2018年4月1日
(写真・文、 光岡主席研究員)
「寺町通り」には、豊臣秀吉の都市計画により洛中から集められた多くの寺社があります。
今日は、その内、小さなお寺社ですが、個性のある2つの寺社をご紹介します。
1.錦天満宮
① 現代のミステリー「隣家の壁に突き刺さる鳥居」
昭和10年(1935)に建てられた鳥居は、その後、鳥居の両端の飛び出た所が考されない
まま都市計画が行われました。 その不備な区割りを元に両側にビルが建ったため、鳥居
の先が両側にビルに突き刺さるといったミステリーが生じ、今もそのままです。 京都の
台所で有名な「錦市場」の東端近くにあります。
鳥居の先が両側のビルに突き刺さっています
隣家のアクセサリーショップの内側から鳥居の先を見た所、
・・・お祀りされています
② 由来は、平安時代の11世紀初頭、菅原道真の生家
「菅原院」に創建、その後、
源融の六条河原院跡地に移り「観喜寺」となりました。
その後豊臣秀吉の都市計画により、現在の錦小路寺町に
移り、更に明治の神仏分離令により神社のみ当地に残り、
「錦天満宮」となりました。
本殿
寺町通りから見た「錦天満宮」入り口
陸奥「塩竃」を愛した源融を祀る「塩竃神社」
京の名水「錦の水」
多くの人が汲みに来ます。
人気の「からくりみくじ」
機械仕掛けの獅子舞がおみくじを選んで届けてくれます。
「遠州流生け花展」
月に一度開催されます、風雅で綺麗でした。
菅原道真ゆかりの“梅”が咲いていました。
2.矢田寺
西山浄土宗の寺、寺伝によれば、平安時代の初め、大和国(奈良)の矢田寺の別院として五条坊
門に創建され、 天正7年(1579)に豊臣秀吉の都市計画により三条寺町に移転されました。
本尊の地蔵菩薩(矢田地蔵)は、2mの立像で、俗に“代受苦地蔵”と呼ばれ、地獄で亡者を救う
地蔵として人々の信仰を集めています。
寺町通りから見た「矢田寺」入り口
「矢田寺(矢田地蔵)本殿
「送り鐘」
矢田寺の“梵鐘”は、「六道珍皇寺」の“迎え鐘”に対し、
“送り鐘”と呼ばれ、死者の霊を迷わず冥土に送るために
撞く鐘として信仰されています。精霊送りには多くの参
拝客で賑わいます。
送り鐘
お札/地獄で亡者を救うお地蔵様
怖い絵です!
「かぼちゃ供養」
・・・毎年12月23日に行われます。
本堂前に置かれた「かぼちゃ」を撫でて、無病息災を祈願します。
大釜で甘辛く煮た“かぼちゃ”が無料で参拝者に振る舞われます。
冬至に“かぼちゃ”を食べると中風除けにご利益があると言われています。
普段静かなお寺がこの日は混み合います。