2016年8月29日
(写真・文、 光岡主席研究員)
この7月、千年以上続く「祇園祭」を見てきました。 艶やかさと豪華さは日本一です。
重要文化財級の素晴らしいタペストリーは、シルクロードを通って伝えられた欧州・西域・中国の物、実物です、目を見張る美しさです。
「祇園祭」は八坂神社(祇園さん)の祭礼で、貞観11年(869年)に全国に流行した疫病の退散を願い「牛頭天王(素戔嗚尊)」祀った「祇園御霊会」を起源としています。
今のような豪華絢爛な形になったのは、室町時代以降、京都の町衆(豪商)達の心意気です。
山鉾巡行の順番は「くじ」で決められますが、「長刀鉾」は「くじとらず」と呼ばれ、常に先頭にたちます、唯一、町衆の子弟から選ばれた「生稚児さん」が乗っています。
長刀鉾(なぎなたほこ)と華麗なタペストリー
祭りは、7月の1ケ月間続きますが、最大の山場がこの前祭り宵山と山鉾巡行です。
前祭りには23基、後祭りには10基の山鉾が巡行します。
最大の鉾は12トン、高さは屋根まで8m、鉾頭まで25mと、壮大です。
長刀鉾と生稚児さん
音頭取り
放下鉾(ほうかほこ)と音頭取り
船鉾(ふなほこ)
今年は連休と重なったため人出は、宵山は32万人、山鉾巡航は19万人と世界中からの観光客で賑わいました。
梅雨の合間、宵山は曇り、巡行当日は朝、強い雨が降ったものの巡行時間には奇跡的に雨が上りました。
放下鉾(ほうかほこ)
岩戸山(いわとやま)
函谷鉾(かんこほこ)
芦刈山(あしかりやま)
放下鉾(ほうかほこ)
占出山(うらでやま)
宵山(前夜祭)
宵々々山(前々々夜祭)、宵々山(前々夜祭)と、3日前から、段々に盛り上がって来ます。
月鉾(つきほこ)
「コンコンチキチン」の祇園囃子が祭り情緒を醸し出します。
長刀鉾(なぎなたほこ)
長刀鉾は粽(ちまき)の一番人気、いつも“即完売”です。
京都の最大の幹線道路「四条通」と「烏丸通り」が、夕方からの“宵山”の時間、“歩行者天国”となり、世界中の観光客、無数の屋台でごったがえします。
満員電車の中のような人混みです。
町々をそぞろ歩きし、各々の「鉾」「山」を巡り、「祇園囃子」を聞き、「屏風祭」を見学するのが「宵山}の魅力です。
屏風祭 旧家が秘蔵の屏風や書画を飾ります。
「山伏山」の町会所