAそして、特にJALはそのキャッシュの使用方法に投資家の圧力を受けて居る。
JALの計画は、国際線ASKの年平均成長率で、より保守的な7%として居て、ANAがJALの破綻後のリストラを実施する前の規模になる間に、JALは現在のANAの規模になる。
2020年には東京羽田の発着枠拡大が戦略的な恩恵をもたらす見込みだが、同時に短期中期の供給過剰と実収単価と収益性に圧力をかける事になるだろう。
All Nippon Airways expands internationally, Japan Airlines slowly
米国航空運賃戦争:ベーシックエコノミー対超LCC、路線網の焦点を移させる
22-Mar-2018
米国の超LCCであるスピリットとフロンティアは、両社併せてこの国の国内線市場の6%の市場占有率しか持って居ないが、その過去数年間の急速な成長ぶりは、米国の市場の趨勢に変化を与えて居る。彼らが増殖した結果、米国の大手は、低コストの競合社たちと、より効率的に対抗するよう運賃構造を細分化する事となったが、また、収入管理スキーム全体も改善する事ともなって居る。
アメリカン、デルタ、そしてユナイテッドが実施した運賃階層への変更は、概ね期待に応えるものだった。アメリカンとデルタはベーシックエコノミーを提供したことによる売り上げ向上率は大まかに言って50%で、細分化された運賃は売上改善に何10億も貢献すると思うと言って居る。今や運賃の細分化が、米国市場に広く身を守る塹壕を広げてくれたことから、この国大手エアラインはそれぞれのハブに於ける接続可能性を最大化して実収単価を向上させ、各社のハブで超LCCに対する新たな防御策を創出する事に集中しようとして居る。
US air fare wars: Basic Economy vs ULCCs shifting network focus
Premium Analysis
韓国のLCC=新規起業組には、より厳しい参入基準
韓国には現在6社のLCCがあるが、最新のものは2016年にその前は2010年に開業して居る。大方の推測は、市場は統合すると言うものだったが、新規参入組は創業の願いを思い知らせた。
他のアジアの諸市場とは違って、就航中のそして計画中のLCCは全て韓国のブランドである。かつてのタイガーグループは韓国での子会社の開業に失敗し、エアアジアグループは申請を却下されるだろうと言われて居る。この政策方針は変わりそうに無い。
政策の修正と違うのは、韓国が、財政資源のより少ない小規模LCCを、明らかに間引きしようと試みて居る事である。韓国はまた、エアラインの財政により強い統制を行い、エアラインを発着枠の配分から除外しようとして居ることで、これにより過程がより公平になる筈だ。
韓国は、確かに中期的な市場の飽和状態に直面するが、新規参入の過程には、ある程度の保護主義的色合いがある。新たな起業組に対する最終的な枠組みが決まれば、韓国は新規市場参入者に対する準備ができる事になる。
Premium Analysis
ルフトハンザグループのSWOT分析:欧州最大のエアライングループ、強力なブランド=然し進歩は失速するかも
21-Mar-2018
2017年、ルフトハンザグループの達成した、記録的な利益と旅客数、営業利益率は同社にとって今世紀最高のものだった。
旅客数、収入、AKSそして保有機群の規模から言って、欧州最大のエアライングループは、世界金融危機以来、確固たる進歩を遂げて居る。然しながら、欧州の3大伝統エアライングループとして、唯一2009年に営業損失に陥らなかったとは言うものの、IAGのそれ以来の利益率改善には勝てなかった(だがエアフランス-KLMには容易に勝って居る)。
グループ内で最大のエアラインであるルフトハンザは、欧州でスカイトラックスにより5つ星にランクされて居る唯一のエアラインである(2017年12月に達成)。このサービス品質が認証されたと言う事は、高い単位コストで運航され、利益を上げるためには、実収単価の上乗せを生み出さねばならないブランドにとっては重要である。
にも拘わらず、同グループは各エアラインの内部に於いてと同時に、より低いコストのユーロウイングズで、ますます大きな占有率で旅客数を運ぶ事の双方によって、単位コストの削減を目指して居る。ユーロウイングズ自身も、純粋なLCCの水準により近づくべく、コスト削減を目標として居る。ルフトハンザグループが、燃油費の上昇から、2018年には若干低い予測を立てて居る事は、欧州の極めて競争の激しいエアライン分野で、更なる利益率改善の難しさを浮き彫りにして居る。
今回のレポートはルフトハンザグループの強味(srengths)、弱み(weaknesses)、機会opportunities)そして脅威(threats)を検証する。
Lufthansa Group SWOT: largest European airline group, strong brands, but progress may stall
Premium Analysis
米国貿易政策の航空への影響:航空宇宙関連企業への障害
21-Mar-2018
ドナルド・トランプ政権下での米国の外交、そして貿易政策の方向を予言することは、多くの意味で、無駄な所業であり、このレベルの気まぐれがビジネスに跳ね返る影響は確かめる事が難しい。
米国のエアラインと航空宇宙関連企業はトランプ氏の政策の一連の影響に直面して居る。これらの企業は米国の税率改正による恩恵を歓迎して居るが、特に航空宇宙関連企業はアルミと鉄鋼にかける関税の提案については懸念を持って居る。
この政策変更は、現在エアバスとボンバルディアの提携による新たな競争に立ち向かおうとして居るボーイングとエンブラエルの間のタイアップの可能性に対しての障害を生み出すかも知れない。
関税に触発される、より大きな貿易戦争の影響の可能性は非常に予測が難しい;然し、トリクルダウン効果は現在エアライン業界が2018年の企業渡航に対して抱いて居る、正当な強気な味方を変えるかも知れないし、将来の需要の予想に障害を生み出す事になるかも知れない。
US trade policy aviation impact: aerospace companies challenged
長距離LCC=日本と韓国に大きな商機あり
21-Mar-2018
日本と韓国は、東南アジアに本拠地を持つ、充分に大規模で、長距離、そして低コストなエアラインにとっては、重要な市場である。欧州の長距離LCCは日本と韓国を航空政治学的な権利として見て居る。
