CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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ハワイアン航空、好適な地理的条件が貢献=同業他社を越え、光り輝くPRASMの実績に
28-May-2016
ハワイアン航空の独特な地理的条件が、米国本土の国内路線で、値立てを牽引する力に欠け、伸び続ける供給に、より多く曝されて居る同業各社の上を行く、同社の旅客単位収入の実績を手助けして居る。ハワイへの需要は、堅固で、ハワイ市場での競争による供給拡大も合理的なレベルに納まって居る。
ハワイアンの供給拡大は、かつて2010年代始めに長距離路線市場に大々的な進出をして以来、過去数年間は抑制されて居る。彼らの2016年の拡大計画は2.5%から5.5%で、2017年の拡大も引き続き、一桁の低い方のままと予測されて居る。同社は現有のままの供給を使って、同社の最も重要な市場の一つに提供するサービスの改善が果たせる、東京/羽田への路線追加を運用する計画である。ハワイアンは日本から米国へ向かう旅客の4人に1人の最終目的地はハワイであると推計して居る。
アラスカエア・グループがバージン・アメリカを買収し、ライバルと統合合併する意思表明した事で、米国内市場での、これ以外のM&Aの可能性についての憶測が盛り上がって居る。ハワイアンは自社の特性は他の企業にとっては価値あるものだろうが、売却の意思は無く、同社には独立して拡大する多くの好機がまだまだあると考えて居る。
PRASM:Passenger Revenue per Available Seat Mile=有効座席マイル当たりの旅客収入
Hawaiian Airlines' favourable geography helps it post a PRASM performance that outshines its peers
豪州域内のダイナミクスが変化=レックスの初の赤字、ジェットゴーの拡大、そしてエアリーの参入で
豪州の域内航空市場は、バージン・オーストラリアが静かに天然資源業界の市場での高いリスクの賭けから撤退する事、ジェットゴー・オーストラリアが長距離、少旅客数の貴重でニッチな飛行サービスを削る事、豪州初の乗り放題運航会社エアリーが参入を計画して居る事など、目下、調整の最中である。一方で、リージョナルエクスプレスの一連の利益計上は2016年上期に初の損失計上で途切れた。レックスは2009年以来ずっと旅客数の拡大を経験して居ない、そして一方委では路線網は拡大し、ASKは下降、利益は落ち続け、搭乗率が安定したのはつい最近の事だ。天然資源業界の景気低迷と、国内のビジネス需要の弱さからレックスは利益が伸び無い状況は2016年度通年へと進んで行くと見て居る。
ジェットゴーは比較的成功して居たニッチな長距離、少旅客数の都市組合せのサービスを削減するだろうという予想を裏切って、域内市場では目立った存在であった。その成功は主に、大都市間ではリージョナルジェットを使える事に対する不満を抱く域内市場を結んだ事にあった。最初の路線で今も運航して居るものが無いと言う、つぎはぎだらけのスタートを切った後、同社は当初の核となる収入源であった*FIFO労働が縮小してしまったため、東海岸までも拡大して居る。
バージン・オーストラリアの豪州域内への参入は常に野心的で、スカイウエストの買収は更にそうだった。天然資源業界の航空需要に対する同社の大きな賭けは、鉱物資源の値下がりから、そして産業界が、大きく、建設から製造へとシフトした事から、見返りを出す事は出来なかった。然し、アライアンスとの提携関係、そして貨物事業が改善して居る事などから、泥沼の見通しの中に幾らか明るい光がのぞいて居る。
訳注)*FIFO労働:(fly-in-fly-out work)主に、鉱山労働者を鉱山現場に移住させず、一定期間の就労後飛行機で帰宅させ、また飛行機で現場に戻す雇用形態。
Dynamics shift in regional Australia with Rex's first loss, Jetgo expansion and arrival of Airly
エアアジアXの実収単価うなぎ昇り=マレーシアでの競争が落ち着き、主要市場が回復して
26-May-2016
エアアジアXは、旅客数と運賃が力強く伸びたお陰で、2016年第1四半期の収入伸び率が対前年25%と言う歓迎すべき改善となった。
2016年の残りの期間については、エアアジアXはウエットリースによる運航を減らし、全供給席数の50%が投入され、また最大の改善が達成された、核となる市場である豪州と中国での需要がますます強くなる中で、定期便の拡大に集中しようとして居る。
エアアジアXとタイエアアジアXの力強い業績にも関わらず、そのインドネシアでの事業は、インドネシア政府の監督官庁から課せられた制限から、将来に暗雲が投げかけられて居る。
同社の核となる成長市場では、マレーシア航空が豪州発乗継市場での摘み取りで、弱体化して居ることを反映して、豪州から中国、インド、そしてイランへの乗継がより円滑に出来るようになって居る。強力な拡大方針に戻り、エアアジアXは現在、成果を摘み取ろうとして居る、然しその対象は、以前の周遊旅客では無く、より強く、真剣に商業ベースに絞ろうとして居る。
AirAsia X yields skyrocket as Malaysian competition rationalises and key markets pick up
ウイズエア、超LCCに更に強力な年度実績=A321が更なる単位コスト削減の課題を解決
26-May-2016
2015年2月のIPO(株式公開)以来、第2年目となるウイズエアの年間業績は強さに強さを増して居る。2016年度の主要指標の殆ど全てが、プラスの方向に進んで居る。供給と収入は再び急速に拡大し、搭乗率は上昇した。ウイズエアの中央/東欧州での市場占有率は向上し、純利益は高くなり、営業利益は拡大して居る。更には、単位コストは下降した。
然しながら、大見出しの裏では、ウイズエアは、のんびり構えて居る訳にはいかない。まず第一に単位収入が、弱い航空券の価格設定を補う、強力な付帯サービス収入に牽引されて来た数年間の後に、総計RASK(有効座席キロ当たりの収入)が2016年度には下降した。付帯サービスは引き続き強かったが、運賃の下落を補うには到らなかった。RASKの見通しは、弱いままである。第二に、単位コストが燃油価格低下という理由から低下した。燃油費を除くCASK(有効座席キロ当たりのコスト)はこの6年間殆ど動きが無く、既に欧州で第2位の低さである。燃油費以外のコストをこれ以上削る事は困難である(ウイズエアがやって来た様に、それらを抑えて居る事は称賛に値する達成であるが)。
勿論、上手く経営されて居る企業であれば、のんびり構えて居ることは無い。ウイズエアの策は、A320に比べ、より座席数が多く単位コストをより低くして呉れる、A321に託して将来を構築する事だ。ウイズエアはこの単位コストへの利点は、機材の大型化により実収単価が薄まる悪影響を補ってくれると判断して居る。
