中華航空と復興航空、LCC子会社を立ち上げ=台湾に低コストエアライン熱が拡大する中で
23-Nov-2013 11:22 PM
台湾では、純国産のLCCについて、一年以上に亘る公開議論の後、今後数週間のうちに、中華航空と復興航空の2社から、来年LCC子会社を立ち上げるという意向表明があり、世界の大きな市場としては最後に、自前のLCCを持つことになる。
いつに無く、大っぴらで、時に空想じみた議論があったことが、多分、この2社に、営利企業なら通常踏むべき手続きを省いても、決断を急がせたのだろう。この2社のLCCは、まだ一貫性のある戦略を立てて、最終形まで成熟して行くには時間がかかるだろう。しかし、上層部は内部からも、そして極めて重要でありながら、時に見過ごされるのだが、政府からも支援を受けている様だ。
自社のLCC子会社設立を宣言するにあたり、中華航空も、復興航空もそれぞれ二重ブランド戦略をスタートさせることになる、これは誰でも考える人気のコンセプトだが、なかなか容易に収益性を達成できるものではない。
二重ブランド戦略というものは、両社がお互いに違う様に、また他の世界的エアラインの例からも違う様に、各々大いに異なるものである。ハブ・キャリアーである中華航空は54機の機材を保有し、その内、狭胴機は四分の一に満たない。域内航空の自由化により、需要の低い路線が出来、また便数の増加が求められているところから、狭胴機を使う必要が増大して居るのだ。
中華航空は、LCCを運航するという複雑な作業を手探りで進める中で、本体自身の事業改革の必要性を可なり認識して来ている。
この事は未来を形作る絶好の機会である、と同時に事業に複雑さを増すことになる。一方で、復興航空は、僅か11機の域内航空用機材を持っているエアラインに過ぎず、現行の事業を継続し、新たなLCCを運営するには規模の問題が起きてくる。
両社は、市場の反応を試しながら、LCCになると言う事(単なる安売り航空会社とは反対に)は何を意味するかを発見しつつ、また地域市場自身も変容する中で、方針変更を繰り返すことになるだろう。そして、多分、台湾第2の航空会社であるエバ航空が、LCCを運航する事には全く興味が無いとした、かつての発言を考え直した方が賢明だと言う事になるだろう。しかし、現在のところ、傍観者の立場から動こうと急ぐ様子は無い。
China Airlines and TransAsia to start LCC
subsidiaries as low-cost carrier fever spreads to Taiwan
トルコ航空、更なる成長を強調=サン・エクスプレスは更に高収益の見通し
23-Nov-2013 11:13 PM
トルコ航空の2013年度第3四半期の業績について、前回、CAPAのレポートの中で、同社は今年初めて、単位売上の伸びが、単位コストの伸びを超えることが出来ず、経営陣として、この実績から新たな傾向が始まった訳ではない事を示したいだろうと示唆した。同社は、既にこれについて確証を見せ始めている。
最近開かれた、トルコ航空投資家デーの機会を利用して、CEOテメル・コティルは、イスタンブールの同社のハブを活用して、地球規模の乗り継ぎ旅客の流れを惹きつけ、将来に向けては、新地点への展開より、便数増に焦点を当て、市場に先駆けた成長に結びつけるという、彼の戦略を改めて繰り返し訴えた。この戦略は湾岸諸国のキャリアーの戦略と類似しているが、トルコ航空独自の市場に大きく支えられたものだ。
トルコの市場には、LCCであるペガサス航空との激しい競争が既に存在するが、トルコ航空(THY)とルフトハンザが共同所有しているLCC、サン・エクスプレスが黒字化したことで、THYにとっては、競争の脅威に対抗するもう一つの選択肢が出来たことになる。
Turkish Airlines reiterates growth
opportunities and a more profitable outlook for SunExpress
ユナイテッド航空、高いゴールを設定=投資家に信頼感の浸透を図るために
23-Nov-2013 1:35 AM
八方包囲されたユナイテッド航空は、株主に対して、年間20億ドルの経費節減策や、2015年までに株主に現金の返済を開始するという約束を含む、野心的な目標を発表した。
過去数年間というものずっと経営の収入と経費の問題と戦って来たユナイテッドにとって、中期レベルで業績の改善策を具体化するしか選択の余地は残されて居ない。株主に代償を支払うという戦術は、今後3年間で10億ドルの現金を株主に返すと発表したデルタに対抗する措置だろう。
これに加えて、ユナイテッドは今後4年間で税引き前収入を2倍から4倍、増やせると考えている。
しかし、これらを総合すると、合併で期待されるシナジー効果もまだこれからという同社としては、ゴールは高いものだ。
今や、ゴールを明らかにしてしまった以上、成功裡に実行せねばならず、疑い深い向きには、またかと、うんざりされても仕方が無いものだ。
United Airlines sets lofty goals to instill confidence among its
investors
エア・アスターナ、2014年は更に急速な成長を計画=しかしカザフスタンの航空市場は減速の兆候
22-Nov-2013 7:14 PM
エア・アスターナは2014年に、767とA320そしてE190の保有機材を拡充して、2年連続で供給量の2桁成長を計画している。カザフスタンのフラッグキャリアーである同社は、CISと中央アジア地域での拡大に焦点を絞るだろうが、新機材767-300ERなら長距離路線網の供給量増も図れるだろう。
供給量(ASK)として2014年には、2013年の16%の拡大に次いで、15%の伸びが予想されている。
しかし、エア・アスターナとしては、5年連続で、ほぼ年15%の拡大を続けた一時代を終え、翌2015年には、このペースを緩める計画である。
市場の状況は2013年に次第にかげりを見せ、利用率や収益率に影響を与えて来ている。カザフスタンの国内線市場がロシアの航空会社にも開放される可能性も含め、激化する競争がエア・アスターナの中長期の見通しを暗くしている。
Air Astana plans more rapid growth in
2014 but Kazakhstan airline market shows signs of slowing down
マレーシア航空、急速拡大を企図=しかし利益率、収益は難しい状況に
