CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
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バージン・アメリカ、ハワイ線で業績好調=一方ダラスでの運賃設定は引き続き苦戦
供給は、最近落ちたものの、バージン・アメリカが、2016年第2四半期から始めるダラス・ラブフィールドからの幾つかの路線で供給を削る引き金となった、ダラス市場の運賃設定には相変わらず、強い圧力がかかって居る。昨年、ダラスは供給の桁外れの増大と、運賃の低下で苦境に陥った。然し、バージン・アメリカは、現在経験して居るこの圧力は、もはや供給と需要の方程式に従ったものでは無く、寧ろ、競合各社が搭乗率の為に実収単価を犠牲にすると決断した事が原因だと言う結論に至った。バージン・アメリカは運賃が低く抑えられた環境に、皆と同様に関わっているよりも、存在感を薄めて行く決断をしようとして居る。
2016年、バージン・アメリカはダラスから削った供給をロサンゼルスの基地からホノルルとマウイに行く便に振り向ける計画を立てて居る。これらの新路線は、2015年遅くにデビューを飾った、同社のサンフランシスコ基地からのハワイ線市場への便に続くものである。ハワイ路線と言う、既に他社がひしめく路線に参入したにも関わらず、バージン・アメリカはこれらの市場での実績に気を良くして居る。
同社は2016年第1四半期に旅客単位収入で3%から5%の低下を予測して居るが、一方、2016年通年での供給は14%から16%伸びる予定だ。ダラスでの状況は別として、バージン・アメリカは自社の路線網の業績には引き続き楽観的である。然し、殆どの米国のエアラインの状況と同様に、同社も早くとも2016年下期までは、PRASM*がプラスになる事はなさそうである。
*PRASM=有効座席マイル当たりの旅客収入
Virgin America cites a positive performance for Hawaii while pricing in Dallas continues to suffer
ガルーダのシティリンク、ジャカルタ/ハリムとメダンで拡大=国内市場占有率が15%に近づく中で
26-Feb-2016
ガルーダ・インドネシアの格安航空子会社シティリンクは、難しい環境下にも関わらず、市場占有率の向上を目指し、向こう2ヶ月間にジャカルタ/ハリムとメダンで拡大を計画して居る。シティリンクは2011年には3%だったのに比べ、2015年にインドネシア国内線市場の12%近くを占め、2016年には、ほぼ15%を獲得する筈である。
シティリンクの輸送旅客数は2015年に24%伸び、一方でフルサービスの親会社ガルーダの国内線旅客の伸びは10%だった。インドネシアの、かつては躍進して居た国内線市場がかなりの鈍化を見せて居る一方で、両社は過去2年間、ずっと市場占有率を増やして居る。
2016年の見通しは比較的に厳しいものだが、シティリンクは少なくとも現時点では、2015年同様の成長率を維持することを計画して居る。このLCCはまた、2015年に初めて年間の利益を達成したのに続いて、黒字を維持出来ると自信を持って居る。
Garuda's Citilink to expand at Jakarta Halim and Medan as domestic market share approaches 15%
北大西洋に第5の自由のエアラインは稀=これはどう見てもオープンスカイとは言えない
北大西洋に、オープンスカイ協定と呼ばれるものがあるが、市場アクセスには、未だに可なりの規制がある。EUと米国の間の協定は、双方のエアラインは、欧州と米国の間で、如何なる路線も、供給の制限無しに飛ぶことを認めて居る。今や、EUとカナダの間にも同様の協定がある。
然し、欧州か北米以外を本拠地とするエアラインが、北大西洋の旅客便路線を飛んで居る例は極めて少ない。EU内、或はEUと北米の間で、市場へのアクセス自由化の過程が進む中で、これは、地球規模での市場アクセスを阻む、可なりの規制がある事実を浮かび上がらせて居る。
OAGのデータに依れば、2016年2月の時点で、他地域のエアラインは欧州と北米の間の全供給席数のたった2.5%を占めるに過ぎない。2016年8月には、この占有率は1.4%に落ちる。このレポートでは、8つのエアラインと13の旅客便路線を含む詳細を披露する。これらの数字を含め、OAGデータは、欧州と北米間に、2016年8月には、合わせて49のエアラインが458路線を運航する計画である事を示して居る。
North Atlantic fifth freedom airline operations are rare. This is not "Open Skies" by any measure
777-300ER保有機レポート:発注はピークに達する=然し、2016年には新たにスイス、ユナイテッド、クウエートが新規運航会社に
ボーイング777-300ERは遅咲きである。改良型は2002年にロールアウトし、2004年に最初の納品を行った。それでも、改良型の発注の半分は2010年以降に行われて居る。そのセールスが記録を作った年である2007年と2011年は、両年とも偶然にもジェット燃料が高騰した年で、エアライン各社に4発エンジンの航空機の退役を急がせる結果になったのだ。777-300ERが実質的に747を陳腐化し、一方でA340の後継機計画はまだ明確でなかったので、ボーイングは、殆どの商売を身内に留める事が出来た。
