CAPA「エアラインの保有機材と資金、アジア・サミット2014」:第1日目のハイライト
26-Mar-2014 7:20 PM
200を超えるエアライン、リース会社、銀行そして法律事務所が、CAPA主催の第2回「エアラインの保有機材と資金、アジア・サミット」に参加するために、シンガポール・セントーサ島の壮麗なカペッラ・シンガポールに集まった。
CAPAは2013年に「資金サミット」を開催して、アジアの資金市場のコミュニティーに対して、この地域に新たな航空機保有のブームが生まれていて、資金調達の必要性と商機があるという情報発信を開始した。
このサミットは、資金供給サイドに興味深い主題に関する、エアラインからの発表と、パネルディスカッション、そして、CAPAの比類の無い保有機材マーケットプレースという企画からなっている。
CAPA's Airline Fleet & Finance Asia Summit 2014, Highlights Day
1
ジェノバ空港、イタリアの最新の空港民営化事情=この業界は今でも魅力的か?
26-Mar-2014 6:07 PM
イタリアのジェノバ空港公団の民営化は、ENAC(イタリア民間航空協会)の審査段階に来ている。
イタリアは欧州では数少ない、独立した地域空港が、少なくともその一部が、民営化されているか、可成りの程度まで売買されている国である、だけでなく、ローマ空港公団の例も含め、国家が最も早くから空港システムの民営化を開始した国である。
確かにそうではあるが、数少ない例外を除いて、民営化の形が断片的な場合が多く、たくさんの市町村が権益を確保しようとするが、しばしば目減りしてしまっている。
Genoa Airport the latest Italian airport privatisation prospect but is the sector
still attractive?
バーミンガム空港、マーケティングの真価を発揮=ロンドン以外から英国初の中国線開設
25-Mar-2014 6:19 PM
英国のバーミンガム空港が、ロンドン以外で中国路線を開設する英国初の空港になる競争に勝った。
この路線はバーミンガムと北京を結ぶ予定だ。中国南方航空が運航する計画で、路線便数計画としては当面、チャーターで、短い夏のピーク季のみの運航になる模様で、慎ましいものなのだが、旅客数では国内で第7番目に過ぎない空港がこれを勝ち取った事は、他のライバル地域空港に、我らが大志を見よと挑戦状を叩きつけている様だ。
また、この中国線の運航開始が、既に2014年4月の滑走路の延伸工事完成とともに、開設が決まって居る、その他の長距離路線に加えてやって来るので、バーミンガム空港が政府の空港委員会に提出した国内空港の能力の将来像に関する意見書が、(その中で、バーミンガム空港は国家の役割が大幅に拡大すると見ているが)、経済的にも、運用面でも実現可能である事を示すのに役立っている。
Birmingham Airport shows the value of marketing, to become the first UK non-London
Chinese flights
タイガーエア、発注済A320を9機キャンセル=シンガポール市場での供給過剰回避のため
25-Mar-2014 10:34 AM
タイガーエアが、2014年と15年に引渡しが予定されている9機のA320をキャンセルしたことは、供給過剰の兆候がつぎつぎと現実になっている東南アジア市場にとって、必要な救いになるだろう。
タイガーエアは当初案ではこれから13ヶ月のうちに、異常にも9機もの航空機を受領する機材計画を立てていたが、シンガポールが過当競争で血の海になるのを避けることが出来る筈だ。
この機材のキャンセルはエアバス社との取引の一部で、これには2018年以降、少なくとも37機のA320neoを受領することとなっており、タイガーエアにとっては、未だ採算のとれないインドネシアの子会社対策の選択肢を見直すにあたって、より柔軟な対応が取れることを意味する。しかし、この保有機材の修正により、グループの業績見通しは改善するとしても、タイガーエアにはまだいくつもの乗り越えねばならない問題がある。
タイガーエアは、より大きなLCCグループであるエアアジアに追従して、2014年の供給拡大の速度を緩めている。それでも、東南アジアのLCCは2014年に17%もの保有機材数を拡大すると予測されることから、更なる見直しが必要となるだろう。
Tigerair cancels nine A320s - averting excessive capacity in the Singapore market
CAPA報告:ミャンマーの航空、ツーリズム・システム=エアライン、ホテル、空港の造成計画
24-Mar-2014 6:20 PM
CAPA(航空センター)がお送りする、急速に台頭するこの国のエアライン、空港そしてホテルの開発計画 概要報告
ミャンマーの航空市場は、2012年の門戸開放以来、アジアでも最高の旅客数の伸び率を記録し、地元そして外国エアラインの双方にとって膨大な可能性を持っていると言えよう。
しかし、同時に、インフラの制限、供給過剰、そして、利益率の低さなど大きな問題も待ち構えている。
CAPAは、この問題の多いそして魅力溢れる市場で、爆発的に成長するミャンマーに関する、主要なデータをカバーする、30ページに亘る報告書を発表した。
この報告書は市場の主要な登場人物、この国の直面しているインフラの課題、そして空港と観光インフラの発展計画について解説している。
(無料ダウンロード→以下をクリックfree download. )
Myanmar’s Aviation and Tourism System. CAPA Report - airlines, hotels, airports
infrastructure plans
アシアナ航空、A380の起用に備える=長距離路線比率を上げるために
24-Mar-2014 1:22 PM
アシアナ航空は、長年に亘って、太平洋戦ではアジア最大のエアラインであるにも関わらず、物静かな達成者である大韓航空の陰に居た。アシアナは2014年7月にロサンゼルス線を皮切りにA380を使って、長距離路線を増やす事で、この格差を縮めようと試みている。同社は近距離路線で激化する競争を懸念して、長距離路線の比率を上げているのだ。
大韓航空の2/3の規模であるにも関わらず、アシアナの近距離北アジア路線網は規模で4/5であり、供給過剰と思われる。一方、アシアナの北米市場は大韓航空の1/3の規模であり、供給不足と言えよう。この追い上げ競争は大韓航空に対してだけでなく、中国国際航空、エバー航空、そして海南航空という北米路線を急速に拡大している、他のエアラインともしなくてはならない。アシアナにとって、取り巻く環境はますます難しくなり、そして各エアラインが北米の景気回復を受けて、この路線で儲けようとしているために、今後も難しい状況は続きそうであることを考えると、行動に移すべき時は迫っている。
Asiana Airlines prepares for A380 deployment to increase its proportion of long-haul
flights
世界のエアライン産業、上昇の周期に=しかし、毎年1,250億米ドルの資金が必要
21-Mar-2014 5:38 PM
IATAが最近修正したエアライン産業の財務予測は、2014年の利益の見通しを引き下げる事になった。しかし、IATAが指摘するように、「今年はエアラインの収支見通しとして2013年に比べ、可成りの改善を予想している事に変わりは無い。」
更に、2014年1月のデータを見ると、プレミアム旅客の動きは上昇傾向にある。世界の経済周期は上向いて居る模様で、CAPAの供給量指標はエアライン産業の分野は上昇の周期に入った事を裏付けている。
しかし、航空業界の生み出す純利益は、2014年、出発旅客一人につき、僅か5.65ドルと予想されている。記録的な航空機の納品待ちの数、そして年間の納入機数を合わせると、次の10年間だけをとっても1,250億ドル以上の資金調達が必要な機数であり、これは世界の航空業界の財務担当者にとって、大きな課題を投げかけている。
World airline industry in cyclical upswing - but in search of USD125 billion annually
in financing
エアラインの供給過剰は豪州西部に集中=カンタス、バージンは再調整ができるか?
