フォーカスライトJapanでは、PhocusWire Daily (phocuswire.com) の毎日のニュースを
意訳して、毎週 月曜日更新の「海外事情」に掲載しています。
「海外事情」は、この他に TD 勉強会( www.e-tdb.com )と、その一部を
トラベルジャーナル(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD / 海外事情」にも
掲載しています。
2020年以前の「海外事情」は、TD 勉強会 www.e-tdb.com のアーカイブにて
ご覧になれます。(TD = Travel Distributionの略です。)
TD海外事情 8月16日号
今週号の閲覧第1位 「3. ブッキング、パンデミック下でシェア向上、何故?」は、Bookingがシェア競争を勝ち抜いている理由を述べている。極めて興味をそそる記事であるが少々難解である。ホテル流通専門家のMiraiのアカウントマネジャーが書いているのだから、商売柄どうしてもホテル直販志向であり、第三者販売のOTAについては手厳しくなる。ホテルは、Bookingの以下の5つの販売手法について注意が必要だと言っている。
(1)Booking.comがExpediaの足跡をたどる方法
Bookingが、Expediaの販売戦略と同様にマーチャント販売を強化している。BKNG の第2四半期決算を見ると、マーチャント販売が総販売高の30%に2018年同期の20%より大幅に上昇している。(EXPEでは50%を超える。利益率ではBKNGがEXPEを大きく上回るのはこれが理由なのだろうか?)Miraiは、マーチャントに手をつけるとイールドの低下に繋がると警告する。
(マーチャントとは、ホテルの仕入れ値にマージンを乗せて販売する販売モデルである。これに反してエージェンシーは、ホテルのRRPを販売し、コミッションを稼ぐ販売モデルである。)
(2)Preferred Plusプログラム
これは、5%のコミッション追加で74%のリストの可視性向上と、予約(コンバージョン)の最大30%増をホテルに提供するプログラムである。
Miraiは、「このプログラムはコスト高で引き合わないと可能性があると言う。希望小売価格(RRP) 1万ユーロのケースで増収が最大で1万3千ユーロ(+30%)となるが、コミッションが18.7%から24.2%に(+5%)上がるため、増収分2,727ユーロに対して1,160ユーロとなり、その追加分に対してコミッション(42.53%)を支払わなければならないと説明する。
(3)オペイク運賃の展開拡大
BKNGは、10%~20%割引のGeniusレートの提携サイトへの展開を拡大している。販売チャネルが増加するものの、チャネルが多すぎて価格のコントロールやトレースが困難になると警告する。(正直よく理解できていない。)
(4)一般利用規約の変更
ホテル直販との料金パリティーの関係を緩和する、一方的な規約の変更に注意しろと言っている?(正直よく理解できていない。)
(5)リスクゼロ予約 ― もちろんBooking.comの場合
Partner.booking.comは、『弊社ではキャンセル無料プランの提供にまつわる煩わしさを取り除けるよう、「リスクゼロ予約」プログラムを導入いたしました。本プログラムは、貴施設に新しいゲストからの予約が入る可能性を高めることを目的として作られました。
リスクゼロ予約とは何ですか?
旅行者は今、これまで以上に柔軟性を求めています。最近行われた調査によると、2020年4月には73%のユーザーが宿泊施設の予約に至った主な理由として「無料キャンセル」を挙げていることが分かっています。「リスクゼロ予約」プログラムはこのように高い柔軟性を好むゲストに対して貴施設をアピールする上で役立ちます。また、リスクゼロ予約は予約を検討しているユーザーにだけメリットがあるわけではありません。弊社のデータによると、リスクゼロ予約を提供するだけで、弊社のパートナー施設様は最大で3%の予約転換率アップを実現しています。ほとんどの旅行者にとって柔軟性は大きな魅力であり、リスクゼロ予約はこうした旅行者にアピールする上で非常に効果的です。』と説明する。
Miraiは、『Booking.comは、あなた(ホテル)の販売価格と販売条件(ダンピングとポリシー緩和)をどうするかを一方的に決定する。潜在的に、Bookingで発生する売上の大部分は、ホテルの自社Webサイトから奪われる可能性がある』と言っている。
この記事は、冒頭でBookingがシェアを伸ばすことができたと書いている。しかし、その裏付けとなるデータはどこにも明かされていない。世界最大のホテルチェーンであるMarriottの第2四半期収入が、パンデミック前の 2019年第2四半期よりも依然として40%減少しているのに対して、Bookingのそれは90%程度となっていることから判断して、Bookingのシェアは向上しているのかもしれない。(EXPEの第2四半期総取扱高の回復もBKNGと似たり寄ったりで遜色がない。)ところが、『パンデミックの間、多くのホテルは 、彼らのチャネルミックス内で直販が指数関数的に増加するのを見てきた』とも言っている。いったいどっちが本当なのか?
グローバルOTAの収入回復がホテルのそれより大きいのは、グローバルOTAが今流行りの短期レンタルを積極的に販売しているからなのだろうか。今週号「15. エアビー、2021第2四半期 3倍増収」は、『総取扱高(キャンセルおよび変更前)は、2021年第2四半期に130億ドルを超え、前年比で320%増加し、2019年第2四半期から37%増加した』と伝える。
9-11米国同時多発テロ直後に、ホテルは山積みとなった空室在庫の販売を「何とかしてくれ」とOTAに熱心に頼み込んだ。その結果、在庫は何とかはけたが、OTAに価格の支配権を奪われる結果となり大きな代償を支払うこととなった。そのためホテルは、ADRの回復に数年間を費やさざるを得なかった。ホテルは、この過ちを二度と繰り返さないと言っている。どこの市場でも一度下げたイールドは、その回復にはものすごいエネルギーの消費を余儀なくされる。
(編集人)
目次
1. (TJ) 米国旅行電子広告、ここ数年間減少継続
(TJ) =トラベルジャーナル 9月13日号参照ください。
2. VIDEO:旅行ショッピングとブッキングの信頼
3. ブッキング、パンデミック下でシェア向上、何故? 閲覧第1位
4. IHG、$138M利益計上、豪華とライフスタイルブランド投資
5. 航空会社、新興企業投資継続
6. 新興企業ステージ:バケーションレンタル収入管理Buoy
7. Hotel PlannerとReservation.com合併、SPAC上場狙う
8. ソンダー、第2四半期 業績向上
9. B2B旅行会社、持続可能性に遅れ 閲覧第3位
10. 検索増と検索長期化、旅行回復の前兆
11. メイジカートが旅行サイトをハックする多くの方法 閲覧第5位
12. 持続可能性について声を上げろ
13. 航空会社COVID支払い、イノベーションの触媒 閲覧第4位
14. Mews、英Hotel Perfect買収
15. エアビー、2021第2四半期 3倍増収 閲覧第2位
16. 8月9日の週の資金調達記事
2. VIDEO:旅行ショッピングとブッキングの信頼
消費者は、パンデミックの際に情報を入手するために面倒なプロセスを経なければならず、旅行会社が払い戻しを処理するのに時間がかかるため、疲れ切っている。しかし、それは前例のない挑戦であり、多くの旅行の会社は今、光を見始めたばかりである。今こそ、業界に対する消費者の消費意欲を取り戻す時であり、それは信頼の構築を通じてもたらされるだろう。現在、多くの人が支払いへの信頼を業界の回復にとって最も重要な要素の1つと見なしている。
Trust My TravelのCEO Will Plummerは、支払いを“旅行の汚い言葉(dirty word in travel)”として、PhocusWire Pulseイベント中で、支払いの問題について彼は挑戦だけでなく機会を説明する。彼はまた、特にオンライン詐欺に照らして、旅行の支払いが安全であることを保証するために必要なセーフガードについて話す。脚光を浴びているさらなるトピックには、支払い基準が必要かどうか、そして旅行会社が顧客のお金がどのように移動するかについて透明でなければならない理由が含まれる。PhocusWireのLinda Foxとの完全なインタビューはhttps://bit.ly/3jIeB1M のとおりです。
(ショッピングは商品を見て回ること [ウインドウショッピング] でありであり購入ではない。ブッキングは実際の購入を意味する。) (8/9 https://bit.ly/3lO9Wyg)
3. ブッキング、パンデミック下でシェア向上、何故?