然し日本と韓国には、地元の長距離LCCは一社しかない:大韓航空のジンエアである。もっと多くの長距離LCCが必然なのだが、全く新たな独立した長距離LCCは、この地域からは生まれそうに無い。
日本と韓国の都市には、現存する長距離LCCの母国には存在しないような大きな市場がある。このことは、貴重な近距離の送客路線の必要性すら否定するのかも知れない。エアライン各社は現有の便を長距離LCCの基準に合わせ、そして/または、それらを新市場へ拡大すれば良いのだ。これは、エアラインの主要都市、または長距離直航LCC便の存在が小さい様な、より小規模な都市で起こり得ることである。
CAPAが2018年6月11日~12日にソウルで開催する「北東アジアのLCCサミット」がこの話題を更に探求する。
CAPAは、今年の更に後に、2018年10月4日~5日にスペインのセビリアで開催する「長距離低コスト世界サミット」で長距離運航会社とその地元での接続可能性について取り扱う予定である。
Premium Analysis
アジアのLCC同盟:バリューとU-FLY=異なる戦略
19-Mar-2018
アジアのLCCが世界初のLCC同盟(アライアンス)を結成してニュースの見出しを賑わしてから2年が経つ。U-FLYとバリュー同盟は当然の事ながら、見通しについては楽観的であるが、これまでどのグループも充分な量の相互予約を生み出すことは出来ていない。
バリュー同盟のメンバーは、統合というのは予想以上に難しいものだったと言って居るものの、比較的に楽観的のままである。バリュー同盟は2018年4月に、新たな予約方法のウエブサイトを再立ち上げし、共同旅程についてより攻撃的なマーケティングを開始する予定である。
バリュー同盟の全メンバーは、もうすぐ、インターライニングをより容易にするようデザインされた、エアブラックボックス社による共通の技術的な基盤に遂に立つことになるだろう。U-FLYも、当初、同じエアブラックボックス社の基盤を選んだが、LCCのインターラインのビジネスチャンスをテコ入れするのに各社共通の基盤は、本当に必要なのかと言う疑問を呈して、結局、実施には進まない決断に至った。
Premium Analysis
アエロフロート、滑り落ちる=欧州の伝統的エアラインのリーダーの座から
18-Mar-2018
アエロフロートグループは、もはや欧州で最も利益を上げるエアラインでは無い。同グループから全ての結果が発表されては居ないが、王座はIAGに渡る様だ。2017年の同社の営業利益率13.1%は、アエロフロートグループの7.6%を優に超えて居る(然しLCCライアンエアは常にずっと高い利益率を創出して居る事に注意されたい)。
アエロフロートグループの利益率は、2017年に5.2ポイント下落して居るが、これは単位コストより単位収入の方が大きく落ちた結果である。それにも拘わらず、同社の利益率は依然として健全な水準で、ルフトハンザグループの利益率の遥か下にある訳では無く、エアフランス-KLMに比べて目立って高い。過去10年間を通じて、アエロフロートの利益率の軌跡は3社の全てより良かった。
今回のレポートは、欧州の3大エアライングループのそれに対する、アエロフロートの2017年の利益と、その利益率の軌跡を検証する。またアエロフロートグループの保有機群のデータとルフトハンザグループ、IAG、エアラフランス-KLMのそれを比較する。
複数ブランド戦略に基づいて築かれたビジネスモデルと、最近のロシアの市場の考え方をリードして居るメリットが、2017年には滑り落ちたものの、アエロフロートに尊敬すべき水準の収益性をもたらす筈である。
Premium Analysis
16-Mar-2018
英国とスペインの間の航空市場は、供給席数から見て、ドイツ=スペイン、英国=ドイツ間を凌ぎ、欧州をリードする、国の組み合わせである。英国=スペインは、過去5年間、このトップ3の国の組み合わせの中で、最速の成長を見せて来た。然し、主として、2017年10月のモナーク航空の破綻の結果から、今年は縮小して居る。
モナークの倒産は、その規模と急成長から、英国=スペイン間市場の表面の輝きの下に有る混乱を窺い知る機会を与えてくれた。これは、均衡状態からはかけ離れた市場である。需要は、英国からスペインへの、殆ど一方通行で貫かれ、LCC各社の支配する、極めて季節偏差の大きい、レジャーに特化した市場である。
英国=スペイン路線の供給席数から言って、ライアンエアとイージージェットが、リードする2社で、3位に成長著しいジェット2.comが来る。これらLCC各社の後の4位に来るのが、4つのエアラインの供給を合わせたIAGで、これには、2国のフラッグキャリアーのみならず、スペインのLCCのリーダーが含まれて居る。今夏の供給削減は、継続不能な供給の余剰に対処するために必要な反応だったが、英国=スペイン間市場は、未だに激しい競争状態にある、
UK-Spain aviation: LCCs dominate a difficult market
Premium Analysis
デルタ航空の焦点都市戦略=ボストンとジェットブルーに脚光を当てる
16-Mar-2018
米国の大手エアライン、アメリカンとユナイテッドは、過去数年間、彼らのハブの持つ可能性について大いに売り込んで来た。
ユナイテッドはイールドの高い乗り継ぎ需要を盛り上げようと努力して来たし、アメリカンは繰り返し、ハブの構成と路線網について、特権的資産の組み合わせであると述べて来た。デルタも、また自社のハブの強力さを売り込んで居るのだが、大規模な世界的競合他社とは違って、今後、自社の投資資産に対する確かな見かえりが期待できると結論付けた、米国内の選ばれた焦点都市にも目を向けて居る。
デルタは公式にローリー・ダーラムとボストン・ローガンを焦点都市としてリストアップして居る。シンシナティもまた焦点都市のひとつの称号を与えられて居るのだが、地位としては10年前のデルタとノースウエストの統合合併の後に、ハブから降格して居る。
デルタの、自社ハブの他に、特定の焦点都市を設ける論理は、これらの市場は確かな水準の需要を持つものの、細分化されたままだと言うものだ。
デルタはこの論理をローリーに当てはめ、今やこの市場で最大のエアラインである。2017年の終わり近く、同社はボストンに焦点を当てると述べて居る。然し、ボストンには他の米国内小規模市場のような市場細分化は見られない。ボストン・ローガンはジェットブルーにとって主要な焦点都市であり、同社は引き続き、ローガンでは最大の運航会社の地位を保とうと努力を続けて居る。
