CAPA分析 : NEW HEADLINES  7月-2016年

CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは

今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。

 

毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。 

 

 英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。 

  

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アラスカ、ジェットブルーそしてサウスウエスト、解決策を提示できず=米国エアラインの不安定な収入に

29-Jul-2016

 

米国のエアラインである、サウスウエスト、アラスカそしてジェットブルーは、より大手のネットワークエアラインと同様に、この国の国内線スペースに対する、頑固に続く運賃設定の軟調な状況から逃れる事が出来ない。それは、論理的か否かは別として、多くの米国のエアライン投資家にとって避雷針とされて居る、「単位収入」に圧力をかけ続けて居る。

 

サウスウエストは、他社が実行した幾つかの運賃値上げを座視して、2016年の自社の供給拡大計画を墨守して居るとして、叩かれて居る。同社の単位収入は、2015年に合意したクレジットカード契約で跳ね上がって居たが、2016年第3四半期には、この指標でのマイナスを記録する模様だ。アラスカもまた、マクロ経済の傾向からの影響を感じて居るが、自分たちの現状は、出発間際の予約が、いつ改善する(これらの予約に対する窓口が相変わらず不足して居るために)かを、見極める事が実に難しいのだと説明して居る。

 

これらのエアライン3社の中でジェットブルーは、2016年第2四半期に、最大の単位収入の下落を記録して居るが、実際には2015年の業績が極めて好調だった所為で、対前年比較が悪くなると言う事態に直面して居る。全体として、収入の連関性の無い動きが、米国業界に暗い帳を投げかけ続け、いつ運賃設定が通常の軌道に戻るかの予測が依然として不透明のままである。

 

 

Alaska, jetBlue and Southwest unable to offer solutions to airline revenue instability in the US

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マレーシア航空の新たな提携戦略=エミレーツとワンワールドとの連携をより緊密に

29-Jul-2016

 

マレーシア航空は、コードシェアと航空連盟から、より多くの旅客数を生み出す計画の一部として、提携関係への焦点をより絞ろうとして居る。同社は、新たに域内に焦点を当てる事で、より魅力的な提携先になり得るが、同時に、収益性と拡大を回復するためにはより多くを提携先から引き出す必要がある。

 

マレーシア航空は、2016年早くに、エミレーツ航空と記念碑的な提携を開始し、2013年以来ワンワールドのメンバーである。然し、同社はエミレーツとの提携関係を、そしてワンワールドの加盟員資格をフルに活用して居ない。

 

マレーシア航空は、エミレーツとの関係をより上手く利用し、より多くのコードシェアの旅客を引っ張って来るための新たなチームを発足させた。ワンワールドの内部で、同社は、運賃と域内乗継可能性の優位をより効果的に売り込む事を計画して居る。マレーシア航空は、ワンワールドメンバーでは、唯一の東南アジアのエアラインなのである。

 

Malaysia Airlines' new partnership strategy: closer alignment with Emirates and oneworld

 

 

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台湾の航空界 第2部:LCCが変わる=タイガーエア台湾、Vエアと復興航空で

 

28-Jul-2016

 

今回は、台湾の変わりゆく航空界の状況のレポート第2部である。タイガーエア台湾は、開業したのはほんの数カ月違いであるにも関わらず、規模ではVエアの2倍と言う、この島で、優に最大のLCCになって居る。まずは、手っ取り早く日本市場で拡大して、次いで、より競争の激しい東南アジア市場に向かい、そしてその後に、中国本土に進む計画だ。シンガポール航空グループ内のLCC、タイガーエアとスクートの間で予定されるブランド変更に従って、タイガーエア台湾もブランド変更をせねばならないと思われる。

 

より大きな、問題は復興航空とVエアである。フルサービスの復興航空は、そのLCCであるVエアに更に近づく、ハイブリッド化に動いて居る。この両社はぎごちなく重なっており、それがどんどん進んでおり、更なる重複が生れて来て居る。復興航空は2度の墜落事故で痛手を受けて居るが、それ以前にも、広胴機による域内フルサービス運用には、リスクがあったのだ。

 

Vエアは、それ自身小さな復興航空の1/5の大きさであり、規模のリスクと言う問題がある、一方で、タイガーエア台湾は、より歴史の長い復興航空の2/5以上の大きさである。要するに、復興とVエアは、一つの戦略の元に合併すべきなのである。

 

Vエアには、タイガーエア台湾のブランド変更と言う、小さな好機がある。中国本土からの旅行者数が下り坂である事が、更に見通しを曇らせて居る。中国との微妙な関係を考えれば、決して全く予期出来なかった訳では無いが、それでも減少が痛い事に変りは無い。

 

Aviation in Taiwan Part 2: LCC changes at Tigerair Taiwan, V Air and TransAsia.

 

 

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マレーシア航空、狭胴機の新戦略=737-800の稼働率、客室密度向上、737MAXA321neoLR導入で

28-Jul-2016

 

マレーシア航空は、737MAX機材25機を発注したが、これは、同社を成長と収益性回復への途につけるための、新たな狭胴機戦略の幾つかの構成要素の一つである。

 

マレーシア航空は、当初、拡大のために、新規発注の中から10機を充てる予定だったが、市場の状況によって、そして自らのコスト削減目標達成の可能性如何によって、柔軟性を持たせて居る。

新機材は、近中距離路線運用の中で、効率性向上と、より密度の高い客室仕様から、更なるコスト削減を生みだしてくれると期待されて居る。マレーシア航空は既に737-800の運航で、リース会社や他のサプライヤーと契約を再交渉し、また乗員効率の向上を図り、大幅にコストを削減して居る。

 

2017年には、機材稼働率の向上、そして約24機の客室仕様変更により座席数が増加、そして新たな整備の共同事業により、737-800運航で、更なるコスト削減が期待されて居る。マレーシア航空は2017年、2018年は現行の737-800保有機材群を使って緩やかな供給増を、そして、2019年に、737MAXを使い始め、更なる供給増をはかる事を計画して居る。また同社は、更なる拡大を生み出し、737MAXでは飛べない中距離路線に使うため、少なくとも10機のA321neoLR機材を発注することも検討して居る。

 

Malaysia Airlines new narrowbody strategy: higher 737-800 utilisation, density, 737 MAX, A321neoLR

 

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エアフランス-KLM:利益率向上=然し、業績と収益はIAG、ルフトハンザ航空グループの下

28-Jul-2016

 

欧州の3大伝統エアライングループの筆頭、エアフランス-KLM2016年第2四半期の業績を報告しようとして居るが、営業利益率に改善が見られ、2016年度としては、より高い営業フリーキャッシュフローを予測して居る。然し、未だに他の2大伝統グループであるIAGとルフトハンザに比べ収益で劣り、2016年度の利益目標を発表しようとしない。

 

エアフランス-KLMの見通しに関するコメントは、現在のところ、今年度は、2015年度よりは高いものになるとしても、以前の予測より低い利益になる見込みであると言って居る。実際に、IAGとルフトハンザは既に利益の下方修正を発表して居り、これで、2016年の業績見通しの下方修正が出そろった事になる。

 

これとは対照的にLCC各社は、総じて第2四半期の報告と見通しについて(特筆すべきイージージェットを例外として)より積極的な様子である。欧州の全エアラインが、業界全体の供給拡大に加え、地政学的そしてマクロ経済的なリスクがあり、単位収入が弱くなって居る事を強調して居る。然し、ライアンエアやウイズエアの様な低コストエアラインは、単位コストが低い事から、この見通しに対応するには、良い位置に居る模様だ。この経済循環の時点で、新しいエアフランス-KLMCEOジャン-マルク・ジャナイヤックは、生産性と拡大とのバランスをとる必要があるだろう。

 

Air France-KLM: margin grows, but performance and profit below IAG & Lufthansa airline groups.

