CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。
お問合せはこちらから
海南航空のHNA、アズールの24%を買収=中国のエアライン各社が最後の大陸、南米を目指す中で
豪州、欧州そして北米に足跡を残し、中国のエアライン各社は今年は政府の指導もあり、アフリカに注意を注いだ。今や、最後の大陸、南米に集中して居る。旗艦である海南航空を擁する中国のHNAグループは、2015年11月24日、アズールの株式24%を4億5千万米ドルで、取得してこのブラジル第3位の規模のエアラインの最大株主になる事を、開示した。
この持ち株は、HNAにとって、その価値においてこれまでで一番大きなエアライン買収であり、大中国圏以外では、最も意味深いものである。最近、別の非エアラインの買収や、ひと夏かけて、スイスポートなど多くの買収を進めて来て、数か月の間に知られているものだけで、総額110億米ドルを超えると言われる。
米国や欧州のラテンアメリカのエアラインへの投資と比べて、HNAの目的は、異なって居る。それは、中国と南米を結びつけたいだけで無く、種々の面から見えて来るのは、アズールが自ら作り上げた、効率的な国内線の運営を学びたいという事だ。
中国国際航空はサンパウロに飛んでいる一方、他の中国エアラインは提携企業に頼って居るが、より多くの第5の自由による中国便がラテンアメリカに飛ぶ事が期待されて居る。
またバンクーバーは中国のエアラインに最も人気のある北米の地点であるが、中国とラテンアメリカをバンクーバー経由で結ぶための以遠権を中国がカナダに要求して欲しいと願って居る。
HNA of Hainan Airlines buys 24% of Azul as China's airlines eye their final continent: South America
シティリンク、2016年は国内線拡大を計画=ジャカルタの制限から新たな副次的基地を作って
27-Nov-2015
ガルーダインドネシアのLCC子会社であるシティリンクは、2016年、A3208機を追加し、保有機合計44機として、更に急速な拡大を計画して居る。国内市場の需要停滞にも関わらず、シティリンクは引き続き、より大きな市場占有率をつかもうと力を入れて居り、供給は3年連続で凡そ30%伸びると予想されて居る。
ジャカルタ、バリ、スラバヤでの空港発着枠の制限から、2016年の追加供給の殆ど全てを、メダンやマカッサルなどの副次的な基地に配分せざるを得ないだろう。シティリンクが、去年初めて達成した黒字だが、インドネシアの副次的な都市を結ぶ路線は明らかに実収単価が低く、再び、圧力にさらされる事になるかも知れない。
シティリンクは、A320neoの発注を、幾つかA321neoに変更する事を検討して居るが、これは、インドネシアの首都から新規の増便は出来ないとしても、同社のジャカルタでの供給拡大を可能にしてくれるので頷ける動きだ。シティリンクは、現在、A320neoを35機、2017年から、2021年の納入として発注して居り、また、東豪州や、北部中国まで届く、A321neoLRを考えて居る。シティリンクは、純粋に国内線のエアラインだが、2016年遅くか2017年に現有のA320neoを使って、東南アジア域内と西豪州のパースへの国際線の開設を目指して居る。
Citilink plans more domestic expansion for 2016 with new secondary bases due to Jakarta constraints
エアカナダ、2016年は第6の自由の需要に大きく賭ける=新たな国境を越えた作戦で
エアカナダは、2016年、同社の拡大する長距離国際線からの第6の自由による旅客需要を梃子に、米国との国境越え市場に力を入れようとして居る。この拡大には、新規路線開設、他の市場への復便、そして、エアカナダとスターアライアンスでの盟友である、ユナイテッドのハブへの便なども含まれて居る。
同社の第6の自由戦略は、エアカナダが、この旅客の流れを、数百万ドルの価値と算定して以来、もう何年もの間、同社の事業計画の主流をなすものだった。同社はそのハブを、アジアや欧州の市場への直航便の無い、米国の地点から、魅力的な乗継ぎ地と位置付けるべく努力して来た。
エアカナダは、米国の景気の予測が堅固な為、同社の最新の国境越え強化策は成功するだろうと考えて居る。同社は、多くの新規市場で、唯一のエアラインであることから、同社に年間の第6の自由需要の流れを増やす好機を齎して居る。
Air Canada bets big on sixth freedom traffic flows in 2016 with a new transborder push
アメリカン航空のロサンゼルスにある太平洋横断ハブ、デルタのシアトルハブを追い抜く
24-Nov-2015
太平洋横断路線の米国ハブとして、並び無き勝者はサンフランシスコを玄関口とするユナイテッドである。だからアメリカン航空と、デルタ航空は、第2位の座をめぐって戦っているのである。
デルタはシアトルにハブを構築し、一方、アメリカンはずっとダラスからアジアに伸びて来たのだが、ダラスは、地理的にアジア太平洋からはるか彼方にあるため、アメリカンは、ロサンゼルスに太平洋横断のハブを作ることに焦点を移している。アメリカンは、最近、現存の上海、東京/成田線を補完する、ロサンゼルス発のオークランド、シドニー、そして東京/羽田線の開設を発表している。
アメリカンにとって、アジアの目的地を増やし、デルタがシアトルから飛ばしているより多くの便と座席を持つ事になる、北京がロサンゼルス発の次の目的地になるかも知れない。デルタのシアトルのハブは、アジアに的を絞って居り(ロサンゼルスから豪州/ニュージーランドに飛んでいる)、デルタがシアトルからアジアの5都市に飛んでいるのに対し、アメリカンがロサンゼルスから飛んでいるアジアの都市は2つだけ、多分、間も無く3つになるだろう。
アメリカンは、太平洋横断線を埋めるために、ロサンゼルスに国内線とラテンアメリカ線を構築したが、当面は、ダラスがアメリカンの太平洋横路線の最大のハブである事に変わりはい。
American Airlines' growing trans-Pacific hub at Los Angeles will overtake Delta's Seattle hub
SIAのゴーチュンフォンとライオン・グループのルスディ・キラナ=2015年CAPAアジア太平洋賞ディナーで表彰
シンガポール航空グループのゴーチュンフォンCEOは、CAPAの2015年アジア航空サミットの一部として、11月23日、シンガポールで行われた、2015年CAPAアジア太平洋優秀航空賞表彰式で、最高賞を獲得した。ライオングループの創始者、CEOルスディ・キラナは、CAPA伝説賞(CAPA栄誉殿堂)を受賞し、ゴー氏は、2015年アジア太平洋「今年のCEO」に選ばれた。
カタール航空は、アジア太平洋今年のエアラインに選ばれ、バンコク航空、ピーチ・アビエーション、そしてカンタス・グループがエアライン各カテゴリーで受賞して居る。空港部門での受賞者ドバイとムンバイが、トラベルポートの主催した、晩餐会で表彰された。
