CAPAアナリストによる アジア・太平洋の航空業界のトピックスは
今・そしてこれからの展望を紐解く大変興味深く、そして貴重なレポートです。
毎週幾つかのレポートをピックアップし、その序章をご紹介致します。
英文本文の翻訳を航空、旅行業界の豊富な経験と知識で承ります。
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新しい中華航空の子会社タイガーエア台湾、急速な拡大を目指す=台湾初のLCCとなって
新たなLCC、タイガーエア台湾は、まず、シンガポール、タイ、日本そして韓国に絞って、急速な拡大を計画して居る。
もし、現在同社の成長の最大の障害になって居る中国・台湾両国間の規制が緩和されれば、ゆくゆくは タイガーエア台湾にとって、中国が最大の市場になるだろう。
この新しい中華航空 (CAL) の子会社は2014年9月26日、シンガポール線を1機のA320で開設し、台湾では最初のLCCとなった。2機目のA320は、2014年11月に追加され、タイ線の開設に使われ、3機目は2015年早々に納入され、韓国、日本への新路線を担う事が予定されて居る。
タイガーエア台湾は、シンガポール便の初期の順調な搭乗率と、台湾政府のLCC展開の自由化と振興政策に勇気付けられて居る。そして現在のところ、最初の事業計画に示された、開業3年目にA320を12機保有、と言うスケジュールより早いペースでの、成長が見込まれて居る。
New China Airlines subsidiary Tigerair Taiwan eyes rapid expansion after becoming Taiwan’s first LCC
ジェットブルー航空、2014年度第3四半期業績湿り勝ち=カリブとラテンアメリカでの供給過剰で
ジェットブルーはラテンアメリカとカリブの市場での競争圧力から、2014年度のROIC(投下資本利益率)目標値の修正を迫られており、同社は2年連続で、この指標について、公表している目標を達成できない事になる。
同社の路線網にとっては、歴史的に力になってきた、国際線の市場に於ける、業界の供給増については、長い目で見て居り、ラテンアメリカもカリブの路線も同社の路線網の多様化戦略に最重要であることに変わりは無いと考えている。
更に大きなスケールで考えれば、ジェットブルーは、まだ状況の良い時期に遭遇し、今も継続して居る問題に直面しているのだ。即ち、成果を実らせるには投資家が期待するより、時間がかかるように見える、そんな投資をしているということだ。同社は経営者の交代を準備しているとしても、投資家の強い苛立ちは続いている。
JetBlue Airways’ 3Q2014 results dampened by excess capacity in the Caribbean and Latin America
エミレーツ航空、米国を第3の収入源にする
29-Oct-2014 6:10 PM
数年間、静寂を守ってきた湾岸のエアラインは、政府に対して、オープンスカイ協定への取り組みを再考すべきだと要請している、米国のエアラインのレーダーに、ついに捕まった様だ。合衆国政府は湾岸三羽烏であるエミレーツ、エティハド、カタールの3エアラインの本拠地である、アラブ首長国連邦、並びにカタールとオープンスカイ協定を締結している。
米国エアラインがその競合相手に対する見方について、戦略的に考え直す事がない限り、湾岸エアラインに対する敵対心は確実に強まって行くだろう。エミレーツのティムクラーク社長は2014年9月、ロイター通信に対して、エミレーツは、米国を同社の第3番目に大きな収入源にする事を狙っていると語っている。
その為には、エミレーツは中期計画の中で、米国での供給を50~100%増やす必要があるだろう。遥かにそれを超える必要があるかも知れない。2013年にエミレーツの収入に米国の占める割合は7%である。
Emirates Airline to make the United States its third largest source of revenue
サウスウエスト航空、利益目標引き上げか、疑問を呼ぶ=2014年度第3四半期好業績を受けて
29-Oct-2014 12:30 AM
2014年度第3四半期、米国国内線需要の堅調のお陰で、供給の99%は国内線と言うサウスウエスト航空は、好業績となった。
サウスウエストは、収入の伸び、コスト実績そして、収入単価の伸び、単位コスト削減などの重要な指標で、総じて、良い結果を残して居る。
同社は、2014年9月末までの12ヶ月で、税引き前投下資本利益率(ROIC) が19%を記録しており、既に掲げた2014暦年の目標指標15%を達成する見通しから、この目標を上方修正する可能性があるのではないかと疑問を呼んで居る。
アメリカン、デルタ、そしてユナイテッドなど大ネットワークエアラインが、好ましい需給バランスを取り戻そうと、海外の特定地域で、供給の微調整を試みて居る中で、サウスウエストの国際線供給が少ない事は、短期的には、引き続き同社のメリットになる可能性がある。
Southwest Airlines draws questions about raising return targets after posting strong 3Q2014 results
マレーシアのマリンドエア、更に国内線とインドネシア路線網を拡大=ファイアフライとエアアジアを圧迫
29-Oct-2014 10:00 AM
マレーシアのハイブリッド航空会社であるマリンドエアが、49%の株主であるライオンとの関係を梃子入れする形で、2014年度第4四半期に3路線を開設し、インドネシアの路線網を2倍に拡大しようとして居る。
マリンドは最近、ジャカルタ、バリ、バタンに次いでインドネシアで4番目の目的地となるメダンへの路線を開設したが、2014年11月にペカンバル、次いで12月にバンドンを追加する予定だ。
マリンドはまた、国内路線網の拡大も計画中で、半島と西マレーシアで、他のどのエアラインより多い12空港に就航する予定だ。マリンドは最近、マレーシア半島では10番目の目的地となるイポーを追加、2014年11月にはマラッカとケルテに就航する予定だ。ケルテは、マリンドの急速に成長するターボプロップの基地があるクアラルンプールのスバンから国内9番目の地点となる予定だ。
マレーシア航空の地域航空子会社であるファイアフライと比較すると、ファイアフライは国際線ではより大きな路線網を持ち、今もスバンではトップエアラインではあるが、スバンから飛んでいるのは国内7カ所である。
このレポートは、2014年第4四半期に保有機材、路線網とも成長を狙う、マリンドの野心的な事業計画について分析するシリーズの第2回である。第1回のレポートでは、間もなく2014年11月3日にマリンド13番目の国際線として開設されるクアラルンプール国際空港(KLIA)=シンガポール・チャンギ空港線について検証した。同路線は当面、737-800で毎日3便が予定されている。
Malaysia’s Malindo Air further expands domestic and Indonesia networks, pressuring Firefly & AirAsia
フライドバイ:「われらの適所はドバイである。」=しかし、エミレーツ航空は近距離路線戦略で合体出来ただろうか?