この世界で最も力の強い双発機は世界最大級の運航会社各社で長距離用機材の代名詞になった。最大は114機を運航するエミレーツで、ほぼ続く3社キャセイ(53機)、エアフランス(40機)、そしてカタール(31機)を合計した機数である。この-300ER改良型は、796機を受注して居て、全777系列の受注数の半分以上を占めて居る。遅咲きの航空機が人気機種になったのだ。2016年2月、スイス航空は、777としては初めて777-300ERを就航させた。ユナイテッドとクウエートは2016年それぞれ初の777-300ERを手に入れる。発注数は、777Xが視野に入って来たために、鈍化して居り、2016年1月、ボーイングは生産の低減を発表して居る。然し、ボーイングは777Xまでのギャップを埋めるために、まだ777新造機を売らねばならないのだが、エアライン各社は、事業拡大のために、中古機を取得する事に焦点を移して居る。英国航空がそうであり、トルコ航空はケニア航空の-300ERを手に入れようとして居る。
777-300ER fleet report: orders have
peaked but Swiss, United and Kuwait new operators in 2016
カタール航空、東南アジア拡大を継続=セブ、ハノイへの新たな直航路線で
カタール航空は、2016年、セブ路線の復便と、新たなハノイへの直航便を中心に、東南アジアへの拡大継続を計画して居る。カタール航空は、2012年にセブ線を休止し、一方、ハノイは2010年の開設以来、バンコク経由で運航して来た。
同社は、東南アジアに、既にどの湾岸エアラインよりも多い、12の目的地を持って居る。2015年に25便を加え、現在では、週間147便の旅客便を東南アジアに運航して居る。
セブの他にも、同社は、2016年、東南アジア路線網に、未公表だが、少なくとももう1地点の目的地を追加する事を計画して居る。また、カタール航空にとってはインドネシアで第3の地点となる、スラバヤへの路線を開設する認可を申請して居り、また、タイでは3番目の目的地となるチェンマイの評価をして居る所である。
Qatar Airways to continue Southeast Asia expansion with new nonstop routes to Cebu and Hanoi
湾岸エアライン、ロンドン/ヒースローにて=発着枠購入で更に供給拡大、乗継可能性向上
23-Feb-2016
世界最高の航空市場である、ロンドン・ヒースローで、湾岸エアライン各社は存在感を拡大して居る。エミレーツ航空は、1日6便目の発着枠を獲得したが、ヒースローで1日5便を超えるのは、この10年で初めてである(その代わり、ガトウイックでは拡大して居た)。カタール航空は2014年5月以来、6便を提供して居るが、より小型の機材である。一方、ターキッシュエアラインズは2016年3月から週3日の1日6便を就航させる予定である。エティハドは2000年代以来、発着枠を増やして居ないが、A380を使用して、供給を増やして居る。エミレーツは2016年6月から全便A380による運航を開始する予定である。
オマーンエアは、自らをオマーンに特化したブティックエアラインと宣伝して居るが、乗継旅客の占める割合が高い事と、野心的な拡大計画を持って居る事から、今や湾岸のネットワークエアラインになりつつある。同社は、毎日2便を実現するため、ヒースローの朝の発着枠に、記録的と報じられた7,500万ドルを支払って居る。拡大の他に、湾岸の3大エアラインはヒースローの国際線発着枠の2%を保有して居るが、供給席数で5%を占めて居る(地元のバージンアトランティックより多い)。オマーンエアとターキッシュを入れると、彼らは全発着枠の3.5%を占めて居る。ロンドン/ヒースローは極めて注目の集まる所だが、湾岸エアライン各社は、ロンドン、そして英国から離れて多様化しつつあり、他の欧州各都市でより急速な伸びを見せて居る。2006年にはエミレーツの西欧路線の供給席の2つに1つは英国行きだったが、2016年には30%だけになるだろう。
Gulf airlines in London Heathrow: slot purchases expand capacity further, improving connectivity
フィリピン航空、長距離運航を拡大=A350-900の受領完了後に
22-Feb-2016
フィリピン航空(PAL)は、A350-900などの新しい広胴機を受領して、その長距離路線運航の大規模な拡大を計画して居る。PALの長距離機材は現在の12機から2016年末迄には14機、そして2019年半ば迄には17機となる計画だ。
数ヶ月の交渉の後に、PALは遂に、少なくとも6機のA350を購入する意思を固め、その内3機は暫定的に拡大時に使うものとして取っておく事とした。離陸重量の大きな、新しいA350-900で、PALは北米東海岸に直航が可能となり、また、北米西海岸や欧州への供給を増やす事も出来る。
フィリピンのフラッグキャリアーである同社は、現在6地点への長距離路線を持って居るが、その内マニラからの直航便は4地点のみである。同社は長距離用機材を増やす事により、新たな長距離目的地を追加し、経由便路線を直航便に格上げし、また、セブの副次的ハブからの直航路線も開設しようと計画して居る。
Philippine Airlines to expand long haul operation after completing A350-900 acquisition
米国エアラインの負債と貸借対照表 第2部=アラスカ、ジェットブルー、サウスウエスト、順調な負債比率