Wizz Air: more strong FY results for ultra-LCC. A321 to solve problem of further unit cost reduction
ライアンエア、2005年以来最高の儲け=「常により良く」計画の成功を物語る
24-May-2016
ライアンエアは2015年度の66%の伸びに次いで、43%の増加と、2016年度の純利益で再び強力な伸びを達成した。旅客数の拡大は、搭乗率が2年連続の5パーセンテージポイント上昇し、93%に達したのに大きく支えられ、18%に加速した。
これは、平均運賃でただの1%落として達成したことで、ライアンが2年前に導入した、「常により良く」計画による、顧客サービスと路線網の改善に成功した事を示して居る。全体として、ライアンエアは、供給席当たりの収入増加と席当たりコストの削減(後者は低い燃油価格に負うところが大きいが)という稀なる組合せを上手くコントロールして来た。これにより、2005年度以来最高の営業収益を上げる事が出来た。
2017年度の見通しでは、ライアンエアは収益増加率は鈍化するが、依然として13%という二桁の伸び率を狙って居る。更に、欧州最高の営業利益を出すエアラインの地位を保持する事になりそうである。
Ryanair's best margin since 2005 illustrates the success of 'Always Getting Better' programme
アンマン・アリア女王国際空港=レバントの民間空港の成功例
19-May-2016
ヨルダンは、現実的に、そして歴史的にいつも不安定な政治情勢にある他国に囲まれた国にしては、その経済は驚くほど頑強である。自らを外国からの直接投資に、そして外国の銀行や投資会社の本拠地として相応しい国と言う評価を確立して居る。ヨルダンの主要空港はビジネス獲得のために多くの外国の空港と競争を続けて居るが、ヨルダン国内の他の空港とも同様だ。国営航空会社のロイヤルジョルダニアンは航空連盟に加盟して居るが、アリア女王国際空港の地理的位置は、ハブの役割を担う可能性を示唆して居るが、湾岸3大エアライン(MEB3)と、大陸間路線で張り合う積りはなく、そんな野心は、東地中海のレバント地域に限られている。
今回のレポートはアリア女王国際空港を、数セットの指標から検証し、これに対抗すると思われる幾つかの空港を参照し、その建築計画と所有形態について調べる。
Amman Queen Alia International Airport - a successful privately operated airport for the Levant
スクートとタイガーエア、合併へもう一歩進む=シンガポール航空の新LCC持ち株会社で
19-May-2016
シンガポール航空(SIA) は、新たに持ち株会社を創り、二つの格安エアライン子会社、近距離LCCとタイガーエアと、中長距離LCCスクートの統合合併にもう一歩近づいて居る。スクートとタイガーエアは当面、独自の事業免許を持ち、独立したままだが、タイガーエアのCEOであるリー・リク・シンの率いる、新たな合同経営チームを持つ事になる予定だ。
バジェット・エビエーション・ホールディングズの創立は、重複した機能が除去されるので、更なる統合を進めと、特にコスト面でより大きなシナジー効果の途を開く事になるだろう。ともに現在黒字経営であるタイガーエアとスクートの業績見通しは、両社の合併で更に輝きを増す事になるだろうが、供給過剰の可能性などの、未だ克服しなければならない障害がある。
合併は、結局行われると思われるが、この情勢で開始するのはかなり難しい問題だ。予定されるバージン・オーストラリアによるタイガーエア・オーストラリア、そして中華航空によるタイガーエア台湾のブランド改訂は、SIAグループにとって、生き残るのはスクートと思われるが、単一LCCブランドへの移行を容易にしてくれる筈だ。
Scoot-Tigerair merger moves one step closer with a new Singapore Airlines Group LCC holding company
台湾のLCC、タイガーエアとVエア、日本路線の拡大に焦点=他市場を育てながら
17-May-2016
丁度一年間で、台湾のLCC各社、タイガーエア台湾とVエアは台湾=日本間市場の10%を勝ち取って居る。どの市場より多くの台湾人が日本を訪れる一方で、台湾は日本からの訪問市場としては韓国、中国本土についで第3位である。台湾人は日本に対する親近感を持って居るし、文化も共有する部分もある、加えて2011年11月のオープンスカイ協定合意が、拡大へと解き放ったのだ。2016年夏の供給席数は5年前の2011年夏に比べて143%も増加して居る。また2016年夏は、2015年夏より26%も上がって居る。
6年前にはLCCは市場に存在しなかった。今や、LCC各社は全市場の26%を構成し、特定路線では高い占有率を示して居る:大阪=台北では30%、東京=高雄では43%である。台湾のLCCはLCC市場の35%を占め、2016年始めの時点の倍の占有率になって居る。
台湾のコストの低さと地元市場である強みが、台湾LCCに日本路線での強い拡大の見通しを齎して居る。然しながら、他所では、彼らは新市場を見出すのに、苦戦して居る。日本路線の供給席数は、タイガーエア台湾とVエアの57%を占めて居る。韓国と香港が2国間で制限があり、東南アジアは未だそれほど人気の市場ではない。台湾のLCCは、供給が充分でない日本市場では、素早く勝利を収めたが、今や、彼らの行く手には、新市場への関心を醸成する大仕事が待って居る。
Taiwan's LCCs – Tigerair Taiwan and V Air – focus expansion on Japan; other markets incubating
エアラインの顧客に対する商品差別化、未だ幼少期=CAPA米州サミット(ビデオ)
16-May-2016
グローバルエアラインは、戦略的水準の差別化を創りだすために、益々、反安物化の考え方を追求する様になって居る。然し、現実的には新たなエアラインの顧客価値の創造への提言はまだその揺籃期にある。エアラインやその他の旅行会社は未だに、差別化された旅行体験をどの様に届ける事が出来るのか暗中模索して居るところだ。
旅行を提供する側が、商品の特質や個性化を向上させようと努力する中で、旅客の好みを理解する事は、パズルを解く大きな一片である。同時に、旅行業界の中で、旅客が最低価格を好む事が、かなりの水準で支配して、商品の安物化を進める事になる。
旅行を提供する者にとって、鍵となるのは、この適正なバランスを見出す事であり、多くは今なお、商品の安物化から個性化への動きをマスターする事からは程遠い所に居ると認めて居る。然し、業界が、小さいながらこの方向を実現しつつある兆候が出始めて居る。
Airline product differentiation to customers still in its infancy: CAPA Americas Summit (VIDEO)
ペガサス航空:第1四半期の損失拡大=供給拡大と、マクロ経済要素から値立てが圧迫されて