21-Mar-2014 1:38 PM
豪州は世界で7番目に大きな国内線市場であり、これまで、その実収率の高さで最も贅沢な市場の一つとも言われてきた。最近、カンタスとバージン・オーストラリアが大量に供給を拡大したが、これにより数億ドルの収益が失われてしまった。カンタスグループには65%の市場占有率確保という不文律があって、バージンに対抗するために、供給を拡大している事には多くの議論があるところだ。この議論で見落とされているのは、一体どの市場にその供給増がなされるのかという点と、何故それを吸収することが難しいのかと言う点である。
今回はこの戦いが最も激しかった、過去2年の国内線市場での供給拡大についてレポートする。最も早い速度で拡大したのは、西部豪州の地点で、40%近くの成長を記録した。この供給は、最近は弱まっている鉱山労働者の需要と密接に結びついて居る。
この市場では、レジャー需要は、もしあったとしても、極めて限られている例の典型で、割引運賃や採算性を落として、需要を刺激することが難しいのだ。もう一つ供給が急速に拡大しているのは東西海岸間の路線で、ここも、需要を刺激するのが難しい市場である。
カンタスとバージンの問題は、単に漠然と供給の状況だけでなく、豪州のエアラインの全供給の1/3が発着する、西部豪州での両社の戦略についても問われている。
Airline overcapacity is concentrated in Western Australia. Can Qantas and Virgin
recalibrate?
ハワイアン航空、弱い長距離路線を切る=より馴染み深い北米市場に回帰
21-Mar-2014 12:53 PM
ハワイアン航空は、最近調子を上げてきた北米路線に増便するために、去年の大半を需要低迷で苦しんだ福岡と台北という、2つの長距離市場を切るという選択を決断した。
勿論、北米路線に供給を再注入することで、供給過剰を招く危険はある。このシナリオはそう遠くない昔、ハワイと米国本土の間の路線が均衡点に達した時、そしてその市場で好成績を残した時と同じである。
ハワイアンはこれまで、幾度と無く、一体いつになったら、路線収益を上げることが出来るのかと問われて来た、2つの国際路線を切ろうとしている。長引く日本の通貨安の圧力と豪ドルの対米ドル切り下げに立ち向かって、ハワイアンのこの長距離路線戦略が実を結ぶまでには相当の時間が掛かると見られていたのだ。
Hawaiian Airlines drops weak long-haul routes, returning to more familiar North American markets
キャセイ太平洋とシンガポール航空、慎重に新規ハブを歓迎=カタールとトルコが競争参入
18-Mar-2014 9:15 PM
伝統的エアラインが、世界の新たなネットワーク・エアラインになる画期的方向転換は静かな、しかし、歴史的に重要な可能性を秘めた歩みをアジアで進めて居る。即ち、キャセイ太平洋がワンワールドのメンバー、カタール航空と提携し、シンガポール航空(SIA)は、同じスターアライアンスの盟友トルコ航空と提携を拡大して居る。
キャセイとSIAの両社は、アジアで何事にも基準となるエアラインで、これまで、ずっと固く独立を守ってきていた。しかし、これは全盛期には通用した手法だが、競争が激化するに連れ、限界が見えて来た。
彼らの転換を導く理論は、SIAがトルコ航空との提携強化を発表する際の声明に端的に述べられて居る。
「私たちは、一緒になれば、一人でやるよりもっと良いものが成し遂げられる。」−全体は部分の総和に勝る−。
これは、力強い言葉だが、多分、数年前のSIAでは想像もできなかった言葉だ。しかし、はっきりさせて置きたいのは、この提携は、少なくとも現時点では、カンタスとエミレーツ、あるいはエティハドとエアフランスとの記念碑的な提携には及びもつかないものだと言うことだ。この提携はまだ日も浅く、どの位の吸引力を持ち得るか、以遠権の地点の問題なり、コードシェアの料率などを含め、如何なる良き展開も、ものになる迄にはまだ時間がかかるのである。エティハド・エアフランスの提携は開始以来18ヶ月経過した今も、未だに定義付けの段階である。従って、キャセイとSIAが踏み出した数歩は、たとえ行く手は遠いといえども、重要なのである。
Cathay Pacific and Singapore Airlines cautiously welcome new hubs as Qatar & Turkish enter the fray
ケニア航空、アジアに焦点を合わせ北京、上海線開設=787と更なる777の受領とともに
18-Mar-2014 4:08 PM
ケニア航空は急速に広胴機の保有機材を拡充、更新し、アジア路線の大々的な拡大を計画している。フラッグキャリアーである、ケニア航空は2014年末までに、中国で北京と上海の2地点へ、そして2015年には東南アジアに、少なくとも1地点の路線開設を計画している。
同社は、合計9機発注した787-8の内、2014年3月末に初号機を、残りは全て2015年末までに受領することになっている。また、このスカイチームの加盟社、ケニア航空は、2014年半ば迄に追加の777-300ERを2機受け取る事になっている。
同社の広胴機の保有機材は現在の11機から2015年末までに16機に拡大するが、それによって増加する供給座席の殆どはアジアに振り向けられるのだ。
ケニア航空は、ライバルのエチオピア航空とともに、急速に勃興するアジア=アフリカ間市場の需要を開発しようとしている。同社は、既に、より小型な機材を使って、便数を増やし、急成長するアジアの旅客需要の拠点からのアフリカ乗り継ぎ需要の利便性を改善して来ている。
Kenya Airways to focus on Asia, with new Beijing and Shanghai routes, as 787s and more 777s arrive
CAPA「エアラインの保有機材と資金サミット」開催まで2週間を切る=続々とエアライン各社の出席決まる
17-Mar-2014 11:00 AM
CAPAの主催する「エアライン保有機材と資金サミット」は、強力で、バラエティに富んだ航空企業各社の出席が続々と決まって居ることをお知らせしたい。これは、最大限にエアラインビジネスに的を絞った航空財務のイベントで、各社を迎えるのは、財務分野の主導的なアナリストや、コメンテーターである。
シンガポールの壮麗なカペラ・セントーサで開催される、CAPA「エアライン保有機材と財務サミット」は最新の金融事情と15のエアラインの詳細な保有機材と資金調達の状況をつぶさに見ながら、3月25日、26日の二日間にわたって検証する。
CAPA Airline Fleet & Finance Summit – less than two
weeks away. More airlines confirmed!
