CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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TAPポルトガル航空:所有者移転ほぼ完了=アズールとの関係が実を結び始める中で
22-Apr-2016
ブラジルのLCC、アズールの会長であるデイビッド・ニールマンを含む、TAPポルトガル航空の新たな株主アトランティック・ゲートウェイ・コンソーシアムは、多くの変革を矢継ぎ早に進めて来た。
2015年11月のアトランティック・ゲートウェイの投資は、アズールとの営業関係へと繋がり、TAPの顧客には、ブラジルの国内線地点への途を開き、アズールの顧客にはTAPのブラジル-ポルトガル間の路線網への扉が開いた。アズールが欧州線を開始する事から、両社はまた相互に路線の再編をして居る。更には、TAPは、アズールが以前に発注して居た航空機を受領する事で恩恵を受けるだろう。
TAPは2015年には損失を計上して居るが、所有の問題と長距離路線展開については、以前より保障されて居る。然し、同社の欧州路線市場に対する浸食が進んでいる事は懸念材料になりつつある。ポルトガル-西欧間路線でTAPに次ぐ2番手である、ライアンエアのCEOは、最近、向こう数年間で、ポルトガルでTAPを追い抜くだろうと語って居る。この脅威に対抗する戦略が極めて重要である。
TAP Portugal: ownership changes almost complete, while Azul relationship starts to bear fruit
ノックエアとノックスクートの2016年展望:中国での拡大に集中=収益性が向上する中で
21-Apr-2016
タイのノックエアとその長距離姉妹エアラインである、ノックスクートは、2016年の残りの期間は、中国での拡大に集中する計画である。ノックは2016年6月には中国への定期便の運航を開始する予定で、ノックスクートは2016年下期に、現在ある中国内の4つの目的地を越えて、路線網を拡大する計画である。
ノックは、2016年下期に同社の21機ある737-800を23機に増やし、供給追加分を主に中国に振り向ける予定だ。ノックは、ボンバルディア・ダッシュ8・ターボプロップの追加分2機を受領して、737-800を国際線に開放しようと考えて居る;これは、現在、国内線に使って居る機材だ。同社はまた、乗員不足の問題を解決しつつあることから、機材稼働率を向上させ、更なる供給追加を予定して居る。
ノックは、2015年の全旅客輸送実績の91%は国内線と、伝統的に、ほぼ完全に国内線に力を集中して来たが、まずは中国に焦点を当てて、国際線に拡大する事で、多角化を図ろうとして居る。またノックスクートが2015年に就航した事で、グループが国際線に拡大する事が可能になって居る。ノックスクートは現在、777-200を3機運航して居り、2016年に、もう2機の追加を企図して居る。
Nok Air and NokScoot 2016 outlook: focusing expansion on China as profitability improves
インドネシアのライオングループ=更なる国際線拡大に集中し始める
インドネシアのライオングループは開業から15年間を、ほぼ完全に国内線に集中して来た後に、国際線市場に存在感を築こうと、準備して居る。ライオンは、中国、米国以外では、最大の国内線エアライングループであるが、ポーランドのLOTほどの規模の国際線を持って居る。
国際線拡大に先立って、傘下の5つのエアライン全てに、IOSAの認定を取らせようと、同グループの基準を上げようとして居る。インドネシアの子会社各社もまた、現在、EUのブラックリストからの除外を確保する手続きを進めて居る。
IOSAの認定、EASAの承認は、共に、ライオングループ傘下の各エアラインが、各国の民間航空当局から、認可を確保するのを手助けしてくれる筈だ。それは又、海外でのライオンブランドを強化し、新たなコードシェア提携社確保を容易にして呉れる筈だ。
Indonesia’s Lion Group begins to focus more on international expansion
バージン・オーストラリア、エアニュージーランド後の未来を検討=シンガポール航空の投資増強が一番人気
19-Apr-2016
バージン・オーストラリアの将来は、基本的に健全であるが、エアニュージーランドが、その25.99%の持分の一部又は全てを売りに出す可能性を表明して以来、所有形態の不確実性が生まれて来た。エアニュージーランドのCEOである、クリストファー・ラクソンは、株主として、唯一、公然と「バージン・オーストラリアは利益を上げる必要がある」と述べ、彼自身が取締役を辞める前に、バージン・オーストラリアのCEOであるジョン・ボルゲッティの辞任を求めたと報じられた。会長のエリザベス・ブライアンは、同じくこの要求を拒否したと伝えられて居る。
この発表では、他のエアラインが、株主に加わる、或いは、現株主のエティハドとシンガポール航空が持分を増やす、或いは又、全面継承して、同社の上場を取り止める事さえあり得ると言う、扉は開いたままになって居る。シンガポール航空は豪州に、最も明らかに戦略的な投資をして居るエアラインであり、容易にバージンを買収して、資本構成を変更する資金も持って居るので、一番動くだろうと思われて居る。然し、これには全く確証は無い。即ち、公には如何なる発表も無いし、(有りそうに無い事だが)全く買い手がつかない事もあり得る。
Virgin Australia explores a post-Air NZ future. Singapore Airlines favourite to increase investment
CAPA米州サミット:ラテンアメリカ、依然有望=オープンスカイ政策が米国国際線を牽引して
18-Apr-2016
エアラインが、国際線路線の妥当性を決定するために使う、評価の過程は、単なる潜在的収益性を計算するだけではない。政府や、インフラの制限、最終目的地まで旅する旅客の顧客としての経験など、無数にある観点から配慮を加える必要がある。
