ロンドン旅行ガイド

 

12 博物館 1 大英博物館

 

人生の囚われる鎖は、自分が生み出す

 

(英 小説家 ディケンズ)

 

今回からは博物館めぐりです。第1回目は言わずと知れた大英博物館の紹介です。

 

ロンドンには数え切れない博物館があります。これらは万人受けする博物館と狭い分野の愛好者向けの展示館に分けることができます。

 

博物館の紹介については万人受けする博物館から始め、専門分野で蒐集された品々が並ぶ博物館を後半で紹介する予定です。

 

 

大英博物館の概要

 

大英博物館は世界の大英博物館であり、ここだけを目的としてロンドンを訪ねる旅行客もいると思います。収蔵点数は800万点といわれ、歴史上はじめて世界を制覇した大英帝国の遺産ともいえるものです。正式には「Buritish Museum」と呼んでいますが、ロンドンでは、一部でだけかも知れませんが、(The Museum)とも呼んでいます。この呼び方が世界の大英博物館だからなのか、イギリスが英語発祥の地で最初に使われた(Museum)という言葉が当初はこの施設を指していたものを、名前が一般的な名詞として世界に広まったのかは定かではありませんが、一般名詞が固有名詞として使われるのには驚きです。

 

 

世間では大英博物館を盗品の巣窟だと言われる方もいます。現にエジプトからロゼッタ・ストーンの返還請求があるのも事実です。多国間の課題ですので、ユネスコ条約に基づいて協議対象については協議されていること、イギリスに置かれたことで学術研究が進んだこと、文化財に対する保護がなされ、現に中東で起こったアッシリア遺跡への破壊行為をふくむ文化財に対する環境保全の悪化から逃避できているという意見もあります。

 

ヨーロッパのみならず、中東、アフリカ、インド、オセアニア、東アジア、南米をはじめとする世界中から蒐集された古美術品や考古学上の発掘品の多くがこの博物館に集まっています。研究者はもとより、考古学に興味のある人であれば1日歩き回っても時間が足りないほど豊富な展示物です。

ここは国の博物館で、イギリスには大英博物館を管理する法律があります。博物館ですので、蒐集されたあらゆる種類のものを展示していますが、自然科学に関わるものは後述の自然史博物館に移管され、図書類は大英図書館に収められることになり、現在の保管、展示は考古学の発掘品や美術品が中心となっています。

 

有名な展示物

 

① 【パルテノン神殿のレリーフ】ギリシャ時代、ローマ時代の壁面彫刻や彫像:部屋  #12~#15, #17, #18, #23(部屋番号)

② 【アッシリアの宮殿レリーフ】イラクにあるアッシリア遺跡から出土した壁面彫刻や彫像:部屋 #6 ~ #10,

③【シバ神】インドの古代の宗教関係発掘物 : #33

④【ミイラ棺】エジプトの遺跡発掘物、ミイラや石像など:#61 ~ #66

⑤【ロゼッタ・ストーン】古代文字の解読を可能にし、辞書となった3種の文字で書かれた石碑。: #24

その他、アフリカ各地での発掘物、中国、朝鮮半島、日本の諸物と枚挙にいとまがありません。ゆっくり回ると1日あっても足りませんので、興味のある方はyoutubeやホームページで予め見るものを決めてから、館内地図と照らし合わせながら見て回るといいと思います。館内にはコーヒーショップもありますので、見学中でも休憩は可能です。   大英博物館_館内マップ(公式)

 

交通と入場案内

 

大英博物館は市の中心部にあり、交通の最寄り駅はトッテナム・コート・ロード駅(地:セントラル、ノーザンライン)で、5分程度歩いたところにあります。トッテナムコートの西側は繁華街のソーホーで、オックスフォードサーカスまでは地下鉄1駅分の距離がありますが、生地で有名なデパート、リバティにも歩いて行けます。

大英博物館は現在オープンしており、クリスマス時期(12/24-12/26)以外、毎日10:00-17:00開館。入場料は無料です。

「British Museum in London England Virtual Tour」

Island Hopper TVさん (4min)

大英博物館の公式youtubeページを紹介します。ここにはたくさんの動画がアップされていますので、特定分野の陳列を英語解説とともに見ることができます。    大英博物館_展示品youtube案内(公式)

グーグルマップ上でバーチャルツアーができますのでこちらも紹介します。    大英博物館_館内案内(グーグルマップ)