28-Oct-2014 10:00 AM
中東地区の低コストエアラインはかつて、もう2度と動くなと言われ、見捨てられた。しかし、今や5年目を迎えるのがドバイ政府が所有するフライドバイで、同社は中東で最大のLCCになっている。
CEOのガイスアルガイスは、737を40機保有し、更に発注している同社のビジネスを解説して、「ドバイは我々のニッチ(適所)である」と言う。ASKベースで世界最大の航空会社エミレーツ航空が本拠地とする町にニッチを掘り出すとは驚きかもしれない。しかし、フライドバイは、域内の連絡便として737を使って、全機が広胴機のエミレーツにとっては、余りにも需要の希薄な市場を結ぶことで、それを実現して居る。
フライドバイでは、益々、ハイブリッド化が進んでいて、同社とエミレーツ、カタールの近距離機材との違いはそれほど大きくない、という所まで来ている。エミレーツに同じことが出来ただろうか?今回のフライドバイ分析の連続レポートで、CAPAは、静かではあるが、ドバイの航空産業界で第2のブランドである同社の裏側の歴史と戦略について検証する。
flydubai: ‘Our niche is Dubai.’ But could Emirates have incorporated the short-haul strategy?
ハワイアン航空、長距離路線の業績は引き続き改善=コストの上昇が迫ってくる
ハワイアン航空は、2014年度第3四半期、アジア、豪州路線で、収入を上げようと断行した計画変更が、実を結んだ模様で、長距離路線網での業績改善が続いて居る。
同社の北米や島嶼間市場での業績は、2013年度第3四半期に、極めて良い実績を上げた為に、比較が少し難しいが、北米での供給は、一部にはハワイアンが米国西海岸に増便したために、対前年で上昇して居る。
一方でハワイアンは、一過性の投資、その他の理由から、コストパフォーマンスが影響を受け、単位コストのインフレに直面しながら、2014年度第4四半期を迎えている。
それでも同社は、コスト上昇の原因となる要素は、長期的には固まって行くし、また、2015年内にも、単位コストの上昇幅に、減少が期待出来ると考えて居る。
Hawaiian Airlines long-haul fortunes continue to improve, but cost pressure looms in 4Q2014
アメリカン航空、2014年度第3四半期業績堅調=しかし複数地域で供給の問題
27-Oct-2014 9:40 PM
アメリカン航空は、ベネズエラ線の、特大の宣伝を打った後に、供給を削った影響が長引いているにも関わらず、2014年第3四半期の良好な収入実績のお蔭で、全体として、強気の需要予測を守っている。
同社は、幾つかの地域で、供給過剰を和らげるよう対策を打って居る。然し、競合他社の中には足並みを揃えようとしない者もあり、合理的な需給のバランスが取り戻されるまでは、短期的には、逆風が吹く事になるかも知れない。
アメリカンはベネズエラへの路線網の調整をした為に、2014年下期は、収入単価が影響を受けたが、2015年の早い段階で、特に、ベネズエラの通貨問題から恩恵を受け始めるだろう。
American Airlines records solid 3Q2014 results, but continues to have capacity pressure in regions
エティハド航空パートナーズ=世界のASKの2.6%、席数の2.0%を占める
27-Oct-2014 5:55 PM
かつて、世界のアライアンスから拒絶されたエティハド航空は、翻って自らアライアンスの基盤を作り上げた。「エティハド航空パートナーズ」だ。このパートナーズは現存するアライアンスとの共通点をいくつも持っている。即ち商業的関係が重要視され、常顧客特典があり、各社の機体にはパートナーズのロゴが入る。
然し、パートナーズは単なる事実上の第4の世界エアライン同盟では無い。エティハドはまず6社で小さく始めようとしている。この考え方には、エティハドがいつも言っている、最大を求めず、最高の品質を求めるという宣言が必要だ。
ある意味でこのパートナーズはエティハドがこれまでやって来た事、そしてこれからも続けてやって行こうと計画している事を常顧客特典の世界で実現しようとするものだ。常顧客特典プログラムを統合する事により、特典が幅広くなり、一方でコストが削減できるのだ。
"Etihad Airways Partners" Alliance accounts for 2.6% of global ASKs, 2.0% of seats
ユナイテッド航空、他社とのギャップ縮小に努力継続=2014年度第3四半期業績堅調で
ユナイテッド航空は、大路線網を持ったネットワークエアラインの同業他社との利益率など重要な財務指標のギャップを埋めるには、まだ沢山することがあると認めて居る。しかし、ユナイテッドが収入実績の改善に向けた努力が2014年第3四半期に、旅客単位収入の伸びで他社を上回った事から、前途に光が見えて来た。
2014年第四半期には、単位収入で逆風に直面して居るものの、ユナイテッドは、米国国内市場が、依然、力強い事から、2014年最後の四半期も収益性を維持出来ると考えて居る。
ライバルのデルタと同様に、ユナイテッドも2015年には、投資家の懸念を呼ぶかも知れないが、供給を2%程伸ばす可能性がある。然しユナイテッドは、この供給増は、機材の大型化、稼働向上、そして特定機材の密度増加によるものであると強調している。
United Airlines continues its efforts to close the gap with peers after posting solid 3Q2014 results
エアカナダ・ルージュ、拡大衰えず=低コストの兄弟を親会社主力パイロットが擁護する中で
24-Oct-2014 12:00 AM
エアカナダは、2015年5月アジア初の市場となるバンクーバー=大阪の復活計画により、低コストの子会社、ルージュの路線網拡大を続けて居る。ルージュは、また、2015年中に、エアカナダのトロントからペルーのリマ行き路線の継承を計画して居るが、これは同社にとって、初のラテンアメリカ路線となる。
一方、ルージュの欧州路線への拡大は、モントリオールからベニス行きの開設で、2015年夏も続く。
ルージュの拡大が続く中で、この低コストエアラインは、かつてルージュの創設に猛烈に反対した主力パイロット達の支持を勝ち得ている様子である。いまやルージュは、開業1年を経て、パイロット達はこのエアラインはエアカナダが長期的に継続する為の重要な一部であると信じて居る。