CAPAインドの二カ国間協定方針の報告=エミレーツは6年越しに待望の追加運輸権を確保
16-Mar-2014 4:00 PM
2014年2月26日インドとドバイは、両国の二国間航空協定を自由化し、現在の、双方が週間55,000席供給できる上限を、13ヶ月の間、計画段階で約20%引き上げる事で合意した。
これは、CAPAが2013年4月の予測リポートで、そしてより最近では2014年1月の市場分析で、予測した通りの動きである。私たちは、エミレーツが、運航便数を削る事無く、A380の就航を容易にするよう、インド=ドバイ両国の二国間協定が、近く、自由化されるだろうと、述べている。
サウジアラビアの欧州アジア向け長距離LCCフライナス=新たな低コストサービスを導入
16-Mar-2014 9:00 AM
中東では、エミレーツ、エティハド、そしてカタールが世界の注目を殆ど独占しているが、この市場は数にせよ、種類にせよ、エアラインの増え続ける宝庫である。サウジアラビアのLCC、フライナスは、最近ナスエアから改称したのだが、2020年までに、2,000万人(20ミリオン)の旅客を輸送するという、20x20計画を始動した。2013年の同社実績である300万人超からは大きな成長である。
この旅客数拡大の源となるのは、2014年の5月までに、障害は有るかもしれないが、目覚ましくも、5ヶ国8地点に就航させようとしている長距離低コスト運航である。
この計画には、他の長距離LCCが持っている必須要素が含まれている。即ち、大きな出国旅客需要に狙いを定める(ジェットスターが豪州でやった様に)ことだ。しかし、一方で、特定の旅客輸送を取り込むセブパシフィックの手法を用いて、宗教的目的の旅客輸送を手がけるとすると、大量の旅客は望めるが、季節と行き先に大きな限定がある。
フライナスはそのLCCプラスアルファという手法で具現化しているように、そもそもハイブリッドなエアラインなのだろう。ビジネスクラスを設け、どの運賃にも受託手荷物が含まれている。これはLCCの常識からは逆行すると思う向きもあるだろうが、旅をする欲求と財布を持っているサウジの市場の微妙な感覚を満足させるためには、しっくり来る様だ。湾岸のメガキャリアー達のハブの傍らに居るにも関わらず、サウジの市場は新たな刺激を欲する時期に来ているのだろう。
Saudi Arabia's flynas long-haul LCC to Europe
and Asia, introducing a new low cost alternative
セブパシフィック、2013年第4四半期は赤字に=それでもフィリピン国内線市場での立場は強力に
15-Mar-2014 7:40 PM
セブパシフィック航空は2013年第4四半期に1億5,200万フィリピンペソ(350万米ドル)の純損失を計上し、これで、2四半期連続で赤字という事になる。東南アジアの低コストエアライン業界が直面する厳しい競争市場の条件を如実に物語る、さらなる指標を示し、同社は通年での利益が86%下落し、5億1,200万フィリピンペソ(1,200万米ドル)となってしまった。2013年第4四半期、東南アジアの公式に営業しているLCCの全てで、利益が下落し、供給過剰と競争が強まっている2014年には更に悪化しそうである。
しかし、セブパシフィックは母国市場を主導する立場にあり、先駆者有利も享受できることから、中長期の業績見通しは引き続き明るい。同社は特にフィリピンの国内線市場での基盤が固く、更に改善している。東南アジアの5大市場の中で、フィリピンだけが、目下、競争と供給を抑制する方向に動いている。
タイガーエア・フィリピンを買収したことがセブの市場占有率を高め、同時に競争を減らす結果になるだろう。しかし、少なくとももう一年程度はタイガーエア・フィリピンが利益を上げないだろうから、短期的には、痛みを覚悟せねばならないだろう。
Cebu Pacific reports a loss for 4Q2013
but strengthens its position in domestic Philippines market
キャセイ太平洋航空の業績、失われた一年の後に正常軌道に=しかし、どこへ向かう軌道か?