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SIAグループ、中国への拡大を継続=スクートとシルクによる大連、福州への新路線開設で

28-Jul-2016

 

シンガポール航空(SIA)グループは、スクートによる大連線、そしてシルクエアによる福州線の開設で、中国への急速な拡大を継続しようとして居る。大連と福州の追加で201611月、グループの中国路線網は、25都市へと広がる。

 

スクートは、2013年、青島経由のワンストップ便として瀋陽線を開設したが、今やこれを、直航便に格上げしようとして居る。シンガポール・チャンギ空港は、瀋陽を入れて、中国の25都市への直航便を持つことになり、これは東南アジアのどの空港よりも多くなる。福州には既にシンガポールからの便があるが、一方、大連ははじめは青島経由のワンストップ便で運航される。

 

中国で主導的な路線網を維持する事は、現行のSIAグループの戦略の重要な一部分だ。これはまた、法規制があって、SIAが中国の国内線でコードシェアをする事が出来ないため、必須要件でもあるのだ。

 

SIA Group continues China expansion with new Dalian and Fuzhou services from Scoot and SilkAir

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台湾の航空界 第1部:中華航空とエバーエアが戦略変更=種々の出来事が急速な変化を促す中で

27-Jul-2016

 

前回、台湾の航空界に、これ程の変化が起こった時には、新たな将来を注意深く守ろうと言う動きがあった。2009年、中国本土と台湾の間に、海峡越えの定期便の運航が開始された。海峡越えの便は、さもなくば特筆すべき点の無い市場に、かなりの儲けを齎し、そして、大幅に収益を後押しして呉れるものであり、台湾のエアラインにとって、財政的にと同時に、象徴的にも歴史的瞬間であった。

 

2016年、再び、変化がテーマである。その原因は様々であり、明確な楽観論、或は悲観論を生むわけでも無いが、不確実と言うのは、居心地の悪いものである。台湾の2大エアライン、中華航空とエバーエアは、リーダー達が航空とは無関係な問題で、十字砲火に巻き込まれて居る為に、経営陣の再編を行って居る。エバーエアのメッセージは、野心的な拡大を継続することである。争議行為が、コスト高を齎らしてしまった為に、中華航空の方針は、それ程明確で無いが、今や政府は同社の拡大を加速させ、そして多分、エアラインとして改称させる事を考えて居る可能性がある。

 

Aviation in Taiwan Part 1: Recalibration as events prompt changes at China Airlines & EVA Air

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マレーシア航空、新路線網戦略:2017年に拡大を再開=中国とインドに焦点

27-Jul-2016

 

2017年、マレーシア航空は、インドと北アジアへの中距離路線に焦点を絞って、路線網と供給の拡大を再開する計画である。同社は、主として中国とインドに、幾つか新しい、副次的な都市への路線を考慮中で、併せて、現行の北アジアの地点で、供給を増やすかも知れない。

 

供給は、2017年に、機材稼働の向上から、3.5%4%増加の計画だ。同社は、マレーシア全国の副次的な都市に、乗員の基地を開設した事により、737の保有機群で、大幅な稼働向上を実現して居る。

 

供給の伸び率は、比較的に穏やかだが、急激な下降の後であり、同社がリストラの新局面に入ろうとして居る事を意味する。同社は2013年の最高記録1,700万人に比べ、2016年には約1,300万の旅客を輸送する事を予測して居る。

 

Malaysia Airlines new network strategy: expansion to resume in 2017, with focus on China and India

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米国の3大エアライン、デルタ、ユナイテッドそしてアメリカン=各社の儲けは下降、2017年度見通しは軟調

27-Jul-2016

 

アメリカン、デルタそしてユナイテッドの大手グローバルエアライン3社は、2016年第2四半期に、特定項目を除き、30億米ドル近い利益を計上した。然し、英国のEU離脱国民投票や経済全体の停滞から生じる不確実性により、収入は引き続き課題含みである。国内ではデルタ、とユナイテッドが、物量は引き続き堅調であるにも拘らず、企業として儲けが落ちて行く状況に直面して居る。

 

3大エアラインの全てが、2016年の供給目標を更に修正して居り、これが各社の株価評価を引き上げた模様だ。然し、運賃価格は依然として年初来高値から遠く、投資家たちが単位収入上昇の確実な兆候だと見るまで、動こうとする様子が無い。投資家の単位収入を見るレーザー焦点が正しいか否かは別として、その指標では業界の業績がマイナスであると見られて居る間は、エアラインの評価は苦戦を続けるのが現実である。

 

LCCの台頭や、その他の要素が、米国の業界で運賃設定の仕組みに対する、留まる事のない変化を牽引して来たが、3大エアラインは、自分たち自身も新たな現実に順応しようとする状態にあるのを感じて居る。結果としては、投資家たちが、より急速な回復を希望して居るにも関わらず、2017年まで、単位収入に抜本的な改善が始まる事はありそうにない。

 

The US Big 3 airlines Delta, United and American: corporate yields weaken and 2017 outlook is soft

ライアンエア:収益は依然拡大、12%上昇=「市場の停滞や不況に準備はできた」

26-Jul-2016

 

ライアンエアの2017年第1四半期(4月~6月)の業績報告は、欧州エアライン界にとって、何かホッとさせるものだった。大陸をリードするLCCであり、旅客数では最大のライアンエアは、収益では慎ましい伸びを示し、更に重要な事には、年間純益伸び率12%と言う、2017年度の目標を再度達成した。

 

これは、欧州第2位のLCCであるイージージェットの業績下方修正の直後の強烈な発表だった。最近のノーウエジアンとウイズエアの好調の四半期業績に加えて、ライアンの発表は、少なくとも、市場の低コストの分野では、より楽観的な気分をもたらして居る。

 

とは言うものの、ライアンエアは、また、テロ活動やBREXITなどで示される地政学的な不確実性を挙げて、既に抑圧されて居る欧州の運賃設定の環境が、更に悪化する可能性に対しても、足場を固めようとして居る。同社は、どの競争相手よりも低い、旅客一人当たりのコストと、極めて強固な貸借対照表を持って居ることから、どのエアライン市場の状況悪化にも対処出来る好適な位置に居ると言える。

 

Ryanair: profits are still growing, up 12%, "prepared for signs of a market slowdown or recession”

 

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マレーシア航空の新広胴機戦略=A350A380を更新、A330ceoとプレミアムエコノミーを追加

 

24-Jul-2016

 

マレーシア航空は、広胴機の保有機計画を修正し、2018年と2019年に受領する予定のA330を追加して緩やかな拡大を復活する事を検討して居る。マレーシア航空はまた、2017年遅くから2018年早々に、A380からA350への速やかな移行を準備して居る。同社の6機のA380は、201710月から20185月に納入される予定の、プレミアムエコノミーを含む4クラス287席仕様のA3506機で更新される予定だ。 

 

マレーシア航空は、まずは2016年遅くの開始で、全てのA330と、A380にプレミアムエコノミーを導入する計画である。然し、同社は、他の殆どのアジアの競合社の様に、別のプレミアムエコノミー用座席を購入せず、その代わり、アップグレードされた機内商品と、従来の標準エコノミー座席で足回りを広くしたものを提供する予定だ。  

保有機材を広胴機に、そして商品を変更する事は、再建された同社を収益性と成長への途に戻す事を試みる新事業戦略の幾つかの施策の一つだ。 

 

A380を退役させることは必須だが、これらの機材を売却すると言う課題は、将来への見通しに対する大きな脅威になり得る。

 

Malaysia Airlines new widebody strategy: A350s replace A380s, additional A330ceos & premium economy

 

 

 