Expansion at Air Canada rouge continues unabated as mainline pilots embrace their low cost sibling
海南航空、2015年強気の見通し=長距離9路線の開設を目指す
海南航空は、ロンドン・ヒースロー、マンチェスター、モントリオール、ナイロビ、オークランド、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、そしてテルアビブと言う9本の長距離路線の開設を申請すると報じられて居る。
確かなのは、こんなに沢山の路線を海南が開ける訳が無いと言うことだ。海南には、これ程多くの新規路線を開設する保有機材が無いのだ。しかし、同社は、困難な環境にも関わらず、787による北米線を基本として、粛々と、長距離路線網の構築を続けて居る。
海南は、中国が戦略的な重点を置いて居るものの、どのエアラインもやりたがらないアフリカ線を開設する代わりに、既に、北京=ニューヨーク・JFK線の開設を認可されて居ると報じられて居る。ロサンゼルス、サンフランシスコへは中国の二次的な都市からで、これは、当局が望むところであり、褒賞も有るだろうが、商業的には継続するのが難しい。その他の路線については、需要の低さ、中国国民に対するビザ発給制限、或はロンドン・ヒースローの発着枠が必要など、更にもっと難しいだろう。
Hainan Airlines eyes ambitious 2015 with wishlist for nine new long-haul routes
航空貨物、その構造的供給過剰を容認する他業界は少ない
22-Oct-2014 5:48 PM
2014年10月1日発行のIATAの最近の航空貨物分析によれば、「航空貨物の見通しは、再度、上向き始めた」しかし、「将来の回復の度合は限定的だろう」と付け加えて居る。IATAは通商の物量の伸びは世界経済の成長速度に比べ遅く、ビジネスが自信を取り戻すには、政治や経済のリスクの存在から、時間が掛かって居ると注意を喚起して居る。最近の世界経済成長の見通しに関する金融市場の懸念が、航空貨物の需要に関する注意喚起に付け加えられる。
しかし、航空貨物は、更に、より基本的な問題に直面している。2013年の全航空産業を挙げての収入に対して、航空貨物収入の比率は10年前の12.4%から下がって、僅か8.6%にしかならない。貨物機の搭載率は2013年には、旅客の分野の80%に比べ僅か45.3%である。
他の産業で、この様な供給過剰を許容するところは極めて少ないだろう。多分、LCCが、どこも貨物に見向きもしないのは正しい考え方なのだろう。
Air cargo: few other industries would tolerate its structural overcapacity
ルフトハンザの長距離LCC計画=伝統的問題を避けねばならない
22-Oct-2014 3:00 PM
ルフトハンザ航空は、最近、同社の、全て広胴機の保有機材にプレミアム・エコノミー客室を導入する事を確認したが、これは同社の長距離路線の競争力強化の種々のプロジェクトの一つだ。中でも最も斬新で、間違いなく最重要な計画は、新たな低コストのエアラインを立ち上げ、新たなブランドで、長距離のレジャー市場の地点間輸送を狙うと言うものだ。
2014年7月に、最初にこの長距離便計画を発表してから、ルフトハンザの取締役会は、2014年9月に監査役会に、より詳細な計画を提示した。今や100機を超えるルフトハンザ・ブランドの全広胴機の内、7機だけの運用となるこの計画が、成功する事(か否か)は、グループ全体に大きな影響を及ぼす可能性がある。
最新のCAPAのレポートに依れば、ルフトハンザの近距離LCC、ジャーマンウイングズは余りにも多くの伝統的な問題を抱えて居るが、より柔軟性のある、より低コストのパイロット契約を持った子会社、ユーロウイングズには成長の選択肢がある。ルフトハンザは、その新しい低コスト長距離エアラインには、コスト効率の足を引っ張る伝統的な問題を持ち込むのを断じて避けねばならない。
Lufthansa's planned new lower cost long-haul airline must avoid legacy issues
デルタ航空、供給増を擁護する=特殊事情が2014年第3四半期の収益下落の引金になったことから
デルタ航空は、2015年の供給増2%の計画、特に各社が供給過剰に直面して居る大西洋横断路線での拡大計画に、疑問を投げかけられて居るにも関わらず、供給の自己規制を声高に謳い続けて居る。
同社は、大西洋線の強化は、合弁相手のバージン・アトランティックとの関係からロンドン向けのもので、北大西洋線の供給増は、需要増に応じたものだと保証して居る。
デルタ航空は全体として、依然強固な財政的基盤を維持して居る。然し、問題を孕む特別な地理的落とし穴があって、2015年中に、収入への圧力が掛かる事態を生むかも知れない。
Delta Air Lines defends its capacity increases as special items trigger a drop in 3Q2014 profits
バージン・オーストラリア、供給の状況緩和で第1四半期の損失圧縮=タイガーエアを完全子会社に
バージン・オーストラリアは、タイガーエア・オーストラリアの、残りの40%の株式を1豪ドルと言う名ばかりの金額で取得し、シンガポールを本拠とする、タイガーエア・ホールディングスの果たせなかった汎アジア太平洋戦略に終止符を打つ計画を公表した。
タイガーは、今年始め、タイガーエア・フィリピンの株を売却し、タイガーエア・マンダラの運航を止めてインドネシア市場から撤退、今はシンガポールの経営の黒字回復に集中して居る。しかし、タイガーエア・オーストラリアのブランドは維持し、最近創設されたタイガーエア・台湾の株式10%をグループ所有して、タイガーエアのブランドが台湾にも生まれた。
バージンにとっての最大のメリットは、タイガーエア・ホールディングスの40%の所有比率を少なくとも55%に増やそうとして居る、株主シンガポール航空(SIA)を宥められる事だ。今回の合意では、タイガーエア・オーストラリアに近距離国際路線の運航もさせる模様だ。これまで、バージンとタイガーエアは、2007年の創業以来、ずっと赤字続きで、国内市場での経営改善に集中して居たタイガーエア・オーストラリアにこの役割を与えることに興味を示して居なかった。