パンデミックの間、多くのホテルは 、彼らのチャネルミックス内で直販が指数関数的に増加するのを見てきた 。一方、ひっそりと、Booking.comもほとんど抵抗することなくシェアを増やすことができた。多くのチャンネルがまだ浮上しておらず、今シーズンアクティブになるかどうかわからない現在の状況を考えると、Booking.comは、あなたのほとんどの流通の卵が保管されるバスケットになっている。 Booking.comは、これをどのように行っているのか?この投稿では、このOTAによって実装されたプラクティスのいくつかと、あなたがそれらとどのように競争できるかを分析する。
Booking.comがExpediaの足跡をたどる方法
How Booking.com follows in Expedia’s footsteps
過去5年間にホテル経営者の間でホットな話題があったとすれば、それは間違いなくBooking.comの有名なバーチャルカードとそのオンライン決済を中心に展開している。
(BookingのVCC=VCCとは、ゲストがBookingのプラットフォーム上で施設を予約し、支払った金額をBookingから施設に支払いする際に発行する、一時的かつデジタルなMastercard。VCCは通常のクレジットカードと同じように機能し、Bookingからの支払いが保証される。また、カードの事前承認や認証を行う必要がないため、時間の節約にもつながる。Partner.booking.com.jp)
多くのホテル経営者は、現金希望とホテルでカードが受け入れられなかった顧客に請求するプロセスを容易にする利点を利用するため、関連する(および追加の)コミッションの代償を支払って、“返金不可” の請求モデル(non-refundable charging model)と見なされる、Booking.comのオンライン決済モデルを有効にすることを決定した。
これは、Booking.comが一方的に顧客の返金不可の予約と、そのすべての現金が飛んで行ってしまうことを容認する、パンデミック下の素晴らしいアイデアである。しかし、これは将来何が起こる可能性があるかについての警告である。
もう1つの事態を悪化させる要因は、Booking.comのオンライン支払いを使用して、予約の前払い(返金可能または返金不可)を受け取り、現金を生み出すことである。私たちの耳に心地よい音楽?そうでもない、実際には、これが意味するのは、Booking.comがマーチャント・モデルに移行し、仕入れ価格にマージンを課金し、価格を引き下げる能力を獲得し、仕入れ価格と最終価格の古いゲームをプレイしている。言い換えれば、Booking.comのオンライン支払いモデルを採用する場合、彼らはあなたの直販チャネルよりも魅力的な料金を提供するために彼らのマージンを操作することになる。Booking.com BasicがすでにあなたのOTAの価格設定を台無しにしていると思うなら、Booking.comの従来のエージェンシー・モデルから少し離れた2番目のプログラムを追加できるようになった。Expedia、Hotelbeds、その他のベッドバンクに対する卸価格を管理するための戦いで、あなたは最も危険な敵への扉を開いている。これが正しい動きだと確信するか?
Preferred Plus ― より高く、より強く、はるかに高価
Preferred Plus - Higher, stronger and much more expensive
パンデミックがもたらしたもう1つの新機能は、新しいPreferred Plusプログラムに参加するオプション(Booking.comによると、選択したホテルグループのみが利用可能)である。Booking.comが同社のプログラムの1つを独占的かつ限定的に販売したのはこれが初めてではない。 ロイヤルティプログラムのGeniusは最高の顧客だけが利用できるという同様の流れで生まれている。
今日では、その独占権はなくなり、Geniusの価格を利用するための登録をする必要はなくなった(Webサイトだけでなく、サードパーティも表示される)。 非常に魅力的に聞こえるが、この優先プログラムが何であるかを詳しく調べて初めて、見かけはあてにならないことに気付くことができる。
· Booking.comは、追加の5%の手数料(税込みのRRP=希望小売価格に対する)で、Preferredよりも可視性が74%向上し、予約が最大30%増えることを約束している。Booking.comが、間接的に、トラフィックの質が低いと言っていることに興味がある(トラフィックが+74%であるのに対し、予約成立は+ 30%)。
· このOTAは、ホテルの視認性がどのように影響を受けるか、そしてそれをどのように達成するかについては説明していない。現在、どの目的地検索でも、“優先”されていないホテルが、両方のバージョンのプログラムに参加しているホテルの上に表示される。
· Booking.comは、22%のコミッションに加えて、予約した顧客に、後でこのOTA内の他のホテルの予約に適用可能なクレジットを提供する。完璧なプラン ― しかしBooking.comはあなたのためではない。Booking.comのPreferred Plusプログラムに参加することで、Booking.comのマージンが増加し、それによって、直販チャネルをアンダーカットすることができる。 Booking.comはあなたのロイヤルな顧客をあなたの直販のチャネルから遠ざけ、あなたよりも良い価格を提供できるので、この動きは潜在的に非常に危険である。
· Booking.comは、この可視性の向上によってもたらされた予約を分類することはない。コミッションの増加は、Booking.comのすべての売上に適用される。つまり、コストの増加が報われるかどうかを測定する方法がない。しかし、Booking.comの仮説を信じていても、数字は足し合わない。これらの追加販売に対して42.53%のコミッションを支払うのか?これは、Preferred Plusプログラムに参加するときに行うこととまったく同じである。
“オペーク”価格のグローバル化
The globalization of your “opaque” prices
ほとんどのホテルは、パートナーやアフィリエイト(代理店、他のOTA、航空会社など)の予約エンジンでもGeniusレート(オペークがますます低くなっている)が利用できるようになることを、過去数日ですでに通知されている。
このニュースは、Booking.comのアカウントを持っているすべての企業に特別価格設定プログラムを拡大した後に発表された。最新のニュースによると、価格はデフォルトで次のチャネルで利用できるようになる。
· Booking Holdingsグループ(Priceline, Agoda, Kayakなど)
· 企業の検索エンジンなどのドットコムパートナー
· GoogleやTrivagoなどのメタ検索エンジン
つまり、何もしなかった場合、ホテルのGeniusレートは、Bookingのアフィリエイトおよびパートナーのネットワーク全体でも利用できるようになる(一部のOTAの場合と同様)。実際の例:顧客がgetaroom.comで割引価格のGenius料金でホテルを予約すると、Booking.comからオンライン支払いの手順が記載された予約が届く。Booking.comの価格トレーサビリティはすべて失われ、それは単なる仲介者になる(そして、それらすべてのように、コントロールするのは困難となる)。Geniusには3つのレベルがあり、10%から20%の割引が適用されることを忘れないで欲しい。現在、これらの料金は“そこに”存在する。Booking.com Geniusの元のアイデアと比較して、なんとスマートでマキアベリアンのコンセプトへの変更か。
一般利用規約の変更
Changes to the general contract
これは間違いなく多くのホテルが気づかなかった変更の1つであり、パンデミックの際にBooking.comがどのように機能するかを明確に示している。2020年の終わりに、Booking.comは顧客(ホテル)に、特に直販チャネルとの価格パリティーに関連する条項に焦点を当てた、一般利用規約の変更を(これも一方的に)送信した。これは目新しいことではないが、次の3つの点を強調する価値がある。
· 他のOTAに流通される価格には適用されない。Booking.comは、直販がライバルであることを知っており、これがホテルをひもにつないでおくことを望んでいるところである。
· Booking.comのオンライン決済予約のRRPを“インセンティブ”として引き下げることを警告し、費用は自ら負担する。
· すべてのパリティ条項は、ワイドパリティまたは非パリティにあるホテルには適用されない。未来への希望はまだある。
パンデミックの間、Booking.comはホテルの販売に関してライバルがほとんど居なかったが、近づいた(場合によってはそれを上回った)のはホテルの直販(オンライン、電子メール、または電話)だけであった。新しい条項は、新しい仲介モデルを保護するための道を開く(同社のネットワーク全体および代理店の支払いモデル(agency payment model)を使用して料金を再流通する)。
リスクゼロ予約 ― もちろんBooking.comの場合
Risk-free reservation - for Booking.com, of course
Booking.comは、どんなにばかげていても、自分自身の最善の利益のために行動するのが一般的である。ほとんどのホテルがBooking.comについて完全に合意しているという点があるとすれば、それは柔軟な料金でのキャンセルの数が多いことである。これを、パンデミック時のさまざまな市場の不確実性、価格の変動、および顧客の需要の急増と停滞に追いつくための現在の状況に追加すると、膨大な量のキャンセルが発生する。 Booking.comがRisk-Free Reservationsを復活させる(大胆なことをする)ことを決定したのは、この文脈においてである。2018年に、このプログラム について詳しく説明したが、これはしばらくの間潜んでいた。新しい点は、Bookingが多くのホテルのプログラムを一方的にアクティブ化する(プログラムを一方的に適用した)ことを決定したことである。ホテルが自動的にアクティブ化され、気づかなかった場合は、Booking.comエクストラネットでこのプログラムを非アクティブ化するオプション(および我々が検討することを勧めするその他の興味深いオプション)がある。 キャンセル率が高いので、Booking.comの予約が確実に支払われるようにすることを目的としているため、この前提は興味深いようだ(ただし、プログラムでは、顧客はほとんど使用しないとしている)。しかし、関係するホテルは、すでに彼らの収入を保護する返金不可の料金を公表していた。このプログラムは実際に何を表しているのか?