今や13年目となった、CAPAの優秀航空賞は、成功して居るだけで無く、常に変化を続ける、業界にあってリーダーシップを発揮したエアラインと空港を顕彰しようと考えて来た。業界が、成長する中で、今回の受賞者達は、他の人々が、追いかけようとする道筋を呈示する様な戦略を採用している。
SIA’s Goh Choon Phong and Lion Group’s Rusdi Kirana honoured at 2015 CAPA Asia Pacific awards dinner
デルタ航空、アエロメヒコの持ち株を買い増し=米墨間市場での影響力を高める
23-Nov-2015
デルタ航空は、2015年の早い時期に行った、ブラジルの航空会社ゴルへの投資を増やしたのに似た動きで、アエロメヒコの同社の持ち株比率を拡大する選択をした。2015年に、デルタは、他にも、中国東方航空に投資し、不成功には終わったが、日本のエアライン、スカイマークにも投資を試みて居る。
安い燃油費のお陰で、米国のエアラインは、記録的な利益を生んでいるが、デルタに取って、長期的視野に立って競争力のある路線網を築く為に、投資を強固にする、正に時は来たれりだろう。昨年の同社の動きは、ラテンアメリカとアジアでの存在感拡大への攻撃的な追求を反映して居る。
アエロメヒコの持ち株を拡大することで、デルタは、また、このエアラインへの影響力、即ちデルタの考える、アエロメヒコが事業戦略全体を改善するのに役立つものを行使する力を強める事になる。
Delta Air Lines increases its Aeromexico stake and broadens its influence in the US-Mexico market
アメリカン航空、アジアで、デルタ、ユナイテッドに追いつく計画=供給をラテンアメリカから再配分して
22-Nov-201
アメリカン航空は、世界最大のエアラインだが、アジアでは、米国の3大エアラインの中で最小であることは認める。然し、アメリカンは、遥かに離された第3位から、肉薄する選手に、そしてやがては、首位に成りたいのだと、同社のアジア太平洋担当副社長アーワン・ペリリンはCAPAに語って居る。過去18ヶ月にわたり、アメリカンは、かつてのコスト基準や、雇用契約、保有機や、商品品揃えでは、とても叶わなかったと思われる、大中国圏への路線を幾つか追加して居る。同社の焦点は、今度は、現有のアジアの地点に、ロサンゼルスなどその他の 米国ハブからの便を加え、アジアでの存在感を更に強める事にある。
アメリカンは、その核となるアジアの市場での競争力の差を縮め、ユナイテッドが検討して居る中国の副次的な都市の様な、新たなアジアの地点を考える前に、北京、上海での足場を固めたいと考えて居る。アメリカンの最も長い10路線の内、9路線がアジア行きであり、そして、同社は、777-200の機材を、787に差し替えて居るため、今だに成長の止まない市場で、デイリー運航を維持しつつ、供給を穏やかなものに抑えて居る。
アメリカンの787によるASKの77%はアジア発着である。アジアは、ずっと戦略的な成長の
市場であった。安い燃油価格が(アメリカンは、ヘッジをしていない)、かなり財務的な業績を助けて居る。
アメリカンは、弱り始めたラテンアメリカ市場から、供給を再配置することを考えて居るため、アジアは第2の追い風を受けるかも知れない。アメリカンは、また、マイアミを乗継ぎポイントとするのを止める決断をして、ここをアジア=ラテンアメリカ間で最大のハブ、乗継地点とする為、ダラスでのラテンアメリカ路線の供給も伸ばして居る。
American Airlines looks to catch up to Delta and United in Asia. Capacity re-deployment from LatAm?
フィリピン航空、国際線拡大続く=新たに5つの目的地、A350−900HGW発注とともに
20-Nov-2015
フィリピン航空(PAL)は、保有機数の増加と現有広胴機の稼働率向上により、国際線の事業を拡大して居る。PALの国際線路線網は、2013年1月には僅か25地点だったのに比べ、2016年1月には41地点を越える。
PALは向こう2ヶ月間で中東の2地点、豪州の3地点の、計5地点を追加する予定である。長距離路線の拡大は2016年3月の、PALにとって最初のセブ発、広胴機による国際線である、セブ=ロサンゼルス線開設で再開される。
長距離路線運航の更なる拡大の好機は、2016年遅くに、PALが777-300ERをもう2機追加する時にやって来る。取得予定の、新しいA350-900の離陸重量増強バージョンは、2017年にニューヨーク線の直航化に、更にはトロント線の直航化、米国に第4の目的地開設へと使われるものと思われる。
Philippine Airlines' international expansion continues with 5 new destinations, A350-900 HGW order
中国の副次的エアライン、長距離路線拡大を計画=10社が広胴機の保有を予定:第2部
19-Nov-2015
このレポート第1部では、2015年、中国のエアラインの国際線市場への急速な拡大を検証した。
今回、第2部では、計画と、あり得べき短期的な展開を検証する。副次的なエアラインを分析する。チベット航空、深圳航空が、長距離国際線への新規参入社である。
現在は中国国際、中国東方、そして中国南方の中国エアライン3社が、中国の広胴機の77%を運航して居る。然し、より小さなエアラインや、副次的な空港が、国際線に積極的に動き出して、様相が変わって来た。2015年の最初の8ヶ月で、国際線旅客輸送実績が37%の伸びを見せた事は、今後、解き放たれるのを待って居る潜在能力を証明して居るのだ。
China's
secondary airlines plan long haul growth. 10 airlines to have widebody aircraft. Part 2
中国の副次的エアライン、長距離路線拡大を計画=10社が広胴機の保有を予定:第1部
18-Nov-2015
中国のエアラインは、遂に2015年、最初の8ヶ月で37%の国際線の拡大を示し、動き始めた。これは、2014年の最初の8ヶ月に比べ、2015年の同期間には旅客数が738万人の増加を記録した事になる。そして、これは中国のエアラインが、2010年の最初の8ヶ月から、2014年の同期間迄に、達成した約739万人の旅客増にほぼ匹敵するのだ。中国のエアラインは、これまで4年間で達成してきた輸送実績の増加分を、今や、たった1年間で達成してしまおうとして居る。
各国が中国国民に対するビザの発給を自由化する動きが続き、政府がエアラインの国際線拡大を指示する中で、この急速な国際的な伸張は新たな標準になって来た。中国の国際線の殆どは近距離であるけれど、加速された拡大分は長距離部門に見られる。即ち、四川航空が2012年に長距離路線を開設したが、その後は2015年7月の廈門航空まで、長距離に進出するエアラインはなかった。2015年9月、北京首都航空がこれに続き、2016年には天津航空とチベット航空の2社が長距離を飛ぶだろう。2016年には、少なくとも10社が広胴機を運航する事になると見られる。今回のレポートはますます、大陸間路線で名を馳せつつある、中国の副次的なエアラインの長距離路線の拡大について見てみる。