21-Nov-2013 7:00 PM
マレーシア航空(MAS)は短中期の展望として、2013年に記録した強烈な20%の供給拡大に比べれば、低い成長率ではあるが、より急速な拡大を計画している。同社はずっと国内線を伸ばしてきたが、2013年には近距離国際線、長距離国際線にも同様の早いスピードで供給を拡大し、2014年には地域内の国際線の拡大に焦点を絞ろうとしている。
MASは今年度これまでに、37%もの伸びを示した第3四半期を含めて、大規模な供給拡大をやすやすと上回る、28%も旅客数を伸ばすことが出来た。
しかし、利用率の改善は、利益率の悪化の犠牲の上に成り立っていて、第3四半期には結局、MASを赤字に引き戻してしまった。
同社は、最終的には商品の改良と新たに加盟したワンワールドを梃子にして、全クラスで利益率の改善を出来るよう望んで居る。
しかし、東南アジアでの激化する競争から、高い利益率の実現が困難となっているために、同社の見通しを暗くする可能性がある。
Malaysia Airlines pursues rapid expansion but yields and profits are under pressure
エティハド・リージョナル、エティハド資産同盟に参加=スイスのダーウィン航空が点と点を結ぶ
20-Nov-2013 8:59 PM
エティハドがドバイ航空ショーの初日、スイスのダーウィン航空を33.3%買収すると発表した途端に、市場は買い注文で大騒ぎになった。
ダーウィンはわずか50席の機材を運航しているが、これは航空ショーで湾岸のキャリアーが発注した、どれも350席を越える広胴機のプレミアムクラスの席数にも及ばない数だ。
しかし、発表は大きな意味を持っていて、それには、三つの理由が浮かび上がる。
第一に、エティハドにとって、このエアラインは欧州内でエティハドや提携エアラインのために、湾岸のキャリアーが殆ど通過してしまう様な都市とハブ空港を繋いで、言わば、「点と点を結んで」くれるのだ。これらの都市の殆どにルフトハンザが飛んでいる。ここに欧州の伝統的なエアラインにとって、第二の大きな衝撃が生まれる。すなわち、湾岸キャリアーが彼らの長距離の商売を変えてしまい、一方で欧州のLCCが彼らの近距離の商売を皆殺しにしてしまったのだ。エアラインにとって、域内の旅客輸送と言うものはいつも典型的に重荷であったが、エティハドの発表により今後、更なる重圧がかかる事になるだろう。第三の理由は、ダーウィンがエティハド・リージョナルと名称を変えることで、エティハドはダーウィンが新名称を使う手始めに過ぎないと公言していることだ。産業界がエティハドの企業提携と資産同盟の戦略というものを充分に消化出来ないでいる内に、エティハドは航空業界のもう一つの要素を改革し,この産業の自由化の意義を高めると誓って居る。とりわけ、欧州のキャリアーに自分の名前を刻印することで。
Etihad Regional joins the Etihad Equity Alliance as Swiss' Darwin Airline helps connect the dots
バンコク航空、国内線の拡大を図る=タイ・ライオンの就航で競争が激化する中で
20-Nov-2013 11:41 AM
バンコク航空は、独立したフルサービスの航空会社として、競争が激化するタイ市場の中で足場を固めるため、可なり大胆な保有機材と路線網の拡充を計画している。
同社は、2014年末までに5機のA320ファミリー機材を受領し、新たにターボプロップの新世代機種と狭胴機を間もなく発注しようとしている。
この保有機材の更新拡充のための資金は、6か月遅れの、2013年の末までに企図して居る
新規株式公開(IPO)で調達しようとしている。
2013年12月4日のタイ・ライオンを始めとし、タイ国内での新たな3つのLCCの就航の動きが、IPOに影響するかもしれないという厳しい背景がある。しかしバンコク航空は4年間連続で黒字を続けて居り、そのブティック・エアラインというニッチな世界で長期的に生存能力があると自信を持っている。同社の見通しは今後もかなり明るいもので、拡大する提携先リストの中から、単価の高い旅客の供給が続くお陰で、同社はLCC達が激戦を繰り広げる戦場の圏外に留まる事が出来ると見ている。
Bangkok Airways plans domestic expansion as
competition intensifies with launch of Thai Lion
ロイヤル・ブルネイ航空、787で飛躍=A320neoまたは737MAXの早期引渡しで次なる飛躍も
19-Nov-2013 7:36 PM
ロイヤル・ブルネイ航空(RBA)は2013年12月1日、バンダル・スリ・ベガワン=ドバイ=ロンドン・ヒースロー線にボーイング787-8を投入し、効率性と収益性の向上に大飛躍を遂げようとしている。
そして、もう一つの躍進が2016年か、2017年に同社のような小規模エアラインとしては驚くほど積極的な提案、そして、早い納期というオファーを受けて新世代の狭胴機を受領する時にやって来るだろう。
RBAは、2013年10月に東南アジア初の787運航会社となった。既に787-8を2機受領し、そのうち1機は今週、ドバイのエアショーに展示されて居る。
また、RBAは世界最大路線の一つである、ロンドン=ドバイ線に787を最初に飛ばすエアラインとなる。そして、2013年4月には長距離路線を787のみで運航する世界最初のエアラインになる予定だ。
一方で、2015年末から10機以上の発注を前提に、エアバスとボーイングが受注を競って居る新世代狭胴機については、機能要件を確定する段階に来て居る。エアバスとボーイングはリーシング会社の協力を得て、A320neo と737 MAXファミリーの早期引き渡し枠を提示して居るが、特にボーイングがRBAの狭胴機の保有機材をエアバスからひっくり返すことを熱心に狙って居り、競争は激しさを増して居る。
なお、RBAは初期の大型リージョナルジェットの検討の段階で、既にエンブラエルとボンバルディアは除外して居る。
Royal Brunei Airlines leaps forward with
787. Early A320neo or 737MAX slots to provide another boost
エアベルリン、推力全開=しかし2013年度の収支トントンは断念。エティハドから更なる資金注入か?