· Booking.comは、あなたの販売価格と販売条件(ダンピングとポリシー緩和)をどうするかを一方的に決定する。
· 潜在的に、Bookingで発生する売上の大部分は、ホテルの自社Webサイトから奪われる可能性がある(残念ながら現在の需要は制限されるので、顧客が行きたいホテルをすでに知っている場合はチャネル間の争いになり、あなたが戦いのためにフォークを残されている間、あなたはBookingに剣を与えるだろう)。
· Bookingの売り上げの大部分は、あなたの価格のパリティを犠牲にして柔軟になる。
· 部屋が利用できなくなった場合、Booking.comは予約の全額の支払いを免除される。
· あなたのWebサイトはBooking.comと比較して(価格だけでなくキャンセルポリシーにおいても)不利になり、最近数ヶ月の間に行われたハードワークは短期間で台無しになる可能性がある。
価格に影響を与えることなく売り上げを伸ばし、在庫を管理し続けるのに役立つ、自分のWebサイトでできることがあるかどうかを確認して欲しい。
Booking.comの顧客ロイヤルティ-究極の目標
Booking.com customer loyalty - the ultimate goal
Booking.comは長い間、(あなたの)顧客の間でロイヤルティを築くためのさまざまな行動を推進してきた。この投稿では、それらのごく一部のみを取り上げている。不思議なことに、このクラブはホテル経営者によって資金提供されており、Booking.comに、 顧客と ホテルとの 関係を強化するのに役立つ 独自のロイヤルティプログラムに投資する代わりに競争上の優位性を与えている。最近見たいくつかの例には、将来の予約のクレジット、割引付きのプロモーションコード、または無料のタクシーが含まれる。もちろん、将来的に顧客を維持するために、どのプラットフォームでも顧客のロイヤルティを築こうとすることは合法である。新しい需要を生み出すよりも、既存の需要を管理して引き出す方がはるかに効果的であると常に言ってきた。しかし、多くのホテル経営者は、サードパーティのプログラムに助成金を支給している間、自社のプログラムに投資することのメリットや、自社Webサイトにおける魅力的な顧客のメリットを認識していない。 Booking.comは、顧客のロイヤルティ(ホテルよりも常に保護される)の重要性を認識しているが、売り上げを伸ばすにはホテルが必要であることも認識している。そのため、Booking.comでホテル経営者に(さらに)もっと売るようにインセンティブを与えることを目的としたさまざまなアクションも存在する。
· Booking.comを参照する登録ごとのコミッションの節約(200ユーロで販売と採用の作業が簡単になる)。
· 夏の間のコミッションの割引(Preferred Plusプログラムを受け入れた場合、これはすでに上がっていることを覚えておいて欲しい)。これは何を意味するのか?あなたが販売目標を超えた場合、Booking.comはあなたにボリュームディスカウントを支払う。この割引は 、それらの月の総売上高と売上目標の差に対する30%のコミッションである(Preferred Plusプログラムの結果としての売上増加の差ではなく、Preferred Plusが合計に適用されることに関心がある)。
コミッションの割引は良いように聞こえるが、プログラムに参加するには2つの要件がある。10%のモバイル割引とActive Flexible Rateである。Booking Holdingsは、2020年第4四半期の結果で、全宿泊日数の3分の2がモバイルデバイス(特にアプリ)で予約されたと発表した。したがって、平均して売上の66%がモバイル割引であると想定できる。つまり、私たちのモバイル料金は、誰もがアクセスできるBARと価格になり、すでに10%引き下げられている。 より低価格でモバイルチャネルを介してより多くを販売することによって目標を達成した場合、より多くの滞在が必要になり、ADRが影響を受け、したがって収益が影響を受ける。したがって、問題は、プログラムに参加することで請求額をどれだけ節約できるかではなく、プログラムに参加するのにどれだけの費用がかかるかということである。 直販からの収益の観点から失っている可能性のあるものを比較し、利点が常にそれらに利益をもたらすように見えることに気付くと、これらのプログラムが実際に報われるのはBooking.comだけであることが分かる。
いくつかの簡単な解決
Some easy solutions
最近、パンデミック後の直販を維持または拡大するためのいくつかのアクションについて説明した。それらの多くは、今日議論していることに適用できる。Booking.comとの関係を規制し、価格をどの程度管理するかを決定できるのはあなただけである。オンラインまたは他のチャネルを介して直販シェアを拡大すると、ホテルの収益が増加するだけでなく、在庫を独立して管理できるようになることを忘れないで欲しい。私たちのさまざまなレベルの推奨事項(これらの手順を実行することの“恐れ(fear)”を我々は認識している):
· 希望 Desired: Booking.comを“Pay at hotel”モデルでのみ使用し、GeniusまたはPreferredプログラムを省略する。あなたのWebサイトは常に可能な限り最高の販売条件(モバイル割引、差額など)、優れたロイヤルティクラブ、そして独占的な価値を備えている必要がある。
· 有利 Favorable: Online Paymentオプションを無効にし、Booking.comがRRPをダンプしないようにする。サードパーティを介した価格の流通を制限する(このオプションは、Geniusの“Choose your customers”セクションのエクストラネット内で制限できる)。Geniusプログラムを継続すると、より大きな割引で直販の顧客の間でロイヤルティを築くことができるが、Bookingによって提供されるインセンティブアクションが、直販の費用よりも多くあなたを補償するかどうかをチェックする必要がある。
· 最小 Minimum: Booking.comであなたが行うアクションは、少なくとも 自身のWebサイトで複製する必要がある。
結論
Conclusion
私たちはこの分野でこれまでにない不確実性の時代に生きており、パンデミックの結果としてオンラインショッピングのパラダイムが変化していることを知っている。そしてBooking.comもそれを知っている。ホテルの流通における独自の生き残りと成長のために戦って、それはその最も重い兵器を引き出して、大きな危機の瞬間にホテル経営者の必要性に巧みに付け込むことを躊躇しなかった。これは、ホテルのチャネルミックスにおけるチャネルの大幅な増加を意味し、ほとんどの場合、それは誰もが認めるナンバーワンであり、ホテルに独自の条件を課すためのより多くの力と自由をOTAに与えている。現在の危機を乗り越え、できるだけ多くの売上を生み出すためにあらゆる手段を講じることは理解できる。ただし、直販チャネルへの少ない投資コストと小さなアクションを実行すると、収益率が高くなる可能性があるため、頭を冷やして数値を計算する必要もある。Booking.comには、試すことができる興味深いツールがあるが、その成果が不足する(数字が届かない)場合は、それらを非アクティブ化することもできる。Booking.comとの関係をニーズに応じて調整する。ホテルの売り上げを伸ばしたり、低コストで、自分でできることを代行させたりする必要はない。
著者:Marta RomeroはMiraiのアカウントマネージャー 。
(8/9 https://bit.ly/3fIQTBB )
4. IHG、$138M利益計上、豪華とライフスタイルブランド投資
IHGは、ライフスタイルとラグジュアリーのセグメントで、今後数週間のうちに新しいホテルブランドをポートフォリオに追加する予定であると述べている。
2021年6月30日までの3か月間の第2四半期で、このホテルグループは53%の稼働率(OCC)を示したが、6月の稼働率は米国のプロパティで69%、中国で54%、EMEA地域で40%であった。Holiday InnやCrowne Plazaなどのブランドを持つこのグループの営業利益は、2020年の2億3,300万ドルの損失から、上半期で1億3,800万ドルの利益計上となった。グループの収益は、2020年上半期の12億5,000万ドルから11億8,000万ドルと報告された。IHGは、2021年上半期に203のホテルと契約し、現在1,805のホテルのパイプラインを持っていると述べている。回復は国内のレジャー旅行によって支配されているが、グループ、会議、イベントは再び予約を始めているが、第3四半期と第4四半期、および2022年までの任意の出張予約の程度については疑問が残ると同社は述べている。IHGの最高経営責任者であるKeith Barrは
「2021年前半は大幅に改善し、ワクチンの展開、規制の緩和、経済活動の再構築に伴い、旅行需要が大幅に回復した。パンデミック全体を通じて、重要な出張は私たちの回復力の重要な要素であった。現在、より多くのグループ活動が見られ、企業の予約が戻ってきている」と述べている。IHGによると、この新しいブランドは、パンデミックに苦しんでいる独立系ホテルがチェーンへの申し込みを熱望していることから、ラグジュアリーとライフスタイルの分野で高まる需要を活用することを目指している。IHGは、すでに5つのブランドと約450の物件を持ち、ラグジュアリーとライフスタイルに強いと述べており、買収ではなくオーガニックに新しいブランドを成長させる。(8/10 https://bit.ly/3ixhrHH)
5. 航空会社、新興企業投資継続