16-May-2016
ペガサスは2015年度に上場して居る欧州のエアラインとしては数少ない一社として利益が縮小するのを経験した後、2016年の第1四半期に、再び営業利益の低下に悩まされて居る。
このペガサスの収益性の下落の主たる原因は、一部マクロ経済的な、そして地政学的な要因から、そして一部は自らの急激な供給拡大から来る、単位収入の弱さである。低い燃油価格も、ペガサスには落ちて行く単位収入を相殺してくれるほど充分に単位コストを下げてくれて居ない。低い燃油価格は、実際には競合他社に供給を拡大させて、単位収入を下げるのに貢献して居る。
ペガサスの単位コストは最大の競争相手であるターキッシュエアラインより、凡そ1/3低く、欧州では最も低いエアラインの一つである。この事が、同社のビジネスモデルに、弱い値立てに対してある程度の堅固さを与えて居るが、この環境はまた、同社のコスト基準により大きな圧力をかけて居る。
Pegasus Airlines: 1Q loss grows; pricing comes under pressure from capacity growth and macro factors
ターキッシュ・エアラインズ:第1四半期損失広がる=収益性と拡大のバランスの必要性を映し出す
15-May-2016
ターキッシュ・エアラインズは、2016年第1四半期、営業損失が広がって居る。同社の常に2桁の伸び率で続く供給拡大が、特に米国とアフリカで、新市場追求と増便により、2016年に加速して居る。然し、同社の搭乗率は2.9パーセンテージポイント滑り落ち、ASK当たりの総収入は17.2%下落した。
地政学的な出来事の影響を受け、需要は弱まって居るが、また、ターキッシュ・エアラインズの各市場には、ますます、全地球を巻き込むマクロ経済学的不安定さがある。この事は、需要が堅固さを失いつつある最中の、極めて高い供給増による、リスクを白日のもとに示して居る。同社の単位コストは同時に下降して居る(安い燃油価格のお陰で)が、単位収入の下落を相殺するには不十分だった。
地球規模の乗継需要を惹きつける上で、イスタンブールのハブが提供する地理的優越性に基づく、ターキッシュ・エアラインズの高い成長率と言う戦略で、今や同社は世界の主要エアラインに伍してランクされる様になった。季節的には弱い第1四半期は、2016年度全体を見るための信頼出来る指標にならないかも知れないが、同社が、もし、収益性を犠牲にして拡大を追い求めて居るという懸念を静めるつもりであれば、年度の残りの期間に、搭乗率、RASK(有効座席キロ当たり収入)、利益率などの改善された傾向値を創りだす必要があるだろう。
Turkish Airlines: wider 1Q loss a reflection of the need to balance growth against profitability
ジェットブルーのミント、偉大な革新例=次の局面はプレミアムモデルがより幅広く試されることに
15-May-2016
ほぼ2年前、ジェットブルーは、低コスト、ハイブリッドな北米のエアラインとしては大胆な行動だったが、ミントというプレミアム商品をデビューさせた。同社は、専用のプレミアム商品を提供する、米州でただ一つの低コストエアラインであり、ミントの成功は、ジェットブルーの幹部経営者でさえ、驚いたのだ。
短期間にもうけを出す事を要求するウオール街のアナリストに、牽引される、ますます面白みの無い米国の市場で、ミントの成功はジェットブルー自身の予測をも越えて居り、同社は今や、ニューヨーク、ボストン、フォートローダデールの3大基地からのミントの路線を大々的に拡大する事を計画して居る。ジェットブルーは、アラスカとバージン・アメリカが彼らの合併の認可を得るために作業を続け、その後何年もかかる、両社の統合の道程にとりかかろうとする間に、ミントの拡大を進めようとして居る。この間にジェットブルーは、アラスカとバージン・アメリカの重要な大陸横断の市場に、自社のプレミアム商品を注ぎ込む事に力を使おうとするだろう。
ジェットブルーにはミントを幾つかの市場に追加展開しようと努力する間に、多くの事を消化しなくてはならない。然し、ミントの現在までの実績から、ジェットブルーがその目的に向かって虚心坦懐である事は驚くまでもない。
jetBlue’s Mint a great example of innovation; next phase now tests its premium model more widely
エアフランス-シンガポール航空提携交渉=フランス国内への湾岸エアラインの浸透の無さが明白に
8-May-2016
湾岸エアラインの拡大は競合他社に、時には長い歴史を持つ提携関係やビジネスの見方を捨てて、革新し、新市場に順応する事を強いて居る。次の反応は、エアフランスとシンガポール航空の間の提携で、両社は、交渉を開始して居ると報じられて居る。
その様な提携関係は、象徴的に重要である。両社とも正反対の航空連盟、スターとスカイチームの主要メンバであり、湾岸エアラインの拡大には、苦い思いをして居る。エアフランスは声高に批判し、一方シンガポール航空は、公には、苦情を押し隠して居る。エアフランスは、エティハドとの提携、完全には決着して居ない様だが、によっても、静まる気配は無い。シンガポール航空のエアフランスとの交渉は、SIAが、ルフトハンザグループとJVを始める計画をして居る丁度同じ時期に当たって居る。
SIAの見方は、フランスは重要な市場で、ルフトハンザグループのハブからの乗継では充分で無いという事らしい。エアフランスとSIAが提携に動く一方で、湾岸エアラインは、フランスの運輸権をずっと却下されて居る。彼らのフランス路線の便数は、英国路線の1/4なのである。エアフランスは、東南アジア路線の供給をけずったが、KLMは拡大して居り、グループは、新たな戦略的解決策を求めて居る事を示して居る。
Air France-Singapore Airlines partnership talks highlight lack of Gulf airline penetration in France
エアベルリン、2016年には収益確保を目指さねばならない=2015年度、8期連続、そして2016年度第1四半期に損失計上で
エアベルリンは2015年度、損失を計上した、欧州では唯一上場されたエアラインだった。更に営業損失と純損失ともに2014年度より拡大して居た。季節的には最も弱い四半期であり、エアベルリンとしては2016年度通年に改善を予想して居るものの、2016年度の第1四半期にはさしたる進展は見せて居ない。
エアベルリンはリストラ計画で、2015年に路線網の調整と供給の削減を実行した。また、新運賃クラスや、その他の営業面での進展が、搭乗率と単位収入の向上を助けた。然し、2015年、その単位コストは単位収入より急速に上昇した。2014年に両方の数値が(より急速に落ちたCASKとともに)下がった事を経験して以来、今回は、8年間連続して営業損失の泥沼に沈んで居た数年前の傾向への回帰を記録した。