21-Feb-2016
米国のエアライン各社、アラスカエア・グループ、ジェットブルーそしてサウスウエストは、それぞれ異なった、貸借対照表強化策と負債管理の局面を迎えて居る。アラスカとサウスウエストは、それぞれが貰った投資適格の格付けを維持する事を主眼とした負債管理の手法を採って居る。サウスウエストの状態は、2015年にフィッチとムーディーズ両社から貰った信用度格上げにより、更に強化されて居る。
燃油価格が下降して居るお陰で、殆どのエアラインは、フリーキャッシュフローを健全な水準に保つ事が可能になり、各社の大半はこれらのフローは負債の返済と、株主還元に充てるべきだと考えて居る。ジェットブルーは、担保権の付かない資産の基盤を拡大しようとする現在の方針を継続する考えで、これは、アラスカエア・グループの視点でもある。アラスカは低い負債比率が、より負債比率の高い競合他社に対抗する余力を生み出してくれると考えて居る。一方で、ジェットブルーは、負債比率を大きく引き下げる努力を続けて居る。
貸借対照表を強化し、良好な負債比率を達成しようとする、全ての試みの結果、アラスカ、サウスウエスト、そしてジェットブルーの各社は、現在は引き続き堅調である需要の、裏に潜むマクロ経済上の不確実性の暗雲から生まれる、如何なる弱さをも補強しようと身構えて居る。
US airline debt and balance sheets Part 2: Alaska, jetBlue and Southwest favourably leveraged
遅れていた羽田発着枠交渉、合意に至る=デルタの反対がアメリカンとユナイテッドを結束させて
19-Feb-2016
米国政府は、デルタの熱心な要請により、2016年2月8日の週に開催される筈だった、日本政府との交渉を一方的に延期した。交渉は、遂に合意に至り、これまでもカナダ、フランス、ドイツそして英国と言った国々のエアラインと旅客が享受して居た、東京/羽田空港での昼間帯の発着枠が漸く、米国=日本間の便にも付与される事になった。
米国運輸省とフォックス長官は、再び2016年1月にデルタが仕掛けた強烈なロビー活動を甘受して来た。デルタは羽田での取引について、ANA/ユナイテッド(UA)そしてJAL/アメリカン(AA)の提携関係がデルタに比べて、多くの恩恵を受けると言う観点から反対を続けて来た。デルタは、この二つの同盟が、デルタから地元東京の旅客を奪い、結果として、デルタはそこから他のアジアの各地に繋がって居る東京のハブから大々的な撤退を余儀無くされると主張して居る。実質的な事実関係から推定して、デルタは東京便が無くなる、そして結果として経済的恩恵を失う恐れのある都市を代表する政治家達をつついて、支援を取り付けようとして来た。政治的圧力は、とりわけこの大統領選の年には、また、主にデルタが主導した、反ノーウエジアン・インターナショナル、そして反湾岸エアラインのキャンペーンから、まだ先に進め無いで居る米国運輸省にとっては、手に余るものになって来た。
FOR CAPA MEMBERS
新たなメキシコシティ空港:トルカ空港にはまだ担う役割があるだろう=新空港が開港しても
20-Feb-2016
世界最大級の空港の一つがメキシコシティー間近に建設中で、4年以内に開港する予定である。
この空港は典型的な混雑空港になった、現在のメキシコシティー・フアレス国際空港に取って代わる予定だ。
新空港建設推進の決断は、実現までに数十年が経過して居る。最近では、メキシコシティー首都圏内外の多くの、より小さな空港のどれかを拡張する事の賛否の議論が登場して居る。最も注目されるのが、メキシコシティーの西にあって、全メキシコの主要な工業生産地でもある別の町にあるトルカ空港(TLC)である。
最終的には国内最長の滑走路を持つ、トルカ空港を拡張する案は、真っさらな新空港を作る案に押されて見落とされてしまい、その為、トルカを将来どうするのかと言う疑問が持ち上がって居る。
今回のレポートは、空港に於ける、現在と将来の成長の傾向、地方空港の統計、トルカが各種指標で、如何に他空港との競争に対抗しようとするかを、建築計画や所有形態の点で検証する。結論は、現在のある幾つかの有利な点が続く限り、トルカ空港が将来的にも果たすべき役割があるというものだった。
The new Mexico City airport: Toluca Airport will still have a role to play after the new one opens
イラン航空の機材発注=イラン航空産業界の真剣な意志を示す
19-Feb-2016
イランに対する最初の経済制裁解除は、2016年1月16日(発効日)に行われたが、大きな変化は、既に、この国の航空産業界に始まろうとして居る。30年以上振りとなるイランの新たな航空機発注が発表され、外国エアラインは、特に欧州エアラインは、新路線を追加しようと急いで居る。
これらは、イランの航空界に約束された、巨大な変化のほんの始まりである。制裁期間中は、航空当局も、エアライン、空港でさえ、生き残りばかり考える精神構造を身につけて居た。
今や、制裁は引き上げられ、彼らの姿勢も新たな成長の好機に向かうものに切り替わり、この航空界の分野は、より明るい未来に向けて計画を立てて居る。
Iran Air's fleet order signals serious intent for the Iranian aviation industry
米国エアラインの負債と貸借対照表 第1部=アメリカン、デルタ、そしてユナイテッド、微妙な戦略を選ぶ