アメリカンとデルタは相変わらず、米国がアラブ首長国連邦、そしてカタールとのオープンスカイ協定について、政府間の協議をする必要があると声高に訴え続けて居るが、完全に自由化された航空協定は、未だに米国からの国際線拡大の基本である。特に、米国3大ネットワークエアラインのハブシステムから外れた空港にとってはそうだ。
ブラジルと交渉継続中のオープンスカイ協定、メキシコとの2国間協定、最近結着した米国=キューバ間で定期便を復活させる合意などが、米国のエアラインには、ラテンアメリカやカリブ海各国への乗り入れを広げる好機を創って呉れて居る。然し、これらの地域への拡大には、明らかに、リスクが付きまとい、これらの国々への路線で成長する事の恩恵は、中長期的にしか現れて来ない。
CAPA Americas Summit: Latin America remains promising as open skies drives US international growth
2015年空港小売業の実績:中間層の成長から利益を上げる期待
18-Apr-2016
多くの空港の小売業者から、2015年の財務実績が発表されつつある。これらの実績は、空港運営の事業の中でもしばしば見落とされる部分であり、その生み出す収入は、しばしば、空港にとって、極めて大切な収入の一部である、支払い家賃に大きく影響する。
CAPAでは、プロフィールデータベースの「サプライヤー」の項目に、空港小売業、免税店、ケータリング事業者の広範なデータを保持して居る。彼らのリストは、このレポートの末尾に掲載してある。間も無く、2016年3月に終わる会計年度の財務関係のレポートを、更にご期待頂ける。
入手可能な財務レポートから、完全な結論を導き出すことは出来ないが、航空業界のこの分野は、世界的な旅客数の増加から潤っている様だ。一方、結果は、ここにリストされて居る様な企業が主に活動して居る、主要空港での事業者の実績の様に決定的とはいかない。この事は、例えば、比較可能な、EBITDA利益率実績の水準から伺う事が出来る。今や業界が成長を取り戻したのだから、プライドのある主要空港の運営事業者なら、25%以下のEBITDA利益率を発表したがる者は居ないだろう。
グランドハンドリングの分野と同様に、過去数年間というもの、小売業界にも高度な水準で統合が行われて居り、未だに買収からの立ち直りの過程にある、幾つかの大手の運営事業者の業績に影響を及ぼして居る。
*EBITDA=利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益
Airport retailers 2015 results: looking forward to profiting from a growing middle class
ベトジェットエア、戦略的国際線拡大を開始=エアアジアの裏庭、クアラルンプールへの就航で
18-Apr-2016
べトジェットエアは、ホーチミン=クアラルンプール路線でエアアジアに挑戦する事で、急成長するベトナムのLCCとして新たな局面に入ろうとして居る。クアラルンプールはべトジェットにとって6番目の国際線目的地であり、他のLCC達との競争に直面する市場としてはまだ、ほんの4番目である。
2011年遅くの立ち上げから、べトジェットは主に、現在17の目的地に飛んで居る国内線市場に集中して来た。然し、ベトナムの国内線市場は4年間の急成長の後、飽和状態になって居り、べトジェットとしては戦略的に、国際線でのより大きな存在感を構築する必要がある。
べトジェットはまた、高尾、台南への新規就航、そしてホーチミン=台北の毎日2便目を計画して居り、台湾でも拡大しようとして居る。然し、同社は海外でのブランド確立を阻む障害に直面して居り、既に国際線市場でも幾つか後退を経験して居る。
VietJet Air begins strategic international expansion with Kuala Lumpur launch in AirAsia’s backyard
日本の観光業界、目標を倍増=エアラインは供給を落としたが、長距離路線が焦点
18-Apr-2016
中国は、大規模な海外旅行ブームだが、隣国の日本は入国観光客の大成長物語である。世界でも人口の最も多い国の一つで、豊かな文化を持つ国でありながら、日本はこれまで、入国者数で目立った記録が殆ど無い。それが急速に変化して居る。2010年から、2015年の間に、日本は、年間の入国訪問者数を1,100万人も伸ばして居る。2020年に訪問者数2,000万人と言う目標だったが、それより5年も早く、2015年を1,970万人で締め括った。日本政府は、今度は、目標を倍増させた。即ち、2020年迄に日本はもう2,000万人、そして、続く10年間には、もう3,000万人欲しいとしたのだ。この10年間が終わるまでに、日本は世界で最も人気のある観光国10カ国のリストに入ることを期待して居る。そして、2030年までにはトップ5に入るかも知れない。
中国とその他のアジア市場が、この成長の殆どを牽引して居る。即ち、1998年には訪問旅客数の62%だったこれらの国が、2016年には87%を占めているのだ。欧州、北米、そして豪州/ニュージーランドへの長距離市場は、これに従って減少して居る。日本の新しい観光の目標は、これらの長距離市場とのバランスを取り戻し、そこからより強力な成長を得ることだ。然し、そこに供給が無い。
全体として、長距離路線への供給は、近年、削減されて来た。バージンアトランティックとオーストリア航空は、便を休止し、一方、イベリアとLOTが参入したものの、エアフランス-KLMとルフトハンザが、大きく供給を削ろうとして居る。アメリカン航空が、便を増やしたが、2016 年、デルタは、他のどのエアラインより多くの長距離路線供給を撤退させようとして居る。日本政府は、これまで認可して来た共同事業を見直すか、或いは、第5の自由輸送権を、より柔軟に認める事を考えるかも知れない。
Japan tourism targets doubled, despite airline capacity decreases. Long haul focus
ビバアエロブス、2016年を積極的な勢いで開始=収益の上がる成長が将来への鍵