エアベルリンのキャッシュバランスが新たな最低記録をした2015年の終わり以来、同社は最大株主のエティハドの少なからぬ貢献のお陰で、新規の、負債による資金調達の途を確保した。2016年には、更なる燃油費効果と実収単価の向上が予測され、エアベルリンの黒字回復への条件が整うかも知れない。エアベルリンはこの年度の目標をまだ公表して居ないが、これを達成する事は最低限必要だろう。
airberlin must aim for a profit in 2016 after eighth straight operating loss in 2015 and 1Q2016 loss
エアセルビアの2015年度の収益、エティハドに触発された変身にもう一歩踏み出す=ウイズエアが脅威になる可能性あり
13-May-2016
2013年に赤字垂れ流しのエアライン、ジャット航空から収益性の水準を維持できる会社への、エアセルビアの変身は、2015年に再度良い結果を出した事で、更に一歩踏み出した。2013年の下期に、エティハドとセルビア政府から投資を受け入れた後、同社は大規模な損失から2014年に僅かながら利益を計上するまでに回復した。これは、目覚ましい単位コストの削減と、路線網と営業体制の再調整が基本となって居る。
2015年に同社は、僅か収入の1%に留まったが、再度、純利益を増やした。黒字の業績を上げる事に成功した事から、エアセルビアは欧州線の路線網を拡大しようとして居る。多分、より意義深い事には、同社は、今夏、初の長距離路線であるベルグラード=ニューヨーク線を開設する計画である。
その単位コストは伝統的エアラインに比べ効率的で、イージージェットなどのLCCよりそれほど高く無い。また同社は、幸運な事に、LCCからは、限られた競争にしか直面して居ない(同社は、いずれかのエアラインと競争があるとしても、少数の路線だけである)。然しながら、エアセルビアより単位コストが遥かに低い、超LCCのウイズエアがLCCの競争相手の筆頭だが、今後より大きな脅威となる可能性がある。
Air Serbia's 2015 profit another step in Etihad-inspired transformation. Wizz Air a possible threat
エアカナダの見通しが改善=保有機の柔軟性を極大化し、国内線の供給鈍化で
13-May-2016
エアカナダは、機材の密度を上げ、低コスト子会社ルージュを拡大させて、事業戦略に変化を加えて来た事で、カナダやその他の地域での不安定な経済の中で、同社が切り抜ける事が出来ると考えて居る。
2016年後半の業界を通じて国内線の供給が落ちる事は、エアカナダや、ライバルのウエストジェットを利する筈だが、エアカナダの実収単価は、より長い区間距離や、レジャー旅客の構成比上昇と言った戦略青写真の中の要素が実収単価下落を余儀なくさせる事が原因で、下降を続けるだろう。
エアカナダは、供給のガイダンス公表を止めてしまったが、2016年の同社の供給拡大計画の殆どは、北米の大きな競合社達に匹敵する地球規模の路線網を構築しようと努めて居る、国際線市場に向けられて居る。多分、状況が悪化すれば、合理的に対応する準備が出来て居る事で投資家たちを安心させるために、エアカナダは、保有機群を調整して、実績の上がらない市場から路線網上の他の市場に供給を差し替える柔軟性を留保して居る事を強調して居る。
Air Canada's outlook lifted by slowing domestic capacity as it works to maximise fleet flexibility
CAPA北アジアLCCサミット、6月7日〜8日於東京=LCCのCEOたちが討議をリード
12-May-2016
北アジアの低コストエアライン(LCC)各社のリーダーたちが、6月7日、8日、CAPAの北アジアLCCサミットに集合する。
成田空港がホストとなる、今回サミットはCAPAの旗艦LCCイベントとして12回目であり、日本での会議開催は2回目としてCAPAが帰って来る。
北アジアの全てのLCC各社の経営幹部を含め、40人以上の講演者を迎え、英語、日本語、韓国語、そして北京官話の同時通訳を用意して、今回サミットは、市場開放が始まったこの地域でのLCCの成長の商業的な牽引者を探る予定だ。
北アジアは、東南アジアで起こった様な、LCCの急拡大をまだ経験して居ないが、事態は急激に変化して居る。
LCC CEOs to lead discussions at CAPA North Asia LCC Summit, Tokyo, Jun-7/8-2016
クライストチャーチ国際空港、その遠さの裏をかく=ニュージーランド観光事業にとっての最重要事項
12-May-2016
ニュージーランドは遠い国であり、その南島にあるクライストチャーチはオークランド、ウエリントンのどちらよりもより遠い都市である。世界の遥か果てにあることは、乗継可能性についても影響する事は間違いない。
政府はニュージーランドを農業主体の経済から、より工業化された、地球規模で戦える、自由市場的なものに変身させて来て居り、クライストチャーチは特化された工業、商業活動で、その重要な役割を担って居る。これらの、またその他の、特に観光事業だが、理由から、そこの空港は、自ら、少なくとも共同で、国内第2位の重要な空港の地位を築いて来た。クライストチャーチ空港はまた、同市を最近襲った深刻な地震災害からの復興にも重要な役割を担って来た。
今回のレポートは、クライストチャーチ国際空港を、数種類の指標を使って検証し、ライバルと思われる各空港の状況を見るとともに、その建設計画、所有形態を調べる。
Christchurch International Airport belies its 'remoteness'; pivotal to New Zealand's tourism
シンガポール航空とユナイテッド航空のコードシェア=シンガポール-米国間直航が意味を持つ
11-May-2016
進化するシンガポール航空(SIA)の提携戦略は、ユナイテッド航空とのコードシェア協定で、もう一つの道程にさしかかった。SIAとユナイテッドはスターアライアンスの長きに亘る盟友ではあるが、彼らの関係はこれまでずっと親密ではなく、どんなコードシェアも無かった。
SIAとユナイテッドは、2016年5月9日の米国運輸省への申請で、2016年7月1日よりコードシェアを始める計画であると述べて居る。最初の段階では、コードシェアはユナイテッドの運航する、ヒューストンから先の国内線8路線をカバーする。然し、両エアラインは将来的にはSIAの他の米国ゲートウエイ以遠のユナイテッド便、そしてシンガポール以遠のSIA便、また米国ーシンガポール間市場の両社の便などへの拡大を可能にする、コードシェアの一括承認を求めて居る。
ユナイテッドは、2016年6月にシンガポールへの直航便を開設しようとして居り、一方SIAは2018年に米国への直航便を復活させる予定である。ユナイテッドとSIAは太平洋路線で激しく争う競合社だが、新たなコードシェアはより広い、そして試合の流れを変える提携へと扉を開く可能性がある。SIAは、新たなそして増強された提携関係をずっと模索して居り、その計画は既にスターのメンバーであるエアニュージーランドとルフトハンザとの新しい共同事業として結実して居る。