15-Mar-2014 2:09 PM
キャセイ太平洋の2013年の業績は、同社が2012年半ばから、急遽、高騰する燃油費と、高い整備費への対策として、747-400を777-300ERに置き換える行動に出た、2013年中ごろまでの失われた一年から、殆ど一夜にして蘇ったことを示している。丁度この間、成熟するまでに時間のかかる、近距離路線の分野でも大きな成長があった。この原因は、一部には地域内の強力な需要があったことと、戦略的な至上命題として、香港ハブの発着枠を最大限に維持し、競争相手に貴重なピーク時間帯の発着枠の空きを使わせない様にするために、自ら増便をせざるを得なかったことが上げられる。ピーク時間帯にまとまった発着枠が増えるとしたら、第3の滑走路が完成する2020年以降まで、無さそうなのだ。
年間利益の26億2,000万香港ドル(3億3,800万米ドル)というのは、まだ、路線網の修正などの最中だった2013年上半期の2,400万香港ドル(300万米ドル)の利益から、記録的な改善を見せている。2013年の利益は、比較する基準が低い(即ち、2012年の利益は8億6,200万香港ドル((1億1,100万米ドル))、0.9%の利益率であった。)ところからとは言え、大いに賞賛を受けている。その2013年の利益率は2.6%と、最近では3番目に低い数値で、SARS騒動で、キャセイが殆ど全ての機材を寝かせざるを得なかった2003年より低いのだ。
これでは躍進と言っても、あまり、嬉しくない比較であり、同社の雰囲気も益々激化する競争環境の中で、湿りがちである。より強力なハブを持っている他社は、近距離、長距離とも旅客数を増やしているが、ジェットスター香港が営業開始できるか否かに関わらず、これはキャセイを更に窮地に追い込む競争を激化させるだけだ。
新貨物ターミナルが完成したが、キャセイは貨物部門を定期的な見直しではなく、根本の構造から見直している事を渋々認めたばかりだ。CEOがジョン・スローザーからイワン・チュウに交替したが、キャセイはどちらかと言うと、勇敢な新戦略を提示するより、昔の事を懐かしむ風潮が強くなったと言われ始めたところだった。確かに、今や、他のフルサービスエアラインはどこも、険しい悪路を歩んでいるのだが、それは大した慰めにはならない。
Cathay Pacific annual results: after a lost
year, Cathay sees itself back on track - but to where?
中国のエアライン、新たな国際戦略を模索=合弁事業で国内の規制を乗り越える
12-Mar-2014 1:00 PM
時代遅れで、経済的に限界のある、二国間航空協定体制を乗り越えるために、複数のブランドを使ったり、合弁事業を組む手法は、上手く定着して来た。例えば、マレーシアに本拠を置く、エアアジアはタイの航空当局がマレーシアの免許では飛ばせて呉れないので、現地の国内路線に就航するために、タイに現地子会社を持っている。この方法は今や東南アジアのLCCでは当たり前になっているが、ラテンアメリカでもビバLCCグループが用いている。
世界第2の規模を持つ市場である中国のエアラインも、同じく海外に合弁事業を形成しようとしている。LCCである春秋航空は春秋航空日本を創立し、2014年6月にはフランスの地域航空会社であるエーグル・アズールが、フルサービスの海南航空の資本参加を機に、パリ=北京線を開始する予定だ。
しかし、アジアやラテンアメリカのエアラインが合弁を立ち上げるのは、二国間航空協定体制下の、所有と統治の規制という外国からの制限を乗り越えるためなのだが、海南航空や春秋航空の例は中国政府の航空当局が有利な国際路線へのアクセスを制限する、内側からの規制をくぐり抜けるために合弁事業を創立しているのだ。これはエアラインを所有するための新しい手法であり、国際的な自由化の努力が徐々に進む中でも拡大して行くかも知れない。
Chinese airlines pioneer new international strategies: JVs to overcome internal limitations
東南アジアのLCC、2014年に保有機材を20%追加=更なる延期が必要か?
11-Mar-2014 11:00 AM
東南アジアのLCCは、最近相次いでいる発注機材の受領延期や拡大計画棚上げの発表にも関わらず、依然として、2014年内に機材数がほぼ20%も増えると予測される。この地域では2013年にも機材数が約20%増加し、いくつかの東南アジア市場で供給過剰を引き起こし、実収単価と搭乗率の下落を招いている。
その中でエアアジア・グループは新機材の受領延期や現有機材の売却により、拡大の速度を緩めるという賢明な方向を進んでいる。タイガーエア・マンダラとジェットスター・アジアも保有機材の拡大は一年間凍結する事を決定した。おそらくライオンエア・グループなど他の東南アジアLCCも市場の状況が改善するまで、同様の調整が必要となるだろう。
東南アジアは、依然として、LCCにとって更なる拡大成長の巨大なチャンスを秘めた市場である。しかし、LCCの供給能力の拡大は今や、供給自身を追い抜き始めており、一休みが必要な時期なのだろう。
Southeast Asia low-cost airline fleet to expand by almost 20% in 2014. Are more deferrals needed?
トルコ航空、2013年は供給と路線網の拡大が続いた=収益の拡大はますます難しく
10-Mar-2014 6:45 PM
2013年、トルコ航空は、利益率が1.4ポイント下落し、基礎をなす営業利益の拡大が失速してしまった。年度後半に、競争の激化する環境が収入単価を押し下げる圧力を強め、利益を上向かせるに充分な、コスト単価の低減ができなかった。通貨トルコリラが弱くなって行く事は、リラ建てで見ると、収入と経費双方を膨らませる事になる、がこの事は基本的に、単位コスト(CASK)に対する単位収入(RASK)が弱まる展開を変えてくれる訳ではない。為替差損と負債額が増える事による支払い利息の増加が、2013年の正味残額を低下させてしまった。
営業的にはトルコ航空は依然としてとても好調で、売り上げはまたも20%を超える伸びを示し、搭乗率も更なる上昇を見せている。しかし、2014年は営業利益率の低下、通年の不透明な見通しを考えると、これを、引き続き利益が拡大していく状況に転換させる事は、難しいと言わざるを得ない。
Turkish Airlines: capacity and network growth stay strong in 2013; profit growth is more challenging
日本のスターフライヤー、苦戦=保有機材を減らし新経営陣を迎える
10-Mar-2014 12:02 PM