13-Apr-2016
メキシコの低コストエアラインであるビバアエロブスは、前年の損失を逆転させ、堅固な*EBIDTAR利益率を計上し、2015年を上り調子で終えた。同社は、保有機の刷新計画の最終段階にあって、2006年の就航以来使ってきたボーイング737クラッシックを退役させ、ずっと新しいエアバス狭胴機の保有機群に移行する必要がある。
2000年代半ばに創業した、新たなメキシコの低コストエアライン(ビバアエロブス、インタージェット、及びボラリス)の中で、ビバアエロブスは市場占有率から見て、最も小さいままである。
アエロメヒコ、インタージェット、ボラリス、そしてビバアエロブスはメキシコを支配するエアラインであるが、2015年のビバアエロブスの12%と言う占有率は、大差をつけられた第4位である。これはビバアエロブスが、路線網を広げる歩を進めるため、より大容量の機材で保有機群を拡大して居る事から、変化する可能性がある。
ビバアエロブスは2015年、短命だった多くの国境越え路線を休止し、2017年に国際線の拡大を再開する前に、2016年は国内線路線網を完成させることに集中している模様だ。
向こう数年間で、もしこのメキシコ最大のエアラインの拡大計画を支えるに充分な需要さえあれば、ビバアエロブスはメキシコ市場に於けるその地位を上昇させるかも知れない。
*EBIDTAR:Earnings before interest, depreciation, taxes, amortization, and restructuring or rent costs 利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前およびリストラ費用または賃借料前利益
VivaAerobus starts 2016 with positive momentum. Profitable growth is the key to its future
ミャンマーの航空界 第4部:空港開発が成長を可能にする=然し、ヤンゴンがハブの位置付けを取り戻すのは難しそう
12-Apr-2016
ミャンマーは、ヤンゴンの空港への大規模な投資に続いて、急速な航空界の成長を実現する軌道に乗って居る。現在のヤンゴン空港の拡張と、新空港の建設がミャンマーの将来有望な観光分野の成長へのプロジェクトを支えるだろう。
新装なったヤンゴン空港は、また、かつて数十年前に、アジアと欧州の途上で、航空便の寄港地だった機能を取り戻して、ハブの役割を引き受ける事に躍起となって居る。ヤンゴンが充分にハブの機能を発揮するには、遥かに大規模な地元エアラインが必要だろう。
ANAと地元の提携先が新規共同事業の国際線エアライン、アジアンブルーを提案して居るが、これが、ヤンゴンがハブへと成長する可能性を支えるかも知れない。然し、アジアンブルーはミャンマーに現存する二つの国際線エアラインと競争しなくてはならないだろうが、この新規エアラインの事業形態が明確でない。また、東南アジアの既に確立したネットワークエアラインとハブとも強烈な競争になるだろう。
Myanmar aviation Part 4: airport development enables growth but Yangon unlikely to regain hub status
欧州のエアライン統合 第2部:主要グループのM&Aの可能性=その利点と障害物
12-Apr-2016
欧州エアライン市場構造と欧州の統合に関するレポートの第1部では、エアライングループ上位20社が、75%の供給席を持つ事に脚光を当てた。これは、北米の上位6社と同じ占有率である。市場占有率の点では、欧州の上位20社が、北米の上位6社に等しい事は、両地域のエアラインの間にある、統合の進展の大きな隔たりを強調して居る。20社を6社まで統合して、北米の市場構造を欧州に再創造するためには、多くの合併や買収取引などが必要だろう。
このレポート第2部は、仮定の議論であり、ある種、夢の様な話である。供給席数占有率で、北米の上位6社が占める占有率にほぼ匹敵する欧州の上位20社の間での組合せを順々に描いて紹介する。
この事は、欧州のより小規模な上位6社、ルフトハンザグループ、IAG、ライアンエア、エアフランス-KLM、トルコ航空、そしてイージージェットの中での縁組も含め、大きな合併や、買収の過程が必要となるだろう。これはまた、2番手のFSCやLCCの間での取引も幾つか含まれる事を意味する。
然し、当面は、欧州での大規模な縁組については比較的ありそうにないし、小規模なものへの障害さえ存在する。
European airline consolidation part 2: M and A potential of major groups; benefits and hurdles
超LCCフロンティア航空、新たに見つけた安定性を強調の要あり=IPOの可能性を前にして
フロンティア航空は多分、過去8年から9年の間に、他のどの米国エアラインに比べてより多くの変化を経験して来たと言えよう。リパブリック航空ホールディングズの子会社としてチャプター11会社更生法適用の中から這い上がって、ニュージャージー州トレントンやデラウエア州ウイルミントンの様な小都市や副次的な市場などへの、多くの路線網戦略を試して来た。
同社は、2014年遅くに、インディゴ・パートナーズに買収され、超低コストエアラインへの移行を開始し、今やそれが完了して居る。超LCCの仲間であるスピリットと同様に、フロンティアは昨年、経営陣の刷新を行って居るが、現在のところ、経営チームは安定して居る。
2015年の終わりに、フロンティアの所有者たちが新規株式公開(IPO)を考えて居るというニュースが表に出て、更に最近、同社を上場させようとする考えが力を増して居る様だ。エアライン各社は自分らの株は割り引いて取引されるだろうと考えて居るのが業界感覚なので、それは、興味深い動きであるが、フロンティアには健全なエアバスへの発注リストがあり、これが株式を公開しようとする動機のひとつと言えるかも知れない。
ULCC Frontier Airlines needs to emphasise newfound stability ahead of a potential IPO