Virgin Australia narrows Q1 loss as capacity eases. Tigerair Australia to become 100% subsidiary
イランの航空業界=経済制裁の解除がOEMに、そして航空会社にも門戸を開く
イランの航空産業に対する経済制裁の解除はイラン、西側諸国がともに熱望して居ることから、今にも始まりそうだ。
仮に交渉が決裂すると、無制限の、更に加速もあり得るウラン濃縮計画が判明した為に、西側諸国の方から触発された形で、2014年11月の期限迄に包括合意をめざし、或は、制裁措置の暫定解除の更なる延伸が行なわれそうだ。イランの核開発能力が向上し、これがイラン側の優位に働く事から西側に合意形成を急がせている。
イランは、長期に亘る混沌の期間、それが、一気に自国の有利な方向に解決する、核爆弾を製造する能力を蓄える時間を稼いでくれ、間もなく一年を超えて議論されて来た、交渉の場に、自力で核の現実を創り出した事に自信を持ったであろう。
イランはまた、傾いた経済を支え、外国の科学技術や国際金融市場へのアクセスを取り戻す合意を結ぶ、緊急の必要に迫られて居る。イランは、2013年の半ばで、800億ドルと推定される外貨準備高の内、無制限に使えるのは、僅か200億ドル程度なのである。
このレポートは週刊エアライン・リーダー10月8日号の一部である。
Iran aviation: the possible withdrawal of sanctions opens the door to OEMs and airlines alike
エティハド航空、2014年度第3四半期:エアライン提携収入27%に達する=しかし、独のコードシェア不承認で前途が曇る
16-Oct-2014 4:17 PM
エティハド航空は2014年度第3四半期に、旅客収入の伸び率が、ASKの伸び率19%を超える26%を記録し、勢いを取り戻した様に見える。これは2014年度第1四半期にASKの伸び19%に対し、旅客収入の伸びが14%と下回っていた流れを覆すものだ。力強い第3四半期は、多くのエティハドの市場に於いても、旅行のピークシーズンに重なり、エティハドの拡大する最も忙しい期間である。
提携先エアラインからの収入は、全社の旅客収入の伸び26%より大きな、44%の伸び率を示し、引き続き舞台の主役である。2014年度の最初の3四半期で提携先旅客収入は8億2,300万米ドルに達し、エティハドを2014年度年間で10億米ドルの大台に達する軌道に、充分乗せた模様だ。提携先からの収入は、2014年度第3四半期旅客収入の27%を占め、最初の3四半期通しては25%になる。然し、この重要で、他に類を見ない収入の流れは、最近起きたエティハド=エアベルリン間のコードシェア提携をドイツ政府が不承認とした例に見られる様な、保護主義の拡大により前途が曇って来た。
Etihad 3Q2014: partner revenue reaches 27%, but clouded by Germany's codeshare rejection
ANAとセブ・パシフィック、CAPAの贈るアジア最優秀エアライン賞受賞=エミルシャ・サタルが最優秀経営者賞
15-Oct-2014 1:25 AM
航空業界の優秀な業績を表彰するCAPA賞は、成功を収めただけでなく、新たな環境に順応して行くリーダーシップを発揮したエアラインや空港に贈られる。
業界が、進化して行く時に、受賞者達は、他社が追従する様な、新たな方向性を示す戦略を採ったのだ。
ANAはシンガポールで開かれたCAPAアジア航空サミットのガラレセプションに於いて、本年度のCAPAアジア太平洋最優秀エアラインに指名された。ANA取締役執行役員の伊藤博之氏が、CAPAのピーター・ハービソン会長から賞を授与された。同賞は、今年、航空業界の発展に最も優れたインパクトを与え、他社にとって、目標となるリーダーシップを確立したエアラインに贈られるものだ。
ANA and Cebu Pacific scoop top Asian airline awards at CAPA gala. Emirsyah Satar exec of the
year
西アフリカのエボラ出血熱ウイルス:飛ぶべきか、飛ばざるべきか?(週刊エアライン・リーダー2014年10月1日号より)
5週間前にエボラ出血熱の蔓延が激しくなった時、航空8社がギニア、シエラレオネ、そしてリベリアへの航空便の一部または全てを休止し、ブラッセル航空、ロイヤルエアモロッコが全3か国の首都への路線を維持している。
今回のレポートは業界のCEO専用に刊行されて居る週刊エアライン・リーダー2014年10月1日号から抜粋したものである。
この中で、2014年エボラの勃発に端を発してエアラインにとってのリスクと予想される影響、2002/03年のSARSウイルス蔓延の時と比べてどうかなどを検証している。
これまでの歴史で最大のエボラ蔓延は、まだ一年は続き、感染は現在の数の4倍にも増えていくだろう。
ギニア(人口1,150万人)、リベリア(人口400万人)、そしてシエラレオネ(人口600万人)の各国はその保健衛生に関する、国家のインフラが貧弱な事や、種々の社会の問題から感染を食い止める事が出来ないで居る。現在上がって居る報告が過小である事を考慮に入れて、CDC(米国疾病予防管理センター)は現在の傾向値から考えた最悪のシナリオではウイルス感染は2015年1月20日までに55万人から140万人に達するだろうと予測している。
Ebola virus in West Africa: To fly or not to fly? (from Airline Leader Weekly, 1-Oct-2014)
アメリカン航空、大中国圏でのトリプルプレイは長距離の若返り策=そして、更に続く
新たなアメリカン航空は、古き良き時代の夢を実現しようとしている。この世界最大のエアラインはダラスから大中国圏への路線を夢見ていたが、安定的に路線サービスを維持するためには、コスト基準、労働問題、機材のタイプ、など種々の問題から限界が見えていた。しかし、今、リストラを終え、新しい保有機材、そして改良された商品でアメリカン航空は、大中国圏に新たな3ルートを開こうとしている。2014年6月、全く初めての香港線を開設、ダラス=上海を2014年6月に、そして2015年5月からは、ダラス=北京を計画して居るのである。