Singapore Airlines and United Airlines codeshare. JV on Singapore-US nonstops would make sense
タイ航空の域内乗継可能性 第2部=タイスマイルの国際線拡大は戦略的必然
10-May-2016
タイ航空の、域内フルサービス子会社、タイスマイルは、来年、タイ航空が、保有機を全て、広胴機に移行するのに合わせて、国際線の拡大を加速する事を期待されて居る。グループの2枚看板戦略を調整する事も、タイ航空とタイスマイルが、より緊密に統合する事で利がある事から、可能性がある。
タイスマイルは、現在、国際線を4路線しか飛んで居らず、供給席の90%を国内線市場に割当てて居る。然し、同社は、タイ航空が狭胴機で運航する残り4路線の国際線を継承しようとして居り、中国、インド、そしてASEAN諸国の副次的な都市にグループの存在感を拡大するために、使われる筈だ。
この記事は、タイ航空グループの、域内国際線路線網とその戦略についてのレポートの第2部である。第1部では、如何にグループが、域内乗継可能性の改善に於いて、東南アジアのライバル達、特にシンガポール航空グループに遅れをとったかを見てみた。この第2部で、CAPAはタイスマイルの戦略に、そしてタイ航空グループが、域内の乗継可能性を高めるために、どの様にタイスマイルを使い始めるのかに注目する。
Thai Airways regional connectivity Pt 2: Thai Smile international expansion is a strategic necessity
米国のエアライン、アジアでの存在感拡大に共同事業を使う=然し、異論もある:CAPA米州サミット(ビデオ)
9-May-2016
2016年は、アジアと北米間での成長率が、3年連続一桁後半を記録し、中国と米国の間の年間成長率がほぼ20%となって3年目である。2012年から2016年の間に、太平洋横断路線は、毎日150便から193便に増え、中国と米国の間の便は、21便から42便に倍増した。太平洋横断路線の5便に1便は、中国と米国の間を飛び、4便に1便は、中国から、カナダ/米国への便である。
需要は強いが、供給は、おそらく、わずかにより速く拡大して来た。この圧力が、戦略的な地歩を確保したいという思惑を伴って、両岸のエアラインが、共同事業など、より深い提携関係を結ぼうと考える結果を招いて居る。CAPAが最近ラスベガスで開催した米州航空サミットは、太平洋横断路線での同盟の展開を代表するエアライン各社を集めて開かれた。即ち、ANAはユナイテッドとJVを組んで居るが、エアカナダを引き入れて拡大したい。中国国際は、スターの盟友であるユナイテッドと、また資本提携相手のキャセイパシフィックと、より強い結びつきが欲しい。大韓航空は、デルタに激しく求愛されて居る。そして海南航空は、提携関係による解決策を模索して居る。
海南は、外国エアラインが、中国国際の様な国営エアラインと構築しようとするJVには全て反対である。海南が懸念して居るのは、保護主義は、オープンスカイがあり、参入障壁が無い限り、JVを認可する米国の運輸省に論議の根拠を与えかねないと言う事だ。
US airlines use JVs to expand Asia presence, but dissenting voices: CAPA Americas Summit (VIDEO)
ルフトハンザ、アジアで目盛りを合わせ直す=共同事業は香港から焦点を移し、スイスの777、オーストリアは中国へ転進
9-May-2016
ルフトハンザグループは、ASKで北米に次いで第2の規模であり、最高の成長可能性を秘めた、東アジアで、その3つのフルサービスブランド全体の目盛りを再設定する手を打って居る。香港は、スターアライアンスのメンバーは居ないにも関わらず、歴史的に、ずっと同グループの事実上のハブであった。共同事業は、スターのメンバーである、シンガポール航空及び中国国際と組んで居り、香港ハブは重要性を低下させて居る。これには時間がかかる。何故なら、経験豊かなルフトハンザに比べ、アジア各社は保守的なので、シンガポール航空、中国国際との共同事業は、ゆっくり進化して居るからだ。
共同事業は、ルフトハンザグループにとって、白紙の地域(マレーシア、インドネシア)を埋めて呉れ、オフライン乗継を改善して呉れる。豪州は同グループにとって最大のオフライン市場なのである。これらの多くの商機を持つ市場は、湾岸エアラインが既に支配して居る市場である。ルフトハンザは、ANAと共同事業を行って居るが、東アジアの供給席数の17%を共同事業がカバーして居る。中国国際とSIAとの共同事業が動き出すと、この数字が64%に上がるが、それでも、北米での共同事業のカバー率より低い。
スイス航空は、香港を皮切りに、新しい777を東アジアに展開しようとして居る。スイスにとって、香港とシンガポールの五分五分の選択があったが、チューリッヒ=シンガポール線は程なくJVの指揮下に入る事、一方でチューリッヒ=香港線にはキャセイパシフィックとの競争がある事から、同社は香港を選んだ。オーストリア航空は、上海線を開設し、さらに中国への転進の動きの一部として東京/成田線を香港線に切り替えようとして居る。
Lufthansa recalibrates in Asia: JVs pull focus from Hong Kong; Swiss 777; Austrian pivots to China
タイ航空、シンガポール航空グループの後塵を拝す=域内接続可能性で 第1部
9-May-2016
タイ航空は、来年、変身計画を完成させるのに合わせ、新たな局面に入り、拡大再開に考えられる選択肢の検討を開始する。域内国際線での拡大は、同グループのフルサービス近距離子会社タイスマイルを使って、精力をつぎ込むには最も合理的な領域である。
タイスマイルは、現在、飛んで居る国際線目的地は、4地点のみである。タイ航空本体の保有機が全て広胴機になる事から、グループはタイスマイルにもっと大きな国際線路線網が必要だろう。
タイ航空は、シンガポール航空(SIA)がフルサービス域内子会社シルクエアで用いたモデルに従って、タイスマイルに、より良い統合の形を検討すべきだろう。現在の様な、別々の予約システム、セールスチームと言う体制は、理想からは程遠く、タイ航空グループとしては、中国やインド、そしてASEANの様なSIAグループの主要市場での格差を縮めるためには、改善されねばならない体制である。
Thai Airways falls behind Singapore Airlines Group with regional connectivity: Part 1
エアフランス-KLM:第1四半期利益率でIAG&ルフトハンザを凌ぐ=然し2016年の目標が無いのは、自信の無さを露呈
6-May-2016
エアフランス-KLMは、主に燃油価格が下がったお陰と、単位収入への圧力が、IAG或いはルフトハンザが感じたより軽かったために、2016年第1四半期の営業損失を小さくする事が出来た。これは多分同社が、より厳格な供給の管理をしてきた事を反映して居るのだろう。更には、エアフランス-KLMの1年前からの営業利益率の改善幅はIAG、ルフトハンザ両社より大きかった。