湾岸エアライン3社の拡大=エミレーツは安定、カタール航空は加速、そしてエティハドは緩める
中東の3大エアラインであるエミレーツ、エティハド、そしてカタール航空は、2016年、それぞれ異なった拡大路線を歩もうとして居る。エミレーツは、概ね、最近の年間ASK伸び率10%を維持して進路を守ろうとして居る。カタール航空は拡大を加速し、これまでの所、2016年はエミレーツが伸ばすのと同じくらいのAKS拡大として居り、最初の年は、そうすると思われる。
エティハドは、創業以来短い歴史の殆どを、およそ年間20%の拡大とした後に、ASKの正味の伸びでは2012年、2013年の水準に似て居るが、10%の伸び率に緩めようとして居る。エティハドは拡大を落ち着かせ、ずっと使ってきた機材を更新し、原油価格の急激な下落の後、中東のどこでも見られる様に、アブダビ政府が支出を絞って居る中で、出資者からの資金面の改善を図りたい意向だ。
2016年、エティハドの規模は、およそエミレーツの2007年半ばあたりに等しくなるが、一方、カタールの2016年は、およそエミレーツの2010年の規模になるだろう。エミレーツは2010年から2016年の間に規模を倍にして居る。エティハドは提携先の拡大を追及して居る。問題の兆候がある。即ち2014年10月以来17カ月中の15カ月で、ASKの伸びが、RPKの伸びを上回り、搭乗率は最近の数年間には無かった様な低い数字に落ちて居るのだ。
Gulf 3 airline growth: Emirates steady, Qatar Airways accelerates & Etihad Airways slows
欧州のエアライン統合と収益性 第1部=エアライン上位5社の占有率は僅か43%
8-Apr-2016
欧州のエアラインの統合問題は、これまでいつも発作的であり、近年は本当に大規模な案件が結局、立ち往生してしまって居る。これとは対照的に北米はエアラインの統合の進展ではお手本となって居る。アラスカ航空のバージンアメリカ買収の発表は、再び欧州と北米のペースの違いに脚光を浴びせて居る。
この第1部で、CAPAの欧州エアライン市場構造と統合の分析は、欧州の市場集中を世界各地域のそれと比べ、収益性との繋がりを見る。それは主に、欧州と他の2つの地域、北米とアジア太平洋の比較に焦点を当てたものになるが、中東、ラテンアメリカ、そしてアフリカなど、その他全ての地域の市場集中に関するデータも用意した。
欧州の細分化されたエアライン市場は、より統合された北米の同業者に比べ、収益性が劣って居る(殆どの指標で、欧州は、アジア太平洋より細分化されて居ないが)。欧州のエアライングループ上位20社は、北米の上位6社と同じ座席占有率である。
このレポート第2部は、欧州の上位20社を、北米の上位6社に合わせて、6つのグループに再編するために考えられる組み合わせについて考察する。
European airline consolidation and profitability Part 1: top 5 airline groups have only 43% share
ミャンマーの航空界 第3部:国内線の成長鈍化するも統合の行方は見えず
8-Apr-2016
ミャンマーの国内線市場は、鈍化した成長と採算性の悪さから、引続き苦戦して居る。統合の行方は見えず、3百万人に満たない市場に10社が競い合う結果になって居る。
合併や撤退は避けられない。比較的小規模な幹線で、数社が競い合って居ると言う現状は、持続可能では無い。新しい政府はミャンマーのエアライン部門を刷新して採算性を改善する様な改革をしようとするだろう。然し、変革は確かな物とはとても言えない。
これはミャンマー市場の分析レポート・シリーズの第3部である。第1部では、外国エアラインの分野及び、ミャンマーのダイナミックな国際線市場を、第2部では、ミャンマーの2つの主要な国際線エアラインである、ミャンマー国際航空(MAI)と、ミャンマー・ナショナル航空(MNA)の展望について検証した。
Myanmar aviation Part 3: domestic growth slows but
consolidation remains elusive
アラスカエア・グループ-バージンアメリカ=アラスカは米国市場のシェア拡大の為にデレバレッジへ
その歴史の殆どでアラスカエアグループは、北西太平洋地域に力を築いて来た。
2000年代に始まって、同社は、貸借対照表のリストラを行い、2014年には誰もが羨む投資適格対象という格付けを獲得した。この記念すべき道程は、2012年、アラスカが最大のハブと本社機構を持つシアトルに、デルタ航空が大掛かりな進出を開始した後に起こった。
アラスカは、おそらく、デルタの攻撃の下に頑張り抜いて来たのだが、今度は、バージンアメリカを買収すると言う、大胆な行動をとった。アラスカの動機は、充分な規模を築いて、統合の進む米国市場で、自立し続けることだ。3大グローバル・ネットワークエアライン(アメリカン、デルタ、そしてユナイテッド)は、主に、これらのエアラインが、サウスウエストと合わせて、米国国内線供給席数の82%を牛耳っていることから、市場占有率の確保を、現在の産業の環境では、概念として時代遅れだとして、やめてしまった。
もし、アラスカが、バージンアメリカの買収、そして統合合併に成功すれば、米国市場における同社の規模は、特に西海岸で改善する事になる。
Alaska Air Group-Virgin America: Alaska deleverages to expand US market share
企業渡航マネージャーには、サービスの提供とコスト削減のバランスをとる必要がある
7-Apr-2016
企業渡航管理の優先事項は、節約とサービスの間を揺れ動いて居るが、新たな研究の
結果は、組織は、今や双方を求めて居ることを示唆して居る。業務渡航の管理者にとって問題は、旅行形態及び、予約方法の変化、そして、複雑な配慮の必要性から 問題はますます高まって居る。
最新の、企業渡航管理者協会(ACTE)が、アメリカンエクスプレスGBTと提携して行った分析に依ると、現在の企業の方針を取り囲む環境は、圧倒的に、節約と言う考え方から形作られて居る。