Delta Air Lines' focus city strategy: spotlight on Boston & JetBlue
長距離低コストエアライン:ワールドエアウエイズ=米国初となる
16-Mar-2018
2012年以来、開業する低コストエアラインの数は毎年平均で3社だった。
現在では、17か国の21社の航空事業者免許の下、広胴機で運航する、定期便の長距離低コスト便は160便以上ある。
米国は、世界一の航空市場として、未だに地元の長距離低コストエアラインを持たない、明らかに空白地帯である。ワールドエアウエイズは、米国のフルサービス・エアライングループはアジア、や欧州の競合他社に倣って、長距離低コスト子会社を創ることは無いだろうと考え、この空白を埋める事を狙って居る。
2017年、米国の民間投資会社が、2014年に事業を中断したワールドエアウエイズの知的資産を買収し、長距離低コストモデルに従い、2019年第1四半期にこのエアラインを再開業させようと狙って居る。米国には長距離LCCの商機があるのは明らかであるが、現存するエアラインに関係することなく、独立してこのニッチな分野を追及することは難しいだろうと思われる。
15-Mar-2018
米国連邦議会でのエアラインの外国人所有制限を削除すべしと言う法改正提案には、間違いなく、国家の安全と米国エアライン業界の全体の統合を麻痺させかねないと言う労働者側からの議論が巻き起こるだろう。
多分、これらエアラインパイロット協会(ALPA)にが主導する、昔からの労働側からの議論は、所有に関する法律自体と同様に時代遅れだろう。米国エアラインに対して、長期的に見る投資家の集団を拡大する事は、米国エアライン業界への投資のすそ野を広げてくれる可能性があり、従来のエアラインの筋書から逸脱する度に、ウォール街からのお定まりの反応が出て、それといつも戦って居るエアラインの利益になる事が判るかも知れない。
米国エアラインの所有に関する法律が出来たのは、1920年代に遡り、この国の制限は恐らく世界で最も厳格なものだ。最近の法改正の提案で、実際の政策の変更が実現しそうにはないが、進化するグローバルエアライン事業の中での所有の制限について、意味のある議論を行わせる良い機会を提供する事になる。
Premium Analysis
英国-ドイツ間の航空事情=ライアンエアが参入
英国とドイツは、エアラインの供給座席数から言って、欧州の2大市場である。然しながら、この2つの航空の巨人の間の市場は、欧州大陸の国の組み合わせとしては、英国=スペイン、ドイツ=スペインに次いで、第3位に過ぎない。
英国=ドイツ間市場は年間を通じた確固たる存在感を示すものの、他の2つの大市場の様な夏場の突出した季節需要が無い。2018年の夏には、英国=ドイツ間の供給の伸びはこの何年かで初めて、英国=スペインとドイツ=スペインを超えるが、その2大市場が縮小するからに過ぎない。
2013年と2014年は、英国=ドイツ間に供給の伸びは殆どなかったが、それ以来、供給と路線数は増えて居る。然し、興味深いことに、この伸びを達成した、この市場のエアラインと空港の数はより少なくなって居る。
ルフトハンザグループは、英国=ドイツ間市場を主導するエアラインだが、その供給の展開は、ルフトハンザから、まずジャーマンウィングズに、次いでユーロウイングズへの移行に集中して居り、今年の夏の供給は現状維持である。2014年以来フライビーとbmiは急速に伸びているが、ライアンエアが、2018年夏にこの市場で供給を増やして居る、実質的に唯一のエアラインである。
今回のCAPA分析は、英国=ドイツ間市場が、今後の成長と競争の激化につき、かなりの可能性を秘めて居る事を示唆して居る。
Premium Analysis
2018年観光年の中国-カナダ間の航空事情=エアラインと経済価値について
2018年は、カナダ-中国観光年で、豪州がオープンスカイ政策のもと、実質的に中国エアラインに乗入れ権を開放した、2017年の豪州-中国観光年に続く年だ。
カナダと豪州は自由化(或は保護主義)という観点で両極端に居る様に見える:カナダは多分中国のエアラインに更なる乗入れ権を与えたいとは思って居ないが、観光年では関係の進展を示さねばならない事から、政治的な圧力を感じて居る。中国のエアラインは彼らの乗入れ権を最大限まで使って居る一方、エアカナダはカナダの持つ権利の凡そ半分くらいを使って居るに過ぎない。一方、2017年中国からの入国観光客は140万人に達して居るのに、カンタス/ジェットスターは豪州=中国間の供給の10%しか占めて居ない。これはカナダの入国中国人観光客数は豪州の半分弱であり、市場で最大のエアラインとしてエアカナダの市場占有率が37%であるのとは対照的である。
エアカナダは、2018年5月には中国国際航空との共同事業をまとめたいと考えて居る。詳細は殆ど明らかでなく、両エアラインのそれぞれの政府ともこの様な事項について透明性を持って居ない。
反競争的な事態に対して、かなりの懸念が有る様だ。即ち、エアカナダと中国国際はカナダ=中国間の直航供給席数の56%を占め、北京=バンクーバー線では独占である。この2都市間の組み合わせは最大で、他のエアラインの中に、現実的にとって代われるものが無い。
China-Canada aviation in Tourism Year 2018. Of airlines and economic value
Premium Analysis
貨物とLCC:セブパシフィックの事例研究=貨物は儲かる事を示す
12-Mar-2018
航空貨物は低コストエアラインにとっては、しばしば、補足的問題である。貨物は殆どのフルサービスのネットワークエアラインにとっては重要なのだが、LCCのモデルでは、明らかに核となる構成要素と見られて来なかった。
幾つかのLCCは、収入増を上回る様な、折り返し時間とコストの増加を招くと、貨物の搬送を一切断って居る。幾つかのLCCでは、外部の専門家に自社のスペースを委託して居るが、生み出す収入は総収入の3%未満というのが典型的である。
然し、貨物は、もし的確に管理できれば、LCCにとってより小さいコストとリスクで、ずっと大きな収入に貢献できるのだ。フィリピンのLCCグループであるセブパシフィックは、潜在的利益を大きくひねり出すLCCの貨物戦略の最高の例を示して居る。セブパシフィックでは、同社グループが広胴機の運航を始める前でさえ、貨物は通常全収入の6%~7%を構成して居たのだ。