17-Nov-2013 2:27 PM
エアベルリンは2013年度第3四半期にEBIT(支払金利前税引き前利益)対前年比14%増を記録し、今年初めての黒字の四半期となった。この四半期はエアベルリンの「"タービン"企業改革プログラム」に則ったコスト削減策が順調で、単位コストが今年初めて下がっている。
しかし、同時にこの四半期は収入単価が、2013年で最低となり、収益が足りないために、同社の脆弱な貸借対照表の流動性改善は出来なかった。
主たる原因である価格設定環境が悪く、先に設定したEBIT損益分岐点に到達するという2013年度目標を放棄せざるを得ず、年度末には純負債の低減という、より容易な目標を設定した。
エアベルリンのCEOウォルフガング・プロックシャウワーは第3四半期に関する電話会議で、アナリスト達に、エティハド航空との関係は長期に亘るもので、我が社を真に的確に再構築するための時間を与えて呉れるものであると述べている。
このコミットメントについても、間もなくその実態が試される事になるだろう。
Airberlin: Turbine on maximum thrust, but
FY2013 breakeven target abandoned. More cash from Etihad?
エアカナダ、好調続く=継続可能な投下資本利益率を目標に
16-Nov-2013 4:17 PM
エアカナダは2013年度第3四半期に重要な目標を達成した。2012年度には7.7%だった投下資本利益率(ROIC)が2013年9月末時点で10.8%となったのだ。この改善は目覚ましいもので、同社は先にROICを2015年までに10%~13%に継続可能な状況で達成すると言う目標を掲げて居たのだ。
数年前、同社はかなりの財政問題と懸命に戦って居たし、また、労働争議を抱え、包括的労働協約の締結のために2012年の殆どを費やしていたから、尚更、これが継続可能な収益性という究極的な目標達成に資するものだと考えている。
エアカナダにとって、継続的な収益性をなし遂げる気概がある事を証明するには、まだまだ行く手に長い道のりが続く事は間違いない。しかし当面は、一方で独自のLCC子会社エアカナダ・ルージュを離陸させ、ますます強まるウエストジェットからの敵対的な圧力に対抗しようとする気概は持っている様に見える。
Air Canada’s positive momentum continues as it eyes sustainable
ROIC targets
エアラインのCEO=ますます重要になる、その理想像を求めて
16-Nov-2013 8:00 AM
営利事業のリーダーというものは、どんな組織においても普通でない、時に、異常な範囲の技量を求められるものだ。当然ながら、どのCEOもこれを持っている訳では無いし、また、持って居ても外部勢力に対して必ず勝利を収めるとは限らない。それが全てではないが、時宜を得ることはとても重要である。時とともに、外部勢力は必要な技量の組み合わせを変えて来る。例えば産業が大きく変容しようとしている時には。
エアラインビジネスの複雑さからして、おそらく、この業界の(男の)リーダーと言うものは他より多くを求められる。(この業界のリーダーは大抵、男性で、女性CEOは極めて稀である)
そして今日、伝統的エアラインの経営者と従業員達にとっては、あらゆる方向から責め立てられ、世界はとりわけ敵意に満ちたものに見えるに違いない。
一方で、今や保護主義は過去のものとなり、最早、逃げ込む場所も無くなり、湾岸諸国のエアラインや、多くの新しい近距離LCCによって、競争相手に求められるものが変わって来ている。
今回のCAPAレポートは偉大なCEOを創造する(か否かの)、幾つかの例について検証する。
Airline CEOs: the increasingly important quest to find the ideal
characteristics
エミレーツ航空、2013/14年度上半期15%の成長=サウジアラビア、オーストラリア、英国の好調で、しかし通年では成長は減速
15-Nov-2013 2:28 PM
エミレーツ航空は2013/14年度の上半期、旅客輸送実績を対前年同期比で15%伸ばした。
この業績をけん引したのは、欧州と中東で、一方、豪州は過去最高の伸び率を示した。
サウジアラビア、英国そしてタイが過去最大の供給増の一部を受け入れている。
供給席数から見ると、インドと英国が相変わらず、エミレーツにとっての最大の市場である。しかし、3位の座はサウジアラビアがドイツを追い越し、オーストラリアが米国を、タイが南アフリカを追い越した。
成長率で見ると、目立つのはポルトガル、ベトナムそしてザンビアで、全てプラス100%の伸び率である。もっとも、そもそも基点が低いのだが。 然し、エミレーツは40-50%の伸び率をオーストラリア、サウジアラビア、フランスなど7カ国で達成して居る。
全体として旅客輸送実績で15%の成長、供給席数で16%の成長は、エミレーツ程度の規模の会社にとっては、かなりの実績と言えるだろう。
しかし、年度を通しての供給席数の伸びは、鈍化して12%近くになりそうである。これによってエミレーツの近年の歴史の中では2013/14年が、かなり低成長の年になりそうである。
市場成長率ではアジアが最高となり、これに次いで、欧州と中東となりそうだ。
Emirates' 1H2013/14 15% growth: led by Saudi Arabia, Australia and UK, but full year looks slower
フルサービスの吉祥航空、LCC子会社「九元航空」を創設へ=一方で提携関係も拡大
15-Nov-2013 12:11 PM
上海の民間企業である、吉祥航空は複数の領域で成長をものにしようとしている。
数々の提携先を持つフルサービスのブランド・エアラインを補完しようとするのが、目下就航を待っている新たな低コスト・エアラインである九元航空で、このLCC子会社は中国国内線で「九元フェア」(1.48米ドル)を展開しようとしている。
九元航空は吉祥航空の基地である上海から充分に離れた、広州を基地とする予定で、LCCタイプの新たな民間航空会社を支援し、最低運賃制限を緩和するという、新たな中国政府の政策変更の申し子である。規制が緩和されたものの、今だに制限の残る、この環境は、まだまだ黎明期の段階であり、吉祥航空の所有する九元航空としては、今後、戦略を変更する事になるかもしれない。 現在のところ、二つの会社を切り離して置こうと言う考えで、吉祥の広州発の路線は上海行きのみなので問題は無いだろう。騒動は、広州を砦とする、中国最大の国内エアラインである中国南方航空のLCC子会社が登場すれば、その時に始まる事になるだろう。
提携先探しの一年目として、吉祥は既に15のエアラインとのインターライン協定を確保し、国内線コードシェアを2社と合意している。また、現在、最初の国際線コードシェアを待っているところである。
Full-service Juneyao Airlines to establish low cost Jiu Yuan Airlines while growing partnerships