「これは我々が長い間、やりたかった事だ。」とアメリカン航空副社長、アジア太平洋担当のアーワン・ぺリリンが、香港線開設の際に語っている。香港、北京、上海の各路線は、香港のアメリカンから、更に広くアジアへ、そして豪州、ニュージーランドも含めた拡大への幕開けを記すものだろう。しかし、この華々しい成長も、アメリカンのアジア路線は赤字路線であり、将来へ向かっての投資なのだという、アメリカンのCEOダグ・パーカーの言葉の通り、財務的には光が翳ってしまう。
アメリカンのアジア路線網はずっと収益性という点からは、2011年3月の東日本大震災と津波など、種々の要素から高収益の年や、不採算の年と、晴れたり曇ったりを繰り返してきて居る。ペリリン氏はアメリカンの新たな新戦略やコスト基準が、刷新された保有機材とあいまって、アジア路線網に継続的な良い収益を齎してくれるだろうと信じている。
American Airlines' triple play in greater China is part of long-haul rejuvenation, with more to come
ライオンのマリンドエア、エアアジア、ジェットスター、そしてタイガーエアに戦いを挑む=国際線LCCの最大の路線で
12-Oct-2014 6:00 PM
ライオングループのマレーシアでの子会社である、マリンドエアは2014年11月3日、シンガポール線を開設する。ハイブリッド航空会社である同社にとって、クアラルンプール国際空港(KLIA)発の、海外10番目の目的地である。マリンドは供給席数で世界最大のLCC路線となる、このKLIA=シンガポール線では4社目のLCCである。
ライオンはアジアの他の主要LCCグループ3社、エアアジア、ジェットスター、そしてタイガーエアの仲間入りをして、繁忙なシンガポール=クアラルンプール市場での戦いに挑む事になる。マリンドにとっては、知名度の低いシンガポールでのセールス現場の観点から見ると難しい問題だ。そこで、同社はクアラルンプールから南アジアに的を絞った乗継サービスを提供しようとしている。
クアラルンプール=シンガポール線はマリンドが162席の737-800で運航する最初の地点になる予定だ。マリンドは2014年第2四半期に737-800を2機受領する予定で、これで180席の737-900ERが6機と言う、現行の保有ジェット機を補完して行く予定だ。737-800は、また、インドネシアのバンドンへの路線開設にそしてバンコクへのデイリー2便目にも使われる予定だ。
クアラルンプール=シンガポール線はマリンドが162席の737-800で運航する最初の地点になる予定だ。マリンドは2014年第2四半期に737-800を2機受領する予定で、これで180席の737-900ERが6機と言う、現行の保有ジェット機を補完して行く予定だ。737-800は、また、インドネシアのバンドンへの路線開設にそしてバンコクへのデイリー2便目にも使われる予定だ。
Lion’s Malindo Air to compete vs AirAsia, Jetstar & Tigerair on world’s top international LCC route
新豪州国内航空産業、航空運賃研究、発表さる
12-Oct-2014 10:12 AM
新しい国内航空産業、航空運賃の分析が市場に発表された。
37ページに亘る、4thディメンジョン、フライトセンター・トラベルグループの新ビジネストラベルコンサルティング部門、そしてCAPAが編纂した「豪州航空産業及び航空運賃分析」は、国内航空産業の綿密な調査、そして航空運賃に関する、基準となる分析結果を含んでいる。
豪州における市場動向の現状と将来、双方の評価を含め、このレポートは、国内線エアラインの供給、ダイヤ、そして業績などの分野に焦点を当てている。4thディメンジョン社のバージニア・フィッツパトリック部長は、国内航空運賃や航空運賃調達に関する、アプローチや追跡方法、そして記録して行くための、新たな手法を導入する先鞭をつける仕事に携われて、とても興奮していると語っている。
New Australian domestic aviation and airfare research released
ゴア空港、グリーンフィールド第2空港建設のPPPに名乗りを上げる
11-Oct-2014 2:16 PM
ゴア州政府は、2014年10月3日、モパに在る、州第2の空港として建設されるグリーンフィールド空港の開発、運営の官民共同プロジェクト(PPP)のコンセッションに名乗りを上げる書面を提出した。
モパは州都パナジから約35km北の位置にある。
新空港は、モパの新空港が開港しても、引き続き運用されゴア州への航空アクセスを大きく改善する予定の、現在のダボリム空港の機能を補完するのが目的だ。
観光は、2013年に国内から263万人、海外から49万2千人の旅行者を集めたゴア州にとって最大の産業のひとつである。アクセスの改善はコンスタントに訪問者数を増やして行く為には欠かせない要素である。
然し、ゴア州はインドでも最高の一人当たりGDPの額を誇り、アウトバウンド旅行者の潜在能力も秘めて居るのだ。
Goa launches a PPP tender for construction of a greenfield second airport
新豪州国内航空産業、航空運賃研究、発表さる
新しい国内航空産業、航空運賃の分析が本日市場に発表された。
37ページに亘る、4thディメンジョン、フライトセンター・トラベルグループの新ビジネストラベルコンサルティング部門、そしてCAPAが編纂した「豪州航空産業及び航空運賃分析」は、国内航空産業の綿密な調査、そして航空運賃に関する、基準となる分析結果を含んでいる。
豪州における市場動向の現状と将来、双方の評価を含め、このレポートは、国内線エアラインの供給、ダイヤ、そして業績などの分野に焦点を当てている。4thディメンジョン社のバージニア・フィッツパトリック部長は、国内航空運賃や航空運賃調達に関する、アプローチや追跡方法、そして記録して行くための、新たな手法を導入する先鞭をつける仕事に携われて、とても興奮していると語っている。
New Australian domestic aviation and airfare research released
MIATモンゴル航空、シンガポールとフランクフルトに拡大=バンコク、デリーも視野に
10-Oct-2014 9:45 AM