航空会社はパンデミックの過程で数十億ドルを失い、純粋に飛行機に集中することだけを許される可能性がある。しかし、おそらく驚くべきことに、彼らの企業イノベーションユニットとスタートアップアクセラレーターは、航空会社のコア戦略の一部であり続けている。British Airwaysの親会社であるIAGは、持続可能性、データ、AI、接続された運用(connected operations)など、さまざまなカテゴリにわたるスタートアップを探している6番目のHangar 51アクセラレータプログラムを開始した。旅行の再開や流通チーム(distributed teams)のカテゴリなどの他のカテゴリは、今後の消費者の旅行体験と進行中のハイブリッドのような事業に焦点を合わせている。IAGのグローバルイノベーションの責任者であるDupsy Abiolaは、パンデミックにより多くの変化があったものの、「ブラックスワンイベント(=めったに起こらないことだが、実際に起こると壊滅的被害をもたらす出来事)は、人々がリセットして自分たちにとって何が重要かを考える絶好の機会である。また、多くの点で、人々が物事について考え、物事を行う方法を再活性化させた」と語る。しかし、Abiolaは、アクセラレータを持ち、スタートアップに投資するIAGの理由は変わっていないと述べている。彼女は、企業のイノベーションへの意欲も変わらず、多くの人が現在の投資を正当化するのは難しいと思うかもしれないが、それは“ビジネスのコアレイヤー”と見なされていると付け加えた。「それは焦点の問題である。市場で物事が変化した場合の対応は、結果としてより目立つようになった特定の戦略的領域にレンズを向けることである。持続可能性、イノベーション、我々が領域を押し上げている努力への基本的な取り組みは少し変わるかもしれないが、原則は変わらない。多くの場合、企業のアクセラレーターはビジネスの外にあり、WeWorkにいて、数人の幹部が1時間現れる。私たちは時間とエネルギーを社内の利害関係者と関わり、ビジネス全体の経営幹部の人々がカテゴリーと関わる」と語る。変更されたのは、プログラムに関係するすべてのものを仮想化する必要性であった。Abiolaによると、昨年は“このコワーキング関係のエネルギーと精神”を維持しながら、アクセラレータの緊密なコラボレーション要素を仮想的に変換する方法を見つけるために多くの時間が費やされた。プラス面として、プログラムを実行することは、事実上、より多くのスタートアップ、特に以前は10週間のアクセラレータプログラムに参加するのが難しいと感じていた遠方のスタートアップに開放される可能性があることを意味した。激動の時代にもかかわらず、イノベーションに鋭い焦点を合わせ続けているのはIAGだけではない。
コーポレートベンチャー
Corporate venturing
JetBlue Technology Venturesは、初期段階のスタートアップに投資し、提携しているが、2021年の初めからすでに5つの投資を行っており、さらに多くの投資があると述べている。JetBlue航空会社のベンチャー部門の社長であるAmy Burrは、「危機はイノベーションを生み出し、これらの希薄な時期に最先端のテクノロジーに投資することをいとわない企業は、トップに立つ可能性が高くなる」と語り、今が投資する良い時期だと言う。Space3acの最近の調査によると、85の企業とほぼ100の新興企業が関与しており、効率の向上を目指して、企業は“コーポレット・ベンチャー”を活用してイノベーションを促進する方法を模索していることが明らかになっている。調査はさらに、企業の50%がスタートアップとのコラボレーションのための専用の企業戦略を持っており、47%がスタートアップのスケーリングプロセスを実装していることを明らかにしている。
また、外部のインキュベーターやアクセラレーターとのパートナーシップが“コーポレット・ベンチャー”の最も人気のある形態であり、スタートアップとイノベーションの専門部門がそれに続くと付け加えている。調査によると、スタートアップに投資するために資金を割り当てる企業も、パンデミックにもかかわらず、スタートアップとの協力について楽観的である。3分の1弱が予算配分を増やすことを計画し、15%が大幅な増加を計画し、さらに50%が同じレベルを維持することを計画していると述べる。Burrは、親会社(JetBlue)はスタートアップへのコーポレット・ベンチャー資金が「長期的または戦略的なビジネスニーズを満たす」ことを保証したいと考えており、JetBlueは業界の革新を後押しするためにコーポレット・ベンチャーのモデルへのコミットメントを倍増させた」と述べている。投資分野に関して、Burrは、「非接触技術は、今後も新しい業界標準として優先事項であり続ける。短期賃貸も人気を博しており、この傾向はキープレーヤーのM&Aにも反映されている。変わらない分野の1つは持続可能性であり、おそらくすべての中で最も重要な焦点であり、代替の推進システムを利用した輸送ソリューションの特定に特に関心がある」、パンデミックが旅行の機会のこの3つの主要な分野をもたらしたと言う。Hangar 51とJetBlue Technology Venturesはどちらも、次のスタートアップへの投資とパートナーシップに目を光らせているが、Abiolaは以前のアクセラレーターのコホートにも目を光らせている。彼女は、過去12〜18か月で多くの会社が資金を調達し、他の会社は買収され、航空会社グループは引き続きいくつかと協力していると言う。彼女 は、資金を調達し、その開発の焦点をパンデミックによって提供される機会に転用した企業の例としてSherpa(カナダのオンライン査証サービス会社、2015年創立)を指摘する。一方、IAGからも投資を受けたHangar 51の会社であるVolara(航空会社の収入ソリューション米国企業、2014年創立)は、パンデミックを利用して製品ポートフォリオを拡大した会社の1つである。ピボットに関して、Abiolaは、方向性を完全に変えるというよりも、スタートアップが新しい機会に適応するケースであると感じている。(8/10 https://bit.ly/3yEZFb4 )
6. 新興企業ステージ:バケーションレンタル収入管理Buoy
バケーションレンタルの収益管理は難しく、市場に出回っている多くのソリューションは、せっかくの儲け話を無駄にして、ユーザーを混乱させる欠陥のある方法論を採用している。既存のソリューションは、標準の“基本レート(base rate)”を使用する。これは、アルゴリズムが週末とピークシーズンに押し上げるユーザーが設定した主観的な数値である。しかし、パンデミックのように、市場で実際に起こっていることとは大きく異なるものはすべて、アルゴリズムでは対処できない。そのため、料金が基準を外れている場合、所有者と管理者は手遅れになるまでわからないことがよくある。Buoyでは、短期賃貸管理におけるこの種の最初のアルゴリズムを作成した。基本レートを“buoyancy point”に置き換えた。これは、世界中の何百万ものバケーションレンタルやホテルのダイナミックで完全に市場ベースのインデックスである。データを作成するだけでなく、データに基づいたスマートな意思決定を、データを必要とするすべての人が利用できるようにする。当社独自のダッシュボードは、分解されたデータをオーバーレイして、プロパティマネージャーが最も知りたいこと、つまり直販的な競争に対する相対的な位置と、プロの収益マネージャーが今後の需要を予測する方法を伝える。
Buoyのビジネスは、所有者、ホスト、プロパティマネージャーが短期賃貸からの収入を最大化するのを助けることである。会社の中心にあるのは私たちのアルゴリズムである。これは構築に数か月かかり、任意の“基本レート”の入力ではなく、市場の状況から設定される。これにフィードするのは、Airbnb、Booking.com、ExpediaなどのホテルAPIとOTAから毎日提供されるデータである。また、現在Techstarsアクセラレータプログラムを実施している。これにより、ビジネスオペレーションを成熟させ、多くの新しい扉を開くことができる。Buoyのプラットフォームは、あらゆる規模のオペレーターが使用でき、リストごとに月額料金を請求するか、小規模な不動産管理者または所有者の予約収益の割合を請求する。(8/10 https://bit.ly/3jJIsal )
7. HotelPlannerとReservation.com合併、SPAC上場狙う
オンライン旅行における特別目的買収会社(SPAC)の台頭は、SPAC Astrea Acquisitions Corpを通じて公開される予定のHotelPlannerとReservations.comの合併に伴い継続している。合併後の会社は、5億6,710万ドルの企業価値で評価され、HotePlannerの名前を取得し、NASDAQにティッカーシンボル“HOTP”でリストされる。Reservations.comを使用すると、Meetings.comも所有するHotelPlannerは、個人、グループ、および企業の予約で、世界中の100万を超える施設にアクセスできるようになる。HotePlannerは、2020年のパンデミックの最中にも関わらず、収益の推定23%の減少しか見られなかったと主張している。2021年には、収益が2019年の収益を31%上回ると予想している。
合併後の会社は、2022年の収益が約1億7,000万ドルと予測されており、3年間の収益CAGR(2020年から2023年の年平均増率)は約42%になると予測している。合併により、HotelPlannerは、補完的な収益源を備えた多様なホテルおよびイベント予約プラットフォームに変身し、複数の収益とコストの相乗効果を実現して大規模な成長を促進する機会を企業に提供する。HotelPlannerは、予想される純収入のほとんどを使用して、人工知能、機械学習、ギグ(一次的な仕事)ベースの旅行代理店のオンボーディングなどの分野での有機的な成長と投資を加速させる。また、将来の買収を通じて成長することも見込まれる。
2004年に設立されたHotelPlannerは、未公開のプライベート販売環境でClosed User Group の割引料金を顧客に提供する。そのパートナーには、オンライン旅行代理店、ホテルチェーン、個々のホテル、企業、補助的な宿泊施設プロバイダー、政府などが含まれる。2014年に立ち上げられたReservations.comは、2019年にサイトで100万件以上のホテル滞在を予約した。合併により、オフライン予約はHotelPlannerの利益率の高いClosed User Group料金に移行し、ギグベースのカスタマーサービスプラットホームにアクセスできるようになる。
(8/10 https://bit.ly/3jR3vId)
