航空経営研究所
Japan Aviation Management Research
海外事情・旅行流通
フォーカスライトJapanでは、PhocusWire Daily (phocuswire.com) の毎日のニュースを
意訳して、毎週 月曜日更新の「海外事情」に掲載しています。
「海外事情」は、この他に TD 勉強会（ www.e-tdb.com ）と、その一部を
トラベルジャーナル（TJ）の隔週コラム「FROM THE WORLD / 海外事情」にも
掲載しています。
2020年以前の「海外事情」は、TD 勉強会 www.e-tdb.com のアーカイブにて
ご覧になれます。（TD = Travel Distributionの略です。）
TD海外事情 2月 13日号 NEW
今週号で閲覧第1位となった「6. 未来の旅行者セグメントとそれらを形成する力」は、Amadeusのレポート “Traveler Tribes 2033 study” をレポートしている。10年後の旅行者像を5つのグループ（Tribes）に分類して、各々の属性を説明する。
昨今、パンデミックが影響して、旅行者自身が大きく変わっていると言われている。その変わりようについて知りたいと思っている自分には、この記事は、レポートの全てを読んでないためなのか・・・、何とも物足りなかった。
閲覧第２位の「9. AIからグーグル、2023年の旅行市場の5つの真実」が、その真実のトップに掲げている “生成AI” と、そこから派生する “チャットGPT” が、10年後の未来には主役となっているだろうと考えるからだ。
PhocusWire Daily ニュースは、注目すべきニュースとして、3週連続で、このチャットGPTを取り上げた。
Travel Weeklyの2月7日も、ポッドキャストで “How will ChatGPT change the travel industry?” のテーマを取り扱う。チャットGPTは、インターネット上の検索のあり方全般を変え、旅行のあり方も変えていく。なぜなら、より真の意味で会話ができるようになるからだ。OTAが知らせる「ほら、ここが一番安いんだよ」のトランザクショナルのモデルが、カンバセーショナルになると言うのだ。
そしてチャットGPTは旅行業界のディスラプターになるだろうと言っている。
日経2月9日朝刊「AI、対話型検索で身近に」は、・・・人工知能（AI）が暮らしに身近になってきた。米マイクロソフトは7日、インターネットの検索エンジンに人間が書くような文章で回答する機能を組み込むと発表した。対話型のAIの技術を応用する。・・・と書く。
対話型AIの導入で利用者の検索は大きく2つの点で変わる。知りたい情報を得るスピードが早くなり、情報の探索範囲も広がる。ただし、不正確な回答をしたり、差別的な情報を生み出したりする懸念があると言う。
インターネットの構造がWeb3で変化する。他にもメタバースなどいろいろなことが起きている。10年後の未来は、SF映画 “ターミネーター” のシンギュラリティ（技術的特異点）のような世界にはならないにしても、テクノロジーが、地殻変動的などえらい変化を引き起こすだろう。当然、旅行者自身も大きく変わる。
（編集人）
目次
1. (TJ) エクスペCEO、戦略遂行順調と語る 閲覧第４位
(TJ) = トラベルジャーナル 3月13日号を参照ください。
2. 2023年法人旅行増加を予測
3. 自律運転自動車、ツアーとアトラクションで利用 閲覧第３位
4, MMP、インドの航空とハイウエイ投資で楽観
5. 北東アジア特に韓国で、モバイル取扱高急増
6. 未来の旅行者セグメントとそれらを形成する力 閲覧第1位
7. ホームスワップKindred
8. トリバゴ、ホテル直予約で大きな機会を見る
9. AIからグーグル、2023年の旅行市場の5つの真実 閲覧第２位
10. 新興企業の舞台：Herdifyの予測分析ツール
11. Q&A: EV Hotels、テック旅行者サービス ビジョン 閲覧第５位
12, ウーバーとリフト業績向上、旅行トレンド前兆
13. 旅行会社、知るべき将来の旅行小売業
14 VIDEO: アジアの次の旅行 閲覧第６位
15, 2月6日の週の資金調達関連記事
2. 2023年法人旅行増加を予測
新しいレポートによると、旅行バイヤーは、国内の出張予約がパンデミック前の予約の67%に回復したと考えている。Global Business Travel Association (GBTA)の最新の 世論調査では、支出がCOVID前のレベルの68%である一方で、国際ビジネス旅行の予約は2019 年のレベルの54%に回復し、支出は58% であることが明らかになった。
このレポートによると、出張管理者は、2023年には昨年よりも出張が増えると予想している。世論調査では、78%がより多くの出張を期待している一方で、15%のみが2022年と同じレベルの出張を期待しており、7%がより少ない出張を期待していることが明らかになった。この調査によると、企業は出張により多くの費用をかけることが予想されており、旅行サプライヤーの86%はより多くの支出を予想している。2022年10月の同じ世論調査では、サプライヤーの80%が支出の増加を予想していることが明らかになっている。
回答者は、中国の国境の再開と、中国からの入国者に対する検査要件の再導入の影響についても尋ねられた。この調査では、56%がCOVID検査の陰性証明を必要とするポリシーをサポートしている。さらに、15%はこの政策により中国との出張が大幅に減少すると考えており、37%は緩やかに減少すると予想しており、26%は何の影響もないと考えている。
米国の旅行購入者のほぼ4分の1 (24%) が、会社の従業員が中国に旅行することを許可されていると答えており、28%は従業員は許可されているが、会社はそうしないようにアドバイスしていると述べている。
全体として、前回の世論調査以降と比較して出張旅行への意欲が高まっており、10月の44%と比較して69%が出張に非常に積極的であると答えている。
法人旅行の専門家から637件の回答を得たレポートの全文は、こちらでご覧いただけます。
3. 自律運転自動車、ツアーとアトラクションで利用
GoCar Toursの明るい黄色の2人乗りは、バルセロナやサンディエゴなど、米国とヨーロッパのいくつかの人気のある都市を何年もの間疾走してきた。同社はNathan WithringtonとAlasdair Clementsによって設立され、2004年にサンフランシスコで最初のGPSガイド付きツアーが開始された。
現在、GoCarは自動運転電気自動車の展開を準備しており、3月10日にラスベガスでのデモンストレーションが暫定的に予定されている。この展開では、Arcimotoの車両と、Faction Technologyの無人運転技術、およびGoCarsのガイド付きツアー システムが組み合わされている。約6〜8ヵ月後の本格稼働時には、Las Vegas StripsにあるGoCars社の提携ホテルまで車両が「運転」し、お客様が乗り込んで運転を代行して「モバイル・ツアーガイド」の案内で観光を楽しむことができるようになる予定である。「車に乗った地元の人に街のことを話してもらうようなものだ。好きな場所で停車し、好きな場所で出発し、ツアーバスのスケジュールではなく、自分のスケジュールで時間をスケジュールできる」とWithringtonは言う。この体験が終われば、顧客はホテルで車を降り、車は自動運転でGoCarデポに戻る。Withringtonによると、同社はパートナーとして、Las Vegas Stripsにいくつかの大型ホテルと契約することを望んでいる。車両がホテルに「自走」するまでに6～8か月かかる。「車両をそのルートで訓練し、その後、一連のテストを行うというプロセス全体がある」と彼は説明する。流通に関して、GoCarはExpediaやTripadvisorなどの再販業者や、その他の目的地内体験プロバイダーと提携しており、同社のツアーは「目的地パス」の一部となっている。自動運転車 (AV) はまだ初期段階にあるため、GoCar Toursがすでに困難に直面していることは驚くべきことではない。証券取引委員会に提出された1月17日のレポートによると、自動車メーカーのArcimotoは最近、生産を停止した。同社は、「生産を再開するにはかなりの追加資金が必要になる」と述べており、それが利用できない場合は、「事業を停止するか、破産保護を求める必要がある」と述べている。GoCar Toursにとって幸いなことに、WithringtonはArcimotoの存続は今後のベガスでのロールアウトにとって「100%ミッション クリティカル」ではないと言い、GoCar Toursは車両の耐用年数にわたって車両をサポートするのに十分な部品があることを確認していると述べている。「幸いなことに、ドライバー テクノロジー自体は車両に依存しない。Arcimotoが投資家を見つけてくれることを心から願っている。なぜなら、彼らは私たちだけでなく、いくつかの素晴らしいことを進めているからだ」とWithringtonは言う。
コストの低下も視野に