ACTEへの回答者の半数以上(52%)は、経費節減が、彼らの組織の最重要の旅行方針であると認め、¼弱(23%)が配慮の義務、16%が旅行者の体験を改善する事であるとして居る。アラン・リーボウイッツが結果を検証する。
Corporate travel managers need to balance delivering service and cutting costs
ミャンマーの航空界 第2部:ミャンマー国際航空とミャンマーナショナル航空=合理化の必要あり
7-Apr-2016
ミャンマーの航空産業は、ミャンマー国際航空(MAI)とミャンマーナショナル航空(MNA)の競争が激化し、緊迫した状況に近づいて居る。この元は仲間同士だった2社が、今や、長期的に見て、せいぜい1社を支えるのが手一杯の国際線市場で激しく争って居る。
2010年に民営化されたMAIと、未だ国営のMNAは共に、ヤンゴンからバンコク、シンガポール路線を運航して居る。両社は、共に国際線の路線網を拡大する計画で、更なる重複は不可避である。
ミャンマーの新政府は、以前は国内線専門だったMNAの、野心的な国際線拡大を資金援助すると言う決断を再検討するかも知れない。
現在の状況は継続不可能に思えることから、MNAとMAIの提携、或は統合合併さえ、妥当なのかも知れない。
Myanmar aviation Part 2: Myanmar Airways International & Myanmar National Airlines must rationalise
ミャンマーの航空界 第1部:急速な国際線の拡大=エミレーツの乗り入れが始まり、課題多き状況に
5-Apr-2016
ミャンマーの国際線市場は、2016年下期に、幾つかの新規路線が開設されて、新たな供給追加の大波を受けようとして居る。極めて急速な成長の後、2015年にミャンマーの国際線の旅客数の伸びは大きく鈍化して居るが、市場が再び注目を集め始めたために、再加速の可能性もある。
カタール航空に次いで、エミレーツが2016年8月にドバイからヤンゴンへの新たなデイリー便を開設し、ミャンマーから長距離路線を持つ、僅かに2社目のエアラインになる予定だ。これから数カ月の間に、香港エクスプレスとタイライオンエアも、ミャンマーへの路線開設を計画して居る。
現在、ミャンマーに就航している外国エアラインは、4年前には13社だったのに比べ、24社である。ミャンマーの国際線市場は、2011年以来、規模を倍増して居るが、供給過剰が付きまとう問題であり、更なるエアラインの参入があり、状況は引き続き困難なものになりそうだ。
Myanmar aviation Part 1: rapid international growth but challenging conditions as Emirates enters
ソウル/仁川空港、15年間で旅客4,900万人=2030年に1億人を優に達成するペース
4-Apr-2016
ソウル/仁川空港は2001年3月遅く開港して以来15年を迎える。全く新しいこの空港はそれ以来、4,900万人を集めて、北東アジアで第5の規模の主要ハブになった。仁川は、2030年に司会を凝らして居る。即ち、乗り継ぎ旅客2,000万人を含め、旅客数を倍増させ、1億人と計画して居る。これは、2015年、旅客総数の15%を占めて居た乗り継ぎ旅客数740万人の、ほぼ3倍である。
乗り継ぎ旅客数を、20%の占有率にあげることは難しい。何故なら、仁川空港での乗り継ぎ旅客需要は翳りを見せて居るのだ。乗り継ぎ旅客総数は、2014年に減少して居り、2015年には、依然として、最盛期の2013年よりも低い数字である。2015年の乗り継ぎ旅客数の占有率15%は、2014年の16%、そして2013年の19%より低い。中国本土から、北米への直航便の供給席数が増えた事が、仁川の乗り継ぎ事業を圧迫して居る。即ち、北京首都空港は、2016年末までに香港の北米向け供給席数を超えそうである、一方、上海/浦東もそう後れをとっては居ない。
Seoul Incheon airport: 49 million passengers in 15 years. Well on the way to 100 million in 2030
エジプト:航空旅行が地政学的出来事に敏感に反応=国際線供給席数が減少
エジプトへの航空旅行は、地政学的出来事に敏感な反応を続けて居る。まさに冬季スケジュールが始まろうとする2015年10月末の、メトロジェットの事故からの下降現象は2016年の夏スケジュールがやって来ようとしても相変わらず続いて居る。ロシアとエジプト間の全便が引き続き運休で、英国と紅海のリゾート地であるシャルム・エル・シェイクへの便も同様である。2016年3月29日のエジプト国内線で起き、ラルナカに着陸させられたハイジャック事件で、エジプト航空業界の安全性への懸念に更にスポットライトが当てられた。
エジプトへの国際線の座席供給は、2010年のアラブの春で途切れるまで、何年もの間、毎年2桁の伸びを享受して居た。そして、実質的に供給が伸び悩む時期が続いた。2015年になって、国際線の供給は、再びこれらのより最近の事件に阻まれるまで成長に転じて居た。OAGのデータに依れば、国際線の国際線の供給席数は、2016年の夏スケジュールでは、4%減少する。
ロシアと英国のエアラインが、この夏の供給減に最も大きく影響して居り、エジプトのエアライン、そして他の中東各国の多くの外国社はエジプトへの国際線を伸ばし始めて居る。エジプトの観光市場は過去にも回復力を示して来たが、今回もまたそうなりそうである。
Egypt: air travel's sensitivity to geopolitical events shows in falling international seat numbers
エアライン業界の協会に将来はあるか?=CAPA「過渡期のエアライン」
4-Apr-2016
2015年に注目を集めた2つのエアラインの、地域のエアライン協会からの脱退(デルタがA4Aから、IAGがAEAを去った)により、将来の役割に対する疑問が湧いて居る事は間違いない。この問題は、欧州で、特別な目的達成の為に協会横断的な組織化が始まると、更に複雑になる。