Premium Analysis
日本/韓国-欧州間の航空便:韓国が日本をリード=然し、ロシア上空通過権が無い
韓国は日本の人口の半分も無いが、大韓航空とアシアナ航空は、欧州ではANAとJALの2倍の規模を持って居る。
このリーダーの地位にあるにも拘わらず、韓国のエアラインは欧州で更に成長したいと考えて居る。アシアナは2018年にバルセロナとベニスへの定期便を加えようとして居る一方、大韓航空は2017年にバルセロナを追加して居る。然し、韓国はロシア上空通過権を持たないことから成長を抑えつけられて居る。このことがずっと障害になって居るため、大韓航空は、長距離LCC子会社のジンエアが、さもなくばレジャー目的の欧州市場への便には相応しいのに、便の増強を出来そうにない。
大韓航空が欧州への需要に完全に対応することが出来ないで居る中で、韓国政府が、主として欧州の乗り継ぎ旅客を運ぶ湾岸エアライン各社に、より多くの乗入れ権を賦与する事は有りそうにない。
日本には、利用できる上空通過権があり、野心的な観光目標を達成するために欧州でもっと拡大する必要もある。日本の観光当局はエアフランス-KLMと協働して居るが、日本の航空業界は欧州での足跡を広げるためには、更なる努力が必要である。
Japan/Korea-Europe airline service: Korea leads Japan, but lacks Russian overflight rights
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東南アジア-中東間エアライン市場:カタール航空、急速に成長=7つの副次的都市を追加
09-Mar-2018
中東=東南アジア間市場への供給は過去4年間で50%近く増えて居る。カタール航空はやすやすと最も速い率で拡大し、供給の増加分のほぼ半分を占めて居る。
エミレーツは依然として、全体的にはかなり大きいが、カタールは今東南アジアへはエミレーツより多くの便数を飛ばして居る。カタールは東南アジアにエミレーツより3つ多い16の目的地を持ち、アジア以外から来るネットワークエアラインとして最大である。
カタールは過去3ヶ月の間に、東南アジアに3つの副次的な目的地を加えたが、アジア以外のエアラインとして唯一チェンマイとペナンに就航して居る。
2018年3月7日、同社は来年中に東南アジアで、セブ、ダバオ、ダナン、そしてランカイと言う、もう4つの副次的な目的地(そのうち3つは現在東アジア以外に全く繋がりを持たない)を開設する計画を発表した。カタールはその豊富な欧州路線網に依存し、小ぶりな広胴機(A330-200或は787-8)を使って、または、多分間に合うだろう、将来のA321neoと言う長距離狭胴機保有機群を使って東南アジアに、ブティックデスティネーションを開設する事が可能である。
Southeast Asia-Middle
East airline market: Qatar Airways grows rapidly, adds seven secondary cities
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デルタ航空とユナイテッドの保有機群=エアラインはボーイングに757/767の後継機を求め続ける
08-Mar-2018
米国の大手エアライン、デルタとユナイテッドは、2017年、ボーイング747広胴機の保有機群を退役させ、大きな歴史的道程を記した。この2社は、それぞれ747の後継機を固めて居る:デルタは、エアバスA350-900を保有機群に加え、ユナイテッドは、777-300ERを、主に747の後継に使おうとして居る。ユナイテッドは、2017年に、777-200ERの後継をA350-1000からA350-900に変更して、広胴機の発注リストの見直しを行った。
アメリカンは、少数の787を発注リストに残して居り、現在、将来の保有機群の全体構成を決定する作業の中で、発注リストにある、22機のA350-900のオプションをどうするか検討して居る。
3社とも、自社の757と767の加齢が進む中で、ボーイングの、新たな中間市場の航空機の評価と開発の行方を注視して居る。ユナイテッドは、近い将来の目標として、これらの機材の更新を発表して居り、広く知れ渡った報道では、デルタが、ボーイングの中間市場規模のジェット機の最初の顧客になることに関心を表明したとの事だ。
Delta Air Lines and United fleets: airlines keep pressure on Boeing for a viable 757/767 replacement
Premium Analysis
航空機リース、世界の民間航空保有機の半数を占める=リース会社は広胴機を避ける
08-Mar-2018
CAPAフリートデータベースに依れば、世界のエアラインに運航されて居る民間航空機の半数は、リースされたものだ。
リース機の浸透度は、ラテンアメリカ、欧州、アジア太平洋で高く、北米、アフリカで低い。リース機材の占有率は、1980年代と90年代に大きく伸び、過去10年間は、概ね高原状態だった。
リース会社の発注機数の占有率は、現役の保有機群の中のリース機材占有率に比べ、ずっと低い状況が続いて居る。リース機材は、販売リースバックと言う形で、可なりの割合で、リース会社の保有機材群に追加されて行くのだ。
CAPAデータのリース機材の分析を通じて、現役リース機及び発注機の中で、リージョナルジェットと狭胴機が不釣り合いにリース会社に人気がある事が分かる。
ターボプロップと、特に広胴機は、比率から言って、リース会社には不人気の様である。
Aircraft leasing accounts for half of world's commercial aircraft fleet. Lessors shun widebodies
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スカイマーク航空のSWOT分析:企業と提携社を標的にIT投資=国際線への拡大は不透明
07-Mar-2018
スカイマーク航空は、低コストエアラインとして誕生し、ANAとJALに対抗する日本航空界の「第3の矢」となる筈だった。スカイマーク航空は、不運なA380の発注のお陰で財務的な危機に陥り、経営破綻からの企業再生手続きに入ったが、これは放漫経営の結果で、同社は国内での立場を改善する機会を失った。