然し、エアフランス-KLMの利益率は、グループ全体としても、またLCC子会社であるトランサビアを2社のLCC部門と比べても、ともにそのライバル達よりかなり低いままである。単位収入の不確かな見通しを強調し、(そしてこの点についてのIAG、ルフトハンザ両社の発言を反映して)同社は第1四半期の比較的強かった状況は通年で続くとは見て居ない。
更には、エアフランス-KLMは未だに、欧州の伝統的エアラインの中では唯一、2016年の収益目標を公表して居ないのだ。パイロット組合との生産性向上の合意を創りだそうと努力する一方で、供給の自己規制、単位コストの削減と純負債の低減を最優先する事を継続するのは間違って居ない。然し、地球規模の産業が、周期的に高い利益率を上げている中で、エアフランス-KLMが収益の目標に口をつぐんでいるのは、自信が欠如している事を露呈して居る。新たに就任するCEO、ジャン-マーク・ジャナイラックはこれを再構築する必要があるだろう。
Air France-KLM: 1Q margin gain beats IAG & Lufthansa, but lack of 2016 target betrays low confidence
FOR CAPA MEMBERS
中国エアラインの広胴機発注=世界の航空界への影響拡大を示す
6-May-2016
中国のエアラインが長距離市場で長期的に、成長の好機を迎えて居る事には疑問の余地が無い。然し、短期的には、カナダ、ドイツそして米国などの主要な市場では、枯渇して居るか、フルに使われて居る運輸権と言う障害に阻まれて居る。外国の各社は発着枠、上空通過権などの簡単には解決しない、面倒な問題を抱えて居て、中国のエアラインも数年間は、二国間協定を目いっぱいに膨らませて取り繕うか、少しずつ拡大して行く方法を取るしか無いかも知れない。
それでも、広胴機の引渡しは増大して居る。中国の4つの主要エアライン、中国国際、中国東方、中国南方、そして海南航空は、2016年に更に22機を、2017年には18機を、そして2018年には37機を受領する予定だ。これらは公式の数字で、懸案となって居る商談(中国東方の10機の777-300ER)や、注文書に間際になって表れて来る機材などは含まれて居ない。これにはまた、北京首都航空、チベット航空、そして厦門航空などの副次的なエアラインの広胴機は含まれて居ない。中国国際、中国東方は現在飛ばして居る機材の50~80%にもなる広胴機を発注済である。
Chinese airlines' widebody orders signal China's expanding impact
on global aviation
FOR CAPA MEMBERS
スクートとタイガーエア、中国でのシンガポール航空グループの拡大を牽引=5年間で14の新たな目的地
6-May-2016
シンガポール航空(SIA)グループは、既に同グループにとって最大で、多分戦略上、最も重要な市場である、中国での拡大を更に進めて居る。タイガーエアの2016年4月28日の無錫線の開設により、SIAグループの、中国本土の定期便の目的地は23になる。
SIAは今や、ライバルグループのキャセイパシフィックや、北アジア以外のどの外国エアライングループよりも多くの目的地を中国に持って居る。5年前、SIAグループの中国内目的地は、僅か9地点しかなかった。
過去4年間で、SIAは、中国線の供給をほぼ50%伸ばしたが、そのほぼ全ては、LCC子会社のスクートとタイガーエアによるものだ。SIAの中国線の供給は、現在、東南アジアのLCCグループをリードするエアアジアより僅かに少ない。キャセイパシフィック、エアアジア、アシアナ、そして大韓航空だけが、中国線で、SIAより大きな供給を持った外国エアライングループである。
Scoot and Tigerair drive Singapore Airlines Group expansion in China; 14 new destinations in 5 years
サウスウエスト、クレジットカード契約から収入の恩恵を得る=労働問題から737クラシックの早期退役が不可避
5-May-2016
サウスウエスト航空の単位収入の傾向と米国の同業他社を比べる事は、2015年に締結された新たなクレジットカード契約の合意から同社が得ている恩恵が原因で、困難になって居る。合計単位収入の基準から見ると、サウスウエストは2016年第1四半期には現状維持、クレジットカード契約の最後の恩恵を受ける事になる2016年第2四半期には僅かながら成長と見られて居る。
サウスウエストの2016年第1四半期の平均運賃と実収単価は、米国国内線の市場で根強く続いて居る、値付け環境の激しい競争を反映して居る。いつになったら値付けの正常な軌道に戻るのかを敢えて予言しようとする者はサウスウエストも含め、僅かしか居ない。然し、この会社は、彼らの主張する全産業規模の供給の攻撃的構築を乗り切る事が出来ると考えて居る。
サウスウエストの2016年に5%~6%の供給拡大計画は変わって居ない。このエアラインは2017年と2018年にASMを伸ばす予定だが、この拡大幅は、2017年までにボーイング737クラシックの退役を促進すると言う決断から、2016年より小さくなる。
この退役の促進とは乗員訓練上の複雑な内容と、サウスウエストとそのパイロット達がこのクラシックという機材の位置づけについて合意に達する事が出来ない事から来て居る。同社とパイロット達の契約交渉はほぼ4年間も続いて居り、全国調停委員会による調停が行われて居る。
Southwest enjoys revenue benefits from credit card deal; labour issues force early 737 Classic exit
ガルーダ・インドネシア、国際線拡大を再開=シンガポールに焦点。チャンギ・ハブが力を試す
4-May-2016
ガルーダ・インドネシアは、2016年6月のメダンからの路線開設により、更なるシンガポールへの拡大を計画して居る。メダン線の追加で、ガルーダのシンガポールからの路線は、ほんの3年前には2路線だったものが、欧州に繋がる2路線を含め6路線になる。
然し、ガルーダが、数年前に運用して居た様に、シンガポールにハブを構築する事は、理想には程遠く、暫定的なものになりそうだ。特にシンガポール=アムステルダム、シンガポール=ロンドン線で、シンガポール航空グループと競争するのは難しい事だ。
ガルーダは、2014年下期と2015年に国際線運用をリストラした後、国際線拡大を再開しようとして居る。国際線のASKは20-16年第1四半期には11%伸びたが、搭乗率は、国際線でガルーダが直面している激しい競争をものがたり、70.6%に大きく下落した。
Garuda Indonesia resumes international expansion with Singapore focus. A Changi hub will test it.