19-Feb-2016
デルタ航空は、2016年2月、格付け会社ムーディーズによる、投資適格の格付け獲得を成し遂げ、新たな一里塚に到達した。それは、同社が、過去数年間の負債を削減する努力に見られる様に、何年かに亘って努力を重ねて来たゴールだった。米国の3大世界ネットワークエアラインの中で、デルタは、その信用度を投資適格に回復した最初のエアラインである。
アメリカンとユナイテッドは、過去数年間、貸借対照表の管理と、負債削減に確かな進歩を遂げて来て居り、ユナイテッドは投資適格グレードになる事を具体的な努力目標に掲げて居る。アメリカンは明らかに、同じくこのグレードまで、登りたいのだが、現在享受して居る、借り入れ金利を考えると、投資適格グレードを獲得するのをアメリカンほど急いで居ない様だ。
ユナイテッド、アメリカンの両社とも、資金の目標をそれぞれの貸借対照表管理の一部として、概説して居り、アメリカンの水準は、この先予想できる範囲の将来に、同社が負債規模から必要と考えて居る通り、競争相手より上に落ち着きそうである。同社の負債比率は他社より大きい。然し、アメリカンは、現在の利率で借り入れをする事が、株主にとって最も利のある事だと結論付けて居る。
US airline debt and balance sheets Part 1: American, Delta and United opt for nuanced strategies
遅れていた羽田発着枠交渉、合意に至る=デルタの反対がアメリカンとユナイテッドを結束させて
19-Feb-2016
米国政府は、デルタの熱心な要請により、2016年2月8日の週に開催される筈だった、日本政府との交渉を一方的に延期した。交渉は、遂に合意に至り、これまでもカナダ、フランス、ドイツそして英国と言った国々のエアラインと旅客が享受して居た、東京/羽田空港での昼間帯の発着枠が漸く、米国=日本間の便にも付与される事になった。
米国運輸省とフォックス長官は、再び2016年1月にデルタが仕掛けた強烈なロビー活動を甘受して来た。デルタは羽田での取引について、ANA/ユナイテッドそしてJAL/アメリカンの提携関係がデルタに比べて、多くの恩恵を受けると言う観点から反対を続けて来た。デルタは、この二つの同盟が、デルタから地元東京の旅客を奪い、結果として、デルタはそこから他のアジアの各地に繋がって居る東京のハブから大々的な撤退を余儀無くされると主張して居る。実質的な事実関係から推定して、デルタは東京便が無くなる、そして結果として経済的恩恵を失う恐れのある都市を代表する政治家達をつついて、支援を取り付けようとして来た。政治的圧力は、とりわけこの大統領選の年には、また、主にデルタが主導した、反ノーウエジアン・インターナショナル、そして反湾岸エアラインのキャンペーンから、まだ先に進め無いで居る運輸省にとっては、手に余るものになって来た。
交渉は、2016年2月16日、17日に延期され、米国は、いささか面目を失ったけれども、先に進む用意がある事を示した。これから先には、デルタのCEOリチャード・アンダーソンが日常業務から退き、代表取締役会長の地位を使って、より政治的なロビー活動に立ち上がるとしたら、更なる航空政治学的に不安定な事態がやって来るかも知れ無い。
Delayed Haneda slot talks produce agreement. Delta's divide on Tokyo unites American and United
ラオスのリゾート、ルアンプラバン空港、2016年に大きく成長=エアアジア、香港エクスプレス、シルクエアの参入で
19-Feb-2016
ラオスのルアンプラバンは、2016年に少なくとも4つのエアラインの就航が旅客数の急速な拡大を牽引し、東南アジアで最速で伸びる観光目的地の一つとして台頭して居る。
タイ・エアアジアは2016年3月に、これまでは制限が有ったルアンプラバン市場に乗り入れる長い競争に終止符を打って、バンコクからの便を就航させ、初めてルアン プラバン空港に就航するLCCとなる。
マレーシア航空と香港エクスプレスも、ルアンプラバン路線開設を計画中で、一方でシンガポール航空の地域航空であるシルクエアは、シンガポールから首都ビエンチャンを含む、新しい周回路線を計画して居る。この新しいシルクエアの路線は、ASEANの中でラオスが、SIAグループ各社が飛んで居ない唯一の国であり、同グループにとっては、戦略的に重要な路線である。
ビエンチャンは、2015年にルアンプラバンのほぼ2倍の旅客数を扱ったが、ルアンプラバンは遥かに大きな観光的魅力を持ち、莫大な成長の可能性を秘めて居る。ルアンプラバンは、2012年に拡張プロジェクトを完成させ、ジェット機の離発着が可能になったが、ラオス政府は今、小さな国際線旅客ターミナルを、押し寄せる旅客需要に合わせて拡大する事を計画して居る。
Luang Prabang Airport: Laos resort to grow rapidly in 2016 as AirAsia, HK Express, SilkAir enter
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カンボジア航空界 第3部=カンボジア・アンコールエア拡大、カンボジア・バヨン航空、より大きな役割を追求
17-Feb-2016
カンボジアは、比較的に小規模な、然し、これまでは外国エアラインに牛耳られて居た、急速に成長する市場である。現在は、カンボジアを本拠地とするエアラインが4社あり、併せてカンボジア国際線の20%の占有率を持って居る。