ロボタクシーの市場は急速に成長しているが、完全自動運転車が普及するまでには15年から20年かかる可能性が高いと、Phocuswrightのシニア テクノロジーおよび企業市場アナリストである Norm Roseは、2022年11月のレポート「自動運転車: いつ実現するか?」で述べている。
2022年のMcKinseyの調査「The Road to Affordable Autonomous Mobility」によると、ロボタクシーの採用は主に 4 つの要素に依存する。それは、規制、技術の準備状況、ビジネス ケースの魅力、および顧客の好みである。
このレポートによると、消費者は自動運転車を便利で安全で手頃な価格であると認識する必要がある。McKinseyの分析によると、「自動運転技術が進歩し、よりスマートでシームレスなマルチモーダル モビリティ エコシステムが出現するにつれて、ロボタクシーの1マイルあたりのコストは2025年から2030年の間に50%以上低下する可能性がある。「これは未だ実現されていない。初期のロボタクシーは、現在のドライバーベースの配車サービスよりも費用がかかるが、両者の違いはすぐになくなると予想している」と報告書は述べている。
規制に関しては、Faction TechnologyがGoCar Toursの自動運転車のライセンスを、カリフォルニア州よりも認可を取得しやすいネバダ州で取得したとWithringtonは述べている。同社がラスベガスで事業を開始するのは、主要な観光地であり、サンディエゴとサンフランシスコにあるGoCarの事業所に近いからだ「それは私たちにとって新しい場所なので、車両はすべて電気自動車で、車種も1つでスタートできる。これにより、既存の混雑した場所での通常の業務の流れを中断することなく、運用上の課題について学び、問題を解決することがはるかに簡単になる」とWithringtonは言う。
ドライバーレスモードでは、車両は「ヒューマンテレオペレーション（human teleoperation）」を採用している。Withringtonによると、これは、「車両が危険な環境や認識できないものがあることを強調する特定の状況で、人間のオペレーターがリモートで介入できる」ことを意味する。彼は、1人のテレオペレーターが複数の車両を操作できると述べている。また、ラスベガス ストリップが長くて直線的であるという事実により、自動運転車両がさまざまなホテルに出入りすることが容易になる。「私たちはレースに勝とうとしているわけではない。それはただ、『自分の車線を維持し、安全を確保し、速度を落として目的地に到着する』ということである」と言う。
消費者の信頼を築く
Autouraの CEO 兼最高技術責任者であるAlex Bainbridgeは、Autonomous Vehicles & Digital Experience
Platformsというタイトルの2022年の論文で、自動運転車は「ますます避けられなくなっている」と述べている。
しかしBainbridgeは、自律走行車は個々の都市環境や天候に合わせて訓練する必要があり、これを "時間はかかるが必要かつ重要な作業であると言う。
「モビリティ プラットフォームは、消費者との信頼を築きながら、これらの開発を完了する必要がある」と彼は言う。Autouraは、観光客を一連の目的地に連れて行くことを目指している。たとえば、デジタルまたは人間のホテル コンシェルジュがディナーとショーを提案すると、AVがホテルでピックアップし、次にレストランで、最後に劇場に連れて行く。Autouraは、サプライヤー パートナーから手数料を受け取る。
「ホテル チェーンは、自社のホテルから始まるルートを設計し、独自のブランドでゲストに提供することができる」とBainbridgeは言う。
Autouraは、米国の4つの都市 (オースティン、フェニックス、ラスベガス、サンフランシスコ) でプラットフォームをテストしており、3月に正式にローンチする予定。サンフランシスコなどの都市では、夜間のみ自動運転車の路上走行が許可されているため、Autouraの最初の体験のほとんどはカクテル ツアーとバー巡りになる。基本的な質問は、「消費者がある場所にいるときに、どのようにして消費者に到達するかだ」とBainbridgeは言う。旅行業者やホテルが独自のブランドでゲストにサービスを宣伝することを目的としている。
「私たちは、コア エクスペリエンスを正しくすることだけに集中してきた。つまり、今は、ホテルのコンシェルジュにどうやって入り込むかという流通側の問題に集中している。私たちは今、プラットフォームを提供し、機能を提供した。[今年]は、流通を適切に行うことで、それをスケールアップできるようにすることがすべてである」とBainbridgeは言う。Bainbridgeは、2022年6月のビデオで、この新しいセグメントのいくつかの課題、機会の規模、および潜在的なタイムラインについて説明している。
4. MMP、インドの航空とハイウエイ投資で楽観
MakeMyTripは、2022年の最後の3カ月間（同社の会計カレンダーでは2023年第3四半期）に総取扱高（gross bookings）と調整後営業利益で過去最高の四半期業績を達成し、インド政府が空港や高速道路の更新・建設を計画していることもあり、今後の見通しが好調であると述べている。2023年第3四半期の総取扱高は17億4,000万ドルと評価され、前年同期比で64％以上増加した。調整後の営業利益は1,970万ドルで、2022年度第3四半期は1,320万ドルであった。
MakeMyTripの共同創業者兼CEOのRajesh Magowは、アナリストとの決算に関する電話会議で、インドは今や世界第3位の航空市場であると述べている。
「今後5年間で、政府や民間企業は空港のインフラ整備に最大120億ドルを投じると予測されている。過去8年間で、72の新しい空港が誕生した。今後数年間は、新しい空港の増加、インフラの成長、可処分所得の増加が航空旅行の成長を牽引するだろう。航空市場の見通しは良好であり、これらの取り組みを背景に、長期にわたる持続的な成長が期待される」と彼は言う。
MakeMyTripの航空券売上は、前年同期の2,740万ドルに対し、前期は3,840万ドルとなった。国内旅行は2022年のMakeMyTripの回復を牽引し、国内航空券は大流行前のレベルを上回った。Magowは、海外旅行がまもなく流行前の水準に回復することに期待しているが、運賃の高騰やビザの滞留に関する課題が残っていると言う。地上交通機関もMakeMyTripにとって重要なビジネスであり、Magowはこの分野での政府の取り組みが国内での観光の成長を支えることになると述べている。「ワールドクラスの高速道路は、高速でシームレスな移動のための必須条件である。これは、政府の重点分野である。国道の長さは、2014年4月時点の91,287キロから、2022年3月には140,000キロ以上と50％以上伸びている」と言う。Magowによると、インド政府は2025年までに20万キロメートルの国道を整備する目標を掲げているそうだ。MakeMyTripのバスチケット事業の売上は、2023年第3四半期に1,950万ドルで、パンデミック前の同四半期の約113％である。
宿泊施設については、MakeMyTripの報告によると、ホテルとパッケージからの収益は1億330万ドルで、前年の6,720万ドルから増加した。Magowによると、ホテルやホームステイの在庫は、パンデミック前と同レベルになり、2,000以上の都市で物件を利用できるようになったとのこと。「同様に、宿泊施設についても、引き続き堅調な見通しを示している。ほぼすべてのホテルチェーンがインドでの事業拡大や拠点増設を発表している。今後2、3年で、これらのホテルチェーンのホテル数は25％増加すると推定される。
MakeMyTripは、オンライン旅行会社MakeMyTripとGoibiboの両方で、テレビとデジタルメディアプラットフォームでのブランドキャンペーンを再開した。
「2年半の空白の後、私たちは祝祭需要の大部分を獲得するために360度のキャンペーンを開始した。このキャンペーンでは、柔軟性の向上、前金不要のホテル予約、多様な顧客ニーズに最適な選択肢など、関連する価値提案に焦点を当てた」とMagowは言う。同社のマーケティング・販売促進費は、12月までの3ヶ月間で前年比30％近く増加し、2,890万ドルに達した。しかし、CFOのMohit Kabraによると、ブランドマーケティング費用の増加は、その他のマーケティングおよび販売促進費用の効率化によって相殺され、その結果、2023年第3四半期のマーケティング費用は予約総額の約5.2％で、前年同期の5.6％と比較して減少したという。
5. 北東アジア特に韓国で、モバイル取扱高急増
北東アジアの旅行業界は、韓国、香港、台湾、マカオの4つの主要な地域旅行市場で構成されており、2023年の回復に向けて準備を進めており、アジア太平洋市場全体で航空接続が再構築されている。しかし、世界経済の逆風、高インフレ、不安定なジェット燃料価格、ロシアのウクライナ侵攻による影響など、すべてが懸念事項だ。通貨安は、アウトバウンド旅行者の購買力に影響を与える可能性がある。北朝鮮の外交政策や中国と台湾の関係など、地域的な要因が大きく迫っている。重要なことに、各市場は、中国の強硬なCOVID政策の終了により、旅行が堅調に回復することを望んでいる。地域の回復には、中国が完全に再開する必要がある。これは2023年の前半に開始される可能性がある。