TAAGアンゴラ航空、エミレーツと提携して拡大=厳しい市場環境にもかかわらず

 

23-Jul-2016 

 

TAAGアンゴラ航空は、追加した2機の777-300ERを受領して、長距離路線運航を拡大するとともに域内の路線網を構築しようとして居る。新たな提携先であるエミレーツの支援で開始された新戦略は、ルアンダにハブを展開し、より多くの「第6の自由」乗継需要を追求する事に焦点を当てて居る。  

 

TAAGは、最近、同社の限られた長距離路線網の中で、唯一の欧州の国であるポルトガル行きの供給を追加した。また、同社は今や、EUのブラックリストから外された好機を活用して、新たな欧州路線を開設しようと準備中である。  

 

然し、TAAGは地元市場で、燃油価格の下落から需要が落ちる、短期的には、大きな問題に直面して居る。同社は依然として赤字が続き、この環境下で黒字化することは容易ではないだろう。

 

TAAG Angola Airlines partners with Emirates to expand despite difficult market conditions: VIDEO 

 

 

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ニラエア、「第5の自由」輸送の基地、台北に開設=東南アジアで最初の日本の大手LCCとなる

22-Jul-2016

 

バニラエアは、ANAとエアアジアによる共同事業である、エアアジア・ジャパン解消の危機の中から生まれた。ANA100%の所有者となり、戦略的価値とプライドのために、速やかにこのエアラインを再立ち上げした。問題は大きく、バニラエアの存在は脆弱なものだった。 

 

今やバニラは、自分の分野を見いだし、外向けにも、内向けにもアイデンティティを形成して居り、それが明白となるよう努力して居る。20166月のCAPA北アジアLCCサミットでも表明した通り、バニラエアは東南アジアで大規模な存在感を持つ、最初の日本のLCCになる計画を進めて居る。 

 

バニラは、日本が台湾や殆どの東南アジアの諸市場と結んだ、オープンスカイ協定のお陰で可能となった、台北から「第5の自由」輸送権による便を運航することで、日本と東南アジアの間の地理的な限界、そして狭胴機の航続距離の限界を克服しようとして居る。その最初の東南アジア便は台北から、東南アジアではシンガポールに次いで重要な、またANAにとって戦略的に重要なホーチミン行きである。

 

Vanilla Air launches Taipei 5th freedom base, becoming first major Japanese LCC in SE Asia: VIDEO

 

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エアソウル、親会社アシアナを支える為に始動=韓国第7LCCナンブエアも開業を計画

21-Jul-2016

 

アシアナ航空はANAと同じ様に2つのLCCを持つことを計画して居る:アシアナのエアソウルは2016711日に韓国国内線市場で開業し、201610月には国際線に拡大する予定だ。エアソウルはアシアナに100%LCC子会社を通してソウルの市場にアクセスする事を可能にするが、一方、同社の最初のLCCエアブサンは、ほぼブサンに集中し、アシアナは出資者の一つに過ぎない。アシアナはエアソウルに混雑空港であるジェジュ空港の発着枠を移管しようとして居る。 

 

アシアナは、ジェジュエア、ジンエア、そして外国のLCCに支配されようとして居るソウルのLCC市場に存在感の無かった、失われた時間を取り戻さなければならない。然し、エアソウルの工程表は副次的な日本の都市へのアシアナが独占して居る路線を継承する事から始め、決して野心的なものではない。この様な「お下がり」路線戦略であれば、財務的には改善が見込めるかも知れないが、エアソウルがより大きな市場で必要な存在感を持つ事には役立たないだろう。また、アシアナが過去数年間、苦労して来た、副次的な近距離国際線が、LCCの基盤の上で黒字化できるのかさえ定かでない。エアソウルにとっては、まだ黎明期なのだろうが、同社は171席と言う極めて密度の低いA321を飛ばそうとして居るのだ。 

 

一方、第7LCCであるナンブエアは、韓国第2の大都市ブサンを含み、韓国南東部に建設する空港の入札に負けた慶尚南道で立ち上げられたLCCだ。

 

Air Seoul launches to support its parent, Asiana. Korea's seventh LCC, Nambu Air, plans start-up

 

CAPAエアライン収益性展望=供給制限で記録的利益率だが、上昇は永遠には続かない

 

21-Jul-2016

 

この半年に一度のCAPA世界エアライン営業利益率モデルのアップデートは、2017年に僅かに下降するものの、2015年から2017年も引き続き、以前の循環的ピーク時を超える、業界全体の利益率を予測して居る。これは、2010年以来の長期的なトレンドの率を回復して居ない、世界中どこにも例外のないGDP成長にも関わらずである。 

 

前提となるGDP成長率のもとで、より高いエアライン営業利益率を上げるのには幾つかの要素がある。低い燃油価格が、特に2014年中頃から重要な役割を演じて居るし、以前に比較的停滞するGDP成長から予測された旅客需要の伸びが、その予想より高かったことも同様だ。これら外的な問題に加えて、多分最も大きな要素は、供給の自制がより高い水準だった事だろう。これは今や、ダントツで最も収益性の高いエアラインの地域であり、世界の業績を牽引して居る、米国に深く根ざして居る。 

 

IMFが、最近、より警戒的な言い方でBEXITとその他の地政学的リスクを挙げて、世界規模のGDP予測を出して居る。これに加えて、この数週間でIAG、イージージェットそしてルフトハンザから業績下方修正が出された事は、循環的景気上昇の動きは永遠には続かない事を思い出させるものだ。エアライン産業の収益性改善が持つ課題は、下降が起こった時の回復力だろう。

 

CAPA airline profit outlook. Record margins from capacity restraint, but upswings are not forever

 

CAPA豪州太平洋サミット=航空産業のリーダー達が83~5日ブリスベーンに集結

 

21-Jul-2016 

 

主要な航空産業界の経営者たちが、来る8月、地域のエアライン、空港、そして企業渡航の業界が直面する戦略的な問題について、議論、討論を行うために結集する。 

 

カンタスのCEOアラン・ジョイス、ジェットスターグループのCEOジェーン・ハードリッカ、エティハド航空CEOピーター・バウムガートナー、ガルーダ・インドネシアのCEOアリフ・ウイボオ、エアインディアCMDアシュワニ・ロハニ、ノックエアCEOパテー・サラシン、タイガーエア・オーストラリアCEOロブ・シャープ、そして、ベロシティ・フリークエントフライアーCEOのカール・シュスターなどが、83日〜5日、第4CAPA豪州太平洋航空サミットのためにブリスベーンに集まるエアライン業界のリーダー達である。 

 

サミットは、ブリスベーン・コンベンション&エキジビションセンターにて開催され、ファウンデーション・パートナーズ、ブリスベーン空港公団、そしてK&Lゲーツの共催を得て、ブリスベーンマーケティングが主催する。 

 

CAPA Australia Pacific Aviation Summit: Aviation industry leaders to gather in Brisbane, 3-5 August

 

 

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中国の副次的なエアライン、長距離路線拡大を計画=中国の17社が広胴機保有へ

20-Jul-2016 

 

中国の航空界の成長は、広胴機を持つ中国の航空会社の数で、今や明白に証明される。2012年早くには、広胴機を運航する中国社はたった5つだった。20166月のチベット航空へのA330の納入で、広胴機運航会社は10社になり、若し計画がすべて実現するとすれば、この10年間の終わりには、17の中国エアラインが広胴機を運航することになる。これは、中国国内にその他の北アジアと東南アジアを併せたよりも多くの広胴機、長距離エアラインが存在する事を意味する。 

 

ファーンボロエアショーでは、東海航空と瑞麗航空が7879を入手しようとして居り、一方、祥鵬航空もまた7879を買って、中国で初の長距離LCCになる予定だ。深圳航空はA330を購入し、吉祥航空、奥凱航空そして山東航空もこの機材を考えて居る。