日本の小規模エアラインの一つ、スターフライヤーは今、ブティックキャリアーであると言う事は、万能性を意味しない事を自覚し始めている。同社はほんの一年で、小規模ながら黒字だった決算からマイナス10%代の営業利益率へと転落し、社長の辞任、全てA320の保有機材を11機から9機に縮小へと振れてしまった。同社を圧迫したのは、為替レートの他に、北九州=釜山線という、限られた需要しかない副次的な2都市を、需要を喚起するには高すぎるコストベースで結び、全くの不成功に終わった国際線に手を出した事だった。
スターフライヤーには強みがある。東京の羽田空港に業界で4番目の数の発着枠を確保していて、JALとの競争力確保に役立つ対策として、スターフライヤーの部分所有者にもなっているANAから順調なコードシェアの予約をもらえる。同社の過去の実績やリストラ計画をその通りだと評する事も出来るだろう。しかし、スターフライヤーの前途には更なる難題が待ち構えている。近距離路線はLCCの打撃を被り、スターフライヤーは福岡=関西線をやめてしまった。スカイマークの、A330による全席プレミアムサービスが始まれば、より良いサービスがより安く提供されるが、これはスカイマークがスターフライヤーやANAのコスト単価の半分だから可能となるのだ。この低コストがスカイマークに拡大成長のチャンスを与える重要な体質なのだ。
羽田空港の制限された状況は、スターフライヤーの安定と将来を約束して呉れるとも考えられる。しかし、拡大のチャンスも限られている様であり、スターフライヤーをニッチな世界に留め、結局、同社は存在意義を失ってしまうのではなかろうか。
Japan's StarFlyer, struggling to expand its niche, will reduce its fleet and receive new management
廈門航空の787、福州-ニューヨーク線を狙える=太平洋線最大の未就航路線
7-Mar-2014 12:39 PM
太平洋横断路線の中で、種々の意味で最大の未就航路線は誰でも知っているニューヨークと誰も聞いたことの無い都市の間にある。中国福建省の福州である。この予期せぬ目的地は有名ではないものの、豊かな歴史のある町である。福建省の人々は、伝統的に移民を多く出し、世界の中国人居住地を形作り、そこで中華料理屋からバス会社まで種々の経済活動を生み出して居る。ニューヨークにはチャイナタウンとは別にリトル福州さえある。絆は深く、アマデウス・エアトラフィックによれば、2013年3月には毎日、201人の旅客が福州からニューヨークに旅していたと推定される。この旅客はみな、どこかのハブを経由している訳だが、廈門航空は、遠からず受領する787ドリームライナーを福州=NY線に飛ばす事を検討するかもしれない。廈門航空は、いくらか以遠権を使うかもしれないが、福州とNYの単純2地点間市場に食い込んで行くだろう。これは、この2都市を結ぶ区間で最大のエアラインであるキャセイにとっては痛手になるだろう、同様にこの市場の主たるエアラインである中国東方と中国国際にとっても。
しかし、廈門航空にとっても、そう簡単な事ではないかもしれない、何故なら、福州=NY線はVFR(友人、親族訪問)市場であり直航便を維持するだけの、高単価の客体が無いのだ。それでも、福州=NYは廈門航空の787には最も好ましい長距離路線なのかも知れない。廈門航空は基本的には国内線エアラインであり、中国で最も好業績を維持している航空会社である。廈門にとって、政府が後押しをしている長距離路線に乗り出そうと言うのはいささか躊躇されるのも理のある事で、また、最近同社が加盟したスカイチームのいくつかのメンバーが冷淡な反応を示している様子である事も、マイナス要素である
Xiamen Airlines' 787s could target Fuzhou-New York, the largest unserved trans-Pacific route
フライドバイ、2年連続黒字=路線網は相変わらずエミレーツと重なる
5-Mar-2014 10:38 PM
フライドバイは、中東でダントツ最大のLCCだが、発足5年目にして2年連続の黒字を計上した。収入と利益は供給の伸びを超えて拡大し、利益率も6%に僅かながら改善した。2013年度のASK伸び率が28%と言うのは、フライドバイがこの年、大掛かりな資源投下を要する17もの路線を新設した事を考えると、より印象深い。フライドバイの飛ぶ路線のおよそ39%は、同じオーナーのもと、別個の経営で、提携関係も限られているエミレーツ航空も就航している。
同社のハブ空港、ドバイでの滑走路工事は、収入を大分費やしてしまうかもしれないが、それでもフライドバイは2013年の7機に比べ、2014年には8機の737を買う予定である。2013年11月のドバイエアショーで買った機材も含め、遅れている機材を受領する事で、フライドバイの拡大成長は引き続き力強いものになる。
ビジネスクラスの導入は同社の地位を押し上げるだろうが、搭乗率(2013年推定で66%)の改善と、同社の位置が、比較的競争の少ない市場に恵まれている事を最大限生かすためにはここらで、ひとまず落ち着く事が必要だろう。
flydubai has its second consecutive annual
profit as network continues to overlap with Emirates
エミレーツ、エティハド、カタールとの競争を強める=米国路線網にシカゴを加えて
5-Mar-2014 10:16 PM
2014年8月エミレーツが開設を計画している、ドバイ=シカゴ・オヘヤ線は、2014年に湾岸諸国の3大エアラインによる米国進出拡大を更に強めるものである。シカゴはエミレーツにとって、9つ目の米国都市であり、エミレーツ、カタールそしてエティハドの3社が中東から乗り入れ、競い合う都市としては米国で4番目になる。
シカゴはまた、アメリカンの第2のハブ空港であり、カタールとエティハドが、まだ提携までには至らないが、ずっとアメリカンを口説いて来たエミレーツと並んで就航する事になる。カタールとエティハドは、共にアメリカンのハブであるダラス・フォートワース空港を2014年7月と12月にそれぞれ路線網に加えている。
ダラスとシカゴの両ハブ空港における、アメリカンとエティハド、そしてアメリカンとカタールの提携は、それぞれ各社に、豊富な乗り継ぎの機会と旅客数の増加の効果を齎している。
しかし、純粋に規模の点から考えると、エミレーツは未だに湾岸の2つのライバル社に比べて遥かに大きく、2013年の年間ではエティハドとカタールを合わせた旅客数の2倍以上を輸送している。
Emirates increases competition with Etihad and Qatar as it adds Chicago to its US network
5-Mar-2014 7:25 PM
ANAは創立以来はじめて、国際線路線網が国内線のサイズを超えるという歴史的な事業計画の転換をしようとしている。これは、相変わらず供給座席数では世界最大のエアラインではあるが、25年前には国内線専門だった航空会社にとっては、画期的な出来事である。