然し、カンボジアの色鮮やかなエアライン分野では、過去2年間にバサカエア、カンボジア・バヨン航空の運航開始、また、フラッグキャリアーのカンボジア・アンコールエアとレジャーエアラインのスカイアンコール航空の拡大に伴う大きな成長があった。バサカとカンボジア・バヨンが、国内線に就航したため、国内線の競争は激しくなった。両社は、国際線に展開しようと言う野心的な計画を持って居るが、一方、ベトナム航空との共同事業である、カンボジア・アンコールエアは、市場を先導する地位を維持しようと懸命である。
今回は、カンボジアに関するレポートの第3部である。第1部では、カンボジアの国際線市場全体の成長を分析した。第2部では、バサカエアとスカイアンコールエアに焦点を当てたが、この最終回では、市場のリーダーである、カンボジア・アンコールエアと、新規参入のカンボジア・バヨン航空を見てみたい。
Cambodia Aviation Part 3: Cambodia Angkor Air expands, Cambodia Bayon Airlines seeks larger role
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バージン・オーストラリア、目標を達成しつつある=好環境下で、更に大きな業績が期待される
17-Feb-2016
バージン・オーストラリアは、黒字回復に大きな進歩を見せた。即ち、コスト面で市場のリーダー
になると言う決意がコストを下げるのに貢献、国内線での実収単価を向上させた、一方で、同社は、企業や政府の業務渡航の占有率を上げるために目覚ましい食い込みを見せたのだ。かなり不利な立場にも関わらず、バージンは、利益の上がる貨物事業でも進歩して居る。
然し、事業運営の環境が、極めて好ましい状況である事から、多くの人々は、もっと良い実績を期待して居た。バージンの2015年12月31日までの6ヶ月間の実績では、市場は再び安定し、特に国内線事業が改善し、税引き前利益が86.5%上昇して、1億3,000万豪ドル(9,400万米ドル)となった。将来有望なのは、国内線市場の成長は、低い搭乗率の中ではあるが、大きく実収単価が改善して居ることだ。
国際線事業は、主に東南アジアへの展開とその地域の活火山の様な活動の所為で、グループにとっては、相変わらず実績が好転せず、この同じ期間に、税引き前損失で、2015年上期の3億800万豪ドル(2億2,300万米ドル)に比べて、3億9,500万豪ドル(2億8,600万米ドル)となって居る。タイガーエア・オーストラリアを使ってレジャー路線を移管するのは、バージンのフルサービスの役割、そして、コストの基準から言って良い事だろう。然し、成功が保証されて居る訳では無い。
Virgin Australia: Delivering on goals, but stronger performance expected in a favourable environment
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カンボジアの航空界 第2部=バサカエアとスカイアンコールエア、カンボジア-中国間市場に絞って拡大
16-Feb-2016
カンボジアの航空界では、エアライン各社が、急速に伸びるカンボジア=中国間市場を中心に拡大を図り、競争が激化して居る。カンボジアには、現在、比較的に小規模の市場にしては、かなりの数値である、4社が存在し、少なくとも後1社が就航の準備をして居る。
カンボジアの民間航空の保有機数は、過去2年間に倍増して居る。2016年には、カンボジアのエアライン業界の更なる成長が期待されるが、特にシエムレアップで、市場の成長率が鈍化して居ることから、難問も待って居る。
今回は、カンボジアに関するレポートの第2部である。最初のレポートでは、カンボジアの国際線の全体的な成長を分析した。次の2つのレポートは、カンボジアのエアライン分野に焦点を当てる。第2部は、カンボジアの2つのエアライン、スカイアンコールエアと、バサカエアの検証をお届けする。
Cambodia Aviation Part 2: Bassaka Air and Sky Angkor Air expand with focus on Cambodia-China market
カタール航空とイタリアのメリディアナ 第2部:路線の商機と見通し
15-Feb-2016
カタール航空とイタリアのレジャー航空であるメリディアナは、49%までの過半を超えないメリディアナ株の持分取得や、営業提携を含む、「可能性としての提携プロジェクト」を検討して居る事を発表した。
このレポートの第1部では、「可能性としての提携」の広い意味合いを探った。
今回はメリディアナの路線構成の詳細と提案されて居る提携の見通しについて見てみる。
Qatar Airways & Italy's Meridiana Part 2: Route opportunities and outlook
スピリットの新CEOが示唆、全体改造より微妙な変更=フライト運用が最重要課題
13-Feb-2016
スピリット航空の新CEOにとって、最重要課題は、過去数年間にわたり、米国の同業他社に遥かに遅れを取って来た、フライト運用と顧客サービスの領域である。米国の競争の流れが変化して、これら二つの要素は、予測出来る将来にわたって燃油価格が下落して運賃を低く抑える環境の中で、成功するために、飛び抜けて重要なものになりつつある。