保有機材はたった5機と言うMIATモンゴル航空は北アジアで最も小さなフラッグキャリアーである。最近のモンゴルは、経済成長率が2桁という事や、2011年には、世界最速の経済成長率を記録した事も含め、世界の注目を集めて居る。
2014年度上期の成長率は 約5%に落ちたものの、この低い成長のペースが続いてもモンゴルが、外国社で飛んで居た旅客を取り戻したり、新規市場からの旅客を獲得したり、観光を盛んにすることを目指して居ることから、まだまだ航空需要はあるだろう。この背景に対して、この国に二つしか無い国際線エアラインの一つである、MIATモンゴル航空は、着実にその保有機材を増やして居る。しかし、同社は、モンゴル第2の国際線エアラインである、フンヌ航空との競合に直面して居る。
MIATは、2014年にモスクワ=ベルリン線を補完する、フランクフルト直航路線を開設したが、これは、更に広汎な需要に対し、乗継の簡便化を図り、シェンゲンビザを必要としない、フランクフルトの乗り継ぎ機能を活用しようと言う戦略だ。また、MIATの北京線はビジネスの結び付きを求めると共に、観光振興を願って、シンガポールまで延伸される。
MIATはバンコク、ニューデリーへの路線開設を考えて居るが、一方、トランジットエリアを備えた新首都空港が2016年に完成する予定で、これにより、欧州からウランバートルを経由する、アジアへの乗継旅客の流れをMIATに齎す可能性がある。
MIAT Mongolian Airlines extends reach to Singapore and Frankfurt with plans for Bangkok & Delhi
CAPA空港データベース、1,000空港を超える=成長率ではアジアとBRICSの空港が席巻
9-Oct-2014 7:05 PM
CAPAの空港輸送実績データベースは、空港データ・スイートを構成する8種類の機能の一つだが、世界の1,000を超える空港の情報を、月間、年間単位で保有して居る。
具体的には、それぞれ個別に集計された、月間で200、年間275の航空会社のデータ、15ヶ国の輸送データ、27ヶ国の観光統計に加え、月間で1,030空港、年間で1,265空港の利用実績を保有して居る。数字は毎日、CAPAの情報として増えて居り、新たな空港の統計も追加されて居る。
今回のレポートでは、CAPA空港輸送実績データベースの特長と利点を実例を上げながら見てみたい。
CAPA Airport
Traffic Database tops 1,000 airports. Asian/BRIC airports dominate growth charts
デルタ航空、2014年度第3四半期、収入単価目標を切り下げ=供給過剰と世界的な問題を抱えて
6-Oct-2014 5:40 PM
デルタ航空は、一部市場での供給過剰、中東での政情不安、そしてアフリカでのエボラ出血熱蔓延勃発などの理由から、2014年度第3四半期の旅客収入単価目標を僅かながら調整した。
同社は、既に、2013年度第3四半期に7%の収入単価上昇を記録した後で、2014年度第3四半期は前年に比べ困難な状況だと警告を発して居た。然し、過去数ヶ月間に巻き起こった種々の問題にも拘らず、米国国内市場の需要が依然堅固な事から、2桁の営業利益率上昇、コストの確実な抑制があり、デルタはこの四半期も、強気の見込を立てて居る。
同社は、スカイチームの盟友との関係から、米国冬季間の大西洋線での供給調整を準備して居るが、また、太平洋路線網でも、東京線に飛ばして居るボーイング747を、より小さな、効率の高い機材に変更するなどの供給減を実施しようとして居る。
Delta Air Lines trims 3Q2014 unit revenue targets due to overcapacity and other global challenges
エミレーツ航空、TAAGと珍しい提携=アンゴラの小さいけれど良い市場で
エミレーツ航空は、ASKベースで言うと、世界最大の国際線航空会社である。第2位のルフトハンザの1.5倍と言う、その驚くべき大きさが有るので、比較的独立を守れるのだろうし、またエアライン提携の世界では、自社の核となる成長盛りの事業に集中を絶やさないために、軽はずみな行動は抑える必要があるのだろう。また、逆に、その大きさが、可能性のある求婚者を遠ざけて居るのかもしれない。何れにせよ、エミレーツの戦略的提携への動きは稀であり、最新のものは、同社が一時は週間84便を飛ばしていた重要な市場である豪州で、カンタスとの歴史的な提携が始まってから18ヶ月後にやってきた。対照的に最新の提携先は、週間僅か7便しか飛んでいない南西アフリカにある、アンゴラのTAAGアンゴラ航空である。
TAAG=エミレーツ提携は、エミレーツ=カンタスの提携より規模は小さいが、遥かに深い内容になる様だ。エミレーツはCEOの任命や、同社の運航から機体塗装まで見直し、4人の管理職を送り込むなどTAAGの経営を担うのだ。
エミレーツはTAAGに対して、資本注入はしないが、それ以外は、最終的には、エミレーツが他のエアラインの経営に巻き込まれ過ぎてしまう事で、食欲を失わせる結果になった、スリランカ航空との長期提携関係と同じ、正真正銘の折り紙付きである。また、エミレーツにメリットがある事には間違い無い:何故なら、アンゴラは、規制はあるものの、イールドの高い市場であるからだ。だが、TAAGはリストラを必要としていて、現地市場では資金調達が出来ないで居るのだ。また、UAEがアフリカとの交易、特に石油に恵まれたアンゴラに力を入れようとしている中で、この提携の取引には、政治的な底流もある様だ。
Emirates Airline makes rare partnership move with TAAG in Angola's small but lucrative market
CAPAアジア航空サミット、10月13日〜15日於シンガポール=350人を超える代表団、100人を超えるエアライン幹部が参加
6-Oct-2014 1:32 PM
CAPAアジア航空サミット&LCC会議は、この地域と、それ以外の地域のエアライン幹部から、この地域の航空業界の最新の傾向や、将来への展望を、それを形作るリーダー達から聞くために、これ迄に無いほどの参加希望を頂いている。
サミット会議は、10月13日〜15日の間、豪華なカペラセントーサシンガポール・リゾートで開催される。
このサミット会議に続いて、10月16日には、半日の日程でCAPAのブリーフィング「アジア航空市場のホットスポット」が催される予定だ。
CAPA