China's secondary
airlines plan long haul growth. 10 airlines to have widebody aircraft. Part 1
ガルーダ・インドネシア、ロンドン/ヒースローの発着枠を確保=然し、広胴機と国際線の拡大はペースダウン
17-Nov-2015
ガルーダ・インドネシアは、またも、欧州大陸の目的地への就航計画を棚上げしたが、ロンドン/ガトウイックから差し替えるために、ロンドン/ヒースローの発着枠は確保した。2015年早くに始まった大規模な削減に従い、フランクフルトとパリは後回しにされ、ガルーダの主要な中距離市場である、豪州と日本への供給も比較的に穏当なレベルに止まって居る。
同社は中長距離路線網の拡大を遅らせる賢明な決断をして居り、この結果、事業計画中のA330や新世代広胴機の保有機数も減らして居る。保有機中の広胴機の、より多くをサウジアラビアへのチャーターに割り振り、国際線定期便の供給も調整して居る。
欧州の2つの目的地、ロンドンとアムステルダムとを分離運航として、ガルーダは2016年には長距離便の供給をまだ追加するのだが、全体としては、国際線の供給拡大は当初の計画よりかなり遅いペースになるだろう。同社は2014年9月にアムステルダム線の以遠部分としてロンドン/ガトウィックを開設したが、ロンドン/ヒースローからジャカルタ直航便を開設するのに合わせて、2016年3月には廃止する計画だ。当初、ヒースロー便は、行きはシンガポールに途中寄港の計画だったが、ガルーダとしては、ジャカルタでの滑走路問題が解決すれば、最終的にはロンドンへの直航とする考えである。
Garuda Indonesia secures
London Heathrow slots but slows widebody and international expansion
ビバグループ、コスタリカに=そして中米の貧弱なLCC業界へと野心を広げる
16-Nov-2015
ビバ・グループ第2のエアラインであるビバ・コロンビアの登場以来、概ね3年間、コスタリカは第3のエアライン、ビバ・カムの基地として浮かび上がって来た。この新しいエアラインは当初は、LCCの浸透が少ない、中米への低コスト航空便の運航に集中して居る。また、この地区の経済は南米の殆どの国に比べ強く、これは、地域住民は、何か動機付けをすれば、すぐにも旅行に出られる状況にある事を意味する。
ビバ・カムの創立は、メキシコとコロンビアに、夫々ビバ・アエロブスとビバ・コロンビアを創設して、LCC競争を導入したのに次ぐ、ビバ・グループが全ラテンアメリカのLCC企業を打ち立てるための新たな一歩である。然し、現在のビバ・エアライン各社は互いに協調が出来て居らず、ビバ・カムも姉妹エアライン各社と協力をしようとするのか定かでない。
但し、ビバ・カムは他のビバグループのエアラインから、航空機を調達する計画である。
ビバ・アエロブスは2013年に大量のエアバス狭胴機を発注して居り、各社がどんな成長軌道をとるとしても、これがビバエアライン各社の成長の源泉となる事は間違い無いだろう。
Viva Group spreads its ambition to
Costa Rica and Central America’s barren LCC landscape
日本のLCC、爆発する中国市場に攻勢の可能性=エアアジア・ジャパンの就航、春秋日本の拡大で
15-Nov-2015
中国=日本間の旅客の伸びを表現するには、最上級の言葉がいくらあっても足りない。中国人訪問者は、急速に日本にとって単独で最大の旅行客の源泉になって居る。
中国南方航空の2015年の最初の9ヶ月間の日本への旅客輸送実績は、2014年通年の実績をすでに上回って居る。2014年、2015年に参入した5社を含めて、2015年末時点で日本路線には計14社の中国エアラインが就航しようとして居る。中国の春秋航空は、名古屋と大阪/関西に架空の基地を設け、日本に自社の運ぶ旅客を宿泊させるホテルを建設しようとして居る。
日本のLCC分野は、4年間に5つの新規参入社が現れ、躍動して居る。彼らは、景気の減速や、足下の人口減少にも関わらず、日本人旅客の流れを若返らせるのを助けて居る。然し乍ら、中国=日本間市場では存在感の無いままである。2012年の中国=日本両国の領土問題が旅行環境を悪化させ、それ以来、日本のLCC各社は、中国エアラインの供給の流入に圧倒されてきた様に見える。これが、今、変化を始める様だ。即ち、エアアジア・ジャパンが2016年3月に開業、やがてその各国子会社が熟知する中国線の開設を計画して居る。上海に基地を置く春秋航空が現地に創った共同事業である春秋日本は、2016年に遂に国際線を始める予定で、重慶と武漢と言う2つの都市を最初の目的地にする計画だ。既に旅行客の急増を目の当たりにしながら、この動きは、市場に対して始まったばかりである。LCCはその役割を大きく拡大しようとして居るのだ。
Japanese LCCs could tackle booming Chinese market as AirAsia Japan launches and Spring Japan expands
アフガニスタンのサフィ航空、儲かる近距離フィーダー路線に絞る=長距離拡大は控えて
サフィ航空は、アフガニスタンの国情が改善し、ビジネスが戻って来るのに合わせ、地元市場でのより大きな役割を計画して居る。アフガニスタンでは、矢張りエミレーツ、フライドバイ、そしてターキッシュエアラインなどのハブエアラインの拡大する存在感を目の当たりにして居る。これら3つのエアラインは、アフガニスタンの地場エアラインが世界に供給して居る座席数と同じくらいの国際線供給席数をアフガニスタンに送り込んで居る。サフィは自らの存在を正当化するためには彼ら、そしてその他の外国社に対抗する必要があると考えて居る。同社は、拡大と現有3機の狭胴機の機材更新のために、2016年上期中に10〜20機の狭胴機導入の決断をする計画である。
以前、サフィは、可なりの規模の長距離路線網を計画したが、欧州で問題エアラインリストに上がって居る事も一部影響して、戦略の変更を行い、アフガニスタン発着の旅客をドバイの様な外国のハブへ輸送する、フィーダーエアラインとして機能する事に、より大きな商機があると考えるに至った。同社は、既に米国からの旅客がドバイを経由する際の、好ましいエアラインとして、米国政府のお墨付きを得ている。
Afghanistan’s Safi Airways sets aside long haul growth to focus on profitable short haul feeder role
ルフトハンザ、シンガポール航空、湾岸との競争に対応=限定的共同事業で、更なる計画も
13-Nov-2015