スピリットは2015年に記録した様な、30%の供給拡大に並ぶ様な計画は持って居ないが、それでも、経営陣は15%から20%程度の成長率は妥当だろうと考えて居る。然しながら、同社は、大きな市場ではなく、より中規模の市場に価値を見出す事に焦点を当て、微妙な路線網戦略の切り替えをしようとして居る。これから生じて来る変化によっては、スピリットの保有機群は5年以内に、現在に比べて異なった様相を呈するかも知れない。
スピリットは、短期的には、米国の運賃決定環境は更に悪化するとは見て居ない。然し、特筆すべき改善もして居ない。結果として、同社の2016年第1四半期の収入実績は、2015年第4四半期に記録した16%の下落に似た様なものになりそうだ。
Spirit's new CEO hints at nuanced changes rather than an overhaul. Operations are a key focus
ジェットブルー、収入見通しが不透明に=米国国内線の供給が増え続ける中で
11-Feb-2016
ジェットブルーは2015年、多くの主要な財務統計で目覚ましい成長を示した。同社はROICを2倍に引き上げ、税引き前利益率で健全な向上を見せ、2015年の利益は70%近い飛躍を記録した。
更に、ジェットブルーは、2015年を通じ、旅客収入単価がプラスとなった、数少ない米国エアラインの一つである。
ジェットブルーが、2016年、同じ事を繰り返せるかどうかは定かでない。明らかに、燃油価格の低下が、収益を強く維持してくれるだろうが、同社が、2016年にも優れた収入実績を維持出来るかどうかを測るのはとても難しい。当面は、ジェットブルーは、その市場で、大きな価格設定への圧力がかかるとは予測していない。然し、それは、2016年がどの様な道を辿るかで変わって来る可能性がある。エアライン(ジェットブルーも含め)は、年間を通じて、計画した供給席数を埋める必要があるのだ。
ジェットブルーは、企業内で、収入増を牽引するための多くの営業施策に取り組んで居る。然し、同社は、今後は競合他社に対し、どの様に基準を決めるかを分かり難くするため、PRASMではなく、総計収入単価を報告する事に決定して居る。全体として、2016年1月の収入単価の実績は対前年割れとなったものの、ジェットブルーの見通しはプラスである。
*ROIC=投下資本利益率
*PRASM=有効座席マイル当たりの旅客収入
JetBlue offers little visibility into its revenue outlook as US domestic capacity continues to grow
カンボジア 第1部=中国、タイが6年連続の旅客数2桁成長を牽引する
11-Feb-2016
カンボジアは、引き続き、押し寄せる中国からの需要の波に牽引されて、急速な成長を遂げて居る。カンボジアの旅客需要は、2015年の13%を始め、6年間連続で10%を超えて居る。
中国は成長の最大の牽引車で、中国からの旅行者数は、6年連続で毎年少なくとも20%の伸びを見せて居る。従来から、長距離便でカンボジアに出入りする旅客の玄関口である、バンコクへの路線も昨年、供給が増えて居る。
然しながら、カンボジアの旅客数の伸び率は、2015年に特にシエムレアップで、かなり鈍化して居る。カンボジアは未だに東南アジアで最も人気の高い市場の一つであるが、隣接するベトナムが今や、より急速に成長して居る。成長の鈍化は2016年にも続き、2009年以来初めて2桁に届かない事になりそうである。
Cambodia Part 1: China, Thailand drive double digit passenger growth for sixth consecutive year
カタール航空とイタリアのメリディアナ 第1部:エティハド-アリタリアに類似=然し違う、そしてもっと小さい
10-Feb-2016
2016年2月4日、カタール航空とイタリアのレジャー航空会社であるメリディアナは、49%までの過半を超えないメリディアナ株の持分取得や、営業提携を含む、「可能性としての提携プロジェクト」を検討して居る事を発表した。
誰にも判る通り、これは即座に、エティハド航空がアリタリアに出資し、提携を結んだ事と比較したくなる。然し、この比較は多分、そこまでだ。この二つの事例は、ともに湾岸のエアラインがイタリアのエアラインに出資するのが眼目だが、動機が全く異なって居る。 カタールとメリディアナの間で、得られると想定されるものが、エティハドとアリタリアの間のものに比べ、遥かに小さいのである。
これはメリディアナの規模がそれ程小さいからで、同社はイタリア国内線で第4位の位置に居るが、占有率は僅か6%である。国際線としては冬ダイヤでは22位の規模である。エティハドがアリタリアに注ぎ込んだ程の労力を、カタールがメリディアナに必要とする事はないだろう。然し、メリディアナは決して容易な代物ではない。同社は、2013年に損失を計上して以来、財務報告をして居ないが、もう何年もの間リストラを続けて居るのだ。
Qatar Airways & Italy's Meridiana Part 1: Similar to Etihad-Alitalia, but different - and smaller
エアライン新規参入、世界金融危機から依然として減少=燃油安で2016年は新規参入が再活発化も
8-Feb-2016
2016年1月の世界エアライン収益見通しで、CAPAはエアラインの分野に新規参入に理想的な状況になる可能性を掲げた。参入への障害は、他の資本集約型、市況変動型の産業に比べて、これまでもそう高かった事は無い。航空機と資金へのアクセスは多分、最も重要な必要条件で、これが何か障壁に当たるものとなる。