トルコ航空、第3四半期の経常利益が下落=貨物は回復傾向に
14-Nov-2013 8:00 PM
トルコ航空の第3四半期の純利益は昨年同期並みだった。しかし、これは営業外科目の好調によるものだ。
この四半期の営業収支は、今年初めて、単位売上の伸びが、単位コストの伸びを超えることが出来ず、2012年度第3四半期の水準を下回るものになった。 同社の供給と収入は相変わらず二桁の伸びを続けているが、時につまずくことは避けられないことだろう。
第3四半期の最も明るい話題は、貨物事業の活動が、昨年対比の伸び率で、かなり旅客事業を上回って、回復の兆しを見せていることだろう。しかしながら、貨物事業は収入の8%に過ぎず、旅客事業が全事業の牽引車であることに変わりは無い。
経営陣は、今後、収入単価の伸びが弱まり、コスト単価の上昇が強まるという、新たな傾向が始まった訳ではない事を示す為に苦心することだろう。
Turkish Airlines: quarterly operating profit
falls in 3Q2013, but cargo activity strengthens
東南アジア-欧州間の業務渡航需要を巡って競争が加熱=市場環境が改善する中で
14-Nov-2013 4:17 PM
東南アジア-欧州間の企業の業務渡航が勢いを回復している模様だ。しかし、企業の経費のパイに群がるエアラインも増えていて、競争が加熱している。また、ずっと小さい規模だが、東南アジア-北米間の業務渡航市場も改善が見られる。この市場はシンガポール航空(SIA)が独占的に飛んでいた、ニューアーク、ロサンゼルス直航便を廃止したことから、競争が激しくなって来た。
東南アジア-欧州間の直航便の供給量は、アジアの航空会社が、地域内への拡大に、より焦点を絞ってきたので、対前年同期比でも僅かな伸びに留まっている。しかし、直航便市場に新たに参入するエアラインも増え、一方で、市場全体への圧力を強めている、中東経由のワンストップ市場もますます供給を伸ばしている。
この競争の圧力が、業務渡航の需要が回復しつつある中で、プレミアム運賃、企業向け運賃の値上がりを食い止める可能性がある。
Competition heats up for Southeast Asia-Europe corporate travel as market conditions improve
エミレーツ航空、2014年度上期6億ドルの利益を計上=しかし環境は難しくなっている
14-Nov-2013 12:20 AM
エミレーツ航空の会長兼CEOであるシェイク・アーメド・ビン・サイード・アル・マクトゥムはエミレーツ・グループが2013年9月までの半年間で、22億UAEディルハム(6億米ドル)の利益を計上した事について、世界の企業環境は難しい状況だと語った。グループ全体の収入は13%上がったのに対し、利益は2012年同期比でわずか4%の増加率である。エミレーツ・グループとしては、この業績について、堅調な実績と評し、自らの長期的ビジョンと事業の成長に確実に焦点を絞った事を反映して居ると述べている。
いまどき、利益を上げることは多くのエアラインにとっては夢の様な話であるにも関わらず、シェイク・アフメドは、エミレーツ航空について、いつになく慎重なトーンで人々を驚かせた。
グループ全体の収入では423億UAEディルハム(115億米ドル)に上ったのだが、本流であるエミレーツ航空の旅客事業では最終利益は17億UAEディルハム(4.75億米ドル)と、わずか2%の改善に終わって居るのだ。シェイク・アフメドによれば、この実績は、堅実な需要が、我が社の商品とサービスを求めている事を示して居る、そして今後も顧客の求めに応え、需要にぴったりと合った供給、路線の増強を図って行くと述べている。
Emirates reports a USD600 million 1HFY2014 profit but sees a 'challenging' environment
アメリカン、デルタ、ユナイテッド、日本重視を弱める=他のアジア諸国がより重要
13-Nov-2013 10:22 PM
日本は、日出づる国かもしれない、しかし、米国の航空会社にとっては、その重要性は色褪せて来ている。
アメリカン航空、デルタ航空、そしてユナイテッド航空の北米大陸発日本行き席数が2013年より2014年の方が少なくなるのだ。日本はまた、彼らのアジア路線網の中のシェアでも低下している。
アメリカンとデルタは2003年にはアジア向け路線の唯一の目的地が日本だったのに、2014年にはアメリカンのアジア向け供給の43%、デルタの66%にまで下がっている。ユナイテッドの日本路線の供給は2003年の67%から2014年には42%へと減っている。
各エアラインは香港、韓国、台湾へと供給を増やしているが、なんと言っても、最大の受益者は中国本土である。アメリカンとユナイテッドは2014年、中国にほぼ日本と同じ供給量を飛ばすことになるだろう。この変化はアメリカンとユナイテッドが日本のパートナーと合弁事業に落ち着く一方、デルタは単独でパートナーを探している中で生まれて来た。しかし、中国が供給量で存在感を増しているとは言うものの、プレミアム旅客、アウトバウンド旅客の観点から見ると、まだまだ市場の成熟を待たねばならない。
そして、まず間違い無く、中国と米国のエアライン合弁事業が生まれて来て、いつの日か日本と米国エアラインの合弁事業を追い越すことになるだろう。
American Airlines, Delta and United are de-emphasising Japan in favour of other Asian countries
エティハド航空、創立10周年を迎える=世界の航空業界の再編を助ける
12-Nov-2013 5:36 PM
2013年8月12日エティハド・エアウェイズは創立10周年を迎え、歴史的な里程標が一回りした。このエアラインは、自らを航空業界の歴史上、最も速いスピードで成長を続けるエアラインと誇り高く宣伝しているが、たしかに世界のエアライン業界を変貌させた革命を先導して来た。
エティハド・エアウェイズは、2003年7月、勅令によりアラブ首長国連邦(UAE)の国営航空会社として誕生し、6ヶ月も経たないうちに、たった1機の航空機で運航を開始した。大きな中東の市場の改変の中で運航を開始し、同時に、アブダビをビジネスとレジャーの目的地に育て上げ、この町を世界的なハブに変身させる使命を帯びていた。
そして10年が経ち、エティハドはその目的を果たした。急速な組織的成長と積極的な企業提携、画期的な買収を組み合わせて、この会社は中東に留まらず、全地球規模で航空業界の主役になったのだ。この様な短時間にこの大成功を収めた航空会社は少ないだろう。彼らほど、世界の繋がり方を変化させた、革命の担い手になったと言えるエアラインは更に少ないだろう。
Etihad reaches a decade, and helps transform global aviation
キャセイ航空、安全地帯から一歩踏み出す=しかし僅かな席数のファンフェアは単なる販促材料か、それともLCC戦略か?