デルタは、会費やATC民営化問題からA4Aを去ったが、IAGは、自由化対保護主義と言う、より幅広い政策的立場の相違からだった。IAGはそれから、以前にはLCCの牙城だった、ELFAAのメンバーとなった。次いで、戦術を更に深めて、極めて目的を絞った新たな組織、A4Eを結成する為に、エアフランス-KLM、ルフトハンザ、イージージェット、そしてライアンエアと組んで居る。
2016年3月ダブリンで開催された、CAPAの「過渡期のエアライン(AIT)」会議は、欧州の4つのエアライン協会(AEA、A4A、ELFAAそしてERA)の代表者、空港商業組織(ACI欧州)、及び、経験豊かなアラブ航空会社協会の代表者を一堂に集めたパネルを招集した。企業渡航協会のクルト・ナックステッド会長の司会で、パネルはこれらの組織の妥当性と将来について提議した。
Do airline industry associations have a future?: CAPA Airlines in Transition
ドバイ、ドーハ、そしてアブダビ各空港、旅客数最高を記録=助けにならない課税が拡大の障害になる可能性
3-Apr-2016
中東の様に急速に成長する地域で、記録を更新するのは、当たり前の事である。驚くまでも無く、この地域の3つのハブ空港であるドバイ国際、ドーハ、そしアブダビが、2015年、史上最高の旅客数を記録した。ドバイ国際は、世界で最も忙しい国際線空港として、ロンドン/ヒースローとの差をさらに広げた。ドバイ国際は、また、国内線旅客が主のアトランタ、北京に次いで、全世界で3番目に忙しい空港である。アブダビは前年の記録に340万人の旅客を加え(+17%)、ドーハは460万人(+17%)増とした。アブダビとドーハは、併せても、ドバイの規模の68%だが、旅客数では、一緒にすると(8百万人)、ドバイ(750万人、+11%)より多く増加して居る。
今や、この地域は、増税と料金値上げにも関わらず、拡大を維持出来るかと言う問題に直面して居る。2016年3月30日、ドバイは、新たな出国料金AED35(9.53米ドル)を発表した。これは、現在、乗継旅客に課せられる唯一の料金となり、ドバイは2016年、これで、数百万ドルを稼ぎ出すと思われる。アブダビとドーハは料金の値上げをして居ない。現状維持を固守する事は差別化になるかも知れないが、或は、湾岸各国政府が新たな収入源を求めて居る中で、簡単に手に入る現金の魅力に屈する可能性もある。
Dubai, Doha and Abu Dhabi airports win record traffic. Unhelpful taxes could challenge growth
セブ・パシフィックとフィリピン航空、競争が拡大=マクトン-セブ空港で
3-Apr-2016
セブ空港は、フィリピンで主要な二つのエアライングループの戦場として注目を集めて来た。セブパシフィックとフィリピン航空(PAL)は、共にセブで、混雑するマニラを避けた地点間路線の、収入単価を圧迫しながら、野心的に国内線拡大を目指して居る。
セブパシフィックは、ハブであるマクタンセブ国際空港から、7つの国内路線で供給を追加して居る。PALはセブからセブパシフィックも増やして居る3路線を含め、6つの国内路線で供給を増やして居る。
過去3週間にセブに就航した4便など、新規の国際線便は新たな送客源を作り、国内線の拡大支援に役立つだろう。
然し、国内線拡大は往々にして幾つかの路線で、供給過剰を誘発し、昨年既に供給増の大波を経験して居て、極めて価格に敏感な国内線市場で収益性に悪影響を与える可能性がある。
Cebu Pacific and Philippine Airlines competition activity escalates at Mactan-Cebu Airport
バージン・アメリカ、身売りの憶測=海南航空、ジェットブルー等々、新所有者にはタイミングが最重要に
30-Mar-2016
バージン・アメリカが存在したほぼ8年の間、このエアラインの所有構造は、商品の位置づけや顧客の好意的な感情と同じくらい興味を惹いてきた。2016年3月遅くに、同社が買収の可能性についての打診を受けたと言う報道が浮上し、これにより、同社は複数の買い手候補に接触することとなった。
この展開は、米国のライバル社から外国エアライン、或はエアライン以外の民間の投資会社まで、考えられる買い手についての諸説が嵐の様に湧き上がった。バージンアメリカに興味を抱く、全ての企業が、米国市場では小規模なままである同社のリスクと見返りのシナリオを注意深く検討しなくてはならなかった。即ち、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ラスベガスそしてニューヨーク/JFKの上位4基地での供給席数で見ても、支配力のあるエアラインでは無い。
バージンアメリカの全部、または一部を売却する可能性があると言う事の最も論理的な要素は、同社に対する長期に亘る投資家がついに売りに出すという事は、同社がある程度の持続可能な収益性を持つに到ったと言うことだろう。概念としては他のエアラインが、論理的にバージンアメリカへの求婚者となり得る一方で、バージンアメリカの将来が姿を現そうとする間に、米国と世界のエアラインビジネスは違った局面を迎える事を考えねばならないだろう。
Virgin America sale speculation: Hainan, jetBlue and others. Timing could be critical for new owners
深圳空港、長距離路線6便を追加=香港から旅客を取り戻すために
1-Apr-2016
中国の航空界の変革のペースには、人を怯ませるものがある。2015年、1年間の中国エアラインの国際線市場の伸びは、それ以前の3年間を併せたものに等しい。中国のエアラインは、路線網をより大きく広げる為に、彼らのハブの外に伸びて居る。上海の豊かな市場は、中国国際、海南航空に長距離路線便を開設する様導いて来た。
この数ヶ月の間に、南部中国の深圳は、長距離路線便の無い状況から、2016年中に、4社が6路線を開設するまでになって居る。シドニー線は既に開設され、これに続いては、オークランド、フランクフルト、ロサンゼルス、メルボルン、そしてシアトルが考えられ、他にもまだ続くのは間違いない。深圳は、これ以前の目標に達しなかったが、これは、例え、その殆どが、可也の補助金の裏付けがあったとしても、注目に値するリストである。