8. ソンダー、第2四半期 業績向上
テクノロジー主導のホスピタリティ企業であるSonderは、第2四半期決算で最高収益を計上した。これは、レジャー旅行の回復と拡大によるものである。 同社は、2021年6月30日までの四半期の売上高が4,700万ドル強で、前年同期比で151%増加し、2021年第1四半期に50%増加したと報告している。 Sonderの共同創設者兼最高経営責任者であるFrancis Davidsonは、「パンデミックの間、従来のホテルのRevPARを引き続き上回り、過去2四半期のそれぞれで少なくとも40%のパフォーマンスを発揮した。ポートフォリオ全体は急速に拡大を続けており、年末までに18,000ユニットを超える見通しである。これにより、2022年以降に設定した積極的な成長目標を達成できる自信がつく」と述べている。 その業績の結果として、同社は2021年の収益予測を1億8,000万ドルから1億9,000万ドルに引き上げ、以前の見積もりから4%~10%増加させた。 Sonderの社長兼最高財務責任者であるSanjay Bankerは、「当初の見通しからのこの増加は、最近のレジャー旅行の回復の急増は持続可能であるというソンダーの信念と、並外れた価値でより良い滞在を求めるこの需要を活用する実証済みの能力を反映している」 次のように述べている。 Sonderの利用可能な部屋あたりの収益(ADR)は$ 100で、前年同期比で112%増加し、2021年第1四半期と比較して30%増加した。 稼働率(OCC)は68%で、前年同期の57%から増加し、2021年の第1四半期と比較して2ポイント増加した。 同社は最近アムステルダムに不動産をオープンし、現在ポートフォリオに15,000のライブおよび契約ユニットが存在する。Sonderは最近、GDSを介して在庫を流通させる計画のある法人旅行サービスも発表した。 同社の調整後EBITDAは、2億5,700万ドルの損失と予測されている。 Sonderは以前、2億ドルを調達したSPAC取引でGores Metropoulosllと合併すると発表した。 (8/11 https://bit.ly/3xPuKrD)
9. B2B旅行会社、持続可能性に遅れ
持続可能性は、過去数年間で、旅行業界で最もホットなトピックの1つになった。特にパンデミックが始まって以来、旅行の停止が“あり得ること”としてスポットライトが当てられた、この瞬間から将来に向けての構造的変化に拍車をかける機会を提供している。消費者は、環境、経済、社会のあらゆる形態で持続可能性への関心が高まっていることを示している。Booking.comの30か国の30,000人の調査に基づくSustainable Travel Report 2021では、 46%がパンデミックにより、将来、より持続可能な旅行を望んでいると述べている。そして、多くの消費者中心の旅行会社(B2C)は、持続可能性に行動を起こすことによって、この関心とブランドを差別化する必要がある機会を明確に認識している。ここ数週間、CWT、Accor、Singapore Airlines、Intrepid Travel、TourRadarなどのブランドが、炭素排出量の削減、自然保護の支援、地域社会への利益などを目的とした新しいイニシアチブを発表した。先週、ブラジルのAzur航空は、電気エアタクシーの運用を開始するためにLiliumとの10億ドルのパートナーシップを発表した。しかし、旅行者と直販取引するのではなく、業界を運営し続けるシステムとサービスを提供する企業であるB2B企業での持続可能性アクションについてはどうか。コンサルティング会社Belvera Partnersからの新しいレポートによると、「持続可能性は全体として、B2B旅行スペースでの取り込みが不十分であった」と伝えている。Belveraはそのレポートについて、持続可能性ポリシー、レポート、例、またはその他の意味のある言及を探している世界中の350のB2B旅行会社のWebサイトを評価し、情報が簡単に見つけられるかどうかも評価した。 調査結果は、分析されたB2B旅行会社の間で持続可能性トピックの優先順位付けが欠如していること、または少なくとも、このトピックに関する彼らの立場についてのパブリックコミュニケーションが欠如していることを示している。
このレポートでは、分析した企業の43%のみが、自社のWebサイトで持続可能性(または環境やCSRなどの同様の用語)について言及していることが分かった。持続可能性のポリシーを設定しているものははるかに少なく(24%)、“持続可能性レポート”を持っているものはさらに少ない(17%)。「企業が持続可能性の資格を証明できない場合、利害関係者はかなり合理的に最悪の事態を想定する。旅行エコシステムのB2B内の12のサブセクターを見ると、航空は持続可能性レポートを保有している(42%)または少なくとも企業のWebサイトで持続可能性について言及している企業(89%)の割合が最も高いが、持続可能性情報の見つけやすさのスコアは平均を下回っている。
B2Bレンタカーサービス部門のスコアは最も低く、持続可能性について言及している企業はわずか16%であり、レポートや公開されたポリシーを持っている企業は存在しない。旅行テクノロジー企業は、持続可能性についての言及で平均よりもわずかに優れており、すべてのセクターの平均43%に対して53%であり、ポリシーを公開している場合は平均29%に対して24%である。地理的に見ると、調査対象の企業の大多数は米国に本社を置いており、英国とスペインがそれに続く。しかし、英国(23%)やスペイン(19%)と比較して、持続性可能性を作成している企業の割合は米国で最も低く13%である。
レポートには、観光セクターに焦点を当てた持続可能性戦略コンサルタント会社であるéticoの創設者であるLaura Garridoなどのトピックスペシャリストへのインタビューも含まれる。レポートには、Amadeus、ABTA、Hotelbedsが実施している持続可能性戦略の概要と、持続可能性イニシアチブを開始する方法に関するB2B旅行会社向けの10の推奨事項のリストも含まれている。
(8/11 https://bit.ly/3jPBKzp )
10. 検索増と検索長期化、旅行回復の前兆
消費者のほぼ4分の3が、今後12か月以内に旅行を計画していると述べており、新しい検索データは、より多くの旅行者が旅行の再開について楽観的であることを裏付けている。Expedia Groupのオンライン旅行大手のファーストパーティのデータとカスタムリサーチを組み合わせた“Q2 2021年の旅行の回復トレンドレポート”によると、毎月のグローバル検索ボリュームが70%以上の増加となった。当四半期のグローバル検索ボリュームは、13週間のうち11週間でプラスになり、2021年第1四半期と2020年に発生した変動とは対照的であった。週ごとのグローバル検索では、5月10日の週に、青少年の承認や欧州連合の契約延長など、ファイザーワクチンの拡大に関するニュースを受けて、検索数が最大に増加した(10%)。EMEAでは、このニュースにより、同じ週の検索数が15%増加し、この地域の検索数が前月比で増加した。EMEA検索は、3月から4月の間に見られた前月比20%の進捗と比較して、4月から5月の間に70%増加し、5月から6月の間にさらに35%増加した。グローバル検索の半分は0〜21日の検索ウィンドウ内に収まり、旅行者が自宅に近い旅行を選択したことを示しているが、グローバル検索ウィンドウは長くなっており、旅行者の信頼が高まっていることを示している。旅行日の22〜90日前に行われたグローバル検索は、第2四半期の検索の35%以上を占め、前四半期比で25%増加した。
世界の国内旅行検索では、55%がゼロから21日の検索ウィンドウ内に収まり、22日から90日の検索は前四半期比でほぼ20%増加した。一方、31日から90日の検索期間内の国際的な目的地のグローバル検索は、第1四半期から30%増加した。EMEAでは、22日から90日までの検索が、第2四半期の海外の目的地の検索の40%以上を占め、第1四半期の15%から増加した。実際、第2四半期には、世界の国際旅行検索の伸びが国内旅行を数週間上回った。2020年第2四半期の検索ボリュームと比較して、EMEA、アジア太平洋、ラテンアメリカでの検索ボリュームはすべて、2021年第2四半期にアメリカの消費者からの検索ボリュームよりも増加した。(8/12 https://bit.ly/3m0jOor )
11. メイジカートが旅行サイトをハックする多くの方法
航空会社からホテルチェーン、アクティビティアグリゲーターに至るまで、旅行およびホスピタリティ業界はメイジカート攻撃に後れを取っている。
(Magecart = Webスキミング、フォームジャック、またはメイジカート攻撃は、攻撃者が悪意のあるコードをWebサイトに挿入し、ユーザーが入力したHTMLフォームからデータを抽出する攻撃である。そのデータは、攻撃者の制御下にあるサーバーに送信される。)