然し、障壁としてのアクセスの難しさは、航空機リースの貸し手の重要性が長期的に増加している事(そして彼らが、顧客を確保する前に航空機を発注したがる傾向)、歴史的な低金利、そして過去10年間に亘る、大規模な航空機発注数、納入数と言った要素から、ずっと弱くなって居る。にも拘らず、新規参入社の数は歴史的な低水準で、世界金融危機以来回復して居ない。
このレポートはエアライン参入に対する主たる障壁について考察するが、特に、年間の新規参入数と共に、燃油コストと利率を検証する。原油価格の低下は、古い、安価な航空機の生命、従って使用出来る時間を引き伸ばして居る。これが、新たに始めようとする機運を燃え上がらせる火花を放つ可能性がある。
Airline new entrants still
falling after the GFC. Low oil prices could spark a 2016 entry resurgence
エミレーツ航空:2016年に戦略を再編=提携、中国線拡大、より小さい広胴機
8-Feb-2016
エミレーツ航空がずっとゲームの行方を変える役割だった事は明白な事実だ。然し、それはただ規模の問題だけでなく、全体の緻密さだ。それは絶え間なく計画し、実現する事業運営である。彼ら自身の言葉で言うと、成長は社内の能力だけでなく、地元空港の居容量であり、エバレットとツールーズの工場の生産能力であり、監督官庁がより多くの運輸権益を付与する気持ちがあるかの問題である。従って、一年前に、2016年がこんなに重要な年、即ち、エミレーツの成長の次の段階の始まり、になりそうだと示すものは殆どなかったのが驚きである。
この新たな段階の第1番目には、戦略と意識の変更がある。即ち、提携に、より受容的になる事だ。この戦略には商業的価値があるが、またカタールのワンワールド加盟やエティハドの資本提携網など、二者間の同盟がより重要な役割を持ちつつある、変わり行く世界に対する認識がある。エミレーツは、現在のカンタスとの広範な契約同様に、より大がかりな提携を追及すると言って居る。それ以来、同社はずっと小規模なマレーシア航空との提携を成立させ、南アフリカ航空とのより深い提携が次に来る可能性がある。
Emirates Airline: The
strategy reshapes in 2016 – partnerships, China growth, smaller widebodies
シンガポール航空、タイガーエアの入札成功=次はタイガーエアとスクートの統合合併か
7-Feb-2016
シンガポール航空(SIA)は、タイガーエアに持つ同社の持ち分を90%以上に増やし、この近距離低コストエアラインを自社の所有として、完全に統合しようとしている。タイガーエアを統合する事により、SIAグループの、特に中長距離低コストエアライン子会社、スクートの見通しを押し上げる事になる。
スクートは、まさに初の四半期の利益を計上し、現在黒字経営である。然し、スクートには向こう数年間で規模を倍に拡大するタイガーエアとの、より強固な関係が必要である。
タイガーエアに乗り継いで居るのは、スクートの全輸送旅客数のたった約5%である。SIAがタイガーエアを引き継ぐことにより、間もなく行われる予定のスクートの予約システムへの移行がこの2社のLCCの乗継を大きく促進するだろうが、しかし、究極的にはシナジー効果が完全に実現されるためには、統合合併が必要だろう。
Singapore Airlines takeover bid of
Tigerair succeeds. Tigerair-Scoot merger may be next
香港エクスプレス、2018年に50機保有を計画=香港の全く新しい目的地を求めつつ
5-Feb-2016
香港エクスプレスほど、儲かる路線選択をした低コストエアラインはこれまで多くないだろう。同社の香港ハブは、発着枠に相当の制限があり、LCCにはさほど商機は無いと見られて居たが、かなりの秘められた需要があったのだ。これは特に東南アジアに比べLCCの浸透度がまだまだ低い北東アジアの市場での例だ。香港エクスプレスの2013年10月のLCCとしての再出発は、幸運にも、日本円や韓国ウオンの切り下げに重なり、香港発旅行需要をどんどん押し上げてくれた。2016年2月には43%の香港エクスプレスの座席が飛んで行くのは大阪、ソウル、そして東京の3都市だけだった。
2016年2月、香港エクスプレスは13機のA320を運航して居るが、実質、向こう3年間毎月1機を受領して、2018年末までに50機へと急速な拡大を計画して居る。香港エクスプレスは、2016年に4から6地点の新規市場の開設を計画し、年の終わりには最初のA320neoとA321ceoを受領する予定である。現有の各市場では、供給追加(増便、またはA320からA321への機種更新で)が期待出来るだろう。然し、香港エクスプレスは、現有の各市場で核となる商機は満たしてしまう間に、よりLCC本来の意味から言って、香港にとって、全く新しい地点への需要を刺激して、拡大を図る必要があるだろう。既に同社は東南アジア各地(ラオス、ミャンマー)と太平洋諸島(グアム、サイパン)への路線開設を計画して居る。姉妹会社のフルサービスエアラインである香港航空もサイパン線を計画して居るが、きちんと決まった二枚看板戦略が確立されて居ない2社が重複してしまう問題が起こる事が明白になって来て居る。