湾岸エアラインの台頭は、嘗ては其々手強い競争相手だったエアライン各社を圧迫し続け、各社は手を組んで、効率の高いライバルに立ち向かおうとして居る。そんな中で、ルフトハンザとシンガポール航空(SIA)グループは、これまでの独立性を妥協せざるを得なくなって居る。新たな戦略の一つは、収入を分配する共同事業(JV)である。この協力手法は、欧州、アジアでどんどん広まって居り、大西洋横断、太平洋横断路線の市場で、既に行われて居る。殆どの事業例は、既存の強固な足場に築いた地位を補強する為に行われて居る。これに比べて、ルフトハンザとSIAは、ビジネスを根底から変えてしまった湾岸エアラインに対抗する為に、この脅威の下、互いの違いを棚上げしようとして居る。
ルフトハンザとSIAは、西欧=東南アジア間の直航便の供給の凡そ27%を占めるが、彼らの輸送旅客数のシェアは13%に過ぎない。エミレーツは単独でも12%を占め、エティハドとカタールを加えると、湾岸経由の乗り継ぎ旅客の市場で全体の27%になる。然し、SIAとルフトハンザは、其々の国の間に直航便を持つ唯一のエアラインである。
厳しい状況にも関わらず、多分、危機に近づくに連れ、ルフトハンザとSIAの答えは限られて来たのだろう。彼らのJVは、シンガポールからドイツ(ルフトハンザのハブ)とスイス(スイス航空のハブ)への路線だけを対象として居る。これは、彼らの欧州=東南アジア間市場の1/3に過ぎない。両社は、その他の多くの市場間で、競争相手のままであり、これは、衝突の、或は少なくとも不信感の原因になる。例えば、シンガポール=ロンドンの旅客は、JVに入らないSIAの直航便で行く事も、或は、JV便でドイツか、スイスのハブ経由で行く事も出来る。両エアライングループともに、クアラルンプール=アムステルダム線の旅客について競い合う事になるだろう。
Lufthansa, Singapore Airlines respond to Gulf competition with a limited JV. There is scope for more
マレーシア航空のリストラ、新段階に=保有機数、域内供給の削減で
12-Nov-2015
マレーシア航空(MAS)は、航空機リースを解約し始め、長いリストラの過程の、新たな段階に踏み出した。MASは、2015年9月1日新会社に移行したが、リストラの多くの部分で、完成には程遠く、開始にはまだ一年はかかりそうだ。
MASには、ちょうど、会社更正法に守られて、リストラする米国のエアラインに似た特典を与えてくれる、航空機リースを解約する余裕が未だある。MASが新会社への移行を前に、供給と人員を削減する中で、このフラッグキャリアーは、漸く、保有機を見直す手続きを開始した。
全保有機の大部分は、今後数カ月で、返還される事になって居る。MASは既にアジア外の路線網を最小限の水準まで削って居る事から、特に国内線と近距離部門では、更なる供給削減があり得る。
Malaysia Airlines' restructuring enters new phase with fleet & possible regional capacity reductions
リビアンウイング、リビアの航空業界再建のために開業=A320とA350を発注
リビアで、新たにエアラインを始める事は、予想される全ての、次いでまた別の問題を呼び起こす事だ。リビアンウイングズの本拠地はトリポリにある。地方空港にあったその基地は、破壊されてしまい、基本的に私立の銀行もクレジットカードも存在し無い。更にリビアンウイングズは地元エアラインとしての政府の認証を受けねばならない。極めて重要な問題の一つは、諸外国の政府が、リビアンウイングズを認証したリビアの政府を認めないかも知れないという事だ。
それでも、リビアンウイングズは、2015年9月21日、トリポリからイスタンブールへの開業初飛行をすると頑張った。が、その日になって、リビア国民は到着前にビザが必要だと言われる始末。トリポリにはトルコ大使館も領事館も無いのにである。
リビアンウイングズの問題はこうして露見してしまったが、民間企業である同社の投資家たちは、航空旅行の需要に応え、同社が、多くの再建への努力を促進してくれると考え、長期的な視野を維持して居る。フルサービスのリビアンウイングズのたった1機のA319には、2015年11月にもう1機、1年間かけてもう1〜2機のA320系の航空機が加わる予定だ。リビアンウイングズは既に2013年にエアバス社に対して、A320neoとA350を発注して居る。
Libyan Wings launches to help with Libya's aviation reconstruction. A320neos and A350s on orde
シンガポール航空、タイガーエアの買収を提案=SIAグループの、情勢を変える戦略的動き
シンガポール航空(SIA)グループは、近距離LCCのタイガーエアを完全に引き取り、統合して、複数ブランド戦略を推し進める計画である。提案された、残り44%の株式の買収はグループの全体の立場を向上させ、特に長距離LCC子会社であるスクートの将来展望を改善するものとして、ずっと検討されて来た計画だ。
SIAはタイガーエアが創立した2003年に、翌年には飛ぶように、より大きな役割を与えておくべきだった。SIAはまた、ここ数年はタイガーエアが苦戦するに連れ、それがどんどん不可避になって来て、またスクートの創設が戦略的に、もはやSIAに受け身の役割を続ける事は出来なくなったにも関わらず、繰り返しタイガーエアの買収に対して否定的な選択をして来た。
それでも、遅くとも無いよりましである。そして、これは遅過ぎては居ない。この合体がSIAにとって、以前あったものに比べ、はるかに明瞭な運営上の、そして提携の選択肢を与えてくれるだろう。
競争が厳しさを増す中で、SIAは、域内そして主要な長距離市場の双方で、未だに問題に直面して居る。タイガーエアの残りの株式を買収すると言う、2015年11月6日の提案は、SIAの長期展望を改善する事を目指した、未だに進化を続けるグループ戦略の、いくつもある構成要素のほんの一部なのである。
Singapore Airlines proposed takeover of Tigerair a scene changing strategic move for the SIA Group
ベトナム航空、二重ブランド戦略を鮮明に=そして、ジェットスター・パシフィックの拡大を加速
9-Nov-2015
ベトナムのLCCである、ジェットスター・パシフィックは、より若く、より野心的なライバル、ベトジェットに追い抜かれた後の、失地回復のため、保有機と路線網の拡大を加速させて居る。このLCCは、カンタスとの提携がなかなか進まない中で、最初の7年間、常に不採算であった。が今や、2008年にジェットスター・パシフィックのブランドを採用して以来、初めて年間で利益を上げる軌道に乗って居る。
同社は、2014年に、それまでの前年並み、またはマイナス成長と言う長く続いた期間を終わらせ、拡大方針を取り戻して居る。過去2年以上に渡って、国際線に進出する一方で、保有機数、国内線路線網を2倍以上に増やして居る。
株主である、カンタスとベトナム航空は、向こう5年間のうちに、この共同事業の保有機数を最大30機へと、ほぼ3倍に増やす事を約束して居る。ベトナム航空は2012年早くに、他の国営企業から過半数の株式を引き取って居るが、つい最近になって、急速に底辺需要が伸びるベトナム市場で、ベトジェットに対抗させるために、ジェットスター・パシフィックを使って、明らかな二重ブランド戦略をスタートさせようとして居るのだ。