13-Nov-2013 11:00 AM
キャセイ太平洋航空は、2013年10月に導入一年を迎えた割引プログラム「ファンフェア」がこの1年で14万席売れ、喜んでいると言って居る。しかし、この数字は驚くほど小さなもので、2012年のキャセイの総旅客数に対して0.5%にも満たないのだ。 比較して見ると、エアアジアは2日毎に14万席を売って居る。
だが、「ファンフェア」はキャセイにとっては売れ残りそうな席を処分出来るというだけでなく、戦略的に重要なものである。キャセイはこの「ファンフェア」が、今や香港エクスプレスと、ジェットスター香港の参入で脚光を浴びている格安運賃市場に対処するより大きな役目を果たすと見ているのだ。「ファンフェア」は色彩豊かなロゴと、時に突飛な販促活動で、保守の典型であるキャセイにとっては自社ブランドの幅を広げるものではある。
キャセイはこの様な現実に関わらず、LCCに対する見方、最も安い運賃、すなわち売れ残った席であるという考え方で販売を拡大しようとしている。しかし、運賃に意識の高くなった乗客の求めるフライトは、既に高利用率であるというのに、この戦略には疑問が投げかけられている。
Cathay Pacific leaves its comfort zone
but is tiny-volume fanfare a mere marketing or LCC strategy?
シンガポール航空、第2四半期は黒字=しかし、競争の激化で利益率は更に低下
13-Nov-2013 8:00 AM
シンガポール航空(SIA)は2013年9月末に終わった年度の第2四半期と上半期が、より大きな黒字で終わった事を報告した。しかし、同社の利益率はまた下がって居る。特にSIA本体が引き続き収益低下を記録している。
SIAにとって、市場環境は好ましくない状況が続いている。東南アジアでの競争は激化し、貨物と長距離旅客市場の需要は比較的に弱いままである。しかし、SIAは、グループ全体として、種々の大掛かりな戦略転換で、長期的に、更に高い成長率と収益性を確保しようとして居る。
最近の大きな戦略的な動きとしては、前四半期の終わり頃にSIAが明らかにした、インドのタタとの合弁事業としてのフルサービス航空会社の設立がある。
このインドの新会社は2014年に開業する予定だが、2012年のシンガポールを基地とする長距離LCCスクートの開業、フルサービスの地域航空会社である子会社シルクエアへの展開に続くものである。スクートは未だに黒字にはなって居ないし、シルクエアは最近の数カ月、収益性が落ちている。しかし、長期的にはSIAグループは再び高収益を取り戻す可能性を秘めた、より強力な経営資源を持つ事になるだろう。
Singapore Airlines remains profitable in 2Q
but yields drop again amid intensifying competition
ミャンマーのエアライン、障害に直面=戦いの場が広がり、競争が激化する中で
12-Nov-2013 10:00 AM
ミャンマーの航空市場は、2012年の市場開放以来、最高の旅客数の伸び率を記録して居り、自国のエアラインにとっても、外国社にとっても大きな可能性を秘めている。
しかし、インフラの制限、供給過剰、利益率の低さなどの障害も多い。
現在、同国には8つの航空会社があり、少なくとももう4社が開業の準備をしている。これらの殆どが国内線市場に焦点を当てて、似た様な路線、似た様な機材、似た様な商品、似た様なビジネスモデルで運航している。年間400万人の旅客数のミャンマーの市場規模には、過剰な数であり、整理統合が避けられないだろう。
また、ミャンマーのエアラインは国際線市場でも市場開放以来、供給を3倍近く伸ばした外国社と戦って居る。地場エアラインの2013年第3四半期までの旅客輸送実績は30万人以下で、これは市場全体の輸送実績の16%にも満たないのだ。
Myanmar’s airlines face challenges as playing field
expands and competition intensifies
ミャンマーの国際線市場、成長痛に悩む=供給増加が余りにも急速か?
11-Nov-2013 10:00 AM
アジアのエアラインがミャンマーに供給を伸ばし続けている。それは、20年間に亘る経済制裁が取り除かれ、市場が急速に開放された2012年の後半に競って行われた供給拡大に積み重ねるものである。2014年1月、ミャンマー国際線市場への供給席数は週間11万席を越え、2012年1月対比では40%の伸び、2012年4月、アウンサン・スーチーの国民民主連盟(NLD)が記念碑的な選挙で勝利を収めた時点に比べれば、ほぼ130%の拡大となる。
しかし、これまでのところ、追加されていく供給が需要を追い越してしまって居る。ミャンマーの国際線旅客数は過去2年間で約70%の伸びを見せている。驚くべき数字だが、供給の伸びには追いつかない。結果として、ミャンマー発着便の利用率は世界的な水準をかなり下回っている。
2012年4月以前からミャンマーに就航していた外国社14社の殆どで、昨年のミャンマー線の利用率は下がって居る。市場が開放されてからミャンマーに就航し、継続して居る外国社9社では今のところ、概ね50%から70%で通常を下回る利用率が続いている。
Myanmar international airline market suffers from growing pains. Has capacity been added too fast?