Phocuswrightの最新の旅行調査レポート、北東アジア旅行市場レポート2021-2025によると、韓国はこの地域で最大の旅行市場であり、2021年の総取扱高の53% を占めている (下の図を参照)。香港と台湾は2位と3位で僅差だ。
オンライン予約の分布は、韓国に有利なようにさらに重み付けされている。テクノロジーに敏感な旅行者は、オンラインの総予約数のほぼ3分の2を占めている。これは、2021 年の韓国国内旅行のホテル、航空、鉄道、レンタカーの予約の多様性と、他の市場が停滞している間にアウトバウンド旅行が制限されたことを反映している。少し離れたところに台湾があり、オンラインの総取扱高で2位になった。
パンデミックにより、旅行を検索して予約するためのスマートフォンの人気が劇的に高まり、オンラインの総取扱高に占めるモバイルの割合は2021年にピークに達した。これはわずかに緩和される可能性があるが、旅行活動の増加により、モバイル予約の量が急増することが見込まれる。2023年のモバイルの総取扱高は、2019年のレベルを、余裕を持って上回るだろう。2025年に予測される 112億ドルは、2019年の記録の2倍以上になる。モバイル旅行の分野は、韓国で特に競争力がある。Good Choice、Yanolja、MyRealTrip、Tidesquareなどの国内のオンライン旅行ブランドは、パンデミックの最中にテクノロジーに鋭敏に投資して、国内の予約を獲得し、2021年以降に海外旅行が熱くなり始める準備をした。買収活動も積極的に行われており、オンライン プレーヤーは新しい製品やサービス機能をモバイル アプリやプラットフォームに追加できる。
もっと詳しく知る！
このPhocuswrightレポートは、Open Access加入者に無料で提供され、韓国、台湾、香港、マカオの主要市場に焦点を当てた北東アジアの旅行市場の包括的なビューを提供する。報道には、詳細な市場規模と予測、分布傾向、主要な旅行セグメントの分析、主要な開発などが含まれる。
6. 未来の旅行者セグメントとそれらを形成する力
業界は、年齢、収入、場所などの人口統計を使用して、属性とプロファイルをそれぞれに関連付けて、顧客を分類することを好む。このセグメンテーションは、製品やサービスでさまざまなグループをターゲットにして、より大きな効果を得るのに役立つ。旅行も例外ではないが、旅行の頻度が低く、出張、家族旅行、個人旅行、休暇など、旅行の性質がさまざまであるため、顧客をセグメント化することは常に少し困難であった。
Amadeusは、最新のTraveler Tribes 2033調査で4つの異なるグループを定義しようとしている。この調査では、興奮した経験主義者、メモリーメーカー、トラベルテックフルエンサー、パスファインダーの先駆的な4つの部族が明らかになった。記憶力の良い人は、2015年と2007年に技術スペシャリストが行った以前の部族研究を思い出すだろう。最新の各部族をより詳細に掘り下げる前に、2033年に彼らの旅行に影響を与える可能性が高い力と、これらの力に対する各グループの態度に注意することが重要である。
報告書によると、政治、技術革新、人工知能、データ開発、より持続可能な生活への意欲など、さまざまな要因による混乱（disruptions）のすべてが、旅行に対する人々の感じ方に影響を与えている。この研究はまた、旅行者の心理学 - 未知のものに対する好奇心とそれに対する恐怖 - を考慮に入れることを目的としている。旅行者が今後どのように感じるかを評価するために、この調査では、AI、データ、バーチャル リアリティ、地球、仕事の傾向、タッチレス テクノロジー、生体認証データの観点から、2033年に旅行がどのように見えるかという概念を提示した。
Amadeusと旅行サプライヤーがレポートからの洞察をどのように利用するかという点で興味深いのは、旅行者の43%が先駆的なパスファインダーであり、25% が興奮した経験主義者であり、17%がメモリー メーカーであり、15%がトラベル テック-フルエンサーであるということである。
あなたの部族または私の部族
Your tribe or mine
興奮した経験主義者（Excited Experientialists）は、情報ではなく本能に基づいて決定を下す衝動的な集団である。このグループは、中～高所得で、柔軟に働くことができることが多い。また、衝動的な選択をする傾向があるため、旅行の予約に第三者を利用する可能性が低くなる。
このコホートの23%は、2033年の旅行は現在とは「大きく異なる」と考えているが、51%は似たようなものになると考えている。さらに、51%がコンセプトを共有したときの可能性に興奮している。
メモリーメーカー（Memory Makers）は、一般的に他の部族よりも収入が低い。彼らはテクノロジーを信用せず、オンラインよりも直接物を購入することを好み、損失を回避する。他のコホートはより容易に変化を受け入れるが、このグループは積極的に変化を避けている。このグループの41%にとって、2033年の旅行は同様または同じになるだろう。2033年に旅行の概念に直面したとき、彼らは不愉快な驚きを覚え、56%がそれについて心配していた。
トラベル テック フルエンサー（Travel tech-fluencers）は、このグループの48%が32歳未満で、今日の若いビジネス旅行者と見なされている。彼らは持続可能性が彼らの決定を左右すると言うが、それは便利な場合にのみそうなる傾向がある。75%は出張する。彼らは計画とコントロールを好む。彼らはまた、他のグループよりもサイバー攻撃とデータの安全性を恐れている。2033年の旅行に関しては、この部族の53%が現在とは異なると考えており、これから起こるかもしれないことへの興奮と未知への恐怖の間で感情を分けている。
パイオニア パスファインダー（Pioneering Pathfinders）は最大の部族であるだけでなく、グループの82%が23歳から41歳までであるため、特定しやすいようである。さらに、68%はパートナーや子供と暮らし、平均以上の収入を持っている。多忙な生活のためか、計画を立てることを好み、衝動的にならない傾向がある。74%が情報に基づいて意思決定を行っている。このコホートの42%は、2033年の旅行は現在とは異なるものになると考えており、そのうちの54%は旅行計画において人工知能がより大きな役割を果たすことを望んでいる。
興奮対不安
Excitement versus anxiety
内部および外部の見解に加えて、Amadeusは10,300人以上の旅行者を対象に調査を行い、旅行者の部族を定義し、彼らが興奮していることや懸念事項を推測した。旅行者が2033年の旅行で最も楽しみにしていることのトップ5は、目的地により迅速に移動できること (44%)、旅行をより鮮明に覚えられること (36%)、より環境に優しい旅行 (36%)、摩擦を緩和するテクノロジーを活用する (35%) ことである。
一方、2033年の旅行に関して旅行者が最も懸念している5つのことは、サイバー攻撃の頻度の増加 (44%)、データ共有の安全性 (41%)、手頃な価格 (36%)、政情不安 (36%)、持続可能な選択によるコストの上昇 (34%) であった。
報告書はまた、4つの部族がどのように進化するかを強調しており、それらが分裂および/または合併し、新しい部族の形成につながる可能性があることを示唆している。たとえば、Pioneers of Pioneeringは、Pathfindersから離れて新しい道を発見し、トレンドの最前線に立つことができる。同様に、Hardcore Habitualsグループは、変化を受け入れることを拒否するTech-fluencersとMemory Makerから形成される可能性があるが、Meta Massive部族は、ますます仮想世界に住むメンバーで作成される可能性がある。
Travel Tribes 2033はNorthstar Research Partnersと提携して実施され、心理学者、未来学者、学者を含む22人の内外の専門家からの洞察と、15か国の10,300人を超える旅行者の調査からの回答が含まれている。
7. ホームスワップKindred
ホームスワッピング ネットワークの Kindred は、出会い系アプリのマッチング テクノロジーをメンバーのために利用することを計画している。このスタートアップは出会い系アプリのMangoを買収し、創業者のBryan Liを雇った。買収の条件は明らかにされていない。Kindredは、Mango独自の技術を使用して、ホーム スワップのマッチング機能を拡張すると述べている。
Kindred の最高技術責任者としての新しい役割で、LiはKindredの技術プラットフォームの開発を監督し、エンジニアリング
チームを率いる。彼は以前、LinkedInとTinderでエンジニアリング ディレクターを務めていた。