国内線での減便と国際線での拡大、そして特に羽田空港から、ついで成田空港からの長距離路線のお陰で、2015年にはASKで国際線が国内線を上回る事になるだろう。これは、2016年度まで続く事業計画によるもので、新幹線やLCCとの競争への対抗策も含んでいる。
しかし、国内線市場は国際線より大きな収入(とコスト)を生み出す世界第3位の規模の市場で、引き続きANAの心臓部である。ANAは国内線より国際線に焦点を絞るという、JALにとっては馴染み深い世界に足を踏み込もうとしている。しかし、今やJALは国際線での存在感を減らし、ANAとJAL双方が国際、国内路線網の割合が均衡するところに収束しようとしている。両社はまた、中国国際航空の国際、国内バランスに近づこうとしている。
一方、ANAは全体としてJALより規模が大きいという現状から、日本国内路線の不調や、長距離路線、特に北米路線での激しい競争の影響を受ける危険をより多く抱えている事になる。
All Nippon Airways to have more international than domestic capacity - but revenue still in Japan
ガルーダ、東南アジアでのスカイチームの主導的立場を高める=ガルーダの国際的存在感上昇で
5-Mar-2014 6:36 PM
ガルーダインドネシアは2014年5月5日、正式にスカイチーム加盟社となるが、急速に成長する東南アジアで、世界のエアライン同盟に加盟するフラッグキャリアーとしては5番目である。ガルーダが加盟したことで、スカイチームは座席供給シェア16%となり、スターの14%、ワンワールドの10%を抜いて、東南アジアで最大のエアライン同盟となる。
ガルーダにとって、スカイチームに入ることは、保有機材の更新と拡大、商品の改良と野心的な国際線路線網の拡大も含まれる新事業計画の重要な構成部分のひとつである。スカイチームは特に2014年にガルーダがアムステルダムとロンドンに直航便を開設し、焦点を絞っている欧州で同社を助けることになるだろう。
スカイチームにとっては、ガルーダが加入することで東南アジア、とりわけ、この地域の最大の市場であるインドネシアへのアクセスを大きく改善することが出来る。そして、スカイチームは今や、ASEAN市場で最も急速に発展している主要国、インドネシアとベトナムという二つの国からメンバーを迎えたことになる。
Garuda gives SkyTeam leading presence in Southeast Asia as Garuda’s international profile is raised
東南アジアのLCC、10社が豪州路線参入を狙う=既存エアラインには新たな脅威
4-Mar-2014 2:54 PM
豪州は2014年末迄に、少なくとも3つの東南アジアのエアラインから新規の路線参入を受ける模様だ。最大で10社の東南アジアのエアライン、そのうちインドネシアだけで5社、が2016年末までに豪州への便を開設する可能性がある。
新規参入組は、現在でも20社ある東南アジアから豪州に定期便を運航しているエアラインが拡大を続けるのに加え、既に供給過剰に悩んでいる市場に更なる衝撃を与えることになるだろう。特に今回の参入候補は、1社を除いてLCCばかりなので、更なる運賃下降の結果になる可能性が高い。
新たな競争は、既に豪州-東南アジア間の市場で苦戦中のカンタスグループに更なる難題を提供することになるだろう。シンガポール航空(SIA)、ガルーダ、マレーシア航空(MAS)そしてタイ航空と言ったフルサービスのエアラインも、豪州-東南アジア間の市場でのLCC浸透度が現在の30%を超えて進行することから、戦略を変更せざるを得ないだろう。
As many as 10 Southeast Asian LCCs are poised to enter Australia, further pressuring incumbents
ユナイテッド航空、豪州線に787就航発表=米国のオープンスカイ協定開始5周年を飾る
3-Mar-2014 4:02 PM
世界でも有名な、事実上の複占市場の一つに終止符が打たれたのは、2009年2月27日、現在のバージン・オーストラリアが、長距離路線を開始し、シドニー=ロサンゼルス間の市場に参入、ついにカンタス/ユナイテッドの堅固な支配を終わらせた時だった。そして間もなくデルタもロサンゼルス=シドニーに参入し、やがてバージンと提携する事となるが、一方で、カンタスはワンワールドの盟友であるアメリカンとの提携を強めて行った。2006年から2012年の間に、豪州と米国本土間の直航旅客数は50%の伸びを記録した。豪州エアラインが最もその恩恵を受けたのだが、観光の観点からは、米国経済がふらついていた事から、米国からの豪州訪問客の伸びに比べ、豪州発米国行きの旅行客が遥かに大きな伸びを見せた。
その日が、丁度カンタスの上期の決算予測の発表の日に重なり、莫大な損失と人員削減策が表面化したため、オープンスカイの記念日のお祝いは完全にかき消されてしまった。その翌日にはバージンも同様に赤字予測を発表した。世界経済危機の最中にバージンとデルタが太平洋横断の市場に参入した後、かなり流動的な状況だった市場は、ユナイテッドが最近時期遅れの改革を発表する迄、この3年間で概ね安定化していた。ユナイテッドは747-400でのサービス(品質というより安さで有名)を777-200に変更し、同時に豪州第2の大都会メルボルンをシドニーと切り離して787-9での単独直航路線とする。ユナイテッドの豪州線の供給席数全体では1%弱の増加でほぼ現状維持だが、2015年には更に週間1便を増便して6%の増加となる予定だ。これに比べて、カンタスは供給を伸ばし、市場シェアも拡大している。
United Airlines' 787 Australia announcement marks the 5th anniversary of US open skies agreement
エアニュージーランド、国際線市場でのバランスの改善で収益向上=更に今後も続く
3-Mar-2014 9:44 AM
税引き前利益1億8千万NZドル(1億5,100万米ドル)、7.7%の利益率という記録的な上期業績(2013年12月末までの半年)は、エアニュージーランドがより良いバランスを見出したご褒美である。即ち、赤字路線を切り捨て、タスマニア横断路線で競争相手より高い搭乗率を達成し、保有機材のスリム化も実現した。エアNZは供給を減らしたにも関わらず、前年並みの収入で、収益性を向上させたのだ。
CEOのクリストファー・ラクソンは、この栄冠に胡坐をかくことなく、供給と収入を拡大し、一方で未だ目標値は定かでは無いが、コストを削減することに専念している。