大韓航空、CSAチェコ航空の買収は成功だった=エティハドとの提携も進む
10-Nov-2013 9:09 PM
大韓航空は、いまでも稀な航空会社の国際的企業買収の例として2013年、264万ユーロという比較的安価な金額で、CSAチェコ航空の44%の株式を買収した。結果として、チェコのハブ空港であるプラハでの乗り継ぎ旅客数が200%以上伸びるという成果で報われている。
しかし、買収の戦略的な意味合いの方も余り確かなものとは言えない。ハブ空港での協力、そしてこの乗り継ぎ旅客数の急拡大については、理論的には買収をしなくとも出来た筈だ。
大韓航空は、プラハでの乗り継ぎ旅客が2012年の月間600人から2013年9月のピークに2,000人に増えたとの詳細を公表しているが、一方でフランクフルトでの乗り継ぎ旅客はどのくらい減ったのかは明らかにしていない。同社とルフトハンザは良好なインターライン協定を持っていて、大韓がチェコを買収するに先立って破棄されているのだ。
大韓はプラハ経由で行けるヨーロッパの都市が増えたと喧伝して居るが、これも、ルフトハンザからの置き換えとの対比でどの位の増加なのかも定かでない。また、今後両社にどのようなシナジー効果が見込まれるのかもはっきりしない。
大韓の提携の問題としては、もうひとつ、小さいかもしれないが、より理論的なのが、今や国境を越えた企業買収と企業提携の第一人者である、エティハド航空と、協力を拡大している。大韓はエティハドのヨハネスブルグ及びマスカット路線でコードシェアをし、エティハドは大韓のホノルル及びバンクーバー路線にコードシェアをする予定である。
Korean Air sees success from CSA Czech
Airlines acquisition while growing its Etihad partnership
ハワイアン航空、より緩やかな成長の段階へ=国際線急拡大の後に
8-Nov-2013 11:59 PM
ハワイアン航空は、過去数年間に10以上の新地点への路線を開設という、野心的な長距離路線への拡大戦略を少し緩めようとしている。この変化は、同社の米国本土路線市場への供給量が合理的に淘汰され、また同社の新らしい収入管理システムがマウイのハブでの運航効率を向上させつつある段階で始まって居る。
また、ハワイアンは、継続する為替レートの逆風にも関わらず、2013年第3四半期には同社の国際線路線網の半分を占める日本市場についての長期需要予測に、強気の姿勢を崩していない。成長を計画的に緩める方針によって、同社はじっくり落ち着いて、新規開設した路線を効率的に成熟させようとしている模様だ。
Hawaiian Airlines preps for a new phase of
slower growth after rapid international expansion
デルタ航空、シアトルで更なる攻勢へ=アラスカ航空は自己防衛を明言する中で
8-Nov-2013 9:12 PM
デルタ航空がシアトルのハブで提携相手であるアラスカ航空に、見るからに公然と戦いを挑んでいるが、アラスカ航空の方は、デルタとの提携の様な長年の契約というものは複雑なものであることを強調している。そのメッセージを総合すると、デルタとは、お互いに利のあるところでは協力しあうが、侵食を続けるようであれば、毅然として対抗する、というものだ。
デルタの最近の動きとしては、米国の太平洋、西海岸の北部と南部の二つの重要な市場である、ポートランドとシアトルで起こっている。
皮肉な事に、デルタは、つい最近アラスカの幹部が取材者に対して強調していたことを実行しているように見える。即ち、進行する競争という大きなダイナミクスに対しては感情抜きで対処するということだ。デルタは、容赦なくアラスカの市場への侵食を続けて居ながら、シアトルがその国内線、国際線の自社のハブとしての地位をますます高めていることに、確かに全く感情を表していない。
このアラスカの市場においてデルタが創り出した競争関係が、両者の長年にわたる提携関係にどう影響するのかは定かでない。一方、アラスカは米国航空業界でも最高の部類に入る業績を記録し続けている事から、自分を守るための、充分に強力な基盤を持っていると言えるのかもしれない。
Delta Air makes still more aggressive moves in Seattle as Alaska Airlines pledges to defend itself
中国、「我々には急ぎLCCを育てる必要がある」=アジア最後のLCC市場の時が来たか?
8-Nov-2013 5:04 PM
CAACの夏興華副局長は2013年11月5日、北京で開かれた、公開シンポジウムで「我々は、緊急にLCCを育成しなければならない。」と宣言したが、これで、中国で、LCCに対する、そして航空市場全般についての考え方が基本的に変化する方向に進んでいることが明らかになった。
中国航空業界のフラッグキャリアーである御三家の安定を確保するという最優先の目標の元では、決して簡単な作業ではないだろう。しかし、一つだけ明確になったことがある。それはCAACがこの分野に相当の変化を持ち込む事を真剣に考えていることだ。それには、新規エアラインの認可、空港料金体系の改変、LCC専用ターミナルの導入、航空機購入手続きと課税についての改変、新規路線開設の自由化、いつも話題になる制限空域の改革(大部分、自由にはならないものの)などが含まれるだろう。
この問題に真正面から取り組む動きは、11月9日に再度会合を持つ中国の新指導部にとって、市場の力に、より大きな役割を与え、一方で、政府の方針に逆行しない様に、適正な監督をする方式を探るための、広汎な経済活動上の議題のひとつである。純粋主義者はこれを赤ん坊が生れかかって居る状態と見るだろう。例えば、2013年10月にはCAACは国内市場の最低運賃制限を撤廃したが、これはLCCにとっては重要な一歩前進であった。しかし、LCCが成り立つためには、完全な価格設定の自由化こそ必要不可欠なものであるにも関わらず、価格統制は消費者保護策として据え置かれているのだ。
しかし、中国は、これまで、恐ろしく複雑なこの国の、大きく異なった環境に、ぴったりと適合した、自前の解決策を見出す能力を、いつも示して来た。今回もまた、中国流の解決策があるだろう、そしてより多くのLCCが飛ぶ事になるだろう、但し他とは違いがあるが、
China: ‘We urgently need to develop LCCs’ – is this the
moment for Asia’s ‘last’ LCC market?