中国南方と海南航空、バージン・オーストラリアの持株を値踏み=観光潜在能力の拡大のために
2-May-2016
中国人の旅行者たちは、多くの市場で、観光の流れと航空界の持つ商機を塗り替えようとして居る。この事は中国南方が数年という僅かな間に、誰でも知って居る名前になり、中国人観光客が訪問客源泉の第2位を占めるようになった豪州で、既に明らかになって居る。次の兆候は、エアニュージーランドが放棄しようと考えて居る、バージン・オーストラリアの持ち株を中国のエアラインが購入する事かも知れない。オーストラリアン・ファイナンシャル・リビューに依れば、中国南方と海南航空がこの商機を値踏みして居るとの事だ。
中国南方は以前の提携相手だったカンタスが、ライバルの中国東方と共同事業を結成した事から、より強力な地元の提携相手を得る事でメリットがあるだろう。中国人観光客が一人2回から3回、豪州国内線を利用する事から、中国エアラインにとって、資本参加する事は、収入の流れを取返す事になり得るだろう。中国南方はまた、自己防衛的な動きとしても投資をするかも知れない。海南は、豪州に季節便の運航をして居るが、バージンをより過激に使って、海南の属するHNAグループ(香港航空を含む)には出来ない路線である、中国本土、香港線を運航させる可能性もある。海南は既に、エアラインへの出資のリストを持って居るが、バージンはその中でも最も大きなものだろう。中国南方にとって、バージンに出資する事は、いつの日か地球規模の統合を含み、殆どの事象で世界の中心になろうとする彼らの、国営のエアラインが、今や外国エアライン買収を開始する事を意味するのかも知れない。
China Southern and Hainan Airlines evaluate Virgin Australia stake to grow tourism potential
マレーシアの最速で成長する空港、ジョホールのセナイ=エアアジアに牽引されて更に急速な拡大に備える
2-May-2016
南部マレーシアのジョホール州にあるセナイ国際空港は、エアアジアが自社のセナイ基地を拡大する動きに連れて、より急速な拡大へと備えて居る。セナイは、2015年に旅客数で全市場の伸びが1%未満の所、11%の成長を記録し、マレーシアの8つの大規模空港の中で最速の成長を遂げて居る。
エアアジアは2016年4月初頭にジョホールからハートヤイへの路線を開設し、2016年5月にはジョホールから広州線を開設しようとして居る。これら新路線は、エアアジアのセナイでの国際線運営を7路線に拡大し、このLCCグループの、より多くの地点間を結び、副次的ハブ運営を拡大すると言う全体計画の一部をなして居る。
マリンドエアもまた、2016年5月にジョホールから、2013年後半に短期間運航して居た事のあるクアラルンプール国際空港を結ぶ路線を再開して、事業拡大を探って居る。マレーシアの他の主要エアライングループである、マレーシア航空は、最近セナイに乗員基地を開設したのに従い、ジョホールからの新たな地点間路線の可能性を検討中である。
Malaysia’s fastest-growing airport, Senai in Johor, poised for more rapid growth driven by AirAsia
アリタリアの路線網、エティハドとの提携から恩恵=他人頼みの体質を捨てる時だ
29-Apr-2016
2014年12月にエティハドがアリタリアの49%の持ち分に投資して以来、このイタリアのエアラインは、多くの積極的な変革を享受して来た。同社のブランドと商品をより市場上流に移行し、ライアンエアが席数で最大のエアラインである、イタリアの激烈なLCC競争から差別化する事に努力して来た。
アリタリアの長距離路線が提供できるサービスは、エティハドとの提携に恩恵を受けて来た。これは主に、より幅広い中東やアジア太平洋の地点にアクセスするコードシェアのお陰である。然し、今年の夏のローマ=北京線の就航は、次第に自信も深まって来た事を示して居る。アリタリアはまた、自社がエティハドをリードして居る主な地域である、ラテンアメリカで、小さくニッチな便を拡大する事で更に自信を深めて居る。近中距離では、アリタリアの欧州でのサービスは、エティハドの他の投資先である各社(特にエアベルリン)との緊密な関係により、強化されているものの、LCC各社は、未だに強力な競争相手となって居る。
然し、アリタリアは損失を出し続けて居る(2015年には、1億9,900万ユーロに達する)。同社は依然として2017年には克服すると言って居るが、これは、抜け出すのが困難な性癖である。
業界の他社は、2016年には皆、記録的な利益を上げようとして居るのに、この様な状況で利益を上げられないエアラインにはまだまだなすべき事がある。
Alitalia's network benefits from Etihad partnership. Time now to shed the dependency culture
米国の3大エアライン、PRASMの改善を強化=懸念する投資家は実績の上がるのを慎重に注視
米国の3大グローバルネットワークエアラインである、アメリカン、デルタ、そしてユナイテッドは、投資家に対して、現状維持からプラスの旅客単位収入の実績を上げる事の重要性を認識して居ると強調して居るが、市場は未だにこれら各社が引き続き、この指標でマイナスの実績を出すのでは無いかと言う懸念を持ち続けて居る。
旅客の単位収入を引き下げる2つの要素としては、相変わらずアンバランスな需給関係、出発間際の予約の圧力が上げられる。これらのエアラインはその圧力を緩和しようと努力して居るが、過去何年もの間、激しい割引を繰り返して来た業界にあって、運賃設定方式をやり直すには少々時間がかかるだろう。アメリカンとデルタの決まり文句は「商品の安もの化」は避けようだが、これは更に遅々とした進化の過程で、その成果は遥か地平線の向こうにある。
多分、投資家たちの、他の全てに優先する懸念は、最終的にエネルギー費用が避けがたく上がる時に、運賃と燃油価格の間の歴史的にも真逆の関係が成立しなくなるのかと言うものだ。これは、過去にも発生した事なのだが、PRASMが痛手を被った昨年は投資家たちの懸念をさほど解消する事が出来なかった。その結果として、アメリカン、デルタそしてユナイテッドは、時間枠は違うものの、揃って、PRASMを現状維持かプラスにすると誓って居る。