 

また、今やバージン・オーストラリアの所有者となった、南山グループを親会社とする青島航空の様な新規参入社も居る。東海、瑞麗、吉祥などの広胴機は、中国の4大エアライングループである、中国国際、中国東方、中国南方、海南航空のどこの関連会社でもないエアラインによる運航を意味する。これら4大グループの中で最も小さい海南航空でも、副次的、三次的エアラインを併せた数以上の広胴機を運航して居る。

 

China's secondary airlines plan long haul growth: 17 Chinese airlines to have widebody aircraft

 

タイ航空、ASEAN路線網の戦略的急速拡大のためにタイスマイルを使う

 

19-Jul-2016 

 

タイ航空とその域内航空子会社タイスマイルは、ASEAN市場での新戦略の一部として、東南アジアへの拡大を加速させて居る。新戦略の下で、タイスマイルは東南アジアへの的を絞り、一方で親会社とのより緊密な統合を進めて居る。 

 

タイスマイルは、2016年末までに東南アジアの中で、幾つかの新規国際線目的地を開設する計画である。新しいタイスマイルの路線はタイ航空グループのASEAN路線網の国際線目的地を12から18地点に増やし、一方で双方のブランドが就航する現存地点の幾つかでは、供給を増やして居る。

 

この新戦略はタイ航空が域内路線網の展開では、競合他社に遅れを取っている事から、積極的な取り組みである。ASEANでの存在感の拡大、そして大幅に遅れて居るタイ航空とタイスマイルのより緊密な統合は、タイ航空の長距離路線網への新たな送客を創り出す筈だ。 

 

Thai Airways uses Thai Smile to pursue rapid strategic expansion of ASEAN network

 

ラテンアメリカのエアライン、投資家探しに取り組む=厳しい経済状況に所有の法規制が足手まとい

 

18-Jul-2016 

 

ここ数年間のブラジルでの経済と政治上の大変動は、基本的には、この国のエアラインを含む企業を信用市場から孤立させて居る。この国の国会議員たちは、2016年に入ってから、エアラインの外国人の所有に関する規制を廃止すると言う大胆な動きに出たが、この法案は、他のより大きな法案の批准を確保する為に、暫定政府の拒否権発動に会ってしまった。

 

100%外国人所有自由化推進論は未だにブラジルの不確実な政治情勢の中ではある種の力を持って居る模様だ。この国の運輸大臣は外国人所有の議論はまだ終わって居らず、この国の上院で所有上限の議論を再開すると述べたと報じられて居る。

 

一方で、アビアンカが外国人投資家に求婚し、カタールがLATAMの株式10%買収への協議を計画して居ると言った、急速に変動するラテンアメリカの航空業界の状況の中で、ブラジルの外国人所有上限20%は、現状維持のままである。ブラジルでは、エアラインに100%の外国人所有を許す動きは未だ無かった事だろうが、49%であれば、妥当に思われ、何10億もの負債から再建しようと努力して居るブラジル最大のエアラインであるGolを助ける可能性もある。然し、所有に関する法律が改正されても、他のラテンアメリカのエアラインがもっとリスクの低い投資話を提供して居るのに、Golに投資家が群がる事にはならないかも知れない。 

 

Latin American airlines work to attract investors. Ownership laws a hindrance in tough economics

 

 

祥鵬航空、中国最初の長距離LCCに=2016年、欧州北米へ、中国国際線は29%の上昇  

18-Jul-2016

 

中国の成長鈍化の「新たな常態」が及ぼす影響についての議論がある。然し、旅客需要の伸びとGDPの間には、明らかに相関関係があるにも関わらず、航空業界の視点から見ると、これまでのところ、さほど影響されて居ない事を示して居る。中国の旅客需要は、極めてレジャー指向である;即ち、中国の中流クラスは拡大して居て、外国旅行への渇望は増大して居る、ビザの自由化は改善し続け、諸外国(とその空港)は中国人旅行者を歓迎して居る。これら全ての要素が旅行をより容易にし、中国政府は、時に力づくでエアラインに「外へ出る」ことを奨励して居る。 

 

2016年の最初の4ヶ月では、2015年の同時期の40%増に比べれば低い29%の成長率だが、2016年の純増旅客数はこれまでの所、2015年を上回って居る。国際線市場は、更に新規参入社を加えて混み合って来て居る。

 

その最近のものは、HNAグループのLCC部門で、U-FLYアライアンスに加盟し、昆明を本拠地とする祥鵬航空である。祥鵬は2016年末までに、787−9を使った、欧州、北米線開設を計画して居る。

 

Lucky Air to be China's first long haul LCC, to Europe/N America in 2016; China international up 29%

 

 

モーリシャス 第2部:エアモーリシャス、競争と挑戦激化に直面=新たなハブの展開で 

18-Jul-2016

 

エアモーリシャスは、黒字を回復し、野心的な政府株主のハブ戦略を支えるため、拡大に熱心に取り組んで居る。同社は、20163月期に旅客数が9.4%と過去5年間で最高の伸びを示し、1,800万ユーロの営業利益を出した。

 

モーリシャスは地理的には、アフリカと急速に成長する市場であるアジアの間にあって、「第6の自由」需要をつかむには良い位置に居る。然し、アフリカ=アジア間市場とモーリシャスで競争は激化して居り、エアモーリシャスが新たに見出した収益性を維持しながら、新たな東西を結ぶハブを展開することを困難にする可能性がある。

 

今回はエアモーリシャスとモーリシャス市場の分析レポート第2部である。第1部ではエアモーリシャスのアジアでの拡大、そしてアジアとアフリカの間で、より多くの「第6の自由」需要を確保するためにはアフリカ大陸での路線網を更に活気づけなくてはならない事を見て来た。また、201610月にエアアジアXがモーリシャスに就航する事の影響についても見た。このレポート後半でCAPAは、モーリシャス市場で強まる競争を、より詳細に、またこれがエアモーリシャスの新たに手にした収益性に如何に影響するか、及び、アフリカ=アジア間ハブの更なる展開を進める同社の能力について見て行きたい。

 

Mauritius Pt 2: Air Mauritius faces intensifying competition and challenges in developing a new hub

 

エアアジア、100機のA321neo発注で供給拡大=業績見通し改善、中国を視野に入れて

14-Jul-2016

 

エアアジアは、より高密度仕様の狭胴機を追加する事に決め、他の東南アジアの主導的LCCグループの仲間入りをして居る。2016年のファーンボロエアショーで100機のA321neoを発注したが、これで制限の多い空港のインフラの元で、このグループが発着枠を最大限に生かす事、そして更なる単位コストの削減が可能になる筈だ。

 

また、この新たな発注により、エアアジアグループが可能性としてグループの将来機材の幾つかを第3者に保有させようとする、リース会社の設立構想で浮上した、追加機材の必須要件を満たす事も可能になる。エアアジアはライバルのライオングループ、べトジェットエアと、この東南アジアの3グループが発注して居る、彼ら自身の子会社や関連会社では抱えきれない事になりそうな、合わせて1,150機もの、圧倒される様な数の、それでも、現在の高成長予測が現実になった場合、確保しておく必要のある将来機材の一部を、リースアウトする可能性を考える事で、共同歩調を採る事になる。

 

新たな取引はエアアジアの狭胴機の発注リストを、2016年下期から2028年までに納入される、304機のA320neoや、2019年から2028年に納入が計画されて居る100機のA321neoなど、合わせて404機まで増やす事になる。グループは2015年の第2四半期に最後のA320neoを受領し、現在は、5カ国の基地から171機を運航して居る。

 

 

AirAsia up-gauges with a 100 A321neo order; outlook improves and China in its sights