Vietnam Airlines clarifies its dual brand strategy and accelerates Jetstar Pacific's expansion
ワンワールド、TAM/LATAMのサンパウロ-ヨハネスブルグ線を手中に=南半球 の重要なリンク
ブラジルのTAMは、2016年、南半球内だけの長距離便、或は渡洋便を持つ、わずか6番目のエアラインとして、ヨハネスブルグ線を開設する。TAMは、サンパウロ=ヨハネスブルグ線で、現在のコードシェア提携社である、南アフリカ航空(SAA)と戦う事になる。新しいTAMの定期便は、ワンワールドにとって、南米とアフリカを初めて結ぶもので、この同盟が提供する、世界一周の航空便の穴を埋めるものだ。カンタスも、現在、豪州と南ア、南米を結んで居る一方で、TAMの姉妹社であるLANも南太平洋を超えて運航して居る。
スター・アライアンスも、エアニュージーランドが、南米路線を開設する、2015年12月から南半球だけで完結する世界一周商品を提供出来る様になる予定だ。現在は、スターのメンバーであるSAAが南アフリカと南米を結ぶ、そして豪州にも飛んで居る唯一のエアラインである。
oneworld gains key TAM/LATAM Sao Paulo-Johannesburg service link in Southern Hemisphere
空港と環境:太陽光が、素晴らしい節約を始める 第2部=運用上の問題点
7-Nov-2015
空港で太陽光を積極的に使う事が、環境対策として経費を節約するだけで無く、実際に追加の収入を生むと、人気を得始めている。然し、いつもの通り、懸念すべき落し穴がある。
このレポートの第1部では、関連する規定が少ない事、どの組織が空港にソーラーパワーを推進して居るのか、実際の科学的裏付け、そして、価格、更に世界中の施工例について報じた。
第2部では、建物にソーラーパワーを装備する事で、どの様にエアラインも恩恵を得るのか、次の段階の太陽光電源を生かすアプリケーションを生み出す技術的進歩について、100%の電源を太陽光エネルギーから得て居る空港に、そして、考えられる落し穴について注目してみた。
Airports & the environment: Solar power begins generating stellar savings. Part 2 - operating issues
空港と環境:太陽光が、素晴らしい節約を始める 第1部=100空港が行動開始
あらゆる規模の空港が、益々、環境に敏感になって来て居る。最大の苦情の源である、騒音や排ガスの問題の他に、太陽光を積極的に使う事が、経費を節約するだけで無く、実際に追加の収入にもなる環境対策だと、人気を博す様になって来た。同時に、これを装備する事は、ソーラーパネルの輝く道を見せる事で、明らかに視覚的にその空港が環境保護への意識が高いと言う、信頼性の証しになる。
このレポートの第1部では、関連する規定が少ない事、どの組織が空港にソーラーパワーを推進して居るのか、実際の科学的裏付け、そして、価格、更に世界中の施工例について報じて居る。
Airports & the environment: Solar power begins generating stellar savings. Part 1 - 100 airports act
A380保有機プロファイル=エミレーツ、615席仕様を準備。SIAは初期の型式を処分予定
7-Nov-2015
ジャンボジェットという名称は、使われ始めて数10年経つが、2015年12月にエミレーツ航空が航空機の歴史上これまで最大の、2クラス615人乗りのA380を投入する事を計画して居り、新たな意味合いを持とうとして居る。
この型式はエミレーツの最大のA380より18%も多くの座席を持ち、A380として初めてファーストクラスを持たない機材となる。エミレーツはより多くのエコノミー席を装着する為に、ビジネスクラスの一部とともに、ファーストの客室を(機内シャワーとともに)取り除く予定だ。この機材は、当初、需要の高いレジャー路線だが、プレミア客の限られる、コペンハーゲンとバンコク線に投入する計画だ。
エミレーツはこの機材の最初の15機を受領する計画だ。既に同社は納入待ちの同型機の64%を占める73機を発注して居る。現在就航して居る同型機の半数はエミレーツとシンガポール航空(SIA)が保有して居る。最初の運航会社であるSIAは、A380の最初のグループについて、短期間のリース契約として将来計画を立てて居る。SIAは、これが同型機の最初のものであり、その後の生産過程で生まれて来た効率性が組み入れられて居ないため、このリース契約を更新しない積もりなのだ。
A380 fleet profile: Emirates prepares for 615 seat configuration. SIA will dispose of early models
中国とインド、世界最大の2ヵ国=然し、26億人を繋ぐのは毎日5便のみ
6-Nov-2015
中国とインドの2ヵ国は世界の1/3を越える、併せて26億人の人口を抱える世界最大の国家である。然し、両国の間の航空便は平均して毎日たった5便しか無い。殆どの小規模市場では、必然的に、バンコク、香港、及びシンガポールの中間ハブを経由して行き来しなくてはならない。ともに世界経済のエネルギー源であり、国境線を共有するにも関わらず、中国とインドの歴史的に冷たい関係が、両国間の旅行需要を制限して来たのだ。
この状況は、最近、中国とインドが、両国の指導者が互いに首都から離れた、それぞれの故郷を訪問するという異例で、象徴的に重要な公式訪問を実現し、変化し始めて居る。需要も増え始めて居り、国内からだけでなく、中国のエアラインは米国=インド間の旅客を自分たちのハブを通して運ぶ商機を見出して居る。インドはまた、中国国民に対し、ビザ申請の手続きをより簡易化した。中国のエアラインは、政府の「一帯一路」方針の一部として、インドや、周辺国に飛ぶように促されて居る。然し、更なる拡大を支える為には、インドは、中国エアラインにもっと多くの運送権を与える事が必要になるだろう。
China and India: The world's two largest countries but only 5 daily flights link 2.6 billion people
エミレーツ、ジェットスター・アジアの応援で=シンガポールで最大の外国籍フルサービス・エアラインとなる
5-Nov-2015
エミレーツ航空は、2016年の早期に、シンガポール市場で毎日7便のうち2便をA380に大型化する事で、最大の外国籍のフルサービス・エアラインであるキャセイ太平洋の座を奪おうとして居る。エミレーツは、2016年3月には、シンガポールに、現行対比12%増、2014年3月対比では29%増になる、週間ほぼ42,00席を供給する計画だ。
エミレーツはチャンギ空港にとって、さもなくば、とても低調だった過去2年間、ずっと、シンガポールの成長を支える主要な貢献者であった。この拡大は、新たなそして急速に伸びるシンガポールを基地とするLCCである、ジェットスター・アジアとの提携関係がなければあり得なかっただろう。