*PRASM=PassengerRevenuePerAvailableSeatMile 有効座席マイル当たりの旅客収入
The US Big 3 airlines ramp up efforts to improve PRASM. Anxious investors hold back for real results
シルクエア 第2部:ラオス線開設でSIAグループのASEAN路線網を拡大=10カ国に42目的地
29-Apr-2016
シンガポール航空(SIA)グループは、2016年10月、エアアジアに続いて、2番目のASEAN加盟国の全10か国に飛ぶエアラインになる。ラオスがパズルの最後のピースだったが、SIAのフルサービス域内子会社、シルクエアの、新たな、週3便のシンガポール-ビエンチャン-ルアンプラバン-シンガポールという周回路線で就航する事となった。
ルアンプラバンとビエンチャン線の開設に続いて、シルクエアは32の東南アジアの地点を持ち、SIAグループとしては42地点となる。急速に発展する東南アジアの域内で、副次的な市場間を結ぶ事は、新時代の扉を開き、競争相手との差別化を図ろうとして居るSIAにとって極めて重要な事である。
今回は2回シリーズのレポート第2部である。第1部では、ラオスの国際線市場で期待される成長と、シルクエアが如何にそこから利点を引き出そうとして居るかに焦点を当てた。第2部ではラオス線の開設がSIAグループの路線網戦略に如何に重要かと言う事に注目して見る。
SilkAir Part 2: Laos launch extends SIA Group ASEAN network to 42 destinations and all 10 countries
シルクエア 第1部:ルアンプラバン、ビエンチャン線開設=SIAにラオス観光成長の恩恵をもたらす
28-Apr-2016
シンガポール航空のフルサービス域内子会社シルクエアは、2016年10月遅くにルアンプラバンとビエンチャンへの路線を開設する計画を確認した。SIAは小規模だが、急速に成長する国際線市場を持つラオスに、定期便を運航する、わずかに8社目の外国エアライングループになる予定だ。
シルクエアの、新しいシンガポール-ビエンチャン-ルアンプラバン-シンガポール周回路線は、ラオスが東南アジア、そしてASEAN諸国の中で、唯一グループが未だ就航して居ない国であり、SIAグループにとっては、戦略的に重要なものである。エアアジアは、現在、ASEANを構成する10カ国全てに飛んで居る、唯一のエアラインである。
域内の乗継可能性を高める事は、激化する競争にも関わらず、競合社と差別化し、拡大を図るSIAグループの新たな戦略の、重要な要素である。グループの東南アジア路線網は、2016年末までに40目的地を超える予定だ。2016年、SIAは、矢張り戦略的に重要な2カ国、中国、インドにもそれぞれ、24地点、15地点と拡大を予定して居る。
SilkAir Part 1: Luang Prabang, Vientiane launch positions SIA to benefit from growth in Laos tourism
エアニュージーランド、拡大への資金調達のためバージン・オーストラリアの持株売却へ=マニラの次は成都か
エアニュージーランドは、2015年以来5地点を開設し、ずっと長距離路線への拡大を続けて居る。マニラが最新の目的地として発表されたが、次は北京を去って以来、中国本土でもう一度同社の2地点目として、成都になるかも知れない。目的地としての成都、或は別の都市でも、エアニュージーランドにとって、アジアの中でカンタスより多くの地点に就航する事になる。
全世界的には、エアNZは、豪州/ニュージーランド/太平洋諸島以外の目的地で、カンタスに肉迫して居る。2006年には、カンタスは域外では21地点に飛んで居たが、2016年には18地点だ。カンタスが削ったところでは、2006年の長距離10地点から、2016には16(もし成都を含めば)へとエアニュージーランドが伸びて居る。エアニュージーランドが、2019年までに9機の787-9を受領する事になって居り、現有機材に交代するのは、その内数機しか無い事から、同社は、カンタスより多くの地点に飛ぶ事が出来るかも知れない。 バージン・オーストラリアの持ち株をエアNZが売却する事で、3機の広胴機の購入費用を支払う事が出来、エアNZの拡大を更に加速させる可能性がある。但し、カンタスは依然として便数と席数ではより大きいままである。シンガポールへエアNZは毎日ただの1便であるが、カンタスは毎日5便を提供して居る。
Air New Zealand to sell Virgin Australia stake to fund expansion: Chengdu could be next after Manila
スクートは、向こう数カ月の間に、アムリトサル、チェンナイ、そしてジャイプール線の開設を予定して居り、インドへの拡大に集中している。このシンガポール航空の中長距離LCC子会社は、SIAグループのエアライン各社との乗継可能性を改善する計画を開始しようとして居るところで、新たなインドからの便を埋めるためには、乗継旅客に相当、頼る事になるだろう。
シンガポール航空は2004年から2009年まで、アムリトサルに就航して居たが、スクートはアムリトサル、ジャイプール市場に飛ぶ初のSIAグループのエアラインとなる予定だ。SIAグループはスクートが、グループ4番目、もし地元との共同事業のエアラインであるビスタラを入れれば5番目のSIAブランドになり、インドに於ける路線網を15の目的地まで拡大する予定だ。
スクートは、チェンナイでは、A320を週間11便運航して居たが、2016年5月遅くにスクートが787-8の毎日1便を就航させるのに合わせて撤退する、近距離の姉妹LCCであるタイガーエアを、継承する計画である。チェンナイはこの6ヶ月間でスクートが他のSIAグループのエアラインから継承する第3番目の目的地になろうとして居る。
Scoot begins new phase of strategic expansion for the SIA Group: three new routes to India