2015年7月1日
(写真・文、 光岡主席研究員)
昨年7月末、49年ぶりに復活した祇園祭「後祭」の山鉾巡行を見に京都を訪れました。
蛤御門の変で焼失した「大船鉾 」が150年ぶりに復活、その雄姿を現しました。
どの山鉾も13~17世紀に、欧州、シルクロード、インドで作られた国宝級のタペストリーで豪華絢爛に飾られています。 動く世界の美術史です。
淡々と‘’本物の美‘’を今に伝え発信する京都中世の豪商と町衆、現代京都市民の底力に感動します。
150年ぶりに復活した「大船鉾」
豪華なタペストリー
南観音山 (みなみかんのんやま)
平安時代、都に流行った疫病退散のため行われた朝廷による「御霊会(ごりょうえ)を由来に、1100年以上続く、今は、八坂神社(祇園さん)のお祭りです。
中世以降は、町衆の娯楽要素も加わり、豪商・町衆の心意気を伝える豪華絢爛なお祭りとなりました。 日本の祭りの原型です。
南観音山 (みなみかんのんやま)
長刀鉾 (なぎなたほこ)
曜日に関係なく、毎年、
前祭は、宵山:7/14~16、 山鉾巡行:7/17 23基
後祭は、宵山:7/21~23、 山鉾巡航:7/24 10基 と、1ケ月をかけて行われます。
山鉾巡行も勇壮で必見ですが、祇園囃子の流れる宵山に、町々に置かれる山鉾を見学に、浴衣を着て団扇で仰ぎながら、歩けないほどの人ごみの中、町々を巡るのが、最高の風情です。
蒸し暑い京都の夜は、30~40万人もの見物客で更に熱く盛り上がります。
浄妙山 (じょうみょうやま)
役行者山 (えんのぎょうじゃやま)
宵山の写真は2012年のものです。
宵山
祇園祭の後、炎天下の宇治を訪ねました。
世界遺産で国宝の「平等院鳳凰堂」、関白・頼通が平安絶頂期に欣求浄土を願い建立した寺院、2年の化粧直しも終了し、美しく優雅です。
赤い鳥居は宇治のもう一つの世界遺産の「宇治上神社」、平等院の鎮守社でした。
宇治上神社・狛犬
宇治・平等院
宇治上神社鳥居
「興聖寺」は、曹洞宗の開祖道元が開いた禅道場、大きな寺院ですが、他の観光客に会うことなくゆっくりと参拝見学が出来ました、仏像も建物も庭園も絵画のように綺麗なお寺です。
興聖寺山門
興聖寺境内
興聖寺・琴坂
興聖寺・木魚
興聖寺・座禅堂
禅宗・黄檗宗の萬福寺は、中国「明」から來朝した隠元禅師により開かれました。
壮大な境内、建築群は中国様式です。全てを見るには半日以上必要です。
「いんげん豆」はこの隠元禅師が日本に伝えたと言われています。
萬福寺・大雄寶殿(だいおうほうでん)―本堂
萬福寺横門から開山堂を臨む
隠元禅師像
萬福寺・回廊
魔除けの桃の飾り
十六羅漢像
宇治川で、鮎を狙う白鷺
宇治、宇治川は、源氏物語や数々の合戦の舞台となった場所です。
宇治茶・宇治十帖・山紫水明の自然と歴史有る寺社
・・・京都郊外では、嵐山と並ぶ必見の地です。
宇治川と橋、紫式部像