ジェットスター・アジアはエミレーツがシンガポールを東南アジアに向けた地域のハブとして使用する事を可能にして来た。エミレーツの方はシンガポールを、既に、自社の主たるハブであるドバイから毎日4便運航して居るのに加えて、3地点への第5の自由運送権でのハブとして使って居る。
Emirates, boosted by
Jetstar Asia, will become the largest foreign full service airline in Singapore
リヨンとニース空港の民営化=ツールーズでの出来事の教訓から学ぶべし
フランスのツールーズ・ブラニャック空港の最近の民営化は、再び、フランス各地の地方空港の関心に火を点けて居る。幾つものより大きな空港を部分的に民営化しようと言う、長年の計画があるにも関わらず、一連の経済と政治上の出来事からこれがずっと阻まれて来たのだ。
ツールーズの話が最終的に纏まった時、多くのフランス人は驚き、あるものは悔しがったが、それは中国の会社の連合体で、大成功だった。今度は次の2つの空港、リオン・サンテクジュペリ空港とニース・コートダジュール空港がまさに民営化を計画しており、種々の投資家や運営企業からかなりの関心を集めて居る。
今回のCAPAのレポートは確証出来る限りの各々の空港の価値について、そして誰がこの案件に興味を表明して居るかについて見てみたい。これはまた、ツールーズの取引で学んだ教訓をどう活かすかについても探って居る。
Lyon and Nice airport
privatisations – lessons to be learned from the events at Toulouse
ルワンダエア、域内の拡大を継続し、長距離便を推進=2016年、A330で中国、インドに就航で
4-Nov-2015
ルワンダエアは、アフリカの3大エアライン発信源のうち2社(エチオピア航空とケニア航空)の裏庭に控えて居る。同社は、40%の航空便が繋がる同社の基地キガリを大陸のハブにする狙いで、静かにアフリカ域内の路線網を築いて来て居る。同社のハブ構想は、リスクもあるが野心的な、2017年に787で長距離路線を開設すると言う計画でかなり高揚して居る。然し、激化する競争から、同社は、もし将来に向けて投資するなら、長距離路線網をもっと早く構築せねばならないと信ずるに至った。中国とインドへの長距離路線は、787の代わりにA330を使って、2016年開設予定へと早められた。
ルワンダエアは距離と供給席数のバランスを考え、A330-200とA330-300を1機ずつ受領する予定だ。広州とムンバイが候補だが、現時点で同社の唯一のアフリカ外の地点であるドバイでの摘み取り権を得て運航したいと考えて居る。
ルワンダエアの小規模なアフリカ外の目的地の数は、ASKから、或は収入から見ても、そしてリスクも不釣り合いに大きな規模になる。アフリカ域内は、引き続き、同社の心臓部である。追加分の737-800が、2016年、2017年にそれぞれ計画されて居て、2017年末までに、同社の保有機は12機に、供給席数は倍に増える事になる。
RwandAir continues regional growth and accelerates long haul with 2016 A330 service to China, India
シンガポールのLCC 第3部=ジェットスター・アジア、インターライン旅客と副次的目的地に焦点を強化
3-Nov-2015
ジェットスター・アジアは、引き続き保有機数増は控える一方で、更に収益を上げ、路線網を拡大する好機を探って居る。このシンガポールに基地を置くLCCは、2014年度に地元市場での供給過剰と急速な収益率の低下から、市場最悪の1年を経験した後に、2015年6月30日迄の会計年度(2015年度)に黒字回復を果たした。
ジェットスター・アジアは、暦年2014年の早くに、機材数の増強を差し止め、それ以来、18機のA320と言う保有機を守って来た。然し、同社は、稼働率の向上で、ASKを増加させる事に成功し、インターラインやコードシェア提携社からの送客の旺盛な市場で、供給を増やすことが出来た。
単位収入は、過去数カ月に渡って上昇傾向にあり、ジェットスター・アジアは、更に新しい提携社を加え、現行提携社とは関係を強化する中で、更なる収益率の改善が見られるかも知れない。同社は、また、未だに供給過剰と不合理な競争で傷付いた市場への依存度を減らす試みから、2015年遅くに他のLCCは誰も飛んで居ない、副次的な3つの域内路線を追加しようとして居る。
Singapore LCCs part 3: Jetstar Asia increases focus on interline traffic and secondary destinations
デルタ航空、エアカナダがやって来たドバイを去る=オープンスカイ対保護主義の衝撃
2-Nov-2015
デルタ航空にとっては、ドバイ路線から撤退することは純粋に、オープンスカイ政策が供給(同社はそれを補助金をもらってと称しているが)と、太刀打ちできないハブを解き放った事による衝撃の為であった。デルタは2015年10月28日、同社の中東での唯一の路線、アトランタ=ドバイから撤退する事を発表した。然し、デルタはこの路線が不採算だとは言わなかった。確かに、エミレーツ航空の計算では、デルタは控えめに見積もっても、「路線純差益」が世界の平均の2倍近い、7%をずっと超えて居た事を示唆して居る。この湾岸のエアラインはデルタがドバイ線の機材をより利益率の高い、独禁法適用除外を受け運航する米国=欧州線の共同運航便に回す方が良いと考えたのだろうと推測する。
一方で、保護主義者を公言するエアカナダは2015年11月3日にドバイ線を、11月1日にデリー線を開設して、全く逆方向に動いて居る。デルタが廃止したドバイ線も、エアカナダの新たな定期便も共に世界のハブの震央に飛ぶ路線だ。ドバイは域内全体に商機を齎したが、同時に他の誰もが目覚める前にその動きを掴みとった、エミレーツの恐るべき規模もまたこの土地の賜物である。
エアカナダはその政府が、他の殆どとは違って、湾岸のエアラインとの競争を食い止めて居るので、比較的に自信を持って居る。消費者にとっては、米国のオープンスカイ政策は、かなりの利益を齎して居るのだが、一方、カナダの保護主義は旅行の選択肢を、そして経済を制限して居る。
Delta Air Lines exits Dubai as Air Canada arrives. The impact of open skies vs protectionism
バニラエアの 親会社ANAとの二重ブランド計画=広胴機と新たな基地が再検討される中で
31-Oct-2015
ただのプレーンなバニラではもう満足出来ない。即ち、日本のバニラエアは、2013年〜2015年のエアアジア・ジャパンからの再出発の期間は安全運転をして来たが、2016年〜2018年の期間は保有機数を現在のA320 8機から16機以上へ倍増して成長モードに入る。バニラは、国際線市場は香港と台湾の2地点しか持って居ないが、台北への毎日4便、香港への2便など既に始めて居る多頻度便設定などの多様化が必要だろう。