ANAはそもそも競争相手であったが、今やスカイマークの非過半の株主である。スカイマークはエアドゥー、ソラシド、そしてスターフライヤーなどを含む、ANAの大きなエアライン財産リストに加わった。
然し、スカイマークには停滞する理由は無い。日本の航空業界は、将来の焦点を国際線拡大に絞って居る。スカイマークは数機の737を追加し、理想的には羽田の新たな発着枠をもらって、定期国際線に参入する計画を立てて居る。
だが、現在は国内線専門で、国外ではほぼ無名のエアラインにとって、この計画は不確かな領域である。スカイマークは、もしITシステムをアップグレードするなら、企業顧客との契約、常顧客プログラム、そして、外国他社からの乗り継ぎ旅客などで、その国内線の立場を改善したほうが良いだろう。スカイマークはより大きな狭胴機への機材大型化を検討する可能性がある。
*SWOT=強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)
Skymark Airlines SWOT: IT investments to target corporates & partners. Int'l growth uncertain
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ジェットスター航空のA321neoLR機材群用の新路線=パース-ニュージーランドが最も可能性が高い
07-Mar-2018
ジェットスター航空は、A321neoLRの新機材を西豪州のパースからニュージーランドへの便を開設するのに使用することを検討して居る。東豪州からバリと太平洋諸島への他にインドネシアへの新地点への路線もまた可能性がある。
然し、ジェットスターは主として、18機のA321neoLRの最初の一群を、国内路線でA320ceo/A321ceoの、そしてバリ行きの国際線で787の後継機として(これにより更にアジアの奥まで拡大するための3機の787を捻出することが出来る)使う事に焦点を当てて居る。
このLCCは、新しいA321neoLRの保有機群をバリ一泊便に、一方で昼間帯には国内幹線に使う事で、極めて高い稼働率を達成できると期待して居る。
新しい各路線には比較的に限られた供給しか残されて居ない。然し、この高度に効率の良い、柔軟性のある新機材群には、6~7時間程度の新たな国際路線が、少なくとも幾つかあって然るべきだろう。
Jetstar Airways' new routes for A321neoLR fleet: Perth-New Zealand could be at the top of the list
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エアラインの乗入れ権:ジェットブルー、ユナイテッドを標的に=スターの盟友、中国国際の第5の自由計画について
06-Mar-2018
ジェットブルー航空は、何年も続いて居る、米国の3大世界ネットワークエアライン、アメリカン、デルタとユナイテッドの、エミレーツ、エティハドそしてカタールが受け取って居る、所謂不公平な政府補助金に抗議して戦うキャンペーンに対し、最も大きな反対の声を上げて居るエアラインの一つである。
米国3大エアラインの補助金非難をけん引する要素の一つは、エミレーツがドバイからミラノを経由してデルタのJFKハブに行く便を開設するのに、第5の自由運輸権(以遠権)を行使した事だ。続いてエミレーツはドバイからアテネ経由で、ユナイテッドの大西洋横断の玄関口であるニューアーク/リバティ空港への第5の自由便を始めた。議論の核心は、これらのエアラインがドル箱の大西洋横断路線を侵食するのに不法な補助金を使って居ると言う点である。
今、ユナイテッドのスターアライアンスの盟友であり、国有エアラインの中国国際が、ユナイテッドのハブであるヒューストン/インターコンチネンタル経由でパナマシティへの便を新設するのに、第5の自由運輸権を行使することを狙って居る。結果として、ジェットブルーは中国国際の路線組み合わせに対してユナイテッドが沈黙して居る事を取り上げ、すべての国有エアラインは同じ様に扱われるべきであると論じて居るのだ。
Airline traffic rights: JetBlue targets United over Star partner Air China’s fifth freedom plan
ソウル/仁川空港:ターミナルは限界だがターミナル2が開業=LCCターミナルが必要だ
06-Mar-2018
ソウル/仁川は大規模空港でありながら、需要を先取りしてインフラ造成をして来た、アジアでは類稀な空港である。仁川のターミナルの広さは限界に達しようとして居たが、2018年1月にターミナル2が開業した事で、現有の滑走路容量でも更に成長の可能性がある。
仁川は、多分、低コストエアライン専用のターミナルを検討すべきだろう。LCCは仁川の活動の31%を占めて居るが、これはそのデザインからと言うよりも周囲の環境により達成されたものだろう。お隣の日本とは違って、韓国のLCC分野は、政府の明確な方針や奨励などは無しに花開いて居る。LCCは彼らのニーズに相応しいターミナルを求めて居る一方で、仁川は、空港にとって大きな稼ぎ手である免税店収入が縮小する事を考える必要があるだろう。
CAPAが2018年6月に韓国ソウルで開催する、北東アジアのLCCサミットは、この問題、そしてその他の問題を検討する。
Seoul Incheon airport: terminal was maxed but terminal two open; an LCC terminal is needed
韓国のLCC保有航空機、150機に近づく=中古のリース機より新機材が人気を集め始める
05-Mar-2018
韓国は、北東アジアで最初の主要なLCC市場であり、活発な動きが続いて居る。韓国のLCC分野は2017年を総機数121機で締めくくったが、2018年には150機に達する可能性がある。
然し、この好調な動きがそのままエアバスとボーイングの大きな商売になって居るとは言えない;その訳は、韓国のLCCがこれまでずっと中古のリース機材を好んで来たからである。彼らの草創期には韓国のLCCは直接発注が出来ず、フルサービスのエアラインは古くなった機材をLCC子会社に与える事が出来たのだ。韓国のLCC界では、自分の会社の歴史より古い航空機を運航する事が珍しくなく、中には10年以上の差なども無い訳ではなかった。