180を超えるホテルプロパティを持つ2つの中規模ホテルチェーンは、2019年に、両方のチェーンへのデジタルマーケティングサービスのサードパーティサプライヤーであるRoomleaderが侵害されたときに、メイジカート攻撃の犠牲者になった。Roomleaderは他のホテルチェーンにサービスを提供しているため、他のメイジカート攻撃が検出されなかったかについて、開示されなかった可能性がある。航空会社の面では、British Airwaysが2018年の夏に報告された重大なメイジカート攻撃に見舞われ、サイバー犯罪者がフライトやその他の旅行サービスを購入した38万人以上の顧客の支払い情報を盗み取ることができた。より広義には、メイジカート攻撃は過去2年間で急増している。2019年以来、研究者は野放しにされているメイジカート攻撃の200万を超える実例を特定した。オンライン旅行セグメントは、購入する人の数が非常に多いため、魅力的なターゲットとなる。パンデミック前、Euromonitorは、2024年までに年間約1.5兆ドルのオンライン旅行購入を予測しており、これはすべての旅行売上の52%を占めている。メイジカートは、旅行会社やホスピタリティ会社を含むeコマースWebサイトやモバイルアプリをデジタルスキミング攻撃で標的とするさまざまなハッカーグループによって行われる悪意のある増加する攻撃に対する言葉である。メイジカートのケースでは、攻撃者が不正な悪意のあるコードを会社のWebアプリケーションに挿入する。ハッカーが何らかの方法でサイトのコードベースにアクセスした場合、コードはファーストパーティのJavaScriptコードに挿入される可能性がある。これは、British Airwaysの攻撃で発生したものである。または、コードをサードパーティのJavaScriptサービスまたはオープンソースライブラリに挿入することもできる。これらのライブラリを合わせると、現在のすべてのWebサイトコードの70%以上を占めるのが一般的である。悪意のあるコードは、Webページ上の要素にアクセスまたは変更し、クレジットカード番号を含むユーザーデータをスキミングする可能性がある。変更されたコードは、盗まれたデータを世界のどこかのサーバーに送信する。研究者は、メイジカートの傘下にグループ化できる数十種類のJavaScriptデジタルスキミング搾取を特定した。この有毒な攻撃タイプは、旅行サイトに数十億ドルの損害賠償と罰金をもたらした。英国政府は、メイジカート攻撃が2週間にわたって発生することを許し、サイトの訪問者と顧客を十分に保護しなかったとして、British Airwaysに2,750万ドルの罰金を科した。 攻撃者がコードを隠すことができる場所が非常に多く、不正なコード変更を隠す方法が非常に多いため、メイジカート攻撃からの保護は非常に困難である。人気のあるサイトがどのように構築されているか、そしてさまざまなコンポーネントがメイジカートのさまざまな潜在的な攻撃対象領域にどのように変換されるかを見てみよう。(これらは例であり、これらのサイトまたはコンポーネントが危険にさらされていることを意味するものではない)
サードパーティベンダー
The Third-party vendor
これは、世界中でアクティビティや旅行検索、予約を提供するオンライン旅行代理店のページである。これは、DevTools(または“インスペクターモード”)を使用してサイトコードを表示するサイトのショッピングカートのスクリーンショットである。青いバーは、このページと支払いデータが要求されているページで実行されるカスタマーサービスモジュールであるFlipDeskへのJavaScript呼び出しを強調している。FlipDeskが侵害された場合、サイトの所有者は違いに気付くのに苦労し、メイジカートギャングは大量の支払いデータを収集できるようになる。そして、より高度なメイジカート攻撃は、サイトまたはモバイルアプリの他のページからユーザーに感染した後、支払いページのデータを盗聴する可能性がある。
サイトコードを直販ハッキングする
Hacking directly into site code
ホテルチェーンのマーケティングおよび予約サービスのプロバイダーであるRoomLeaderの場合、研究者は悪意のある攻撃者がサイトコードを直販ハッキングしたと報告した。そこで攻撃者は、モバイルユーザーがアクセスした購入ページから支払いデータを収集するスキマーをインストールした。上記の攻撃スクリプトを見て欲しい。メイジカートの攻撃者は、スクリプトをGoogle Tag Managerのコードに似せるように注意を払っている。これは、Webサイトでの追跡と分析に使用されるJavaScriptタグとHTMLタグを管理するためにGoogleによって作成された広く使用されているタグ管理システムである。攻撃者は、モバイルブラウザエージェントを検出したときにスキマー攻撃と偽の支払いページを配信するだけで攻撃をさらに隠した。これは、支払いを行っているユーザーが携帯電話を使用していたことを示している。セキュリティ研究者は、モバイルデバイスではなくデスクトップブラウザでWebサイトを調査する可能性が高く、これはメイジカート攻撃で使用される多くのクローキング手法(cloaking techniques)の1つである。
外部ストレージとCDNは隠すことができる
External storage and CDNs can hide
これは、上位のOTAからの別のコードスニペットである。強調表示されたセクションには、AmazonのオンラインWebストレージバケットであるAmazon S3からJavaScriptをロードするタグが含まれている。多くの企業がスクリプトをS3に保存し、リモートでアクセスする。残念ながら、Amazon S3バケットが適切に保護されていないか、設定が間違っている場合、メイジカートの攻撃者は、これらのバケットに保存されているコンテンツを簡単に変更して、スキミング配信システムに変えることができる。2019年4月、メイジカート攻撃が17,000個のAmazon S3バケットを攻撃した。メイジカートの攻撃者は、コンテンツ配信ネットワーク(content delivery network = CDN)によって提供されるコンテンツも侵害する。ある例では、攻撃はAmazonのCloudFront CDNを使用して顧客を襲った。攻撃者がCDN設定を操作したのか、それともCDNがデータを取得したオリジンサーバーに加えられた変更の結果であるのかは不明である(多くの場合、CloudFrontの場合はS3バケットである)。CDNは、一般的に使用されるコンテンツ(特に、画像やスクリプト)を、エンドユーザーの近くにこれらの要素をキャッシュする分散ネットワークから配信するネットワークである。これにより、アプリケーションとWebサイトの読み込みが速くなる。OTAは多くの場合CDNを使用してJavaScriptコードをホストし、JavaScriptが実行するアクションをさらに高速化する。
旅行はメイジカート攻撃から厳重に保護する必要がある
Travel must guard against magecart attacks
これらは、メイジカートがOTA、航空会社、またはその他のホスピタリティサイトを攻撃するための手段のほんの一部である。他にもたくさん存在する。 JavaScriptは、Webサイトやモバイルアプリケーションに遍在している。JavaScriptがあるところならどこでも、メイジカート攻撃の可能性がある。2022年には、OTAやその他の旅行サイトが最も美味しいターゲットになる。これは、財務データを入力するユーザーの数が多く、オフラインでの購入が継続的に置き換えられているためである。これらの企業は、サイトコードが変更されていないことを確認するために特別な予防措置を講じる必要がある。また、ユーザーを保護してブランドを守り、ライブインタラクションでのJavaScriptの動作不良を検出し、実際の被害者に影響を与える前にスキミングアクティビティを特定できるテクノロジーを使用して、GDPRやCCPAの罰金が高額になる可能性を回避する必要がある。メイジカートは離陸し、ますます多くのサイトをハイジャックしている。OTAと旅行サイトは、この脅威を根絶するために事前に行動することで、悲しみと大きな経済的リスクを救うことができる。
著者:Avishai Shafirは、PerimeterXの製品管理ディレクター 。
(8/12 https://bit.ly/3CLdzer )
12. 持続可能性について声を上げろ
「企業が持続可能性の資格を証明できない場合、利害関係者はかなり合理的に最悪の事態を想定する」Belvera PartnersのマネージングディレクターであるRoman Townsendからのこの引用は、今週のPhocusWireに関するB2B旅行ブランドの持続可能性への取り組みに関する記事である。ほぼ毎日、新しい気候危機がニュースになっているようだ。消費者は、環境だけでなく、経済的、社会的にも何が起こっているのかをより意識するようになっている。その結果、彼らは旅行の好みを適応させており、旅行者の46%が、パンデミックにより、将来、より持続可能な旅行を望んでいると述べている。消費者志向の旅行ブランドが注目を集め始め、新しい持続可能性イニシアチブを導入しているが、B2B旅行ブランドの場合は同じではない。Townsendが言うように、それは合理的にこれらの会社の利害関係者を“最悪の事態と見なす”ようにする。そして、 “最悪”は、B2B旅行会社にとっては悪い立場である。持続可能性は、これまで以上に、すべての個人、政府、企業にとって優先事項でなければならず、後者の2つについては、それに関する取り組みを公表する必要がある。
データによると、B2B旅行会社の83%は、“持続可能性の「レポート」と漠然と呼ぶことができるものを作成していない”。旅行業界のこのセクターでは最低限の要件が満たされておらず、その結果は、まだ明らかではないにしても、現れ始める。Belvera Partnersのレポートは、“対応方法に関する認識の欠如”を引用しているが、持続可能性のビジネスケースに関する認識は、これらのブランドの多くで以前から知られている可能性がある。実際に対応するという行動が、今必要なことである。旅行ブランドの“ベストケース”シナリオからはほど遠いかもしれないが、最悪の事態から脱却するためには、あらゆる公表された取り組みが必要である。(8/13 https://bit.ly/3m3pgqY
13. 航空会社COVID支払い、イノベーションの触媒
国際航空会社は、必然的に、現代のマーチャントの最も複雑な支払いエコシステムのいくつかと、それに匹敵する同様に多様な(したがって要求の厳しい)顧客基盤を持っている。COVID-19のパンデミックにより、システムに前例のないレベルのストレスがかかり、多くの場合、始めるにはすでに時代遅れであり、支払いプロセス全体でのイノベーションと自動化の必要性が浮き彫りになった。
当然のことながらセキュリティに関心のある業界
An industry understandably concerned with security