2021年にMangoを設立したLiは、「ホームスワップは、人と人とのつながりの力を活用し、旅をより身近なものにする。この価値あるビジョンを実現するために、チームと一緒に働くことを楽しみにしている」と述べている。バケーション レンタルのプラットフォームとは異なり、Kindredのメンバー全員が自分の家をホストする必要があるため、このスタートアップによると、「誰もがゲームに参加できる」ようになっている。また、ゲストとホストの間で金銭的なやり取りはない。Kindredによると、同社は「急速に拡大」し、4月に新興企業が世間の注目を集めずに活動するステルス モードから抜け出して以来、2,000の会員宿泊数を予約したという。同社は5月に775万ドルのシード資金調達ラウンドを獲得した。サンフランシスコを拠点とするこのメンバー限定ネットワークは、2021年にJustine
PalefskyとTasneem Aminaによって設立された。
8. トリバゴ、ホテル直予約で大きな機会を見る
Trivagoは現在、昨年発表した成長戦略の一環として、8つの市場でホテルの直接予約をテストしている。同社は、ホテルへの直接アクセスと、オンライン旅行代理店の既存のメタサーチを組み合わせることは、同社の「最大の機会」であると考えていると述べている。Trivagoは、2022年の第4四半期および通年の収益とともに、株主への手紙で、「これにより、より良い料金、よりパーソナライズされたオファー、サービスプロバイダーとの直接的なコミュニケーションを提供することで旅行者に利益をもたらすと信じている。私たちはこの機会を追求するのに適した立場にあると確信しており、今後ユーザーとホテルに提供できる価値に興奮している」と述べている。
Trivagoは、「直接予約可能な料金は、クリックアウトが50％を占め、テスト前の38％から増加した。物件で直接予約可能な料金を提供する。年末までに80%に達する見込みである。カバレッジの拡大に伴い、フロントエンド チームは、ホテルへの直接アクセスとより良い料金を活用する新機能を立ち上げる機会を得ており、2024年の初めにはこれらの機能を積極的に推進できるようになる見込みである」と述べている。同社はまた、現在の環境では「メタサーチの価値が高まっている」と述べており、消費者はホテルのオファーを比較したり、より高い料金の影響を相殺するために安い目的地を検索したりしている。
Trivagoの収益は、12月31日までの3か月で1,600万ユーロ増加して1億500万ユーロとなった。2021年第4四半期の純利益は1,520万ユーロであったが、第4四半期の純利益は1,040万ユーロであった。
調整済みEBITDAは、2022年の最終四半期に300万ユーロ増加して2,260万ユーロになった。
第4四半期の紹介収入 (少なくとも1回のリフェラルを生成した1日のユニーク ユーザー数) は、南北アメリカ、先進ヨーロッパ、その他の地域 (RoW) でそれぞれ4,180万ユーロ、4,390万ユーロ、1,570万ユーロに増加し、それぞれ15%、23%、32%増加した。適格なリフェラル（qualified referrals）は、南北アメリカとRoWで減少し、先進ヨーロッパでわずかに増加したため、前年比で全体で8%減少した。リフェラル収益を適格なリフェラルの総数で割った適格なリフェラルごとの収益は、2021 年の同時期と比較して、南北アメリカ、先進ヨーロッパ、行でそれぞ 44%、20%、42%増加した。第4四半期の販売およびマーケティング費用は、2021年の同じ四半期の5,000万ユーロに対して6,200万ユーロで、費用の91%が広告費に費やされた。
9. AIからグーグル、2023年の旅行市場の5つの真実
ジェネレーティブAIは味方であり、敵でもある
Generative AI is a friend – and a foe
旅行業界では、ChatGPTのようなツールが我々のビジネスのやり方をどう変えるか、あるいは変えないかという予測で溢れている。おそらく二律背反ではなく、ビジネスの内容やツールの使い方によって、真実はその中間にあると思われる。ジェネレーティブAIは、ウェブサイトのメタデータやテンプレート化された商品説明、さらにはメールのコピーを生成するようなタスクに活用できるし、活用すべきです。しかし、ブランドのストーリーテリングや会社のミッション・ステートメントを作成するために使い始めると、裏切られる可能性が高いだろう。次の光るものに執着することも、マーケターにとって良い結果をもたらさない。多くの人が、拡張現実と仮想現実がカスタマージャーニーを変えると言っていたのを覚えているだろうか。旅行先で見た最後の素晴らしいAR/VR製品を覚えているか？
ええ、私もそうです（me neither）。
誤解しないでほしいのだが、OpenAIのインフラは一世代に一度の製品だ。リソース不足のチーム、特にスタートアップは、より効果的かつ効率的に仕事をするために、生成AIを活用するクリエイティブな方法を考えるべきだろう。しかし、自分のビジネスや製品にすぐに自然にフィットするものがないのであれば、それもまたそれで良しである。新しいテクノロジーを無理に採用すると、逆効果になり、より多くのリソースを消耗することになる。パンデミックのとき、多くのブランドがClubhouse戦略の策定を急いだが、数ヵ月後にはこのプラットフォームが人気を失うのを目の当たりにした。
2021年1月末〜2月にかけて、文字通り瞬間的なブームを巻き起こした音声SNSアプリ。クラブハウスブームは1ヶ月程度でほぼ終了した。
消費者がブランドからの信憑性を切望するこの超偏光（hyper-polarized）世界では、マーケティング担当者は、生成AIのようなツールを自制し、代替ではなく補完として使用することが賢明だろう。
Googleは旅行のトップ検索エンジンとして失脚することはないだろう
Google won’t be unseated as travel's top search engine
TikTokや、そう、ChatGPTのようなプラットフォームが、ユーザーの購買ジャーニーを動かす主要な「検索エンジン」として、近いうちにGoogleを追い抜くだろうという話は、一貫して続いている。確かに、若い消費者は検索エンジンとしてTikTokをますます利用するようになっており、何ページにもわたる検索結果よりもその簡単に理解できるクリップを好んでいる。
これは、あるプラットフォームが他のプラットフォームを置き換えるのではなく、検索の垂直化に関するものである。動画はTikTok。画像ならInstagram。小売ならAmazon。
しかし、Googleはこれらのコンテンツをすべてインデックスしている（あるいはしようとしている）。昨年、GoogleはTikTokのコンテンツを一部の検索結果に含めるようにした。これは、特定の集団がリッチコンテンツの検索結果を好むことに気づいたからだ。
Googleの幹部は、自社の主力製品が脅かされていることも知っており、そうならないように機能を補強する措置を取っている。Larry PageとSergey Brinでさえ、次世代AI駆動型検索エンジンの構築を支援するためにGoogleplexに呼び戻されている。Googleの財産であるYouTubeは、パンデミック的な成長を糧に、独自の動画広告大国となった。
とはいえ、Tripscoutのような特定の企業は、Instagramのようなソーシャルメディアプラットフォームをブランドのためのボトムファネルチャネルに変えるために進出している。それでも、旅行は検討される購買である（Still, travel is a considered purchase）。私たちは、顧客が購入する前に何十ものサイトを訪れるという統計データを見たことがある。マーケターにとって、顧客のデモグラフィックとサイコグラフィックをしっかり把握することは、各チャネルの予算をどこに割り当てるかを考えるための必須条件である。
デモグラフィックとは、人口統計学のことを指しています。具体的には、性別、年齢、職業（役職）、所得、居住地などを指す。
サイコグラフィックとは、心理学的要因のことを指します。具体的には、価値観、ライフスタイル、性格、好みなどの心理的特性を指す。
どちらもペルソナを特定するための必須項目である
2023年は、マーケティング担当者がアトリビューションモデルを本当に理解し始める年であり、Googleがトラフィックと収益の両方の主要なドライバーとして消滅するのを見る年である可能性が高くなる。
アトリビューションとは、メディアごとのコンバージョンへの貢献度を測ること。たとえば、広告がクリックされ、自社の商品やサービスが購入された場合やWebサイトでコンバーションがあった場合、その消費者がそれまでにどんな広告を見てきたかなど、購入に至るまでに何がどんな影響を及ぼしたかを調査する。これまで一般的な広告効果評価は、コンバーションに至る直前の最終クリックのみを評価していた。しかし、ネット広告やメルマガ、ブログ記事、SNSなどのソーシャルメディアのコンテンツなど、情報の多量化や多様化に伴い、コンバーションに至る要因は複雑化してきている。そのため消費者がどのように広告に接触したのかを考える必要がある。