旅客需要に季節変動があり、また日本市場は、まだLCC革命を充分に信じるまでには時間がかかる状態なので、国際線は、バニラが国内線よりも優先する成長市場である。殆どのバニラの国際線が運んで居るのは外国人で、日本人ではない。バニラはソウルに再就航の可能性があるが、一方、中国本土は大きいけれど難しい市場である。
日本への旅行客数が大きく伸びて居る東南アジアは魅力的だが、東京からはA320の航続距離範囲外である。バニラは、東南アジアの地点に届くよう、もっと南方に基地を設けるか、或いは広胴機を手に入れる事を検討して居る。一方、国際線の拡大は、競争相手のピーチがやった様に、深夜発着枠を使って、東京/羽田からも起こり得る。
Vanilla Air's potential dual brand operation with parent ANA, as widebodies and new base considered
アフリカのLCCグループ、ファストジェット、障害突破=ジンバブエの子会社始動とタンザニアの基地拡張で
30-Oct-2015
アフリカのLCCグループ、ファストジェットは、ほぼ3年間の後退、延期の後に、本拠地タンザニアを補完する第2の市場に、遂に子会社を創設する事が出来た。そのファストジェット・ジンバブエは2015年10月28日に1機のA319で、ハラレとビクトリア・フォールズを
結び運航を開始した。
ファストジェット・タンザニアは、2012年、3機のA319の保有機で開業。最近、ほぼ3年ぶりに2機のA319を受領し、国内4地点、国際5地点への路線網の供給拡大に使って居る。
タンザニアは、比較的市場規模が小さく、これまで、大きな事業になるとは思われて居なかった。然し、ファストジェットの他のアフリカ市場にも子会社を設立しようとする計画は、何度も、保護主義と官僚主義の犠牲になって、後退を強いられて来て居るのだ。
African LCC group fastjet passes hurdle with launch of Zimbabwe affiliate as Tanzania base expands
LATAM航空グループ、国際線への進出続く=ブラジルの成長目標を削った後で
28-Oct-2015
ラテンアメリカ中で弱い経済状況が続く中、LATAM航空グループは、国際線への拡大を続けて居る。同社は、既に、最大の国内市場であり、この地域で最も経済的に弱いブラジルの成長目標を削って居る。
LATAMの国際線への一連の計画の中で最も新しいものには、リマのハブとワシントンDCを結ぶ路線や、サンパウロからヨハネスブルグへの新設便の案も入って居る。同社は、また、ボゴタとブラジリアからプンタ・カーナへの便で、カリブへの接続もやりたいと考えて居る。これらの新路線は、2015年、サンパウロからバルセロナ、トロントそしてカンクーン、リマからオーランド、そして、サンチャゴからミラノなどの長距離路線に加わる事になる。
これらの動きは、LATAMが路線網を構築するのに、弱い地域での落ちて行く需要を管理しながら、強い市場に供給を配置すると言う、バランスを取ろうとして居ることを示して居る。
残念ながら、ラテンアメリカ内での問題は、この地域の主たる経済成長の見通しが、2015年、下方修正され、2016年には、僅かながら成長が見込まれることから、短期間で終わろうとして居る様だ。
LATAM Airlines Group continues its international push, after slashing Brazil growth targets
シンガポール航空、複数ブランド戦略進化=スクート、タイガーエアとのインターライン、常顧客プログラム提携で
28-Oct-2015
シンガポール航空(SIA)は、グループが、路線網全体を見直し、その4つのブランド間での新たなシナジー効果を追求する中で、その複数ブランド戦略が重大な転機に近づいて居る。
近距離LCCのタイガーエアを部分所有の関連会社から、過半を所有する子会社に移行する事は、特に、中長距離路線LCCであるスクートとグループ全体に商機を切り開くものだ。
SIAは、最近、スクートの運航する便を、売り始めて居ると同時に、タイガーエアとのインターラインの手続きも整備しようとして居る。フルサービスを提供し、更には、プレミアムクラスの旅客を格安エアラインのブランドに乗せる事は、以前のSIAには考えられない事だったが、今やグループにとって、スクートとタイガーエアが、20以上の目的地への便を加えて、提供するからには、必要な、そして当然のステップになって来た。
SIAグループの、複数ブランド戦略への転換を明示するもう一つの展開として、最近、SIAの常顧客プログラム会員は、タイガーエア、スクートでマイルを貯める事が出来る様になった。
SIAは、その2つの格安ブランドの地位を改善する事を決意して居り、当面、不採算のままではあっても、グループの長期戦略の中では、重要な構成要素である。
Singapore Airlines multi-brand strategy evolves with Scoot, Tigerair interlines and loyalty tie-ups
ロイヤルヨルダン、黒字転換達成=長距離路線拡大を再開。広州とジャカルタへ
28-Oct-2015
ロイヤルヨルダン航空は、2013、2014年と大巾な赤字を計上した後、難しい黒字転換を達成し、2015年には利益を計上出来る軌道に乗って居る。大規模な路線網のリストラと、ボーイング787の導入による、効率性の改善が、レバント地方の長引く不順な市場環境にも関わらず、このフラッグキャリアーの黒字回復を可能にした。
ロイヤルヨルダンは、慎重に、また比較的リスクの低い形ではあるが、路線網の拡大を再開しようとして居る。2015年12月に、広州とジャカルタが加わる一方、広胴機の稼働率を改善する事により、クアラルンプールを直航便に格上げしようとして居る。
広州とジャカルタ路線の追加で、ロイヤルヨルダンの長距離路線網は、7地点から9地点へと拡大した。同社の近距離、中距離路線は2014年には10地点以上削られたが、これも、僅かながら拡大を開始しようとして居る。
Royal Jordanian completes turnaround, resumes long haul growth with Guangzhou and Jakarta
航空の安全 対「告発の要請」=無差別な告発が、安全の文化を蝕む
27-Oct-2015
このレポートは、2015年10月22日、ワシントンDCで行なわれた、米国法曹協会のTort Trial & Insurance
Practice Section(私犯訴訟と保険実務分野)メンバーに対するIATA法律顧問ジェフ・シェーンによる基調講演の詳細な抜粋を収録したものだ。シェーン氏は、航空安全の向上の目的で、航空事故から学んだ教訓を適用する事に尽くして居る人々に対する懸念について、その主要な部分を語った。
安全管理についての、大きな進歩は、1970年代に遡り、任意報告システムの出現とともにやって来た。シェーン氏は、このシステムは、多くの国の管理当局者達により、安全基準に対する、懲罰的でなく、「単なる文化」とする接し方の一部として、奨励されたものである、と説明して居る。管理当局者とエアライン双方の間に同様に湧き上がって来た、「単なる文化」とする接し方には、強制的懲罰が代表する体制に比べ、より大きな効果を生み出して居ると言う共通認識があった。その様なシステムを成功させる為に、肝心な事の一つは、そのシステムに依って得られた情報については、厳格に秘密を守る事である。