然し、変化は忍び寄って居て、ジェジュエアは、新機材を何機か受領する一方、T'ウエイと言うエアラインは2019年に韓国のLCCとしては初めて、MAX系列の機材(MAX8)を運航することを計画して居り、エアブサンも、2020年にneoプログラム(A321neo)の機材で同様に計画中である。neoとMAXの長くなった航続距離が韓国のLCCを惹きつけて居る可能性があるが、この分野の最大の商機は近距離飛行にある事に変わりはない。
Korean LCC fleet approaches 150 aircraft: new aircraft gaining popularity over secondhand leases
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マレーシアの国内線航空市場:エアアジアがKLIAで拡大=マリンドエアとマレーシア航空が縮小する中で
05-Mar-2018
エアアジアは、過去6か月、クアラルンプール国際空港での2つの競合社両社の供給減のお陰で、マレーシアでの市場占有率を大きく上昇させた。エアアジアのKLIAに於ける国内線旅客数は18%上昇し、マリンド、マレーシア航空を併せた国内線旅客数は28%減少した。
KLIAに於けるエアアジアの国内線旅客数の占有率は一年前の55%に対して、今や66%である。
KLIAは、2017年4%増えて2,500万人になった、マレーシアの国内線旅客総数の65%を占めて居る。
マレーシアの国内線市場は概して価格に敏感で、LCCにとって、あらゆる供給戦争で勝ちやすくなって居る。マレーシアの2つのフルサービスエアライン、マリンドとマレーシア航空は、国際線市場で戦ったほうが良い状況である。
Malaysian domestic aviation market: AirAsia gains at KLIA as Malindo Air, Malaysia Airlines contract
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ルフトハンザグループ、IAG、エアフランス-KLM:各社保有機群比較=子会社保有機群そして序列
02-Mar-2018
ルフトハンザグループは、狭胴機と域内航空機の所為で、2位のIAGそして第3位のエアフランス-KLMより、100機以上多い航空機を持って居るが、広胴機については3社とも似た様な機数である。CAPAフリートデータベースのデータは、IAGが長距離路線に焦点を絞り、ルフトハンザグループは近中距離に、エアフランス-KLMは比較的バランスの取れた取り組みをして居る事を描き出して居る。
ルフトハンザの保有機群は、エアフランスとIAGの英国航空の数を凌いで、欧州3大伝統エアラインの各社の中では最大である。KLMは「ナンバー2」ブランドの中では、ルフトハンザのスイス、IAGのイベリアを破って、最大である。然しながら、エアフランス-KLMだけが主要ブランドは2つで、IAGにはエアリンガスも、そしてルフトハンザグループにはオーストリア航空とブラッセル航空もある。新たに創設されたレベル(IAG)とジューン(エアフランス-KLM)はグループ全体の規模に比べれば小さなものだ。
ブエリングによって、IAGは3大エアライングループのLCC保有機群としては最大で、一方エアフランス-KLMのトランサビアが最小である。もしルフトハンザがブラッセル航空を低コストのユーロウインググループに統合すれば、これがLCCブランドでは最大になるだろう。
3つのグループの航空機発注数が、それぞれの比較上の資力と見通しを物語って居る。最も利益を上げて居るIAGが最も発注数が多く、業績の悪いエアフランス-KLMが最小数である。
エアフランス-KLMにとって、追いつくことは容易ではない。
Lufthansa Group, IAG, Air France-KLM: airline fleet comparisons, subsidiary fleets and pecking order
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IAGエアライングループ:目標達成、ルフトハンザとエアフランス–KLMを凌駕=それでもライアンには遅れを取る
02-Mar-2018
2012年に最後に赤字に陥って以来のIAGの業績は、素晴らしいものである。2017年には、同社の史上最高の純利益と営業利益を記録し、営業利益率は、再び、欧州の伝統エアラインの座へと導くものだった。ルフトハンザとエアフランス-KLMは、世界金融危機以来、改善したが、IAGの利益率は、ライバル各社を遥かに引き離すものだった。
IAGとその個々のエアラインである、エアリンガス、英国航空、ブエリング、そしてイベリアは、その資本コストを上回る収益を創り出して居る。更には、負債を下げ、同時に株主たちに、現金の還元を増やして居る事は、世界的エアラインの分野では、極めて稀である。
IAGは、現在、その財務目標を達成しようとして居るが、勢いを維持することにも熱心である筈だ。同社は、多分、欧州で最も利益を上げる伝統エアライングループだろうが、低コストのライバル、ライアンエアは、恒常的に、もっとずっと高い利益率を上げて居る。IAGとその経営陣は、まだ為すべきことが有るのに、じっと座視することに満足するとは思えない。
IAG airline group: meets targets, outperforms Lufthansa and Air France-KLM, but still lags Ryanair
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フィンエアー、2017年:かつての「劣等生」は、強靭に成長=今や、北欧で最も利益を上げるエアライン
27-Feb-2018
フィンエアーは、SAS、アイスランドエア、そして赤字を出したノルウェーエアを破り、北欧で、最も利益を上げるエアラインとなった2017年、新たな営業利益率の記録を作った。これは、フィンエアが利益を出すのに悪戦苦闘し、この地域で最弱のエアラインだった、世界金融危機に続く数年間からの強靭な回復を示して居る。