SIA、ジェットスターそしてタイガーエア、ミャンマー・シンガポール間の供給を拡大=ビザ制限が大きな障害として残る
8-Nov-2013 10:00 AM
ミャンマー=シンガポール間の市場がLCCを中心とした相次ぐ増便の動きから、供給過剰の危険に直面している。
タイガーエアは2013年10月にヤンゴン線を開始したが、一方ジェットスター・アジアとゴールデン・ミャンマーの両社がヤンゴン=シンガポール線の供給拡大の計画を明らかにした。
ミャンマー=シンガポール間の旅客数は過去2年間で約50%伸びて居る。一方供給の水準はと言えば、100%近く上昇しているのだ。
現行のビザ制限が取り除かれない限り、市場がこの供給増を受け止められるとは思えない。シンガポールがビザを求める国は東南アジアではミャンマー唯一つだというのに、シンガポールはまだ、ミャンマーのビザ廃止提案を承認していない。両国でビザが不要になることは、特にヤンゴン=シンガポール間の需要喚起にやっきになっているLCCにとって極めて重要な事である。
SIA, Jetstar & Tigerair drive
Myanmar-Singapore growth but visa restrictions remain major impediment
タイ・エアアジアとバンコク航空、ミャンマー・タイ間市場への供給増の大波を主導
6-Nov-2013 7:52 PM
ミャンマー・タイ間の市場は、両国のエアラインが次々に便を増加させた結果、この市場にはまたもや供給拡大の大波が押し寄せている。
間もなく、毎日23便が両国の間を往復することになる。これは数ヶ月前には14便、2012年中ごろには8便だった。
今のところ、需要は供給ほど伸びていないために、結果としてはとても運航を維持できない低利用率になっている。また、激しい競争のために、利益率も下がっている。
しかし、ミャンマーとタイ両国がビザの廃止を準備している事で、市場としては、延命措置になるかもしれない。2013年末までにタイがミャンマーにとって世界で最初のビザ不要国になる模様だ。少なくとも、短期間は供給過剰に悩まされるかもしれないが、これで、旅行者拡大の波が解き放たれることが期待できるかもしれない。
Thai AirAsia & Bangkok Airways lead a challenging capacity surge in the Myanmar-Thailand market
四川航空、重慶/シドニー線を展開=欧州、米州への拡大が待っている
5-Nov-2013 11:01 AM
長距離国際線を運航するエアラインとしては、中国第5位に位置する四川航空は、2013年12月20日にA330で、週2便の定期運航を開始する重慶=シドニー線によって、オーストラリアでの存在感を増すことになる。この路線は、四川航空が既に飛んでいる成都=メルボルン線を補完するもので、オーストラリアの2大都市をより容易に訪れる事を可能にするものだ。成都=重慶間の短時間のフライトを使えば、周回することが出来る。この新路線は2013年10月に中国南方航空がシドニー線にA380を投入したのを含め、近年のオーストラリアへの中国エアラインの膨大な供給拡大を更に進める事になる。
更には、四川航空の欧州、北米への大胆な発展計画が実現を待っている。同社の筆頭株主は四川省政府だが、中国エアラインの御三家、中国国際、中国東方、中国南方の三社がいずれも四川航空の株を持って居て、その野望を複雑なものにしている。慎重な成長が賢明だろう。というのも、成都=メルボルンの最初の5か月の結果は平均利用率が45%に留まっているのだ。
中国の副次的な、西部の都市は欧州路線では地理的に有利であるが、オーストラリアでは路線の成熟までまだ暫く時間がかかるだろう。四川航空が英語のウエッブサイトを持って居ないことは、この事に、何の助けにもならない。
Sichuan Airlines grows with Chongqing-Sydney service, but European and American expansion awaits
南アフリカ航空、新戦略で前進せざるを得ない=ブエノスアイレス線の切捨てを手始めに
4-Nov-2013 2:00 PM
南アフリカ航空(SAA)は、新戦略に沿って前進せよという、相当の圧力に直面している。その新戦略には、アフリカ大陸内での路線拡大を進め、ブエノスアイレス線などの不採算長距離路線を切捨てる事が含まれている。新事業計画は2013年4月にまずは完成したものだが、不振にもがく同社を立て直す重要な手順を示している。ところが、SAAは殆どの項目に必要な承認を得て居るにも拘わらず、未だに、重要な改革を始めて居ないのである。
この新戦略のもとでは、SAAはアフリカ大陸内の運航を増やし、不採算の長距離路線を切捨て、基本的により多くの国内線を子会社のLCCであるマンゴーに任せることになっている。
SAAはまた、アフリカ以遠の路線網を強化するために、提携に力点を移しているのだから、新たにヨハネスブルグ=アブダビ路線で提携したエティハドと一緒になって、全く採算の取れない長距離路線を切り捨て、そこから捻出される機材等の供給能力を使って、新たな運航を開始することも出来るはずだ。
長期建て直し計画の遅れが長引くことは、今も出血を続けているSAAには高くつく事になる。アフリカ大陸内の競争が激化し始めている中で、南アフリカから、そして西アフリカにもう一つのハブを構築して便を増やし、アフリカ大陸内路線市場での立場を強化するために、素早く行動する必要がある。またSAAは建て直し計画の中で、長距離路線の維持には不可欠と認識されて居る、新たな広胴機の取得のために最後の一歩を進めなくてはならない。
South African Airways needs to move forward with
new strategic plan, starting with Buenos Aires cut
中国の航空会社、国内線の成長に集中=国際線への拡大は置き去りに
4-Nov-2013 12:35 PM
中国エアラインの御三家である中国国際、中国東方、中国南方の成長は正に目覚ましいものである。中国南方のRPK(有償旅客キロメートル)は2000年の200億から、2012年には、ほぼ1,400億に伸びている。中国以外では、エアラインの成長というものは、概して国際線での伸びに目が行き、この業界の誤った理解に陥ってしまう。
御三家は国際線を伸ばす一方で、国内線も同じ割合で拡大しているのだ。2012年の中国南方の国内線RPKは、全RPKの79%を占めているが、これは2000年の78%からほんの少ししか変わって居ない。これは、多分、中国の出国旅客市場の巨大な実力に気付いて居る人々にとっては当惑させる事実だろう。需要が確かにあるのだが、中国の各社はそこから利を得て居ないのだ。それには充分な訳がある。
国際線の利益率は国内線に比べてしばしばかなり低く、国際路線はしばしば不採算なのだ。
これが、国際社会に意味するところは大きい。中国は当面、自国のエアラインがより強くなって外国社と均衡がとれるようになるまで、路線権益を配分することを躊躇するだろう。
しかし、問題の多くは彼等の力で解決できる種類のものである。
Chinese airlines focus on domestic growth while international expansion remains the poor cousin
湾岸のエアラインとトルコ航空、中国でいつでも拡大の準備あり=運輸権益さえ貰えば
3-Nov-2013 11:58 PM
ここ以外の世界中での成功に比べると、湾岸のエアラインとトルコ航空は、中国で、むしろ貧弱に見える。これは彼らの所為ではない。エミレーツ、エティハド、カタール、そしてトルコは、彼らに与えられた、運輸権益と発着枠の全てを使い切ってしまっているのだ。
全社が既にいつでも拡大の用意が出来ていて、トルコは既に、認可が出次第、中国内5地点への運航を開始できるとさえ言って居る。多分これでは、中国は心穏やかでは無いだろう。国としては賑やかで繁栄する航空市場を求めているのだが、同時に自国のエアラインが正当な分け前を受け取られねばならないとも考えている。これは伝統的な保護主義とは少し違うものだ。議論は中国のエアラインはまだ若く、経験を積んで、競合社と同じ土俵に立つまでには時間が必要だというものだ。しかし、エティハドもカタールも中国の長距離線エアラインに比べれば若いのだ。
一般的な見方が、中国航空業界の自由化は中期レベルでは難しいだろうと言う方向に変わって来ている事から、外国社は自分たちの価値を訴え、何故、自分たちがより多くの運輸権益を得る必要があるのかを説明する方法を探さねばならないだろう。業務提携がその一つの答えである。
Gulf carriers and Turkish Airlines ready to expand in China, if only air rights were available
メルパチ・ヌサンタラ航空、危機に瀕す=インドネシア政府は引導を渡すべきか?