モーリシャス 第1部:アフリカ-アジア間ハブをエアモーリシャスと開発=エアアジアXのアジア12番目の目的地

14-Jul-2016

 

モーリシャスは、この小さなインド洋の海洋国家を、急速な発展を見せるアフリカ-アジア間市場の乗継需要に応える場所とする事を狙った、野心的なハブ開発戦略を進めて居る。政府はエアモーリシャスの拡大と保有機材の更新に投資する一方、他のエアラインにもこのハブを売り込んで居る。

2016712日の広州線開設に続いて、エアモーリシャスはアジア太平洋に最大の路線網を持つアフリカのエアラインであるエチオピアンを買収して居る。エアモーリシャスは、アジアでの事業を拡大する事と、並行して、モーリシャスのハブ構想への大望を支えるため、現在は未だ限られたアフリカ地区での路線網展開に熱意を燃やして居る。

 

エアアジアXは、201610月に、この市場では初のアジアのエアラインとして、モーリシャス線を開設する計画である。この市場では、ターキッシュエアラインズの就航、エミレーツの高密度615席仕様のA380の投入により、競争はすでに激しくなって居る。この激化する競争はエアモーリシャスが、漸く手に入れた収益性を脅かす可能性もあるが、同社は、新たな提携関係を形成する事にも意欲的である。

 

 

Mauritius Pt 1: Africa-Asia hub develops with Air Mauritius 12th Asian destination, AirAsia X launch

カタール航空、ワンワールドのLATAM10%を買収=IAG15%に加えて

14-Jul-2016

 

カタール航空の登場である。エティハド航空が他のエアラインへの投資を定着させようと試みて居る様に見える中で、カタールは次第にそのエアライン投資のリストを拡大して居る。カタールの持つIAG15%の持ち株に続いて今度は、61,300万米ドル、これはLATAMへの投資発表の前日に(史上初めて)公表された純利益44,600万ドルのほぼ1.5倍にも相当する、LATAM10%持ち株取得である。これは安全な投資である;即ちLATAMグループは市場内の立場が強固で、株価はラテンアメリカ経済の厳しい下降の中でも、強さを保って居る。

 

カタールはLATAMの必要として居る現金と、遠くに構える株主を与えてくれる。ラテンアメリカは湾岸エアラインにとっては遙かに小さ過ぎる市場だが、現在の経済的停滞状況に対して長期的には成長の可能性を持って居る。湾岸エアラインの路線網の上では非常に小さいとは言え、米国エアラインにとっては将来の鍵となる市場である。カタールは、まだエティハドのそれより小さいが、投資と戦略的な理由から、エアラインの資産を手に入れる意思がある事を証明する、約25億ユーロを費やそうとして居る。今回の場合は、カタールの即時的な戦略的目的は、さほど明確では無い。

 

スターアライアンスの民間エアラインであるアビアンカも、やはり戦略的な株主を探して居るが、これはラテンアメリカの8つのエアライングループの内の5つが、地域外からの出資者を持つ事を意味する。

 

Qatar Airways buys 10% of oneworld's LATAM, to add to its 15% in IAG

米国のエアラインとキューバ路線認可 第1部:米国運輸省、ハバナのパイを多くの断片に切り刻む

12-Jul-2016

 

米国の航空当局は、ハバナ線の路線権を、世界的なフルサービスのエアライン、中間の低コストエアライン、そして超LCC8つの運航会社に広く付与する事を決定した。驚くには当たらないが、キューバ系米国人が集中して居住する地域である、南フロリダが暫定的な路線認可の中で大きく目立って居る。

 

理論的には、米国運輸省の提案する路線構成は、ハバナへ旅行する顧客が、より広い運賃価格と、提供される商品にアクセスする事を可能にする。米国とキューバの間で定期航空サービスが復活するにあたり、多くの点で、当局は、消費者が多くのサービス提供者から選べる様に、ハバナへの定期路線に、可能な限り多くのエアラインを参入させる以外に、選択肢は余り無かったのだ。

 

ハバナへの暫定路線権付与については、曖昧な言い訳もあるかも知れないが、米国運輸省の提示した路線構成が根本から変更される事はなさそうだ。この路線配分は、当局がハバナへの新たな航空サービスに、一定水準の競争を伴う多様性を導入しようとする事に対する期待を反映して居る。

 

(これは米国=キューバ路線権付与を検証するシリーズの第1部である。第2部はハバナ以外の市場について検証する。)

 

US airlines and the Cuba route awards Part 1: The US DoT slices up many pieces of the Havana pie

FOR CAPA MEMBERS

 

タイガーエア・シンガポール、2017年遅くから2018年に拡大再開を準備=スクートへの送客が最重要

12-Jul-2016

 

シンガポール航空(SIA)の近距離LCC子会社タイガーエアは、3年間の成長停止状態を終えて、2017年下期に事業の拡大を再開する計画である。保有機材や、供給の拡大は、黒字回復努力が完了したことから可能となる。

 

タイガーエア・シンガポールは今や供給過剰に起因する、2年以上の損失計上の後に、黒字を実現した。シンガポールの市場状況は改善し、スクートとの事実上の合併は、スクートが急速に拡大する中長距離路線への、タイガーエアによる送客を必要とする事から、新たな拡大への商機を見出し始めて居る。

 

タイガーエアは、2014年の最大27機から徐々に減らして、現在、23機のA320系機材を運航して居る。このLCCは、2017年と2018年に6機のA320を追加する約束をして居るが、この結果、新たな最大機数である29機となる。2016年早くにSIA100%所有となったタイガーエアも、やはり保有機材の更新と次の10年間の成長のために向けられる、39機のA320を発注済みである。

 

 

Tigerair Singapore prepares to resume expansion in late 2017 and 2018; feeding Scoot will be crucial

エアヨーロッパ 第2部:記録的労働生産性向上、CASKLCC並み=然しRASKは下落
12-Jul-2016


世界金融危機に続いて、単位収入が伸びる時期の後、2015年、エアヨーロッパは、強烈な運賃設定に対する圧力に遭遇した。イベリアの更なる拡大が、ラテンアメリカへの競争を強め、一方でLCC各社が近距離の実収単価を抑えつけたのだ。


エアヨーロッパは収益を計上して居ないが、親会社グローバリアにとって最大の事業収入をなして居る。民間企業であるグローバリア・グループは2013年以来、黒字だったが、2015年、航空部門で旅客数は増えたにも拘らず、収入が3%下落したことから、収益を落としてしまった。グループの損益対照表は流動性が低下し、グローバリアはIPOを検討して居ると報じられた。


広胴機はエアヨーロッパの供給席数の半数以上となり、発注済27機中20機を占めて居る。これは、同社のラテンアメリカの路線網の重要性を反映して居ると同時にこのレポート第1部に詳述した様に、長距離路線拡大を継続する大望を反映して居る。

 

更には、広胴機の発注の中身は、A330を更新するボーイング787であり、コスト効率を向上させるものだ。CAPAでは、エアヨーロッパの単位コストは、LCCのそれより高いが、FSCよりはこちらに近いと推計して居る。同社は、CASKの更なる低減を追求するのに役立つ、労働生産性が順調に向上して居る。

 

*CASKCost per Available Seat Kilometers(有効座席キロあたりコスト)

*RASKRevenue per Available Seat Kilometers(有効座席キロあたり収入)

 

Air Europa Part 2: a record of labour productivity gains, CASK near LCC levels but RASK falling

エアヨーロッパ 第1:ラテンアメリカが成長を牽引=イベリアと新規参入社が課題を提供

11-Jul-2016

 