ゴール（成果）の部分だけでなくアシスト（要因）を考える事で、よりコンバーションを得やすい流入経路、アクセス経路を見極め、各施策やコンテンツを検討し、広告費用の最適化や新しいプロモーションを考えることができるようになる。アトリビューションを行う上で重要となるのは、成果に対して何がどれだけ貢献したのか、施策別の貢献度を評価する事である。
(https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/attribution/)
マーケティングメッセージに「カーボンオフセット」はもう使えない
“Carbon offset” can no longer be thrown around in marketing messaging
Googleのトレンドを信じるなら、私たちはカーボンオフセットのピークに達しているように見える。今日、より多くの顧客が、オフセットが気候危機を解決するための答えではないと考えている。過去5年間も、多くの旅行ブランドが行ってきたレトリックは、もう結構だ。
認識不足なのか、単に怠惰なのか、多くの企業が低品質のオフセットを大量に提供することで、サステナビリティの枠を超えようとした。中には、益となるよりも害となるものもあったかもしれない。
もちろん、世の中には本物の良質なオフセット製品もある。しかし、炭素コストの上昇などにより、そのような製品を見つけるのは難しくなっている。(ちなみに、質の高いオフセット、中和、炭素除去をどこに頼もうかと迷っているなら、Choooseは堅実な仕事をしているし、Coolerもそうだ)。
最近、The Guardian紙は、ボランタリーなカーボン・オフセット・プロバイダーの代表格であるVerra社に関する記事を掲載した。その結果、製品の9割が「ファントムクレジット」であり、二酸化炭素排出量の削減にほとんど寄与していないことが判明した。グッチ、シェル、ディズニーなどの企業がサステナビリティ戦略の基盤としてVerraを利用していたのだから、この問題は旅行業界だけにとどまらない。
旅行会社のマーケティング担当者にとって、これは難問である。グリーンウォッシング」と誤解されることなく、サステナビリティの取り組みについて語るにはどうしたらよいのだろうか。多くの中小企業にとって、マーケティング・チームは気候変動に関するコミュニケーションの最前線にあり、簡単な答えはない。それは、サステナビリティに対する全体的なアプローチから始まる。
環境だけでなく、あなたのブランドが地域社会をどのように豊かにし、巻き込んでいくかということである。また、動物愛護への取り組みや、接客業における人身売買の防止策など、さまざまなアプローチが考えられる。
自社が行っていることについて真摯に語り、そのギャップについて透明性を確保することは、その後信頼できないと判断された言葉で聴衆を侮辱するよりも、ほとんどの場合において優れている。
今年は（ついに）ファーストパーティデータに本腰を入れる年だ
This is (finally) the year to get serious about first-party data
現時点では、GoogleがサードパーティCookieの削除に関して泣き寝入りしていると考えるのは正当だろう。何しろ、当初の期限は2022年半ば、次いで2023年末で、今は、2024年の後半になりそうだ。しかし、自己満足に陥ってはいけない。Googleは、英国の反トラスト規制機関であるCMA（競争市場局）との約束に拘束されているため、いずれはこの広告追求はなくなる。
規制当局はともかく、この決定はマーケティング担当者が喜ぶべきものである。
豊富で正確なファーストパーティデータは、適切なメッセージを適切なタイミングで適切な人物に届けるという点において、企業に競争上の優位性をもたらすからだ。
Sojern の製品担当副社長であるDave Gouldenは、最近の PhocusWire 記事で、「ファーストパーティデータはパーソナライゼーションを促進し、マーケティング担当者はバイヤージャーニーにおけるすべてのタッチポイントで顧客体験を活用できるようになる」と述べている。
しかし、マーケターとしてファーストパーティデータを採取するだけでは十分ではない。しかし、マーケターとしてファーストパーティデータを収集するだけでは不十分で、それを分析して意思決定を行う方法が必要だ。そこで登場するのが、新しいデータウェアハウスとビジネスインテリジェンスツールである。旅行ブランドは、2023年以降に成長するために必要なデータ・インフラをチームに確保することに真剣に取り組む必要がある。
独立系ホテルは、体験のマーケティングでAirbnbに対抗できる
Independent hotels can compete with Airbnb on marketing experiences
9月、私はBriasn Cheskyが、Airbnbは体験（experiences）の促進を倍増させるつもりだと言うのを聞いた。それ以来、Airbnbはコア商品で収益を上げすぎているためか、あまり動いていない。
一方、独立系のホテル経営者は、宿泊客や周囲のコミュニティと真の意味でつながる方法を常に模索している。Airbnbは、宿泊施設に特化した政策を続けているようだが、これは、独立系ホテル経営者にとって、体験を創造し、キュレーションし、流通する方法を検討する真の機会を提供するものである。
Arivalによると、ツアーオペレーターの50%はいまだに予約システムを使って予約をしていないそうである。
最近Tiger Globalなどの投資家から2,000万ドルを調達したWayのような企業は、ライフスタイルホテルやブティックホテルが、ロイヤリティとゲストの体験を高めながら、ブランドを高め、付帯収入をもたらす本物の地元体験を簡単に作り、促進できるようにしている。
ホテルは、大手グローバル・ブランドや短期レンタル・プラットフォームではなく、そのホテルで予約することを選択したゲストという、囚われの客を持っている。ホテルでの物理的なゲスト体験は重要だが、その人が一歩外に出たときのゲスト体験も重要である。
Airbnbは、そのブランドを倍増させることで成功したことで有名である。予約に体験型商品を付けるホテル経営者は、ブランドを構築するだけでなく、稼働率やADRに関連する収益への依存度を下げることができる。
著者： Jared Alsterは、Dune7の最高戦略責任者兼共同設立者である。
10. 新興企業の舞台：Herdifyの予測分析ツール
英Herdifyは、ブランドがオフラインの推奨事項（recommendations）や会話を通じてマーケティングの機会の力を活用するのに役立つ予測分析ツール（predicted analytical tool）である。同社は2021年にMicrosoftの元ストラテジストによって設立され、経営陣には元Red Carnation Hotelsの最高マーケティング責任者であるVictoria Murdenが含まれている。
Herdifyは、人々が製品について話している現実世界の場所を伝えることで、企業が顧客を獲得するのに役立つ。この洞察を使用して、既存の広告費予算で収益を2倍にすることを目標にしている。95%の人がコールド広告よりも推奨事項を信頼しており、ほとんどの推奨事項はオフラインで行われるため、これは重要である。
これを行うには、使いやすいコネクタを介してデータをSaaSポータルに接続するだけだ。彼らは、オンラインとオフラインの両方で、現在使用しているすべての広告チャネルで使用できるオーディエンス ターゲティング データを毎月受け取る。
このビジネスは、15年にわたるデータ サイエンス研究によって支えられている。機械学習とAIを使用して、オフラインの世界でビジネスが話題になっている場所を特定する。次に、SaaSポータルは、次のような一連の洞察を顧客に提供する。
- ブランドの口コミの広さ
- 生成された販売数、および
- 口コミによる収益の割合
これに続いて、広告チャネル向けの毎月のスーパーターゲティング データ セットの形式で一連の推奨事項が提供される。
Herdifyの製品は月額サブスクリプション サービスである。
11. Q&A: EV Hotels、テック旅行者サービス ビジョン
ホテルに「Crypto Ballroom」？スーパーボウルのクオーターバックPatrick Mahomes選手のNFTを客室で販売？これらは、暗号とNFTを体験できる初のスマートホテルブランドと自称するEV Hotelsの創業者兼CEO、Ken Patelを突き動かすアイデアの一例である。アトランタを拠点とする同社はまだ開業していないが、フェニックスで進行中のプロジェクトは年内に、ドミニカ共和国では来年に開業する可能性があり、Patelは技術革新によってホスピタリティ業界を変革するというビジョンを実行に移す機会を得ている。
このことが顧客とバックオフィスの体験に何を意味するのか、新しいロイヤリティ・プログラムのブランド、そしてクリプト会社FTXの法的トラブルが、このチェーンの施設に「暗号ボールルーム」を設置する計画にどのように影響するかについて、Patelに話を聞いた。会話は簡潔にするために編集されている。
Q: まず、EV Hotelsのアプリを利用した旅行者が、部屋に足を踏み入れる前から何を期待できるかを説明することから始めよう。