国内線と太平洋諸島連絡路線網は安定している、一方でタスマニア横断路線は、豪ドルが弱くなっていることから、かげりが見えて来た。しかしエアNZは市場で最高の搭乗率と、効率性で優位を保っている。国際線は赤字路線からの撤退により、力強い改善を見せている。路線拡大、規模を創り出すことで、単位コストの引き下げによって、そしてシンガポール航空と結んだような企業提携により、更なる収穫がやって来ようとしている。
Air New Zealand's better balance in international markets drives earnings growth, with more to come
チリの国内エアライン、急速な拡大続く=しかしLANの支配的な立場は不動
1-Mar-2014 3:40 PM
チリの国内市場の成長は2013年には前年比で僅かに速度を緩めたが、それでも14%と二桁の伸びを示した。チリの国家経済が、ここ数年間、メキシコやブラジルでは劇的な上下動を見せたのに比べて安定しており、国内路線の交通量の拡大が、ラテンアメリカで最速の部類に入ることは変わっていない。チリにおいてLANの圧倒的に支配する立場に唯一、公然と挑戦できるのは、スカイ・エアラインで、2013年、チリ国内線市場での立場を拡大し、搭乗率を向上させた。しかし、同社の搭乗実績は、市場平均をはるかに下回っており、この民間エアラインがLANにとって、実質的な挑戦者になるのは難しい。
2013年になってチリ国内市場の成長が速度を緩めているのは、市場の成熟度が増している事と、この国の1,800万人という比較的小さな人口(メキシコの1億1,900万、ブラジルの2億100万、そしてコロンビアの4,800万に対し)の所為である。ラテンアメリカの他の高い成長率を示す市場に比べ、チリでは既に飛行機旅行を経験している人口が多いことが、初飛行の人々を刺激して、市場を盛り上げる事を難しくしている。
Chile’s rapid domestic airline growth continues but LAN’s dominance remains unchallenged
バージン・オーストラリア、「我らが航空業界の歴史の中の重要な岐路である」=予想通り2014年上期は赤字
1-Mar-2014 2:35 PM
カンタスの上期業績について、世の中の大騒ぎをよそに、バージン・オーストラリアも、同時期税引き前5千万豪ドルの損失を発表したことは、殆ど誰にも気付かれなかった。バージンについて報じたメディアの記事の殆どがカンタスを主題とするもので、両社の対照的なビジネスモデル、外国資本の所有、そして、カンタス販売法という法律の全くの愚かさについての文脈から取り上げられている。
バージン・オーストラリアの赤字は、いくつかの前年同期比のデータの次元の問題があったりするものの、同社の玉石混交の現状から、また2013年7月に同社の仲間入りをした、タイガーエア・オーストラリア(現在60%を所有)が1,840万豪ドルの赤字を生み、「業務の改変、その他の費用」が原因で6,900万豪ドルなど、大方の予想通りだった。2013年度上期に、同社はスカイウエストを買収し、更に、財政の雲行きをおかしくしている。
CEOのジョン・ボルゲッティが説明の中で言っている様に、豪州航空業界のこの上半期の業績の意味するものは、単にドルやセントの数字の問題ではなく、今や、政治の世界でも議論が白熱している様に、戦略上の大変革なのである:「私は、これは、この業界の歴史の中の、重要な岐路であると思う。
確かにその一つに違いない。しかし、豪州エアラインの乱気流の10年と危惧されている時代の中でこれが最後では無いだろう。
Virgin Australia: “an important crossroad in our industry’s history” and 1H2014 loss as expected
ライオンエアのバティックエア、国内線で大幅拡大=次は国際線の野心的拡大
28-Feb-2014 3:22 PM
ライオンエアのフルサービス子会社である、バティックエアが2014年後半、国際線市場に拡大進出を狙っていて、インドネシアの4つのゲートウエイから2015年末までにいくつかの国際路線を開設する計画だ。国際線への拡大は、最初の国内線への集中的展開に続くもので、2014年末までにバティックが運航する23路線のうち22路線は国内線である。
国際線への拡大は、2014年の第4四半期のジャカルタ=シンガポール線で始まる予定で、2015年早々のジャカルタ=クアラルンプール線が続く。バティックは中国、香港そして豪州への路線網が順次加わるのに合せ、2015年の末までにバリ、バタムそしてマカッサルからの国際線開設も計画している。
バティックのこの国際線拡大計画は野心的で、いくつかの障害に直面するだろう。計画している目的地のいくつかでは、競争は激しく、路線権、発着枠などの関係当局からの認可取得が難しい事を思い知らされるかもしれない。バティックはまた、海外では無名であり、翼を広げるにつれ、90%の国内線ロードファクターを維持するのは難しくなるだろう。
Lion Air's Batik Air plans major domestic push followed by ambitious international expansion
カンタス、業績悪化に対応し5,000人、50機を削減=だが変革は遅きに失している
27-Feb-2014 12:56 PM
国内、国際路線に供給の大波が押し寄せた事が、現下のカンタスが伝統的に需要の強い時期である上半期に、2億5200万豪ドルのPBT営業損失を招いた主因と言えるだろう。5,000人の正規労働者を切り、50機の航空機を切るか遅らせる、これは前回の大リストラより大幅なものである。条件は緊迫の度合いを高めているだけでなく、CEOアラン・ジョイスによれば、この会社始まって以来、最悪のものだ。
これらの状況が、カンタスを駆り立て、遅すぎた改革をさせようとしている。最前線の従業員に必要な効率化を持ち込んだ後、カンタスに残ったのは膨れ上がったバックオフィスだった。全体として、カンタスの給料はバージン・オーストラリアのそれより高く、生産性は彼らより劣っている。
前から必要だった、供給の調整、そして国際線で単独路線(シンガポール=パース)の休止が行われる。A380 は導入が再び延期され、結局はその居場所を見つけ出すのが難しくなっている。同様に、ジェットスターは787の最後の3機は受領しないこととなり、より近距離に集中することとした、これは、より効率の高い長距離LCCが這い上がって来ていることから賢明な策である。ジェットスター自身は手付かずに残り、ジェットスター・ジャパンでの拡大計画、ジェットスター香港の開業への動きは継続される。
カンタスのFFPプログラムはグループ内に留まり、懸命の対策の隅から隅まで、ジョイスCEOは彼の労働組合(あるいは株主)から詰問されることは間違いない。カンタスはブリスベーン空港との契約により、1億1,200万豪ドルを受け取る事になっている、一方、遠からず、カンタスの負債は政府により保障されると見られる。