2016628日、エアヨーロッパの新たな毎日1便のマドリッド=ボゴタ線の開設により、スポットライトは、再び同社のラテンアメリカ路線網に戻って来た。これは、供給の面からも収入の面からも、ともに同社の最重要な路線、地域であり、引き続き将来計画の中心点である。エアヨーロッパは、ラテンアメリカに、イベリアの19地点に対し、13地点を持って居るが、更に幾つか増やす計画とされて居る。

 

スペイン=ラテンアメリカ間の供給席数から言って、エアヨーロッパは、イベリアの半分のサイズだが、この10年で、イベリアは落として居る占有率が、10ポイントも伸びて居る。イベリアは、2006年には、この市場で、エアヨーロッパの4倍の規模だった。それでも、再度エネルギーを蓄えたイベリアは、依然として、恐るべき競争相手であり、他にも小さいが成長して居る、新規参入組が居る。

 

エアヨーロッパの親会社である、グローバリアは、IPOを計画して居ると報じられ、その前には、HNAと、この中国のコングロマリットからの投資の可能性につき協議して居た。エアヨーロッパは、ラテンアメリカに集中する間、中国への新規路線開設は延期する模様である。

 

この分析第2部は、グローバリアの財務的な経歴を見てみる。また、エアヨーロッパの単位収入、保有機材そして単位コストの状況も検証する。

 

Air Europa Part 1: Latin America drives growth. Iberia and new entrants provide challenges

CAPAイラン航空財務と旅行サミット」=2016年9月1718日於テヘラン

10-Jul-2016

 

20161月、経済制裁が解除されて間もなく「CAPAイラン航空サミット」が成功裏に開かれてから、イランの航空当局は、CAPAに対して、もう一度、201691718日に航空財務と旅行サミット、そして展示会を併せた、ユニークなフォローアップ会議の開催を要請して居る。

 

CAPAのイランサミットはエアライン、航空機メーカー、リース企業、銀行、輸出信用機関、航空当局、そして法律事務所などと、空港運営機関、投資家そしてインフラ開発企業を一堂に集め、パネル討議や、ネットワーキングセッションなどを通じて、航空機購入や、リース、インフラ開発への財務的解決策を探るものであり、また、流通、旅行の科学技術、業務渡航、エアラインの路線開発、決済手段などの主要な旅行業界の問題についても取り上げる。

 

この重要なイベントは、過去40年間で初めてイランの市場を世界に開くものだ。サミットはイマムホメイニ国際空港のノボテルにて開催される。

 

 

CAPA Iran Aviation Finance and Travel Summit, Tehran, 17-18 September 2016

アビアンカ航空グループ:地歩を維持するために投資家を探す=変容するラテンアメリカで

9-Jul-2016

 

2009年のアビアンカとTACAグループの合併の決断は、ラテンアメリカに於ける統合の動きをキックスタートさせたものだ。今やアビアンカホールディングズとして活動して居るこの二つの企業の合併が、おそらくLANTAMを組み合わせて、地域で最も強力なエアライングループLATAMの創造への引き金を引いたのだ。

 

アビアンカとTACAそしてLANTAMはそれぞれの運航会社を統合しつつあったが、その他の南米のエアラインは、スカイチームがエアフランス-KLMと提携し、デルタが独立系のゴルに投資、そしてユナイテッドとHNAグループがアズールを部分所有するなど外国のエアラインからの投資を獲得した。

 

今やアビアンカは、戦略的な投資のための提携先を探して居り、多くのエアラインがその会社の株に興味を持って居ると報じられて居る。この投資は、アビアンカが、当面の困難な経済状況を乗り切り、競合他社との対等な立場に留まる事を可能にする、一方でその会社の出資者たちは、極めて重要な成長市場であるラテンアメリカで、向こう10年からその先まで、戦略的な立場を手に入れる事になる。

 

 

Avianca Airline Group:seeks investors to maintain position in a changing Latin American landscape

ライオングループ、2016年上半期、保有機に16機追加=250機の節目を越える

 

7-Jul-2016

 

インドネシアを本拠地とする、ライオングループは、東南アジア最大のエアライングループとしての地歩を固めるべく、2016年上半期、保有機に16機を追加した。ライオンは、この地域で第2の規模となるライバル、エアアジアが東南アジアには200機未満しか無いのに対し、今や、250機を越える保有機群を持つ事になった。

 

然し、過去6カ月に、16機の純増でもライオンの拡大は緩やかになって居る。同グループは2015年に59機、そして2014年には39機増やして居るのだ。

 

2016年上半期には、ライオングループの5つのエアライン子会社、関連会社のどこも、5機以上の追加をして居ない事が、比較的緩やかな供給増の結果となって居る。2016年下半期には、拡大率は上昇しそうだが、以前の水準に近づく事は無いだろう。

Lion Group expands fleet by 16 aircraft in 1H2016, surpassing the 250 aircraft milestone

長距離LCCが優勢に:スクート2017年に欧州線開設へ=世界一長いLCC路線

6-Jul-2016

 

長距離LCCの運航の実現を疑って居た向きには、長距離の未来が変貌しつつあると言う証拠が積み上げられて居る。今や、11社を超えるLCC7,000kmを超える定期路線を運航し、787A350の就航によりこれが加速して、更に増えようとして居る。また意味深いのは、そのうち5社はフルサービスエアライングループの一部か、子会社なのだ。

 

シンガポール航空(SIA)の中長距離低コストエアライン子会社であるスクートは2017年第2四半期に欧州線の開設を準備して居る。スクートはマレーシアのエアアジアX2012年に欧州線を休止して以来、最初の10,000kmを超える路線を運航するLCCになりそうだ(エアアジアXも欧州線を復活させると話して居るが)。

 

クルーバンクを装着した4機の787-8を受領して、欧州はスクートにとって、次の拡大の段階の焦点になるだろう。スクートは現在、11機の787を運航し、2016年にもう1機の通常装備の機材を追加し、現在の、8つの新たな中距離目的地路線を1年以内に開設する事を中心とする急速な拡大の段階を完了する計画である。

 

Long haul LCCs in ascendance: Scoot prepares to fly to Europe in 2017, the world’s longest LCC route

ニューリーフ:カナダの超LCC、バーチャルエアラインとして開業へ=ウエストジェットも急襲する準備万端

 

6-Jul-2016

カナダの超LCCである、ニューリーフが、正しい免許資格要件に関してのゴタゴタを乗り越えて、20167月デビューを飾ろうとして居る。ニューリーフは、旅行販売店であり、提携社のフレア航空が、新規の路線に航空機を飛ばす。ニューリーフの従来と異なるアプローチは、驚くまでも無く、バーチャルエアラインの実現可能性の疑問の上に、厳しいチェックを受けた。

 

ニューリーフは、その戦略について、カナダで超LCC企業を設立しようと目論むどの組織よりも早く、市場に超LCCの概念を持ち込んで、より資本効率の良い、株主へのより良い還元を行うものだと強調して居る。一方、経験の無い組織として設立を目論むジェットラインズは、超低コストエアラインを創るため、カナダ以外からの投資家を惹きつけようと、外国人によるエアライン所有に制限をかけるカナダ政府の規制の例外措置を求めて居る。

 

過去3年間、カナダで新規ULCC設立を志す企業は、ジェッツゴー、ズームそしてスカイサービスなどの破綻したエアラインと一緒くたにされて来た。明らかに、ニューリーフとジェットラインズが同じ運命を辿るかどうかを語るのは余りに拙速であるが、カナダの旅客需要を刺激する大きな可能性がある事に疑いは無い。然し、カナダで、第2の規模を誇るエアラインであるウエストジェットは、既にニューリーフの市場に参入しつつあり、その大きな市場支配力を新規ULCCとの激しい戦いに使おうとして居る。

 

 

NewLeaf: the Canadian ULCC readies for launch as a "virtual" airline, and WestJet is ready to pounce