航空会社を利用する場合、物理的に荷物を預けるのでなければ、フロントデスクに行く必要はない。シンプルな体験を求めるなら、今はセキュリティゲートに直行することになる。それが、航空会社のビジネスと同じようにするための私の焦点であった。24時間前になると、お客様はすでに宿泊料金を支払い、デジタルキーを持ち、部屋を指定され、「この時間に到着します」と言うことになる。それをもとに、2時間前にメッセージが届く。「部屋に何か食べ物を用意しましたか？部屋の温度は何度にしますか？何か追加で必要なものはありますか？」これらのことは、もうすでに済んでいるのです。・・・彼らは今、この部屋を所有しているのです。これは彼らの部屋なのです。
Q: 部屋に入れば、Amazon Alexaをはじめとするスマートデバイスの数々、ユーザーが事前に温度を設定できるシャワー、スマホで便座の開閉ができるトイレでゲストを迎える予定だ--- 何が足りないのか？
自分たちのバスルームの鏡は、身支度中にスマホで何をしているかまで正確に映し出せる。これらはすべて、この1つのアプリに統合されており、このアプリがすべてをコントロールする。Alexa（Amazonスマートスピーカー）にチェックアウトしたい、滞在を延長したい、サービスを受けたい、と伝えることができる。必要なものはすべて揃っている。もう、ゼロをダイヤルしてフロントに電話する必要はない。
Q: この部屋は万人向けではない。どのような旅行者を想定しているのか？
私たちは、BTやLT（ビジネストラベラーやレジャートラベラー）に慣れている。世界が進化するにつれ、新しいセグメントが必要。彼らはすでにテクノロジーを知っている。ビジネストラベラーとレジャートラベラーの組み合わせだ。
Q: あなたは、ホスピタリティにおけるタスクドリブンな役割を排除するためにテクノロジーを活用すると述べている。EV Hotelのアプローチは、不動産管理にどのように適用されるのか？
モバイルPMS（不動産管理システム）、バックオフィス業務、コンタクトレス技術など、オールインワンのソフトウェアを初めて作った。PMSベンダーと取引しているわけではなく、自社開発のPMSだ。3つの領域で運用することができる。スマートデバイスを導入することで、従業員の自動化を実現した。従業員は誰もチェックイン業務をしていない。従業員はチェックインをすることもなく、支払いを受けることもない。ロビーに行けば、そこにいる従業員は、入ってくるゲストにサービスを提供するだけだ。アメニティの案内をしたり、何か困ったことがあれば相談に乗ったり、もはや、エンジニアがPM（preventive maintenance inspection予防保全検査）をする必要はないのだ。100室あるホテルなら、1年で800時間の節約になる。今、私たちの現在の業界の技術を見てみると、それは壊れたシステムだ。バンドエイドのようなものである。例えば、モバイルキーシステムを利用するには、フロントデスクに行き、IDを見せなければならない。私は、お客様がフロントに行かず、そのまま部屋に行けるようにしたい。私たちは、そうした問題を解決した。身分証明書の確認、支払いの確認、これらすべてを24時間前、あるいは部屋を予約して支払いを済ませた時点で行うことができる。
Q: 収益強化のアイデアを語って欲しい。
私たちは、ホテルの中にニューヨーク証券取引所のような、史上初のトレードフロアを作った。これは暗号取引所のTen-Xと提携したものだ。暗号のトレードフロアでは、そこで暗号の売買やトレードができる。NFTのロビーとNFTの客室がある。ロビーにはデジタルアートギャラリーがあり、人々はこのNFTを購入することができる。NFTの高額の部分はゲストルームに置くことになる。例えば、Patrick Mahomes（NFT）を客室に置くと、その客室は1泊10万ドルから25万ドルの売上げになる。
米プロフットボール（NFL）カンザスシティ・チーフスのQBパトリック・マホームズが、10年総額5億300万ドル（約540億円）というNFL史上最高額で契約延長に合意したことが分かった。年俸に換算すると約54億円で、MLBエンゼルスのマイク・トラウト外野手の年俸38億円を超え、米4大スポーツ史上最高年俸となった。NFL公式サイトなどが報じている。
(https://the-ans.jp/news/119655/)
その客室に宿泊する人は、Patrick Mahomes NFTを手に入れ、それを再販することもできるし、そのまま持ち続けることもできる。デジタル化されたトレーディングカードのようなものである。このように、私たちはさまざまなことに取り組んでいる。
Q: ホテルのマーケティングを支援する新しい方法があると聞いたが・・・。
そのひとつが、ロイヤリティ・プログラムである。この業界のロイヤリティ・プログラムは、何年も、何十年も、おそらく全く同じ方法で行われてきた。
私たちは、NFTのメンバーシップ・プログラムを作った。3つの階層からなるプログラムである。これはプリバイ・システム（pre-buy system）である。
例えば7,000ドルのパッケージを購入すると、14泊、15泊・・・といった特典がつくようになっている。EV Hotel NFTを持っていないと、暗号のトレードフロアには入れない。・・・価値は、彼らが（支払っている）金額よりもずっと高いのだ。・・・このことは、今後30日から60日の間に開始される。人々が、これが何であるかを見ることができるのは素晴らしいことだ。これには価値がある。空っぽのものを買っているのではない。このホテルはオープンする。NFTを買えば、より高い価値で売ることができる。それが、彼らには可能なのである。彼らは、これが現在のNFTの価値よりも高い価値になることを理解している。
Q: 昨年のスーパーボウルの放送では、視聴者は4つの異なる暗号企業の広告を見た。今年は、FTXの破産申請と創業者Sam Bankman-Friedの刑事告訴を受けて、暗号の広告は一切ない。このように、短期間で大きく変化した。このチェーン店のビジネスモデルに暗号を取り入れる計画に影響はあったか。
私たちにとって、それはそれほど大きな問題ではない。私たちは自分たちの取引所を持っている。暗号のウォレットもある。・・・暗号市場は、政府の政策を取り入れる必要があり、それが今行われている。FTXの崩壊は、結局のところ、合法的な取引所は2つか3つ、10もないだろうと思う。これが現実だ。
市場はどこにも行家内。・・・正統性が増す。悪いリンゴを排除することで、より現実的なものになる。そうならざるを得なかったのだ。・・・もし崩壊が起こるとしたら、あなたはすでにその崩壊を目にしているはずだ。・・・人々はまだ暗号を信頼している。
12, ウーバーとリフト業績向上、旅行トレンド前兆
世界的なライドシェアリング大手Uberの今週の収益報告書にSUVの実車に関する良いニュースが多数掲載されている中、旅行業界に明るい兆しを見つけることは難しくなかった。
2022年の最後の3か月に関するUber のレポートは、パンデミックの不況をバックミラーに残したことを明らかにした。Uberの第4四半期の収益は86億ドルで、前年同期から49%増加した。同社はまた、四半期の総予約額が307億ドルで、前年比19%増であると報告し、1つの四半期で初めて20億回の実車を上回った。「2022年は、堅調な需要と記録的な利益率という、過去最高の四半期で終わった。私たちのグローバル規模と独自のプラットフォームの利点により、この勢いを2023年に向けて加速させることができる」と、CEOのDara Khosrowshahiは述べている。
米国とカナダの消費者向けの配車プラットフォームであるLyftにとっては、それほど良いものではなかった。2022年の第4四半期に報告された12億ドルの収益は、前年同期比で21%増加し、第3四半期の収益よりも12%増加した。共同創業者兼CEOのLogan Greenは、木曜日の夜の投資家との電話会議で、第4四半期の「収益は当社の歴史の中で最高であった」と述べた。
とはいえ、Lyftはまた、2021年の第4四半期の純損失が2億8,320万ドルだったのに対し、第4四半期には5億8,810万ドルの純損失を報告した。
両社は、今四半期の総売上額が前年比で20～24%増加すると予想している。Uberでは、その楽観主義の一部は、旅行の見通しと、ユーザーが最大30日前までに旅行を事前予約できる旅行者に優しい機能であるUber ReserveなどのUberの最新のサービスの成功にある。
「私たちが導入した新製品のポートフォリオ全体を見ると、これらの新製品は成長の約20%を占めている」とKhosrowshahiは水曜日の投資家との電話会議で述べた。「そのポートフォリオは、前年比で約100%成長している。それは、今後も予約全体に占める割合がますます大きくなるだろう。Reserveは最大のものだ。それが20億ドルを超えた。特に旅行が開かれると、それはますます素晴らしい製品である。通常、ホテルと往復して帰ってくることを考えると、約4回の旅行が可能である。そして、それらの旅行の1.5回分を私たちが獲得している。したがって、Reserveを成長させ続けるための重要な余地がまだあると考えている」と彼は言う。