然し、シェーン氏は、判事や、検察官や法廷の弁護士達が屡々、この問題に接する際に用いる、執拗な「告発の要請」について、そして「彼らが成功し、その数がどんどん増えて居る事」に懸念を抱いて居る。もしこの傾向が続くなら、貴重な知識を持った人々が、その情報を公表する事による法的な成り行きを怖れるため、「安全の為に肝心で必要な情報の流れは、簡単に枯渇してしまうだろう。」と、シェーン氏は言う。
Aviation safety vs the “prosecutorial imperative”. Indiscriminate prosecutions erode safety culture
英国、中国人へのビザ発給基準を緩和=英国航空、英国観光業界は中国の成長に更なる支援が必要
27-Oct-2015
もし、地元のビールと、エアラインを持つまでは、国とは言えないとしたら、その延長でエアラインはロンドンに飛んで居なければならない。これが、ガルーダ、フィリピン航空、ベトナム航空など、アジアのエアラインがロンドンへの路線を開設し、財政的重圧のかかる中でもそれを維持しようとする時に、常に依って立つ命題なのだ。
然し、これは中国には当てはまらない。中国のエアラインは英国への供給席と同じくらいイタリアにも供給して居り、中国人旅行者は英国以上にニュージーランドに行って居る。全部で7社の中国エアラインは全て豪州に飛ぼうとして居るが、英国に就航を計画しているのは4社のみだ。
この停滞現象は英国観光業界の、そして英国航空(BA)の問題である。
習近平主席の英国訪問と機を一にして、中国国民に対するビザの発給基準が緩和される予定だ。然し、これで充分では無い。即ち、中国人旅行者は、一度だけビザを申請すると、一回の旅行中、何カ国にも入国出来るシェンゲンゾーンに、英国は加盟していない為に、英国観光界は痛手を被って居るのだ。結果として英国に対する中国人の関心を制限することになり、BAの存在感は中国に於ける欧州主要エアラインの中で、最も小さい。例えば、フィンエアの方が大きく、IAG-フィンエアの提携が深化したり、買収などあれば更にその差は広がる。BAは、寡黙にではあるが、中国ビジネスの拡大戦略を持って居る。然し、まだ更なる支援が必要である。
UK relaxes China visa restrictions. British Airways, UK tourism need more support for China growth
シンガポールの業務渡航=活気付くビジネスのハブ、間もなく変身しようとして居る
27-Oct-2015
「CAPA/ACTE東南アジア業務渡航刷新デー」は、2015年11月23日、シンガポールのカペラで開催される。
業務渡航は、より多くの多国籍企業が世界規模、そして域内のプログラムのハブとして利用し始めて、シンガポールを賑わして居る。この都市国家の地理的条件と昇り調子の経済が魅力的だが、一方で、技術的、文化的な課題がある。
その他の市場の様にシンガポールでの渡航管理は、今や、コストの削減と言う課題から、注意義務や、データの統合、拡大するモバイル機器の使用を如何に取り入れるかなどに変わって来て居る。シンガポールの渡航管理者達はまた、開かれた企業団体が、LCCを取り込んだ上での最善の運賃と言う方針を取り入れ始めて、エアライン環境の変化とも折り合いをつけて居る。
然し、多くの人々が、未だにフラッグキャリアーへの忠誠心を捨て去るのは難しいことに気づいて居る。
Corporate travel in Singapore: a booming corporate hub, about to be transformed
エミレーツ航空、創立30周年=世界を変えて、今やエミレーツは自らの変化に直面する
26-Oct-2015
2015年10月25日、エミレーツ航空が創立30周年を迎える事で、最も、驚くべきは、同社が本当に30歳だと言う事だ。エミレーツはもっと年上だと思う向きもあるだろうが、結局、今や、同社は世界最大の国際線エアラインである。確かに、その様な大きな業績は、空飛ぶボートだとか、国際連盟と植民地帝国と言った時代からの歴史に根ざしたものに違いない。
ところが、エミレーツは、その様な年齢である事に、多くの人が驚くだろう。他の伝統的なものとは全く異質なエアライン、成長の余地がまだ幾らでもある事業運営で、戦う成り上がり者と表現される。エミレーツの青春は、伝統と言うお荷物を持たないフルサービスエアラインで、既存の各社にとって、重大な脅威になって居るのである。エアフランスーKLMのCEOアレクサンドル・ドゥジュニアックは2013年、エミレーツに搭乗し、15ページに渡るメモを書いたが、「競合他社達は、スターに会ってポーッとして居る状態だ」と、述べて居る。
これは、エミレーツの30周年記念を取り巻く、変曲点を表現するのに正に相応しいエピソードである。競合他社は、エミレーツがやって来た事を見、エミレーツは未来を見ようとして居る。人間が30歳の誕生日を祝う様に、エミレーツは自分が大人の世界に踏み入れるのを理解して居る。これらの嘗ては、「その内に」と先延ばしにして居た手続きを、今や始めるときが来たのだ。目標を細かく調整し、未来に向けて体調を整えて居るのだ。
Emirates Airline turns 30: Just as it has changed the world, now Emirates faces its own changes
台湾が政治的変革に直面する中で、海峡横断のエアライン市場に暗雲が漂う=香港が利を得るかも
26-Oct-2015
与党であり、親北京のKMT(中国国民党)は、2016年1月の台湾総選挙で敗れると予想されて居る。
KMTの治世の下、北京と台北は、数10年間禁じられて居た、中国本土と台湾を結ぶ海峡横断のチャーター便を、次いで定期便の開設を含め、密接な関係を築いて来た。全体として、未だに厳格な規制の元にある市場で、便数の増加、寄港可能な目的地の拡大など、成長を示して来た。
台湾側にとって、とりわけ悩ましいのは、複雑な理由から、台湾のエアラインには、中国本土から台湾への、そして、その先の豪州、北米と言う中国本土から人気が高く、そしてハブとして台湾が理想的な位置にある、2つの地域への乗り継ぎ需要を輸送する権利を与えられて居ない事だった。
まだ関係が良かった2015年の始め頃、台湾のエアラインは、 年末までに乗継需要の運送権が貰えると予想して居た。然し、台湾の政治情勢が北京にとって好ましく無い方向に変化したため、2015年10月の協議で、運送権は付与されなかった。
冷え込む両国関係から、より大きなリスクは、海峡越えの自由化を遅らせる、或は極端な場合には、後退させる事だ。一つの帰結として、旅客の伸びは、香港のハブに吸い取られてしまうかも知れないのだ。
Clouds loom over Cross-Strait airline market as Taiwan faces political change. Hong Kong may benefit