ライオングループとターキッシュエアライン、豪州-バリ間市場の穴を埋める=エアアジアXが撤退して
5-Jul-2016


豪州=バリ路線では、間も無くエアアジアXが撤退するにも拘らず、競争が再び激化する可能性がある。
この長距離低コストグループは、2015年に豪州=バリ間市場で7%の成長を遂げたが、20168月末に、メルボルンとシドニーからバリへの便を休止しようとして居る。

 

ライオングループとターキッシュエアラインは、共にバリと豪州間に便を開設しようと考えて居て、可能性としては、エアアジアXがバリ=メルボルン、シドニー間市場に残した穴を埋める事になる。ライオングループは、また、2015年早く、ブリスベーン便を休止したガルーダインドネシアがバリ=ブリスベーン間市場に残した穴も埋める可能性がある。

 

豪州=バリ間の市場は、着々と成長し、過去10年間で、規模がほぼ4倍になった。然し、競争は強まり、エアアジアXが見出した様な新規参入社には、難しい状況になって居る。

Lion Group and Turkish Airlines could fill the void in Australia-Bali market as AirAsia X withdraws

米国のエアライン、供給を削る=燃油価格の上昇からPRASMの上昇を誘発させるため

3-Jul-2016

 

デルタ航空とジェットブルーは、米国大手グローバルエアラインのアメリカン、ユナイテッドが2016年早くに彼らの予測に修正を加えた後に、米国のエアラインの中では、供給の予測を下方修正した最後の部類である。最近、米国のエアラインによって始まった削減は、運賃設定環境に圧力が掛かって居ることと、原油が再びバレル50ドルに達して、燃油価格が上昇して居る事に牽引されて居る様だ。

 

供給を減らす事で、エアラインは、もう一年以上減少傾向にある、旅客の単位収入を引き上げるための運賃値上げが出来る様に、供給と需要のバランスを取り戻す事を願って居る。エアラインの全体的評価が示す事実は、投資家たちはマイナスのPRASM(有効座席マイル当たり収入)の伸びには常に不安を覚え、米国エアラインが記録した、歴史的な収益とか利益率などは、基本的に無視すると言う事だ。

デルタは、以前、別々の期間に2度にわたり、PRASM実績の伸びをゼロに戻す事を目指したが、失敗し、今は2016年末までにはこの目標を達成すると誓って居る。目標が達成できず、殆どの米国エアラインの経営管理チームは、依然としてプラスのPRASM伸び率と投資家達の為に背負って居る重みを強調して居る。

 

US airlines cut capacity to trigger PRASM momentum from rising fuel prices

バージン・アトランティック、アジアと他の東行市場で提携先を求める=差し迫った取引は無さそう

3-Jul-2016


2016
615日のブルームバーグとのインタビューで、バージンアトランティックのCEOクレイグクリーガーは、49%の株主デルタとの北大西洋での共同事業を補完してくれる様な提携関係を、いつでも結ぶ用意があると述べて居る。これらの提携とは、デルタとの取引の後に、バージンの存在感が減ってしまった、アジアとその他の東方行き市場に絞られる可能性が極めて高い。


「アジアと、その他の東行市場」が、ともに世界で最も大きく、最も速い速度で伸びて居る航空市場であるのに、バージンは、2012年にデルタが、同社の49%の株式を取得し、これにより2013年に北大西洋共同事業を形成して以来、アジア太平洋、中東での露出を減らして居る。同社は、20145月に豪州路線を止めた後、2015年にムンバイと東京/成田から撤退して居る。

 

クリーガー氏は、また、現在持って居る、中国国際航空、ニュージーランド航空、ANA、デルタ、フライビー、ジェットエアウエイズ、そしてシンガポール航空の、計7社との提携に追加する事を模索して居るとも言って居る。今回のレポートは、新たな共同事業、或はコードシェアにせよ、「アジアと、その他の東行市場」に於いて、一体どのエアラインが、最も魅力的なバージンの提携先になるのかを考える。クリーガー氏は、この地域での共同事業全体を示唆して居るのだろうが、彼が最初にやらなくてはならないのは、アジアに於けるバージンの非常に小さなオンラインの存在感を高める事だろう。差し迫って、新たな取引が成立する事は無さそうだ。魅力的で、拡大した関係を模索する中で、デルタの利害が、一つの要素となるだろうが、バージン・アトランティックは、独立したエアラインであり続けるだろう。

 

 

Virgin Atlantic seeks new partners in Asia and other eastbound markets, but imminent deals unlikely

豪州フィリピン間市場、供給過剰の懸念=セブパシフィック、PALの更なる拡大計画で

29-Jun-2016

 

2015年、豪州とフィリピン間の旅客需要は39%伸び、豪州にとって最速の拡大を見せる国際線市場となった。豪州=フィリピン間市場は、セブパシフィックとフィリピン航空(PAL)の拡大に牽引されて、更に急速な成長をしようとして居る。

 

PALは、新たなA321neoの保有機をブリスベーンへの直航便開設、そして可能性としてシドニーへの2便目に使用する計画である。セブパシフィックはA330-300の保有機材を増やす事からメルボルンへの便を開設する計画だ。

 

然し、供給過剰が大きな懸念である。セブパシフィックの参入は需要を刺激して居るが、搭乗率と実収単価に悪影響を与えて居る。2015年、豪州=フィリピン線全便の平均搭乗率は、みじめなPAL60%、そしてセブパシフィックのたった64%などを含め、67%を切って居る。

 

 

Australia-Philippines market faces overcapacity concerns as Cebu Pacific, PAL plan further expansion

英国のEU離脱と航空業界 第3部=アジアモデルの重要性の認識と自由化の動きが加速されるだろう

29-Jun-2016

 

時代が変わり、地球規模の力の均衡がアジア市場へとシフトする中で、国際社会に、新たな国境を越えた代替策が台頭しようとして居る。エアラインにとって、国境を越えた路線網を保つための一つの選択肢は、共通のブランドを保ちながら、個々の行政範囲で複数の免許を与えると言う、アジアの豊かに実ったLCC共同事業の路線網を模倣する事だ。これは決して容易な解決策では無く、保証されたものでもなく、問題を招き入れるものだ。

 

然し、EUの大手LCCが、新たな環境下で彼等に残された選択肢を考えると、もし英国が単一航空市場から排除されたとすると、最大の敗者は英国でも無ければ、EUでも無い事は疑う余地はまず無い。最も被害を被るのは、欧州の消費者と地域の経済である。

 

単一市場を継続する事の見通しは良いけれども、アジアのエアライン、投資家、そして、彼等の政府が、将来を形作る上で、益々、発言権を得る様になって、世界は急速に変化しつつある。これ迄は自由化のリーダーだった、欧州が、一歩後退する度に、アジアの航空業界の影響力が加速する。欧州が今、辿りそうな道筋が後退なのだから、主として、こちらはより自由化への方向に進みつつある。

 

 

Brexit and aviation Part 3: Importance of Asian models and liberalisation moves will be accelerated

英国のEU離脱と航空業界 第2部=航空旅客需要減、経済不安。英国・EU関係が宙に浮く

28-Jun-2016

 

英国のEUからの離脱は、即座の影響であるポンド安、弱まるGDP成長予測の結果として、英国の航空旅客需要に悪影響を及ぼすだろう。航空貨物も同様に、国際交易の水準が下がり、マイナスの影響を受けるだろう。航空旅客需要への影響は、残りの欧州でも同様に感じられるだろうし、一方、経済学者達は、英国の離脱が、世界規模の経済が直面して居る、不確実性に追加されると警告して居る。

 