1-Nov-2013 9:00 AM
インドネシアのメルパチ・ヌサンタラ航空が財政危機に直面しており、資本強化と、路線網の再編で生き残りを図ろうとしている。同社は国有のエアラインで、近年は、競争相手や、インドネシアの国内市場全体が急速に成長する間に既に縮小の道を辿っていた。しかし、メルパチはより大きくて強力なエアラインと競争せねばならないいくつかの幹線にしがみついている。
メルパチにとって最も論理的な解決策は、インドネシアの主要エアラインとの戦いはやめにして、遠隔地の地方路線に集中することだ。ところが、国営のエアラインを必要とするような地方路線の数が減ってきているのだ。ずっと効率の良いライオンエアには急速に成長する子会社である地域エアラインがあって、ATR72を運航しており、更に小さなターボプロップ機を加えて、インドネシアの広大な地方市場の、より旨みのある需要を摘み取ろうとしているのだ。
ガルーダ・インドネシア航空も2013年11月にATR72を導入の予定で、政府が後ろ盾する地域エアラインには、ますます入り込む余地が無くなる。インドネシア政府はどうやら、メルパチを飛ばし続ける必要はもはや無いと認識している様だ。
Merpati Nusantara Airlines faces crisis. Should the Indonesia government pull the plug?
タイガーエアとスクート、浸透の余地を残すシンガポール/中国間路線に拡大を図る=ジェットスターは後退する中で
31-Oct-2013 10:00 AM
シンガポール=中国間路線の市場は、現在のところ、LCCの占める割合が、全供給の19%にしかならず、LCCにとって大きな可能性を秘めている。しかし、この市場はジェットスターにとっては、難しいものであることが判って来て、シンガポール=中国間の路線をまた2つ中止し、2年前に10%あった同社の供給シェアは今やたった3%になってしまった。
タイガーエアとスクートの拡大で、ジェットスターの去った跡は埋められた。しかし、シンガポール=中国間のLCCとしての供給もシェアも下降傾向が続き、2014年1月には16%にまで減少してしまう。シンガポール全体のLCC浸透率は今や31%であり、いまだに伸び続けている中で、このシンガポール=中国間路線の浸透度の低さは驚きである、特にこの路線にはオープンスカイ協定が成立しているというのに。しかし、長期的に見れば、LCCにとって、更なる成長の可能性を持っていることは確かだ。
Tigerair & Scoot poised for expansion in under-penetrated Singapore-China market as Jetstar retracts
フィンランド航空、90歳を祝うエアラインに日本との合弁事業が救いに=収益に黄信号が点灯で
30-Oct-2013 8:01 PM
フィンランド航空は2013年11月1日、90歳の誕生日を祝い、世界一古い航空会社の一つになる。そしてその世界一新しいCEOの一人が、2013年6月1日に加わったペッカ・バウラモである。
フィンランド航空の戦略の強みはヘルシンキのハブを活用して、欧州とアジアを繋ぐ事で成り立っている。しかし、同社の2013年第3四半期は、旅客数、市場占有率ともにアジア、欧州両地区で向上しているにも拘わらず、円安がアジアからの実質収入を下落させてしまったのだ。
2013年10月16日には、BA/JALによる欧州と日本間の路線収入分割の合弁事業への加入申請が承認されたが、これは願ってもないタイミングだった。結果として、運賃の値立てや運航ダイヤ調整で協調が得られる事は、収入の不安に対して効果を上げてくれる筈だ。
それでも、フィンランド航空の第3四半期の収益急落とこれに伴う、通年収支への黄信号がバウラモ氏の直面する問題の大きさを浮き立たせている。同社は可也のコスト単価低減を達成して居るけれども、バウラモ氏は、一方で実収単価向上のテコ入れをすると同時に、更なるコスト削減を押し進めねばならないだろう。
Finnair: Japanese JV to the rescue for the new nonagenarian following profit warning
ノルウェイ・エアシャトル、アジアでの長距離LCCモデルを北大西洋に=しかし収益悪化に要注意
29-Oct-2013 4:57 PM
ノルウェイ・エアシャトルが、2013年度第3四半期の純利益の悪化を報告した。ボーイング787の運航停止や、北欧の今夏の天候が良すぎて需要が伸び悩んだ事が原因である。
にも拘らず、同社は将来への布石を打ち続けており、2013年10月17日には初の英=米間、大西洋横断路線開設を発表した。
2014年7月、同社は、スカンジナビアの基地発の大西洋横断路線に加えて、ロンドン発ロスアンゼルス、ニューヨークそしてフォート・ローダデールへの3つの長距離路線の運航を開始する予定である。同社は既に787-8をバンコク路線に飛ばしている。
この事は、アジアで成功を収めた長距離LCCモデルを英国発の北大西洋に導入するという、予てよりライアンエアのマイケル・オリアリーがしばしば説いて居た考え方で近代としては最初の試みになるだろう。
今月、カンタスの子会社ジェットスターは、発注した787-8の初号機を受領したが、これはアジアの長距離路線に使われる予定だ。シンガポール航空の子会社スクートも787-8/9を2014年後半から受領、エアアジアXは2018年からA350-900を使う計画である。
Norwegian Air Shuttle: Asia's longhaul LCC model comes to the N Atlantic (but watch falling profits)