急速な供給の拡大と、域内の激しい競争にも拘らず、単位コスト低減の恩恵(主に燃油費のヘッジのお陰だ)を取り交ぜて、フィンエアの搭乗率と単位収入は2017年に向上して居る。
フィンエアはアジアで、ほかのどの地域よりも急速に供給が伸びたにも関わらず、搭乗率と単位収入実績の自己ベストを達成して居る。欧州とアジア間の乗り継ぎ需要に、ヘルシンキ・ハブを使う同社の戦略は、当たって居る様だ。
フィンエアの黒字回復は、アジア路線への戦略的プライオリティを堅持することを基本にし、加えて同社の路線網上の他の地域の拡大目標と、保有機群の更新計画、労使間契約のリストラなどにより補完して来た。
これらの要素のうちどれも、一朝一夕に結果を出したものはなく、フィンエアは辛抱強く、その財務目標を達成すべく、執拗に手探りで這い上がろうとして居る。
Finnair 2017: the former ‘poor relation’ growing strongly and now the most profitable Nordic airline
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カンボジアの航空界:エアライン7社、2018年には更に=新規参入組、そして激増する保有機
カンボジアの航空業界は、急速に成長して居り、その結果、カンボジアの保有機群は、急速に拡大して居る。カンボジアには、4年前には2社が7機を運航して居たのに比べ、現在、7社のエアラインがあり、併せて30機を運航して居る。
2018年、少なくとも3つの新規エアラインが、運航開始を計画して居り、現存エアラインの幾つかが、更なる保有機群の拡大を検討して居る。カンボジアの保有機群は、2018年末までに、40機に達しそうである。
運航開始以来まだ1年にもならない、野心的な新規参入エアラインであるJC国際航空は、保有機群の規模から言うと、カンボジア最大のエアラインになる可能性がある。カンボジアアンコールエア、スカイアンコールエアの2社が、現在、最大の地元エアラインであり、最も安定して居る。
Cambodian aviation: seven airlines and more to come in 2018; start-ups and fleet proliferating
A320航空機エンジン:CFM、発注の占有率56%を達成=プラット&ホイットニーも依然活発
26-Feb-2018
CFMインターナショナルとプラット&ホイットニーは、2010年遅くにneo計画がスタートして以来、A320neo系列機のエンジン供給を争って来た。CAPAフリートデータベースによれば、CFMはこれまで納入機の57%を、そして、全A320neo系列のエンジン発注の56%を占めて居る。
プラット&ホイットニーは、先を越されて居るが、複数の遅れに遭遇して居る事から、CFMとの差は、比較的に小さなものだ。現在、エンジンメーカーが決まって居ない、発注済みのA320neoが2,500機あり、プラット&ホイットニーには差を縮める為の、充分な好機が残されて居る。
ロイヤルブルネイ航空は、つい最近、当初のプラット&ホイットニーから、CFMにエンジン供給社を替えたカタール航空に次いで、2番目のエアラインになった。然し、これら2社がCFMへの全発注数に占める割合は、3%に過ぎない。
A320neo aircraft engines: CFM achieves 56% share of orders; Pratt & Whitney remains active
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カナダのエアライン保有機:ボーイングが支配=エアカナダはエンブラエル190を排除へ
26-Feb-2018
2018年、カナダの大手エアラインへの納入機材は、エアカナダとウエストジェット両社への大量納入が代表する様に、ボーイング737Maxが支配して居る。
エアカナダは一年かけた広胴機の更新を完了し、今度は狭胴機保有機の改編に取り掛かろうとして居る。同社はまた、エンブラエル190を当初に計画したより早く手放す、アメリカン航空に同調して、保有機群から25機のこの小型機を外す時期を早めると決定して居る。
ウエストジェットは737MAXジェットを2019年の787初号機の納入以前に受領しようとして居る。カナダ第2位のエアラインであるウエストジェットはまた、現世代の狭胴機の一部のリースを延長することを決意して居る。これらを合わせたウエストジェットとエアカナダの機材発注リストで、ボーイングはカナダの航空機受注を支配し、MAXは各社の将来の狭胴機保有機群の背骨の役割を担うことになる。
エアカナダとウエストジェットの双方とも、それぞれの保有機群の中で、抵当権など係累の無い機材の数を増やそうと努力して居る。現在のところ、係累の無いジェットの数ではウエストジェットが上回って居るが、エアカナダは、向こう数年の間に、保有機群の中でより多くの機材を自社所有とする計画を進めて居る。
Canadian airline fleets: Boeing dominates deliveries and Air Canada looks to offload Embraer 190s
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Brexitと航空界:英国エアラインのEU市場へのアクセスは縮小=エアライン各社は、最悪の事態に備える中で
25-Feb-2018
英国運輸大臣クリス・グレイリングが「英国のエアラインにとって、欧州市場へのアクセスにつき、考えられる最高の」途を探るとずっと明言して居るにも拘らず、このアクセスは、現在のものより、ますます自由のきくものではなさそうである。欧州委員会は、英国は、EUを去るに当たっては、まだ合意されて居ないが、限定された経過期間を経て、欧州の単一市場を去ることになるだろうと、明らかにして居る。
将来の英国-EU間の乗入れ権については、EU-米国、EU-カナダ間の取り決めと同様に、新たな2国間協定で定められる事になりそうだ。EUの第3国との取り決めに英国が加わることもなくなるだろうが、グレイリング氏は英国はこれを新たな2国間協定で代替することが可能だと自信を持って居る(これらが、例えば欧州のどこかから米国へ飛ぶ事のように、英国のエアラインに乗入れ権を与えることは有りそうにないのだが)。