Qantas responds to deterioration: cuts 5,000 jobs & 50 aircraft – but changes are overdue
アイルランドの運輸大臣レオ・バラッカー、CAPA過渡期のエアライン・サミットの開幕を飾る
26-Feb-2014 11:45 PM
CAPAと会議のホストであるダブリン空港当局(DAA)は、4月10日~11日、ダブリン南部のカウンティ・ウイックローで開催される、今年のCAPA「過渡期のエアライン」サミットを、アイルランド政府の運輸大臣レオ・バラッカーが幕開けする事をお知らせしたい。
「アイルランドは国際航空業界の歴史の中で、中心的な役割を果たし、引き続きこの世界での重責を果たそうとしている。」DAAの長官であるケビン・トーランドは言う、「その意味で、再び、世界各国からエアラインの幹部の皆さんに、ダブリンへそしてウィックローへ、2014年”過渡期のエアライン”サミットのためにお迎え出来るのはとても嬉しいことです。」
今や、3年目を迎え、「過渡期のエアライン」サミットは、世界の商業航空業界が直面する、主要な変革に関わる問題について、高いレベルで討議する最先端の場に成長して来た。世界各国の、あらゆるビジネスモデルの、多様な性格のエアラインからCEOに来て頂き、各社が将来に向かって永続性のあるビジネスモデルを追求する中で、2日間に亘るサミット会議で、国家による企業所有の管理と、起業の権利、また、地球規模のエアライン同盟、新たな合弁事業の形態、所謂「自己中心的提携」とバーチャル・エアラインなどの課題をどう捉えるのかを探求しようとしている。
Ireland’s Minister of Transport, Leo Varadkar, to open CAPA Airlines in Transition Summit
アレジアントエア、2014年は行く手に障害物=第1四半期の単位コスト上昇と単位収入軟化で
26-Feb-2014 9:20 PM
2013年のアレジアントエアの強力な収入実績は、しのび寄るコスト上昇の陰に埋もれてしまった。主因は労務費と、未だ内容は明らかにされないエアライン以外の事業への投資である。
2014年度のアレジアントの単位コスト指標が上昇するのと同様に、今年度はどの米国エアラインもある程度のコスト上昇から逃れられない。他社の述べている思惑と同じく、アレジアントも今は、収益の上がる将来のために投資をしているのだと結論付けている。
アレジアントは、そのビジネスモデルの核となる、米国の小さな市場の、コスト意識の高い旅行者を大きなレジャー目的地に運ぶと言うコンセプトをここ数年、基本的に変更していないが、2014年度は、コストパフォーマンスに影響しかねない、新たな挑戦をしようとしている。
同社の財務体質は依然として健全である一方で、労使間の緊張が増す中で交渉が続く労働協約問題など、コスト構造への不安要素も残っている。
Allegiant Air faces bumps ahead in 2014 as costs grow and unit revenues soften in 1Q
ガルーダのシティリンク、国際線市場に進出=まずはマレーシア、シンガポールそして豪州へ
26-Feb-2014 1:08 PM
ガルーダ・インドネシア航空のLCC子会社であるシティリンクは2014年、より急速な国内での拡大と、当面6路線で、国際線への進出を計画している。インドネシアの波乱含みの市場環境と2013年度の純損失4,800万ドルにも拘らず、この拡大計画である。
しかし、シティリンクは、コストを下げ、機材の稼働水準と平均区間距離を伸ばすことで収益性の向上を懸命に図っている。より長距離の国内路線と、国際線に就航することで、2014年中に現在の24機から32機に増える保有機材A320の稼動率が上がることになるだろう。国際線はまた、急激に価値を下げている通貨インドネシア・ルピアの衝撃を和らげる、貴重な外貨を稼いでくれることになる。シティリンクは2014年には4つの海外地点への路線開設を目指している。同社が選んだのは、初の海外目的地にマレーシアのジョホールバル、次いで、クアラルンプール、シンガポール、そして最後はパースである。
Garuda’s Citilink to expand into international market, starting with Malaysia, Singapore & Australia
カーディフ空港売却、英国の空港が公共部門に戻るということか?=第2部
26-Feb-2014 5:10 AM
このレポートの第1部では、ウエールズ政府が、どのようにアベルティス/アエナ(TBI)から、5,200万ポンドでカーディフ空港を買収したか、またグラスゴー・プレストウィック空港がスコットランド政府が100%所有するTSプレストウィックHoldcoo Limtedに売却されたのかを報告した。このことはその他の小さな英国の空港が、この例にならって、再国有化されるかも知れないという問題を提起している。
ウエールズやスコットランドと違って、イングランドには地域の政府が無いので、同じ事が起こる可能性は少低いとは言うものの、確かにいくつかはその可能性がある。
カーディフやプレストウィックでの動きに関わらず、イングランド人の地域主義についての心理構造は多分、ウエールズやスコットランドのそれのように強く無いだろう。イングランドでは、かなり強い地域主義の傾向があるタインサイドやコーンウォールの様な土地でも(コーンウォールでは、分離独立運動の動きさえある)、より国家主義的な見方がされる傾向がある。
英国の空港に関する、レポート第2部では、イングランドの空港に焦点をあてて、空港所有運営企業である、ピール空港会社やマンチェスター空港グループ (MAG)がどちらに向かって進もうとしているのかを見てみたい。
Does the sale of Cardiff Airport signal a return of UK airports to the public sector? - Part 2
カーディフ空港売却、英国の空港が公共部門に戻るということか?=第1部
18-Feb-2014 7:34 PM
カーディフ空港(ウエールズ)とスコットランドのグラスゴー・プレストウイック空港が公共部門に戻ることは、英国の2級、或は1.5級の空港にとって、将来の姿を示しているのだろうか?
他にもいくつかの民間が運営している空港があるが、その将来については誰もが無関心の様だ。
現在の問題は、空港を所有する事は20年前に比べて魅力的でなくなっている事から、英国の他の空港が同様の道を辿るのかという事だ。
Does the sale of Cardiff Airport signal a return of UK airports to the public sector? - Part 1