欧州のエアラインの株価は、2016624日の英国の国民投票の後に、特にイージージェットと、英国航空の親会社であるAIGの株価が大きな打撃を受けて居る。これは、予想される需要の低減だけでなく、同時に特に市場アクセスと言う点で、この分野を取り巻く、大きな、管理面での不確実性を反映して居る。

 

英国の「欧州共同航空区域」への会員資格は、現行の市場アクセスと、予想される路線運航を維持できると思われる。然し、英国国内の政治的な混乱や、EUの基本理念遵守の約束に対する幾つかの疑問符がある事から、将来的に、アクセスが制限されるかも知れない。IAGとイージージェットからの、収益への警告は、少なくとも収益拡大の鈍化を指摘して居る。近年の世界のエアライン業界の収益のサイクルが、引き続き上昇すると見るのは難しい。

 

Brexit and aviation Part 2: lower air traffic, economic uncertainty. UK-EU relations up in the air

 

英国のEU離脱と航空業界 第1部=パンドラの箱を開ければ、何でも起こり得る。然し現状維持の可能性が大

27-Jun-2016

 

2016623日の英国のEU離脱への国民投票は、世論調査から強い警告があったにも関わらず、周囲からは大きな衝撃として捉えられた。まず第1の意味合いは、歓迎されない不確実性の期間が来ると言う事に対するものだ。然し、この種の大きな衝撃ではいつもそうである様に、即座に出される大災害や市場崩壊への警告は、考え方が順応するとともに、消えて行く。こんなに大きな、複雑な決断を、実質たった一度の機会に委ねてしまった政治的愚かさをやり過ごして、官僚達は壊れた破片を拾い集め、この複雑なものを何とかしようとするだろう。

 

航空の分野では、数多くの、可能な意味合いが隠されて居るが、最も深刻なのは、英国がEUの意思決定の場から去ってしまう事は、EUの政策の方向を形成する事に対して、ドイツとフランスの保護主義者達の力が、より影響力を持つ様になる事だ。そうで無ければ、多くの可能性は、多分、時とともに、何とかなるだろう。一方、不確実性は、通常の事のままに残り、解決への作業が長々と続くだろう。

 

消費者にとっては、単一航空市場と、米国=EU複数国間のオープンスカイ協定が、至近の課題だろう。欧州線の定期便については有り得べき結論は、英国が、EUメンバーでは無いけれど、ECAAを通じて、ノルウエーや他の国が持って居る様な、単一市場アクセスを交渉する事だろう。これで、消費者の視点からは、広く現状を維持する事になり、英国のエアラインにとっては、完全な市場アクセスを守れる。然し、皮肉にも、彼等は、それを決める際には何の発言権も持たないにもかかわらずEUの連合管理規定に従わねばならず、これはBREXIT(離脱派)達の想定していた英国により大きな独立を与える事の正反対である。そして自由化主義者か保護主義者かを問わず、北大西洋協定が、極めて重要になって居るので、英国が消え去る事は最も有り得ない話だ。

 

 

Brexit and aviation Part 1: Open Pandora's box and anything can happen. But status quo is likely

北東アジアのエアライングループ、成長への統合、戦略協調 第2部=台湾、日本、韓国

26-Jun-2016

 

エアラインのグループは今や、何処にでもあるとまでは言わずとも、今日のアジアでは普通の事だ。彼等の進化は、しばしば、未だ実験段階にあるが、複数ブランドを如何に管理するか、乗継可能性、調整そして関連する問題などを摘出する事を含んで居る。これらを管理するのは容易では無いが、確立したフルサービスエアラインが、新しい市場環境に適応するにつれ、幾つか成功を収め始めて居る。

 

この北東アジアのエアライングループの分析、第1部は、中国本土と香港をカバーして居る。

 

2部は、台湾、日本そして韓国のエアラインが辿って居る途を検証する。これら市場は国内の情勢に影響され、そして特に日本だが、政府の特異性により、それぞれ独特の性格を持って居る。

 

NE Asia's airline group integration, coordinating strategy for growth. Part 2, Taiwan, Japan, Korea

ガルーダ・インドネシア 第4部:保有機材計画の修正で、新たな狭胴機、広胴機の発注へ

25-Jun-2016

 

ガルーダ・インドネシアは、狭胴機と広胴機を増やす、新保有機材10カ年計画を間もなく完成させようとして居る。737MAX狭胴機とともに、新世代の広胴航空機の、遅れている、満杯の発注が、2016年末までに為されると予想され、予定される次のファーンボロエアショーでの可能性もある。

 

この新保有機材計画は、ガルーダの域内そして長距離路線の国際路線網拡大への野心的な計画を支えるものである。ガルーダはまた、国内線での立場を狭胴機を増やす事で強化する事に努めて居る。

 

CEOのアリフ・ウイボオによれば、グループの新たな全体戦略は、「国内線市場を支配し、商機のある域内事業を拡大し、その資金で長距離路線を支える。」と言うものだ。今回は、ガルーダインドネシアグループについてCAPAが発表した幅広い連続分析の第4回、そして最終回である。

 

Garuda Indonesia Part 4: revised fleet plan leads to new narrowbody and widebody orders

スピリット航空、事業運営にいくらかの進歩=依然、重要指標で他社に遅れを取る

25-Jun-2016

 

就任以来漸く6カ月を経た、スピリット航空の新CEOにとって、最優先課題は事業運営の改善である。米国政府からのデータはスピットが事業の幾つかの領域で、改善を示して居るが、他の米国エアライン各社からは依然として遅れを取って居る。夏場の繁忙期が本格的にやって来るに従い、スピリットの事業運営の改善と言う約束が試される可能性がある。

 

スピリットのライバルたちはそれぞれの商品区分戦略をスピリットの低運賃に対抗して研ぎ澄まして来る中で、事業運営の改善は、この超低コストエアラインと、そのビジネスモデル自体にとって、全く新たな水準の重要性を帯びて居る。スピリットのULCCのライバルであるフロンティアは、幾つかの運営指標でスピリットを越えて居る。

 

スピリットは、保有機の機種揃えを、より小さなエアバス狭胴機に変更する事など、他の変革も実行中である。同社は、将来的には、大規模エアラインとの競争を減らすために、より小規模な市場も検討したいとほのめかして居る。スピリットが2016年に開設した新路線の多くはサウスウエストとデルタが競争相手となって居り、現在、スピリットと路線網と最も大きく重複する相手はアメリカン航空ではなく、むしろサウスウエストなのだ。

 

Spirit Airlines makes some progress in operations, but still lags its peers in key metrics

北東アジアのエアライングループ、成長への統合、戦略協調 第1

24-Jun-2016

 

アジアのフルサービスエアラインの殆どは、LCCの競争に対抗するために、欧州のそれとある意味で似た方法で、グループを結成して来たが、通常、より大きな役割の区分と成り立ちが伴って居る。

 

結果として、彼らは暫くの間、ブランドの家になって居る。これらの無計画に広がる邸宅には、明らかに統合する動きは限られて居り、またグループの中のエアライン同士が調整することも少なかった。これにより、重複、機会の逸失、そしてマーケティングの混乱が起こった。然し、アジアの市場は躍動的であり、競争の圧力は増加し、常に適応する事が必要である。今や、これらの条件の経験をもとに、自己満足を捨てる経営の解決策とともに、より戦略的な考え方が台頭して来つつある。

 

ブランドの統合はまだ、時間がかかる問題だ。台湾のエバーエアと中華航空は、夫々の域内部門である、UNIエアとマンダリン航空を統合する事を考えて居る。然し、全体として、アジアにおけるブランドは、特に中国本土で増加し続けて居る。アジアのエアライングループの最初の変革には、グループ内エアライン同士のより良い調整がまず含まれる。

 

 

NE Asia's airline groups begin to integrate, coordinating strategy for growth. Part 1