Reserveに加えて、 同社はUber Travelを作った。これは、フライト、ホテル、レストランの予約をUberアプリにインポートして、それらの予約に関連する配車リクエストのプロセスを簡素化する。またViatorと提携して、ユーザーがUber Exploreを通じて 同社の体験を予約し、同時にその場所への配車を予約できるようにした。
レポートのその他のハイライトとして、Uberの調整済みEBITDAは、前年同期の5億7,900万ドルから6億6,500万ドルに増加した。四半期の販売およびマーケティング費用は、前年同期の12億6,000万ドルから11億2,000万ドルに減少した。
Lyftの場合、第4四半期の調整済みEBITDAは1億2,670万ドルで、保険準備金（insurance reserves）に充てた3億7,500万ドルは含まれていない。これは、2021年の同時期のマイナス 4,760万ドルと比較される。
Greenは投資家との電話会議で、「当社の結果は、保険準備金に対して行った措置を除いて、すべての指標で当社の見通しを上回った」と述べたが、「これは明らかに、当社が目指している、または可能な成長または収益性のレベルではない 、私たちはさらなる成長を促進し、コストを管理することに重点を置いている。今日見られるより良い市場バランスは、長期的な成長のための重要な機会を生み出す」と付け加えた。
13. 旅行会社、知るべき将来の旅行小売業
「オファーとオーダー」に基づく将来のトラベル リテール モデルは、旅行業界に大きな変化をもたらす可能性を秘めている。航空会社は、製品を最適化し、パーソナライズし、収益化する柔軟性を備えた最新の旅行小売業者になるために、そのコンポーネントを採用し始めている。しかし、航空会社は旅行エコシステムの一部にすぎない。旅行者や旅行管理者が旅行の買い物、予約、購入に真に影響を与えるには、オンライン旅行代理店 (OTA)、旅行管理会社(TMC)、レジャー代理店などの旅行販売業者がテクノロジーに投資し、そのプロセスに参加する必要がある。そうする理由はたくさんある。
トラベルリテールの「オファーとオーダー」戦略
The “offers and orders” strategy for travel retailing
「オファーとオーダー」は、旅行商品を販売するための技術インフラストラクチャを指す。これは、従来のシステムとプロセスをモジュール式の相互運用可能なITインフラストラクチャに変換する航空業界のイニシアチブである。将来的には、航空会社は動的に新しい製品とバンドルを無制限の価格で（重な価格で）提供するオファーを生成して流通するようになるだろう。これは、現在固定価格で少ない製品がのとは対照的である。現在の複数の予約および発券レコードとは対照的に、将来のオーダーには複数のサプライヤーと製品のレコードが 1 つのオーダーに含まれる。IATAのNew Distribution Capability (NDC) とONE Order技術基準は、オファーとオーダーのインフラストラクチャを支えている。NDCは、XMLプログラミング言語を使用するデータ転送標準である。旅行会社間で送信されるメッセージを充実させ、現在使用されているEDIFACT標準を置き換えるように設計されている。ONE Orderは、複数のレコードを統合し、サード パーティによる製品の配送、管理、決済（delivered, managed and settled）を容易にすることを目的とした新しいXMLデータ標準である。
これらの標準、およびオファーとオーダーをより広く採用することは、進化する顧客の期待によって推進される。主要な消費者ブランドは、最適化されたデジタル エクスペリエンスへの欲求を刺激している。たとえば、ファイナンシャル アドバイザリー企業のBetterment は、直観的なモバイル アプリを通じてユーザーに直接投資アドバイスを提供し、グローバル テクノロジー企業のSamsungは人工知能 (AI) を使用してオンライン カスタマー サポートを改善している。将来のオファーとオーダーにより、航空会社と代理店は、他の業界で利用可能な利便性、迅速な配達、シームレスなサービス、およびオムニチャネル配信を簡単にエミュレートできる。オファーとオーダーベースのソリューションを実装することで、航空会社 (そして代理店) は、現在他の組織で利用されている小売体験に移行している。彼らは、新製品の開発と商品化、動的価格設定の適用、インターライン機能の合理化、オーダー管理の最適化、鉄道、バス、フェリー、その他の輸送エコシステムなどのインターモーダル バンドルの作成によって、これを達成している。また、製品ミックスを多様化し、AI の助けを借りてオファーをパーソナライズおよびコンテキスト化し、旅行者の旅の可視性を高めている。
NDCとオファーとオーダーが旅行業者にもたらすメリット
How NDC and offers and orders benefit travel sellers
NDCは、オファーおよびオーダーベースの小売業に向けた最初の具体的なステップであり、売り手にさまざまな機会を提供する。将来、代理店はクロスセルとアップセルの新たな収益源を手に入れ、製品のカスタマイズとパーソナライゼーションの向上と合理化されたサービス機能によってコンバージョン率を向上させるだろう。新しい収入源と改善されたコンバージョン率は、すべての代理店のリーダーにとって魅力的である。
これは、製品の多様性を通じて実現できる。GDSを介して、またはNDCアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) 統合を介して航空会社と共にNDCを採用する旅行代理店は、より多様でカスタマイズされた製品をポートフォリオに追加できる。たとえば、航空券、ホテル、レンタカーを組み合わせた旅行パッケージには、最終的にはライドシェアリング (空港までの送迎)、電車での移動、レストランの予約、劇場のチケットが含まれる可能性があり、それぞれが新たな潜在的な収入源となる。また、NDCは、これらの製品のよりリッチなコンテンツとビジュアル(写真、ビデオ、説明テキスト) を可能にする。旅行者は、何が提供されているかを理解すると、商品を購入する可能性が高くなる。製品のカスタマイズ機能とパーソナライゼーション機能の向上は、代理店の収益向上にも役立つ。NDCを使用すると、ショッピング行動や個人的な好みなど、より多くの種類のデータ信号を航空会社に送信できる。その見返りとして、ウェブサイトやモバイルアプリを通じて、カスタマイズされたオファーを旅行者に届けることができる。オファーには、顧客セグメントに基づいたパーソナライズされた特典のアラカルト リスト (長期旅行用の追加の受託手荷物、長時間の乗り継ぎ用の割引ラウンジ パス、アップグレードされた座席)、または旅行者が喜んで支払うダイナミック運賃が含まれる場合がある。合理化されたサービス機能は、新たな収益機会に加えて、代理店にとってもう1つの重要な利点である。NDCおよびONE Order規格により、OTA、TMC、およびレジャー代理店は、予約(フライト、ホテル、レンタカー、付帯サービスの変更、キャンセル、または再予約) を行うためのデータが1つのレコードにあるため、はるかに簡単になる。NDCはまた、旅行者の体験を向上させるために、特に混乱（disruption）が生じた場合に、サービス機能の一部を自動化するための技術基盤を代理店に提供する。たとえば、航空機の変更後に乗客が選択したプレミアムシートが利用できない場合、航空会社と代理店は自動的に最も近い同等の座席、支払った金額の払い戻し、およびボーナスロイヤルティポイントを提供できる
代理店によるNDCの採用は増加傾向にある
Agencies’ NDC adoption is on the rise
代理店によるNDCの採用は、業界全体にわたって異なる。Phocuswrightは今月、U.S. Travel Agency Landscape 2022レポート公開し、採用の現状に光を当てる。旅行代理店の従業員、所有者、および独立請負業者を対象とした この2022年の調査では、NDCに精通しNDCのコンテンツにアクセスできる旅行代理店はわずか7%であることが示された。18%はNDCに精通しているが、その代理店にはまだNDCコンテンツがなく、76%はNDCに精通していない。NDCの採用を示すもう1つの指標は、IATA Airline Retail Maturity index (ARM指数): 企業の能力と小売パートナーシップの指標である。リストされている157の組織のうち、20は旅行代理店だ。このリストは、NDCが有効な組織を網羅しているわけではなく、ARMインデックスでの認識を望んでいる組織のみを強調していることに注意して欲しい。採用の最終的な手段は、近年販売者のエコシステム全体で増加しているNDCコンテンツを予約することだ。2022年には、2021年1月の5～6%と比較して、間接販売 (航空会社の直接販売以外のサードパーティの旅行代理店を通じて行われた販売) 10%がNDC APIを通じて行われた。
代理店のオファーとオーダーへの移行はどのようなものか