Asia Aviation Summit , Singapore 13-15-October. Over 350 delegates, 100+ airline executives
エアアジアとエアアジアX、2014年の「フライ・スルー」乗継旅客が300万人突破=ビジネスモデルが進化する中で
エアアジアは、新たにいくつかのハブ空港でも「フライ・スルー」乗継ぎサービスを導入、拡大する事から、この先数ヶ月にわたり、乗り継ぎ旅客の大波が押し寄せるのを見る事になるだろう。エアアジアは、他のアジアのLCCグループ各社が、この数年来、宣伝し、セールスをかけている乗継サービスに追随して、よりネットワーク・エアラインに似た姿に進化している。
バンコクのドンムアン空港は2013年後半にエアアジアの「フライ・スルー」商品の第2のハブ空港になったが、最初は2010年にクアラルンプ-ルに導入されて居る。エアアジアは2014年9月にジャカルタにこの乗継商品を導入、2014年末までにバリとコタキナバルに拡大する計画である。エアアジアグループにとって、インドネシアとタイで長距離子会社が開業していることが、大きく成長を推進しているが、また、近距離から近距離への乗継の需要も伸びて来ている。
AirAsia and AirAsia X to exceed 3 million Fly-Thru transit passengers in 2014 as model evolves
ガルフ航空、最近のリストラを終えコーナーを曲がる準備万端=航空事業資産の統合を提案
5-Oct-2014 4:00 PM
ガルフ航空の最近のリストラの進捗具合は当初の目標の先を行っている。詳細数字は発表されていないが、同社は2014年上半期の損失が対前年同期比で30%減額出来たと報告していて、これは計画の12%より遥かに良い結果である。
ガルフ航空は、現在、この10数年で4回目となる、最近のリストラ計画を開始して18ヶ月になるが、ついにスリムで効率の高い構造を持ったエアラインとして台頭してきている。
営業の、そして財務の業績が改善していることが、この、問題を抱えたエアラインに明日への希望を示している。営業費用は上期で28%低減し、営業の指標は持続可能な改善を続けている。
Gulf Air ready to turn a corner after latest restructuring. Proposes aviation asset consolidation
エチオピア航空、アジアでの拡大を継続=チャンギ空港待望の支援となるシンガポール直航便開設で
シンガポールのチャンギ空港は、エチオピア航空が、2015年にアフリカのフラッグキャリアーとしてアジスアベバへの直航便の導入を計画して居る事から、改めて、アジアのハブとして台頭しようとして居る。
この新路線は、既に豪州で5地点をカバーしているエチオピア航空とシンガポール航空の提携を更に強化することに繋がるだろう。
エチオピアへの直航便の就航はチャンギ空港の推進して来た、急速に成長しているアジア=アフリカ間市場に足場を築く、これまでで最も意義深い成果である。シンガポールとアフリカ間の地元の需要はごく限られているけれど、シンガポールの利用旅客実績の伸びが止まりかけている今、アフリカは再び、成長への扉を開く、重要な乗継旅客の新たな源泉となり得るだろう。
エチオピア航空は2011年後半にスターアライアンスに加盟して以来、シンガポール線直航便を開設し、チャンギをアジア太平洋の未寄港地点へのハブとすることをずっと熟慮して来た。そして決断に至る最後の鼻薬になったのは、シンガポールが新たに導入した、長距離路線便と乗継旅客数の増強に対するインセンティブだったかも知れない。
Ethiopian Airlines to continue Asia expansion with Singapore non-stops, giving Changi a needed boost
ラタム航空グループ、国際線推進へ=引き続きサンパウロを梃子として
ラタム航空グループは、2014年後半から2015年にかけて、母国の一部市場でマクロ経済の状況が未だに弱い状況である事から、国際線路線網の調整をしようとしている。
また、この事業計画の変更は、LATAMとして、2年間で39機を退役させ、効率の劣る航空機を切り捨てる努力を続けて居る中で、LANとTAMの両社の合併後の保有機材をグループ経営の梃子に利用できる事を反映している。
LATAMは昨年中、可なりのプレッシャーがあると語っていた北米と欧州市場であるが、便数の増強を計画している。
しかし、同社は、南米全体で、長引いている脆弱な経済状況を上手くかわして、熾烈な競争から守られている市場を、賢く選択している様だ。
LATAM Airlines Group plans an international push as it continues to leverage Sao Paulo
フィリピン航空、更に強力な提携が必要=ANAとの提携は小さな第一歩
フィリピン航空(PAL)は、2014年9月に、ルシオ・タンのLTグループがこのフィリピンの航空会社の支配権を取り戻して以来、最初の動きの一つとして、ANAとの提携を交わす事になった。新しいコードシェアは同社にとって最大の国際線市場である日本での地位を大きく改善してくれるだろう。
しかし、この取引が、2012年4月以来、フィリピンのコングロマリットであるサンミゲルの支配下にあったPALの戦略の変化を示すわけでは無い。このコードシェアは、フィリピン=日本間の市場と双方の国の国内乗り継ぎ便をカバーするに過ぎない。
PALには更に大きな提携先、そしてずっと多彩なコードシェアのリストが必要なのである。特に米国市場への提携先が必要で、可能性としてはANAもその候補の一つである。ところが、PALはその代わりにリスクの高いニューヨーク線の自力開設の方向に進んでいる。
Philippine Airlines needs more and stronger partnerships. All Nippon Airways tie-up is a small step
CAPAアジア航空サミット、10月13日〜15日於シンガポール=350人を超える代表団、100人を超えるエアライン幹部が参加
1-Oct-2014 12:32 PM
CAPAアジア航空サミット会議は、この地域と、それ以外の地域のエアライン幹部から、この地域の航空業界の最新の傾向や、将来への展望を、それを形作るリーダー達から聞くために、これ迄に無いほどの参加希望を頂いている。