この拡大は、深圳が、近距離国際線を開発しようとして居る最中だった事を考えると特筆すべき事で、況や長距離路線をやである。国際線の旅客は、他のハブ、特に、フェリーやバスの路線網を通じて、集客域を広げ、多様な交通機関相互のハブに成るには、優れた利点を持つ香港に流出してしまったのだ。香港は供給が逼迫する危機にあるとしても、珠江デルタの旅客需要が深圳に戻って行って欲しくないだろう。例えそれが不可避だとしても。
Shenzhen Airport adds six long haul flights in a bid to win back traffic from Hong Kong
JALとエアアジアの提携=東南アジアでJALがANAに追い付くのに役立つ可能性あり
30-Mar-2016
JALは、経営破綻からのリストラ後に課せられた、事業拡大の制限が解除される期日とされる2017年4月1日を熱心に、指折り数えて待って居る。制限規定は複雑で、例外が設けられて居る。即ち、JALはボストンやサンディエゴなどの新地点の開設、ジェットスター・ジャパンへの投資は許されて来たが、その他の路線開設や、スカイマークエアラインへの投資は出来ないと言うものだ。この数年は、日本の2番手エアラインだったが、政府の支援とJALの事業拡大制限を利用して長距離路線拡大から、スカイマークの買収、そしてA380の購入まで、野心的な事業拡大を開始した、JALのライバルANAには大当たりだった。
JALは、急速な供給拡大を始める事はなさそうだ。同社は、エアラインの高い利益率を維持する事に集中して居り、一方でANAグループの戦略である、非周期的地上事業(乗員訓練、整備など)を真似て居る。然し、一つ例外なのは、ANAが拡大を続ける東南アジアである。日本は、観光客の流入とともに、政治的に、そして商業的にも東南アジアにより近くなって居る。
然しながら、組織的成長となると依然、躊躇がある。一つの解決策として、幅広い路線網と、成長するビジネス需要に繋げてくれる、エアアジアとの提携があり得る。見返りとして、JALは目下、始動に手間取っており、保護者の支援があれば助かるに違いないエアアジア・ジャパンに投資する事もあり得る。JALはANAと同じく、2つのLCCを持つことになる。即ち、JALは現在、ジェットスター・ジャパンに投資して居るが、その親会社のジェットスターは部分的にはエアアジアの競争相手である。JAL-エアアジア連合になれば、かつてエアアジア・ジャパンはANAとエアアジアの共同事業で、苦い不一致の結果、提携を解消して居ることから、ANAの主たる2つの敵が団結する事になる。
A Japan Airlines-AirAsia partnership could help JAL catch up with ANA in Southeast Asia
フィリピン航空、プレミアム・エコノミー導入=フルサービス、ネットワークエアラインのモデルを強化して
30-Mar-2016
フィリピン航空は、A350保有機を改修、及び新たにA350を受領するのに合わせ、プレミアム・エコノミー客室を導入する計画だ。PALは、アジア太平洋の中で、プレミアム・エコノミー客室を 持つ11番目のエアラインだが、東南アジアでは、新たに導入したシンガポール航空についで、まだ2番目である。現在、アジア太平洋で、通常のエコノミーに比べて、異なった水準の、サービスや座席などの、プレミアム・エコノミー商品を提供して居るエアラインは10社ある。
プレミアム・エコノミーは、最早、小さくニッチな商品ではなく、東南アジア中で、そして世界的に、比較的当たり前なものになりつつある。PALは、既に、自社のA321とA330では、プレミアム・エコノミー商品を提供して居るが、これは、通常のエコノミーと同じ座席で、僅かに足周りが広いと言うだけのものだ。PALは、保有する15機のA330の内の8機と、新たに発注した、6機のA350-900に、違うプレミアム・エコノミー座席を導入する事を決めた。
新しいプレミアム・エコノミー商品は2017年にA330で、A350-900では2018年早くからデビューする予定だ。PALは、その後、中長距離路線網全体で標準商品の提供が可能となるよう、777-300ER保有機群と残る7機のA330-300を改修する事にするかも知れない。
Philippine Airlines to introduce premium economy, reinforcing a full service network airline model
CAPA「過渡期のエアライン」:FSCは近距離路線のシェアを如何にLCCから取り戻せるか 第2部=経営レベル
フルサービスエアラインが近距離市場シェアをLCCから取り戻す事が出来る方法についてのレポートの第1部では、事業のより現場での詳細な問題について考えた。それには価格戦略、付帯事業収入、コスト削減への手法、商品とサービスの改変、そして極めて重要な、如何に従業員の支持を得るかを含んだものだった。
今回第2部では、より高いレベルでの3つの問題、即ち流通戦略、新たなビジネスモデルの構築、そして提携の活用について見てみたい。1部、2部ともに、レポートは、2016年3月10日〜11日にダブリンで開催されたCAPA「過渡期のエアライン」会議のリガス・ドガニス教授の司会による、パネルディスカッションで提起された、テーマとそれらに関して、出席者からの投票に基づいて居る。
4年前の第1回CAPA「過渡期のエアライン」イベント以来、LCC、FSCともに、主に相互に近づいて居るのだが、ビジネスモデルに可也の変化を遂げて来て居る。ハイブリッドモデルの登場にも拘らず、LCCは、依然として単位コストで優って居り、FSCは、まだ競争の問題に直面して居る。然し、LCCの供給席数占有率は、2013年以来、横這いである。
How FSCs can regain short haul share from LCCs Part 2: high level. CAPA Airlines in Transition.
