旅物語 国内 第5回 岩手県(盛岡「五百羅漢」と中尊寺)(2014年 11月)

2015年9月1日

 

(写真・文、 光岡主席研究員)

 

 今回は国内”小旅”です。 昨年の晩秋、盛岡を訪れた際、立ち寄った盛岡市内の「五百羅漢」と“岩手”の語源となった「三ツ石」、そして、帰り道に40年ぶりに訪れた世界遺産「中尊寺」です。


 「五百羅漢」 は、1394年に南部藩主によって建立された曹洞宗の「報恩寺」にあります。
「五百羅漢」は499体が現存し、1731年から4年をかけ、京都の仏師9人によって製作され、盛岡に運ばれたそうです。
 「羅漢堂」の内部は、お釈迦様の悟りの世界を表現した荘厳な「華厳法界」です。
 晩秋の夕刻、たった一人であくまでも静寂なお堂の中で、四方から「五百羅漢」に凝視されると、若干の戦慄と共に幽玄の世界に心が震えました。


盛岡・報恩寺・五百羅漢



羅漢堂・本尊・釈迦牟尼仏

天井には、龍の絵が

五百羅漢

報恩寺・山門



岩手県の”岩手”の語源をご存知ですか?

 

 昔、この地方に羅刹という名の鬼が居て近在の人々や旅人をおどしていた。
 そこで人々は三ツ石の神にお祈りをして鬼を捕らえてもらい境内の巨大な三ツ石に縛りつけた。鬼は二度と悪事を働かない、またこの地方には二度と来ないと誓ったので、その約束の印に三ツ石に手形を押させ、逃がしたと言う。
 この“岩に手形”から、この地方は“岩手”と呼ばれるようになったと言う。
 鬼が退散したことを祝い、三ツ石の神に、人々は踊って感謝の気持ちを捧げた・・・これが“さんさ踊り”の起源となったと言う。

三ツ石神社 全景

三ツ石



盛岡からの帰り道、世界遺産「中尊寺」を訪ねました。藤原3代の栄華を改めて堪能しました。


 「金色堂」は言うまでもなく、数々のお堂が素敵です。


中尊寺本堂
ご本尊・釈迦如来

金色堂


大日堂


薬師堂


釈迦堂


中尊寺・白山神社 能舞台




中尊寺・梵鐘