サミット会議は、10月13日〜15日の間、豪華なカペラセントーサシンガポール・リゾートで開催される。
このサミット会議に続いて、10月16日には、半日の日程でCAPAのブリーフィング「アジア航空市場のホットスポット」が催される予定だ。
CAPA Asia Aviation Summit , Singapore 13-15-October. Over 350 delegates, 100+ airline executives
ジェットスター・パシフィック、ベトジェット・エアとの戦い激化=バンコク、シンガポール線開設で
ベトナムのジェットスター・パシフィックは競争の激しいホーチミン=バンコク線に参入し、更なる拡大を目指している。バンコク線はシンガポール線に次ぐジェットスター・パシフィックの最初の通年定期便である。
今年はジェットスター・パシフィックにとって数年間の実質成長ゼロの期間を過ぎて、一大ブレークの年である。昨年、同社は国内線で3地点を開設し、合計10地点とし、国際線にも進出した。
2014年の末までに、A320を3機追加し、保有機材を計10機とする事から、更なる国際線新路線の開設を予定しているのだ。
この拡大は、急速に成長を続け、今やベトナム最大のLCCとなったベトジェット・エアに対する、筆頭株主であるベトナム航空からの、これまでで最大の対抗措置である。
Jetstar Pacific battle with VietJet Air intensifies as Bangkok and Singapore routes are launched
ミャンマー国際航空、新たな拡大の段階に入る=ソウルと大阪線の開設で
ミャンマー国際航空(MAI)は、新たに大阪線とソウル線を開設して、北アジアでの拡大を追求して居る。
この拡大により、同社の路線網の目的地は8地点となり、週間ASKはほぼ倍増し、ミャンマーの、急速に成長する、しかし競争の激しい国際線市場での、同社の小さなシェアを押し上げようとして居る。
今回の拡大計画で、MAIはミャンマー観光産業の急速な成長から恩恵を受ける立場になるだろう。同社は、2013年に、完全な民間企業になったが、2011年にミャンマー政府が世界に門戸を開放して以来、ずっとミャンマーの国際線市場が享受して来た、巨大な成長の仲間入りをする事がなかった。
MAIは、拡大しないと市場から追い出されてしまうというリスクを負っている。しかし、同時に、間も無く実現する成長戦略にも、リスクがあって、MAIは韓国や日本の市場で、はるかに規模の大きな外国エアラインと、そして最終的には2015年に北アジアへの路線開設を計画して居る国営の国内線エアラインであるミャンマー航空との競争に曝されるのである。
Myanmar
Airways International starts a new expansion phase with Seoul and Osaka services
アメリカン航空、強気の見通し=特定の地域で供給が突出して居るにも関わらず
29-Sep-2014 8:08 PM
アメリカン航空は、2014年度第3四半期には収入を圧迫する要素になりつつある、特定地域での供給の漸増傾向にも関わらず、世界の需要動向については、強気の見通しを維持している
。
アメリカンは大西洋横断路線やラテンアメリカ路線では、独自の供給削減を開始したが、他社は、大西洋線で一度減らした自社の供給の埋め戻しを始めていて、アメリカンの懸念になりつつある。
同社は、各地域では、合理的な需給バランスを達成しようと模索する一方で、比較的高いキャッシュの残高をどの様に使うのかについても説明して居る。
American Airlines
holds a bullish view despite supply overhang in some specific geographies
フライドバイとファストジェット、東アフリカのLCC成長を牽引=ウガンダで初の低運賃登場
29-Sep-2014 8:35 AM
東アフリカでは、フライドバイとファストジェットの拡大による、初のLCC便の運航が始まろうとしている。2014年9月〜10月、フライドバイは、東アフリカの4カ国の6つの目的地に運航を開始するが、これにより、同社はこの地域の国際線市場をリードするトップLCCに押し上げられる事になる。
フライドバイとファストジェットは、共に2014年9月にエンテベ線を開設、ウガンダで初の格安運賃を紹介した。フライドバイは、また、2014年9月の末までにブルンジとルワンダ線を開設し、2年前には東アフリカの諸国で、たった3カ国にしか飛んで居なかったLCCが8カ国に飛ぶことになる。
現在、東アフリカ諸国発着の、或は域内を飛ぶ低コストエアラインは、週間約300便しか無く、LCC浸透率は約8%である。しかし、東アフリカのLCC路線の半数以上が、昨年1年の内に開設し、この地域でのLCCは急速に拡大して居る。
flydubai and fastjet drive LCC growth in East Africa as Uganda gets its first taste of low fares
アエロメヒコとボラリス、収入単価の改善のため国際線拡大を進める=ビバアエロブスが続く
25-Sep-2014 8:30 PM
メキシコのエアラインである、アエロメヒコとボラリスは、メキシコ経済が、停滞していた2013年の状況から少しずつ回復しているのに合わせ、供給は殆どを国際線市場に投入すると打ち上げた計画を、忠実に実行しようとして居る。2014年の最初の8ヶ月間で、両社は、収入単価は国際線の方が高い筈だと賭けに出て、供給と輸送実績を大きく伸ばした。
アエロメヒコとボラリス両社のドル箱である米国国境越えの路線での重複状況は、圧倒的という訳では無く、ボラリスは先に、親族、友人訪問旅行(VFR)の比率の高い路線を狙うと宣言している。
アエロメヒコとボラリスの共通のライバルである、ビバアエロブスもまた、国際線での、アエロメヒコとインタージェットとの競争を強めて、2014年中に、新たに国境越え路線の増強を予定して居る。この増強策が、供給過剰を招くかどうかを見極めるのは難しいことだが、国際線の伸びを見るとメキシコのエアライン各社は国内路線の弱い収入単価への対応策を試みている様だ。
Aeromexico and Volaris increase international spread to strengthen yields; and VivaAerobus follows