米国3大エアライン対湾岸3社、あれから1年:オープンスカイ、縄張り、そして方針=CAPA「過渡期のエアライン」
30-Mar-2016
デルタ、ユナイテッド、そしてアメリカン航空が、エミレーツ、カタール航空そしてエティハドが国から補助金を貰って居ると申し立てる「白書」を発表してから、もう一年以上が経った。ダブリンで開催したCAPAの「過渡期のエアライン(AIT)」イベントには前米国国務省運輸担当副次官補ジョン・バイヤリーの司会のもと、業界の幹部を集めてパネルが持たれ、この問題を再検証した。
米国の3大エアラインは湾岸の3社への補助金は市場を歪めたと主張した。彼らは、米国政府に適確な2国間航空協定の元、調停を開始するよう、それまでは、新たな旅客便開設を凍結するよう求めた。この行動を取るべきか否かを検証する、腰の重い官僚的手続きは、まだ進行中である。欧州のエアラインもこの論争に引きずり込まれて居る。
同じ頃、湾岸各エアラインは、米国への増便を続け、新たな路線の開設を発表して居る。
究極的には、 米国3社の狙いは、湾岸各社に米国路線で無制限の供給を許す「オープンスカイ」の2国間航空協定を破棄するか、修正する事を考えて居る(2国間航空協定は、相互的に米国エアラインにも同じ事を認めて居る)。予期せぬ効率の高い競争に直面したエアラインからの、この皮肉な動きは、既に保護主義的な2国間航空協定システムを、更に歪めようとする試みと、大して変わらないものだ。
US Big 3 vs Gulf 3 a year on: open skies, playing fields and policy: CAPA Airlines in Transition
英国のバーミンガム空港の路線網=その野心を反映し始める
29-Mar-2016
英国のバーミンガム空港にとって、2015年は史上最良の年の一つとなった。ブリテン島で7番目に大きな空港は、そこの2番目に大きな都市に仕えて居て、最近獲得した路線が、そのまま都市の成長を牽引する力に重みを添えて居る。
この空港は、地元のライバルとは別に、ロンドン/ヒースローの様な巨大なハブや、スタンステッドの様な、低コストそのものの空港からも同様に、激しい競争を挑まれて居る。バーミンガムは他の産業で言えば、丁度、大小双方の経済的グループに挟まれた中規模企業に似て居る。然し、肝心なインフラが整い、高速鉄道の計画もあり、そして積極的な路線マーケティングも行って、バーミンガム空港はついに、公的及び民間の所有者の要望に応える段階に近づいて来て居る。
バーミンガムからの直航便は明らかに欧州に集中して居るが、現在そして計画中の路線のいくつかは滑走路延長後の供用開始以来、ごく新しいものだが、米国への2路線に加え、中東、南アジアへのものが目立って居る。
このレポートはバーミンガム空港の、現在と将来の成長の傾向、地元空港の統計、同空港が如何に異なる二つの集客域を持つ空港からの競争に立ち向かうのか、種々の指標、建設計画、そしてその所有形態などから検証する。
England's Birmingham Airport route network begins to reflect its ambitions
スピリット航空の保有機材変更、より小規模な市場への転換か?=依然として15〜20%で成長
28-Mar-2016
米国の超LCCであるスピリット航空は、航空機を賃借するのではなく、所有する事から得られる機会を掴み取る方向に、そして、A319の小さいタイプをリース契約更新期限に合わせて購入し、保有機材の調整をしようとして居る。同社はまた、A321の納期の遅い分の幾つかを、より小さなサイズのA320に切り替える可能性について、エアバス社と話し合って居る。これは、殆どのエアラインが、現有の航空機に座席を追加しようとしたり、より大きな機材を発注して居る、米国の市場の大部分を覆って居る傾向には、ある程度、逆行する行動だ。
スピリットの保有機材変更と、再検討は、2つの目的を満たそうとして居る様だ。まず、所有する機材の基盤を広げることで、エアラインは、コストの利点を最大限に維持できる。そして、2番目には、航空機のサイズに幾らか柔軟性を持たせることで、スピリットは、より小規模でより競争の少ない市場を路線網に加える事が出来るのだ。
2016年早々に、スピリットの新しいCEOは、幾つかの小規模市場の好機について仄めかし、露われて来たのは、同社が、路線網の構成を多様化する為に、保有機材の調整を試みて居ると言うことだ。
Spirit Airlines fleet changes reflect a potential shift to smaller markets, still growing at 15-20%