一方で、ライアンエアは英国政府が英国発着のフライトがトラブルに会う可能性を過小評価して居ると警告して居る。また同社は、ウイズエアが万が一の為にと、英国AOC(航空運送事業許可)を申請したのに追従して居る。イージージェットは、英国、欧洲双方の運航会社となる為に、2017年に創設した欧州の子会社と並んで、新たに英国の子会社を設立しようとして居る。
英国の離脱まで後13ヶ月と少しとなって、緊急に事態を明らかにする必要がある。
Brexit and aviation: UK airline access to EU markets to diminish, as airlines prepare for the worst
東京/羽田空港、アジアのNo.1に=国際線の拡大で北京首都を抜く
東京/羽田空港は、北京首都空港を追い抜いてアジア最大の空港の座を取り戻そうとして居る。北京首都は2009年に旅客数で、東京羽田を追い抜いたが、羽田の伸びと国際線による将来的な拡大が、旅客数を押し上げると見られる一方、北京首都は一部エアラインが新たな空港、北京大興に移転して減少する予定である。
然し、ランキングとタイトルの意味合いは限定的だ。東京羽田は2020年に、2020東京オリンピックのそなえとして、約53の新たな国際線往復枠を受け取る。
以前の国際線拡張と同様に、多くの羽田の新たなフライトは成田の現存便からの移行となるだろう。日本では、ANA対JAL、フルサービス対低コスト、ANAとJALの共同事業提携社対独立系エアラインという構図を考慮して政策が決定されるため、この発着枠の配分は、国内的にも、国際的にも政治的なものとなるだろう。
この議論の始まる前でさえ、ANAとその提携社は、同じターミナル内で、国内-国際の乗り継ぎが可能になる、ANAの国内線羽田ターミナルで国際線も取り扱えるようにする事を意味すると思われる、拡大工事の計画に便宜を図って貰って居る。
Tokyo Haneda Airport to become Asia's #1, overtaking Beijing Capital, as international grows
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エアフランス-KLM、利益率でライバルエアラインを追尾=エアフランスは順調な提携仲間KLMに遅れをとる
24-Feb-2018
エアフランスとKLMは世界金融危機の影響で最悪の年を迎えて以来、ゆっくりとだが何とか収益性を改善して来て居る。2018年2月16日に発表した、2017年の営業利益率はついに、世界金融危機前の最後の年に達成した5.8%を取り戻した。
収益性以上に、エアフランス-KLMの最大の関心事、そして多分近年、同社にとって最大の財務的な達成事項は、流動性の適正な水準を維持しながら、純債務を減らすことだった。営業キャッシュフローを創り出す、利益率がかなり弱い事から、焦点は資本投資をキャッシュフロー創出の水準より低くせざるを得ない。
これでは、エアフランス-KLMの主たる2つの子会社エアライングループの収益性を上げる、慎重な拡大しか許されない。
ともに2017年には営業実績を改善したが、KLMはエアフランスを、純利益水準と利幅の両方で引き続き上回って居る。エアフランスは、新しい、より低コストで、ミレニアル世代に焦点を当てたブランディングである子会社ジューンがその財務体質を改善してくれることを願って居る。
然しながら、CAPAが以前から言って居る様に、KLMはエアフランスに比べ、既により低い単位コストとよりましな労働生産性を手に入れたにも拘わらず、ジューンは、労働組合の圧力に縛られ、その活動範囲が比較的限られてしまって居る。
Air France-KLM margin trails airline rivals - and Air France lags its successful KLM partner
エアバスA321neoLRの受注:ジェットスターが9番目のエアライン、3番目のLCC=新長距離狭胴機を発注
23-Feb-2018
2018年2月22日、カンタスグループは、18機のA321の発注をA321neoLRに変更すると発表した。カンタスのLCC子会社、ジェットスター航空が、2020年から2022年に18機を受領する計画だ。
ジェットスターは、A321neoLRを使う約束をした、エアアラビア、ノルウェーエアに次いで、まだ3番目のLCCである。2017年11月のドバイのエアショーで、エアアラビアは、エアリース社とA321neoLR、6機の契約に署名したが、一方、ノルウェーエアは2016年7月に、30機のA321neoの発注を A321neoLRに変更すると発表した。
エアアラビアとノルウェーエアは、共に2019年上期から、A321neoLRを受領し始めるが、ジェットスターは、それ以前に空いた枠がない為、2020年の半ばまで、待たなければならない。エアバスは、2018年1月31日に最初のA321neoLRの試験飛行を終えて居り、2018年第2四半期に航空機の証明を取る予定である。
Airbus A321neoLR orders: Jetstar the ninth airline, third LCC, to order the new long haul narrowbody
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カザフスタン-中国間市場:急速な拡大=第6の自由需要と台頭する観光需要で
23-Feb-2018
カザフスタン=中国間市場への供給は2017年、中国国際航空の就航とエアアスタナの増便で記録的な水準に達した。
エアアスタナは、2018年には香港への供給を増やし、2019年には成都への路線開設を計画して居る。西安への新路線も同社の中期計画には入って居て、中国大陸路線網を目的地4地点に、そして中国圏へは5地点へと拡大する。
カザフスタンと中国間の地元需要は、観光需要が低い足許から、そしてビジネスの繋がりが増大して業務需要が伸びて居る。然し、カザフスタンが、中国とロシアを含む欧州との間の需要を惹きつける、地理的に好適な位置にあるため、最も急速に伸びて居る分野は、乗り継ぎ需要である。
Kazakhstan-China airline market: rapid growth boosted by sixth freedom traffic and emerging tourism