基本的に、航空セクターは、ビジネスのあらゆる側面に関して、当然のことながらリスク回避的である。セキュリティ、テクノロジーの誤動作、単純な人為的ミスに対する外部の脅威は、最悪の場合、人命の損失につながる可能性があり、ほとんどの航空会社は、新しいイニシアチブの代わりに、試行錯誤されたシステムを好むようになる。 さらに、商業的な観点から見ると、航空会社は全体としてオーバーヘッドが高く、マージンが非常に低いため、既存のシステムに変更を加えると、収益が大幅に損なわれるか(改善される)可能性がある。変化のリスクが高いという性質は、新しいテクノロジーを採用することを躊躇する。これは、50年以上前に処女飛行を行ったにもかかわらず、市場にははるかに効率的なモデルがあるけれども、今日でも業界全体で広く使用されているフラッグシップモデルであるボーイング737に完全に象徴されている。このリスク回避の文化は、航空会社の決済エコシステムにまで及び、多くの航空会社は、新しいプラットフォームやソリューションのメリットを受け入れるのではなく、従来の面倒な決済ソリューション、または単一のPSP(payment service provider)との最適ではないパートナーシップに固執することを好んでいる。
複雑な市場における複雑な決済エコシステム
A complex payment eco-system in a complex market
定義上、国際航空会社は世界中の顧客にサービスを提供し、複数の異なる通貨と管轄区域で運航している。これは、顧客が希望する方法で支払うことを可能にする上で、多くの微妙な課題につながる。文化が異なれば、方法も異なる。たとえば、一部の地域では、現金よりもデジタルオプションを好んでいる。通貨の障壁はまた、買い物や支払いの経験中に摩擦を引き起こし、コンバージョンの失敗につながる可能性がある。さらに、消費者は、ビジネス旅行者から長距離のレジャー休暇中の家族まで、さまざまなプロファイルを持っており、それぞれに独自の支払いニーズが存在する。その結果、航空会社は世界中で多種多様な支払い方法を提供し、大量の国境を越えた取引を管理し、消費者のニーズに合わせて複数の異なる通貨を提供する必要がある。ただし、複雑さは旅客の側だけではない。国際的な顧客ベースのニーズをうまく満たすことができる決済エコシステムを管理することは、航空会社がサービスを提供するすべての地域で複数の異なるアクワイアラーおよび決済サービスプロバイダーとの関係を構築し、リスクを軽減し、コストと受け入れ率を最適化するための複数のオプションを提供することを意味する。新しいアクワイアラー、支払い方法プロバイダー、またはPSPを確立して統合するという面倒なプロセスを考えると、航空会社は、ネットワークに必要な適切な支払いエコシステムの展開や、新しい目的地をサポートするためのプラットフォームのスケーリングで困難に直面することがよくある。これは、チケットの購入、変更、または返金を検討している顧客にとって摩擦につながる。
COVID-19-デジタル採用と自動化の触媒
COVID-19 - a catalyst for digital adoption & automation
航空会社とその消費者にとってのこれらの課題は、航空会社の従来の決済システムに前例のないストレスをかけているCOVID-19パンデミックの間にもたらされた。世界規模の消費者が大量のフライトのキャンセルの場合にチケットを払い戻そうとしたため、航空会社は、主に再スケジュールされた日付を提供し、可能な限りバウチャーを発行することによって、資本(現金)を社内に維持するための代替オプションを手元に用意する必要があった。払い戻しリクエストがピークに達したとき、代替手段として払い戻しバウチャーを提供および発行する自動化ソリューションの必要性と利点が自明になった。大量のチケットのキャンセルも、ほぼ圧倒的な量のチャージバックリクエストにつながった。これに対しても、多くの航空会社が効率的に管理するためのテクノロジーを備えていなかった。旅客との不当な紛争(unjustified disputes)の管理を自動化する機能を備えていなかった航空会社は、ボリュームを処理するためのバックエンドリソースを増やすために多額の費用を負担するか、単に収益を完全に償却する必要があり、両方のシナリオで重大な経済的悪影響をもたらした。パンデミックの間、社会のデジタルおよび非接触型決済方法への幅広い移行も加速し、顧客は社会的距離とCOVIDで安全な決済方法をますます要求し、この変化を容易に受け入れた航空会社はそのメリットを実感した。 この一例は、2019年後半にApple Payを支払いミックスに組み込んだCellpoint DigitalクライアントのSouthwest Airlinesである。このプラットフォームは、パンデミックをきっかけに航空会社で最も人気のある代替支払い方法になり、そして月々さらに成長を続けている。パンデミックが全体的に強調したのは、ほとんどの航空会社の現在の決済ソリューションの硬直性と自動化の欠如、そして顧客により良いサービスを提供し、世界規模で決済エコシステムを最適化するためのより機敏な決済オーケストレーションソリューションの必要性であった。
航空セクターの新たな夜明け?
A new dawn for the airline sector?
すでにリスクを嫌い、イノベーションと技術開発の課題に直面している業界にとって、COVIDはデジタル採用を先導し、より効率的な決済システムの必要性を明らかにしてきた。 パンデミックによってもたらされた変化は今後何年にもわたって感じられ、航空会社は生き残るために適応する必要がある。航空会社のように、支払いオーケストレーションなどの新しいテクノロジーへの広範なシフトを受け入れ、顧客が希望する方法で支払うことを可能にすることに投資するマーチャントは、デジタルネイティブの将来に最大のメリットを享受する。
著者:Stephane Druetは、CellPoint Digitalの製品およびマーケティング担当上級副社長。(8/13 https://bit.ly/3AENgoe)
14. Mews、英Hotel Perfect買収
ホテルの資産管理システム(PMS)Mewsは、英国を拠点とする同じPMSであるHotel Perfectを買収した。契約条件は明らかにされていないが、声明によると、この買収は英国市場でのミューズの成長を後押しし、“ホテル経営者の業務を簡素化するためのテクノロジーにさらに投資するというコミットメント”を示している。Mewsの創設者であるRichard Valtrは、「PMSカテゴリーは現在、急速な革新と成長を遂げている。Hotel Perfectには、優れた人材、顧客、テクノロジーなど、買収に必要なすべてのものが揃っている」と述べている。彼は、Mewsがクラウドベースのテクノロジーの強力な採用を見ていると付け加えた。1992年に設立されたHotel Perfectは、予約エンジン、チャネル管理、ゲストコミュニケーション、ダイナミックプライシングなどのサービスを提供している。
HotelPerfectのマネージングディレクターであるAndrew Risleyは、「Mewsは企業がアプリケーションを選択し、プロパティ管理システムにシームレスに接続できるようにする次世代のオープンAPI接続」で先導していると述べている。
Hotel Perfectは、Planet WinnerとBase7Bookingの買収後、過去18か月間にMewsが買収した3番目のPMSである。2012年に設立されたMewsは、2年前にシリーズBの資金で3,300万ドルを調達し、米国でのプラットフォームの拡大を計画していた。Mewsの創設者であるRichard Valtrが登場するHow I Got Hereエピソード 67 のYouTube https://bit.ly/2VYqj0q をご覧ください。(8/13 https://bit.ly/37GHPZv )
15. エアビー、2021第2四半期 3倍増収
Airbnbの収益は2021年の第2四半期に前年比で300%増加し、2019年第2四半期の数値を10%上回った。2021年第2四半期の財務結果で、このホームシェアの巨人は13億ドルの収益を上げ、2020年第2四半期の収益3億3,500万ドルを大幅に上回った。前年同期比の収益成長率は、2021年第1四半期の5%から2021年第2四半期には10%に増加した。同社は、北米での継続的な成長力、EMEAの改善、およびADRの上昇が貢献したと考えている。調整後EBITDAベースでAirbnbは利益を計上した。2021年第2四半期の調整後EBITDAは、2020年第2四半期の3億9,700万ドルの損失、2019年第2四半期の4,300万ドルの損失と比較して、2億1,700万ドルの利益計上であった。調整後のEBITDAマージンは16%で、2019年第2四半期と比較して20%増加した。Airbnbは、収支改善の理由として、収益回復の強さとコスト構造の改善を挙げている。Airbnbの共同創設者兼CEOのBrian Cheskyはアナリストとの電話会議で、「私たちのビジネスは、ワクチンの展開といくつかの旅行制限の緩和によって劇的に改善した。状態はまだ正常ではないが改善している。旅行への人々の欲求と、厳重に管理された経費を組み合わせることで、調整後EBITDAが大幅に改善され、トップラインのプラス成長に戻った。しかし最も重要な事実は、私たちのビジネスが、都市旅行と国境を越えた旅行という2つの最も強力な歴史的セグメントを回復することなく改善したことである。都市部と国境を越えた旅行の復活は、今後数四半期にわたって大きな追い風になると予想している」と語っている。
当四半期の純損失は6,800万ドルで、2020年第2四半期と比較して5億700万ドル、2019年第2四半期と比較して2億2,900万ドルの改善となった。当四半期に予約された宿泊とExperiencesは8,310万で、前年比197%増加し、2019年にはほぼ同じ期間に回復した。キャンセルおよび変更前の総取扱高は、2021年第2四半期に130億ドルを超え、前年比で320%増加し、2019年第2四半期から37%増加した。Airbnbによると、プラットフォーム上のアクティブなリストの数は第2四半期に増加し、ゲストの需要が最も多い地域で最も供給が増加したとのことである。ヨーロッパと北アメリカの都市以外の目的地でのアクティブなリストは、2021年第1四半期から2021年第2四半期に8%増加した。