What agencies’ transition to offers and orders looks like
航空会社はNDCの価値を解き放つためにまだやるべきことがあるが、主要な航空会社は、オファーとオーダーに基づいて、NDCのような標準によって実現される進化するトラベル リテールへの取り組みを表明している。代理店にもやるべき仕事があり、仕事を完了するときに獲得できる未開拓の価値がある。2019年に、McKinsey & Companyのレポートは、この業界が2030年までに約400億ドルの追加の年間価値を生み出す可能性があると見積もっている。
具体的には、この小売業務は、新しいオファーの開発（推定220億ドルの最大の価値の源）、収益管理の強化、流通ミックスの最適化、消費者のより良いターゲットと関与、支払いと履行を最適化するという5つの方法で航空会社に価値を生み出すことができると報告書は述べている。旅行代理店は、旅行エコシステムにおいて不可欠な役割を担っており、この追加収益の一部を獲得することができるのだ。NDCソリューションの開発とこの価値の獲得は、APIとオンライン予約ツールを通じてNDCの機能と特典を旅行代理店に提供するために航空会社と協力しているSabreのようなGDSによってサポートされ、より簡単になっている。この作業は、予約ソリューションの表示を最適化し、エンド ツー エンドのワークフローをサポートし、NDCコンテンツのキャンセル、払い戻し、無効化、および交換を容易にすることによって継続される。航空会社、パートナー、販売者の間でオファーとオーダーをより広く実施することにはハードルがあるが、開始することのメリットが表面化し、業界全体で勢いが変化している。旅行業界は、半世紀で最も重要な変革に向けて調整を図っている。代理店は今すぐ準備を始めなければならない。さもなければ、競合他社に遅れをとることになる。
もっと詳しく知る！
NDC の詳細を確認し、Sabreでのオファーとオーダーに関するインサイトを調べてください。
14 VIDEO: アジアの次の旅行
中国の全面的な再開から、米国人旅行者の長距離旅行先への関心の高まりまで、アジアは旅行業界で起きている最も重要な変化の中心となっている。
これらのトレンドと、それが旅行アドバイザーやより広い市場に何を意味するかを探るため、Northstar Travel Groupのオピニオンリーダーたちが、トラベルトークの最新エピソードに集まった。このビデオでは、Northstarの主要編集者が、長期滞在、ウェルネスや持続可能な旅行への関心の高まり、生体認証から人工知能まで幅広い技術の急速な採用など、アジアで見られる最新の動向について論じている。
Northstar Travel Groupのマーケティング担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、Mary Pat Sullivanがモデレーターを務めるこのパネルは、以下で構成されている。
Web in Travel創設者 Yeoh Siew Hoon
Rebecca Tobin 、Travel Weekly誌編集長
Eric Bowman、TravelPulse誌エグゼクティブ・エディター
旅行業界におけるアジアの最新動向については、ビデオTravel Talk Asiaをご覧ください。
15, 2月6日の週の資金調達関連記事
l モビリティーと旅行 Vipper
モビリティと旅行のプラットフォームであるVipperは、200万ユーロの資金を調達した。オランダに本拠を置く会社への投資は、Netsam Participatiesからのものである。2018年に設立されたVipperは、1つのプラットフォームで鉄道、バス、航空券の予約を簡素化することを目指している。B2B2C の新興企業として、同社は製品とサービスをAmadeusとSabreを介して、またWebサイトとアプリで流通している。
VipperのCEO であるEmanuel Ponzo DieuはNetsam Participatiesと協力して、ヨーロッパ全体で最高のホスティングおよび予約プラットフォームになる道を歩み続けている。チーム、株主、パートナーの創意工夫、イノベーション、サポートがなければ、今日ここにいることはできなかった。彼らは私たちを信頼し、次の成長段階を可能にするこの取引を可能にした」と述べている。
Netsam Participaties の投資マネージャーである Allard van Velzenゼロから在庫システムを構築することで、スケジュールと料金設定がまだスプレッドシートや電子メールで配布されている業界を先取りしている。さらに、人々がより倫理的および環境的に優れたヨーロッパの電車やバスのルートを見つけて予約しやすくするという彼らのビジョンをサポートする」と述べている。
Vipperは、2022年6月にSabreとの販売提携を発表した。
l ボートサブスクSkipperi
共有利用のボート サブスクリプション サービスおよびピアツーピア ボート レンタル プラットフォームであるSkipperiは、シリーズA資金調達で700万ユーロを調達した。ヤマハ発動機がラウンドをリードし、Baltiska Handels Sverige、Matu Capital、HP Capital が参加した。フィンランドを拠点とするこのスタートアップは、「プラットフォームと技術チームを強化しながら」、オーストラリアのブリスベン、および米国のいくつかの場所に拡大するために資金を使用すると述べている。
Skipperiは総額 1,260万ユーロを調達し、現在、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ニュージーランド、カナダで事業を展開している。2017年にAnna-Leena RaijとKristian Raijによって設立された。
「伝統的に、ボートはアクセスが非常に難しく、多くの時間とお金が必要であった」とCEO兼共同設立者のKristian Raijは言う。「この投資は、より多くの人々がこの素晴らしい趣味を安全に楽しめるように事業を拡大できることを意味する」とRaijは言う。
Skipperiは主に2つのサービスを提供している。Skipperi Fleetは、会員登録するとアプリからボートが乗り放題になるシェアボートのサブスクリプションサービスである。Skipperi Rentは、ボートの所有者がボートを他の適格なボート乗りに貸し出すことができるピアツーピアのレンタル プラットフォームだ。同社によると、ジオフェンシングとAIを使用して、浅瀬、速度制限、危険区域、鳥やアザラシの保護区域についてユーザーに警告している。このテクノロジーは、オンボード画面で通知を発行し、警告音を出す。
ヤマハ発動機のマリン事業本部長である井端俊明は、「Skipperiは当社にとって必要不可欠なパートナーです」と述べ、Skipperiがこの種の「効率的なデジタルプラットフォーム」を運営する唯一の企業であることに言及する。
l アメニティー自動化Sojo
短期レンタル向けのアメニティ自動化プラットフォームであるSojoは、シリーズA資金調達で620万ドルを調達した。Ballast Point Venturesがこのラウンドを主導し、ビジネス インテリジェンス企業Key Data DashboardのCEOであるJason Sprenkleも参加した。
2020年に設立されたSojoは、STRsのゲストにサプライ キットを発送している。テキサスに本拠を置くこのスタートアップは、ゲストの好みと予約データを使用して、「オートパイロットのアメニティ」を提供するための技術と人員に資金を投資すると述べている。
Sojoは、「シャンプー ボトル、石鹸、トイレット ペーパー、キッチン用品の入ったバケツを賃貸物件との間でオーダー、保管、輸送する」という頭痛の種がなくなると述べ、プロパティ マネージャーは「高品質で環境に優しい製品」のカタログから選択することができると指摘している。
Sojoによると、同社のプラットフォームは、プロパティ ケアおよびオペレーション プラットフォームのBreezewayと主要なプロパティ管理ソフトウェアと統合されている。Sojoのプラットフォームは、マネージャーの予約データを使用して、物資の出荷をトリガーする。
「管理する別荘が5つであろうと5,000 件であろうと、Sojoは生活を楽にするように設計されている。製品をオフィスに発送し、キッティングとフルフィルメントのプロセスを管理するスタッフを雇い、あらゆる場面でエラーや矛盾に対処する時代は終わった」とSojoの創設者兼CEOであるMax Farleyは言う
Ballast Point VenturesのパートナーであるRobert Faberは、スタートアップの取締役会に参加する予定。フロリダ州タンパに本拠を置くBallast Point Venturesは、南東部とテキサス州で急成長している非公開企業と提携しているベンチャー キャピタルおよびグロース エクイティ ファンドである。
「私たちは、Sojoが急速なペースで達成できた成長と成功に非常に感銘を受けた。MaxおよびSojoチーム全体と提携して、継続的な成長を推進できることを嬉しく思う」と彼は言う。
+++++