HK Express plans for 50 aircraft in 2018 as it seeks all-new destinations for Hong Kong
サウジの空港民営化進む=原油価格が下がり続ける中で
4-Feb-2016
サウジアラビアでの精力的な空港民営化プログラムが、総合民間航空局(GACA)の主導で、そして、今年工事が始まったリヤドのハレド国王国際空港を皮切りに進んで居る。GACAはまた、ジェッダとダマムの空港の民営化は、2017年に結論を出すことが目標であり、国内線と地方空港は、2018年から2020年の間にこれに続くと予想される事を公表して居る。
今回のレポートは、機を同じくして起こった、イランが外国から投資家を交通分野に誘致しようと試み、また主要な個々の空港への誘致をしようとして居る時に、この決断が下された背景を探る。政治が重要な役割を演じる様だ。
Saudi airport privatisation ramps up as oil prices continue to fall
FOR CAPA MEMBERS
アメリカン航空、慎重な見通し=PRASM拡大回復について
3-Feb-2016
2015年を通じて、アメリカン航空は、旅客単位収入のプラス回復は2016年下期まで起こらないだろうと見通しを立てた最初の一社だ。主たる競合相手であるデルタは、より強気で、ある時点では、2015年末にはプラスマイナスゼロの軌道に戻れそうだと予測して居た。デルタはその後、予測を調整せざるを得なくなり、現在は、2016年夏までにはPRASMを引き上げる力を取り戻す筈だと言って居る。
先の目標を達成出来なくなってから、デルタはPRASMのゼロかプラスへの回復についての最新の予測では、もし燃油価格が、いくつかの予想で言われている様に、更に15%から20%下落するとしたら、旅客単位収入には引き続き圧力がかかる可能性があると説明し、条件をつけ加えて居る。
アメリカンはPRASMに関して、2015年年間でこの指標に圧力を加え続けた条件は依然続いて居るという結論以外に具体的な指標は出して居ないが、デルタと同様に同社も燃油価格が下がり続けると下押しする圧力は続くと考えて居る。PRASMについてのすべての焦点は、当面のところ、概してウオール街からは無視されて居る、この産業界の歴史的な高収益と言う背景には反するものである。
*PRASM=有効座席マイル当たりの旅客収入
American Airlines takes a conservative view on a return to positive PRASM growth
エアアジア2016年の見通し 第4部:マレーシアの拡大は副次的基地からの国際路線に集中
2-Feb-2016
マレーシア・エアアジア(MAA)は、2016年、保有機が3機増えるのに伴い、副次的な基地を拡大する事に専念する予定だ。クアラルンプールを基地とする近距離LCCは、2016年第1四半期に、副次的な都市から国際線4路線を加え、合計6つの副次的な都市から国際線20路線を持つことになる。
MAAはマレーシア最大のエアラインで、マレーシアの市場全体での旅客数が前年並みだったにも関わらず、市場占有率を伸ばして居る。一部MAAの伸びに牽引されて、2016年には、国内線、国際線両方の市場で成長は戻って来る筈だが、他のマレーシアのエアラインも拡大するので、競争もまた激化するだろう。
特に中国がマレーシアからの市場として急速に伸びて居る。MAAが2016年第1四半期に開設しようとして居る4路線のうち2路線は中国であり、残る2路線はミャンマーとベトナムである。
AirAsia 2016 outlook Part 4: Malaysia expansion focuses on international routes from secondary bases
ユナイテッド航空のアジア戦略=シンガポール-米国市場はシンガポール-サンフランシスコ直航で進化
31-Jan-2016
ユナイテッド航空は、2016年6月サンフランシスコへの787-9による直航便を開設し、シンガポールの市場での存在感を向上させようとして居る。この路線は、ユナイテッドの路線網の中で最長、そして787としては世界最長の路線となり、西行便は重量制限が必要となる。
この新たなサンフランシスコ線はシンガポール航空(SIA)が2013年にロサンゼルスとニューアークへの直航便を止めて以来、初めて、シンガポールに米国行き直航便の選択肢を提供する事になる。SIAは2018年にロサンゼルス、ニューヨークの直航便再開を計画して居り、サンフランシスコ直航も検討して居たが、ユナイテッドがそのシンガポール―米国間直航サービス開始を、SIAより2年先駆ける事になる。SIAとユナイテッドは共に、スターアライアンスのメンバーだが、これまで一度もコードシェアをした事が無く、シンガポール―米国直航便でも提携の計画は無い。
ユナイテッドはスターの盟友ANAと既にシンガポール―米国間の経由便を含む共同事業をして居る。この新しいシンガポール―サンフランシスコ直航路線は、共同事業に追加される事になる。(関係3国ともにオープンスカイ協定を交わして居る)。
ユナイテッドは、シンガポール=香港便を維持する一方、シンガポール=東京便は廃止する計画である。だが、同社の東京=米国間の便を埋める為にはシンガポール=東京市場でのANAの拡大した存在感に頼る事が出来るだろう。
United Airlines Asia strategy & Singapore-US market evolve with Singapore-San Francisco non-stops