同社は、ホストのサインアッププロセスを簡素化した今年の5月のプラットフォームの更新と、ホスティングのメリットを宣伝するマーケティングキャンペーンが成長の原因であると考えている。2021年第2四半期の販売およびマーケティング費用は、前年比175%増の3億1,500万ドルであった。ストックオプションおよび買収関連の影響を除くと、当四半期の販売およびマーケティング費用は、前年比164%増の2億9,200万ドルであった。
Airbnbによると、28日以上の滞在と定義される長期滞在は、旅行期間で最も急成長しているカテゴリであり続けている。全体として、予約された総宿泊日数のほぼ50%は、2021年第2四半期の少なくとも7泊の滞在によるものであった。この四半期の短期滞在は、2021年第1四半期と比較してほぼ40%増加した。
Cheskyは、他の100を超えるプラットフォームアップデートと一緒に導入されたAirbnbの柔軟なチェックイン日付機能は、2月以降9千万を超える検索を生み出していると述べた。彼は、この機能を使用しているゲストは、使用していないゲストよりも高い割合でコンバージョンされたと述べた。
見通し
Outlook
パンデミックは継続的な不確実性を生み出すが、Airbnbは、2021年第3四半期の収益が最も強力な四半期収益と、これまでで最高の調整済みEBITDAドルとマージンを提供すると予想している。「世界はかつての状態に戻ることは決してない。そしてそれは、旅行が以前の状態に戻ることは決してないことを意味する。2021年の私たちの唯一の優先事項は、来たるべき旅行のリバウンドに備えることである。これを行うために、コアサービスのエンドツーエンドのエクスペリエンスを完成させている。これには、ホスティングについて世界を教育し、より多くのホストを募集し、ゲストエクスペリエンスを簡素化し、世界クラスのサービスを提供することが含まれまる」とチェスキーは言う。(8/12 https://bit.ly/3iMAsG4 )
16. 8月9日の週の資金調達記事
· マイクロモビリティVoi
マイクロモビリティプラットフォームVoiは、シリーズCラウンドに4,500万ドルを追加し、合計で2億5,000万ドルとした。最新の投資は、既存の投資家であるVNV Globalと新しい投資家も関与するRaine Groupが主導した。スウェーデンを拠点とするVoiは、投資は電動スクーターのフリート、新しい市場への拡大、駐車場と安全ソリューションの研究開発に向けられると述べている。Voiによると、電動スクーターの需要はかつてないほど高まっており、前年比で70%増加している。また、同社はヨーロッパの認可された市場の40%以上を獲得しており、現在、週に200万回の乗車を促進しているとも述べている。Voiは、2020年12月にシリーズCの資金調達で1億6,000万ドルを発表し、ヨーロッパ全体に投資を拡大することを計画していると述べた。ドイツを拠点とするeスクーターのライバルであるTierも投資家の注目を集めており、このスタートアップ は6月に拡張に向けて6,000万ドルの資金調達を発表した。この債務ファシリティは、2020年11月に発表されたTierのシリーズCラウンドの2億5.000万ドルのオントップとなる。(8/9 https://bit.ly/3lMwLCl )
· アクセシブル・トラベルOTA Wheel the World
Wheel the Worldは、障害を持つ旅行者が滞在する場所、やること、数日間の旅行を予約するためのプラットフォームであり、シードラウンドで200万ドルを調達した。Chile Global VenturesとDadneo は、Play Tech CenterとYouTube CEOのSusan Wojcickiのサポートを受けてラウンドを主導した。2018年に設立されたWheel the Worldのサイトでは、世界中の50以上の目的地で宿泊施設、観光名所、旅行を提供している。また、ホテルの部屋やベッドの測定値など、ボランティアから提出された詳細情報をユーザーが旅行体験に適しているかどうかを判断するのに役立つ“Accessibility Mapping System”も備えている。 同社は、資金を使って新しい目的地と体験を市場に追加すると述べている。「Wheel the Worldは、障害を持つ人々の旅行業界に革命を起こすために存在している」と、共同創設者兼CEOのAlvaro Silbersteinは述べる。腰から下が麻痺しているSilbersteinは、クラウドファンディングキャンペーンの助けを借りて友人のCamilo Navarroとチリに旅行した後、2人で一緒に会社を設立するように促された。これにより、Silbersteinはハイキングコース用の特別な車椅子を購入できた。 「この投資により、プラットフォームを開発し、世界中の何千もの目的地のアクセシビリティをマッピングすることで、顧客体験を継続的に改善することができる。私たちは、10億人を超える障害者に、安全かつ自信を持って世界を探索する力を与えることに情熱を注いでいる」とCOOを務めるNavarroは言う。(8/10 https://bit.ly/3jDvr1Y)
· 欧州カーシェアリングKarshare
英国で運営されているピアツーピアのカーシェアリングアプリであるKarshareは、300万ポンドを調達した。資金は、既存の投資家であるFullbrook Thorpe、Adjuvo、エンジェル投資家、およびSaracens Football Rugby Clubの所有者であるNigel Wrayから提供される。Karshareによると、プラットフォームを通じた賃貸収入は、今年の初めからブリストル、マンチェスター、コベントリー、ロンドンで毎月45%増加している。現在、同社はこれらの場所を拡大し、バーミンガムやリーズを含む英国中の他の都市で立ち上げることを計画している。 Karshareは、モバイルアプリを通じて、顔認識テクノロジーを使用してユーザーを認証し、車のロックを解除する。アプリは仮想キーとしても機能し、走行距離と燃料レベルを記録する。同社は、損傷や故障をカバーする保険を提供している。カーシェアリングの機会は膨大である。英国には3,300万台の自家用車と150万台の登録済みバンがあり、平均してこれらの車は96%の時間アイドル状態になっている。Karshareの創設者兼CEOであるAndy Hibbertは、「私たちの将来のビジョンは、道路上の車両がはるかに少なくなることである。私たちが持っている車両は、複数のユーザーが必要な旅行にアクセスできるように共有されている。基本的に、所有権からユーザーシップへの移行。持続可能性のメリットは計り知れない。カーシェアリングごとに、最大24台を道路から外すことができる。カーシェアリングは、ネットゼロへの移行において重要な役割を果たす。これにより、英国の道路に必要な車が50%少なくなり、EV [電気自動車]への移行が進むにつれて、これらのメリットは拡大し続ける」 と述べている。Hibbertは、空港を拠点とするカーシェアリングサービスであるCar&Awayの創設者兼最高経営責任者でもある。このサービスを利用すると、休暇中に車を借りることができる。(8/9 https://bit.ly/3s4ZweJ)
· コミュニケーションマーケティングSendSquared
ホテルやリゾート向けのマーケティングコミュニケーションプラットフォームであるSendSquaredは、100万ドルのシード資金を調達した。 ミネアポリスに本拠を置く会社への投資は、プライベートエクイティ会社のCobalt Capital Partnersからのものである。 SendSquaredは、資金を使って製品を強化し、販売、マーケティング、製品開発チームを拡大すると述べている。 同社の創設者兼最高経営責任者であるNicholas Wegenerは。 「SendSquaredは、ゲストを数字ではなく人のように扱うマーケティングプラットフォームのニーズを満たすために作成された。データを活用してゲストの興味や好みをよりよく理解し、関連する効果的なマーケティングを作成するシステムである」と述べている。 Cobalt Capital Partnersの創設者であるJudy Vijumsは、2018年に設立されたこのスタートアップを、「リゾートやホテルがキャパシティと価格をより細かく管理し、より良い顧客体験を生み出すのに役立つように設計された強力なマーケティングプラットフォーム」と説明する。 SendSquaredは、ホテル、リゾート、バケーションレンタルマネージャーがゲストデータを使用して、さまざまなチャネルで顧客とやり取りする方法を改善するのに役立つ。(8/11 https://bit.ly/3jPO8zs )
· マイクロモビリティHumanForest
マイクロモビリティプラットフォームHumanForestは、シリーズA前の230万ポンドの資金調達ラウンドを終了した。来月ロンドンで電動自転車サービスを開始する予定の同社は、昨年末にクラウドファンディングキャンペーンを通じて130万ポンドを調達し、総資金は450万ポンドになった。元CabifyのエグゼクティブであるAgustin Guilisastiによって設立され、Cabifyの創設者によって支援されたHuman Forestは、ユーザーが電動自転車を使用する前後に広告を出すことで収益を上げている。これにより、会社は顧客に無料の短い間のサービスを提供することができる。HumanForestは、ゼロエミッションで稼働していると述べており、電動自転車は最大7,000回の乗車で、1日あたり約4トンのCO2を回避できると考えている。 同社は、今後数週間で有名ブランドとのパートナーシップを発表する予定である。HumanForestの創設者兼CEOであるAgustin Guilisastiは、「私たちは、成功した立ち上げと迅速な顧客獲得により、投資家へ報いることを楽しみにしている。真にグリーンな運用を3か月行った後、EBITDAはプラスに達すると予想している。 マイクロモビリティを含む世界の共有輸送(global shared transport)は、2030年までにライドヘイリングを上回り、このセクターは78億ドルから4,800億ドルに成長すると予想されている」と述べている。(8/12 https://bit.ly/3iIiN2q )
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